このデッキはこんな人におすすめ! |
●安くて楽しいデッキが欲しい! ●いっぱいカードを引きまくりたい! ●マジでどう使ったものかわからないカードがある ●イラストに女が描いてるだけでカードを買うタイプだ |
こんにちは。あるいはお久しぶりです。『格安デュエマ研究所』研究員の北白河と申します。
巷では新パックでてんやわんやですが、今日も今日とて格安をやっていこうと思います。
第103回目となりました当企画『格安デュエマ研究所』。
その名の通り、安くて楽しいカードを活かして格安デッキを研究する…という企画となっております。
今回の主役はこちら。
《 Eine k’Reine 》(110円)です。
……先に言っておきます。このカード、めっっっっちゃくちゃ使いにくいです。
今回はこのカードが抱える矛盾について語りながら、何とかこのカードを活かしたデッキを組んでいきます。
例によってもう少し財布に余裕のある方向けの改造パーツなども紹介しておりますので、ぜひぜひ最後までお付き合いくださいませ。
目次
はじめに:この企画のルール
当企画『格安デッキ研究所』は、ガチまとめライターが持ち回りで低予算デッキを構築・紹介していく企画です。
何をもって「低予算」とするかは難しいところですが、当企画では「シングル価格の合計がクロニクルデッキの定価(=およそ5000円)以内」という基準を設けさせていただきます。
開発部セレクションデッキなんて知りません。
(シングル価格は、執筆時点(2023/4/25)のカーナベル通販価格において最も安いバージョンの状態A(最高品)相当として計算)
もちろんすでに持っているカードを使ったり、カード状態にこだわりがなければ、さらに安く構築することも可能ですね。
また、忘れてはいけないのが『安いデッキは高額デッキの代用品ではない』ということ。あくまで「安いけれど強い・面白い」と言えるような、独自性のあるデッキを追い求めていこうと思います。
ここで強さについての言い訳をしておくところまでがテンプレです。
デッキのコンセプト
まず、このカードのテキストを確認していきましょう。
■シビルカウント3:自分の水のクリーチャーまたは水のタマシードが合計3つ以上あれば、このクリーチャーを召喚するコストは3少なくなる。
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の手札が4枚以下なら、5枚になるようカードを引く。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
なるほどなるほど。生物やタマシードをたくさん出して手札を消費してシビルカウントを達成。その消費ぶんをこのカードで補填する……というデザインなわけですね。
この一見実に噛み合ったデザイン意図には、とある致命的な矛盾が存在します。
「手札を増やすデッキ」で使いたいドローカードであるにもかかわらず、真価を発揮するためには「手札を減らすこと」を要求してくるのです。
ドローしながら展開を行うタイプのカードは、同じ役割のドローを多数投入して連鎖的展開を狙っていくのが常道。最終的には、「展開しているにもかかわらず手札が増える」という状況を作るのが理想なわけです。
具体的には【青単リーフ】なんかがこのタイプのデッキですね。研究所でも最初の方にやりました。
しかしこの《 Eine k’Reine 》というカードは、手札がピンチの時にのみ輝くカード。
わざわざピンチになるような状況に自身を追い込んで使うくらいなら、そもそもそうならないようにデッキを組んだ方がどう考えても早いんですよ。
つまり、このカードはいかにも【青単リーフ】強化っぽい顔をしておきながら、全くそうではないのです。
となると、このカードを活かすには単純なビートではなくなんかしらの「生物と手札が両方必要になるデッキ」が必要になってきそうです。
となれば探すべきは、おそらく「手札を超軽くめちゃくちゃ切れるカード」。
となれば、まあこいつでしょう。
《 神出鬼没 ピットデル 》。手札と引き換えに0マナで飛び出るこのカードがあれば、手札枚数を一時的に減らしつつ盤面にクリーチャーを用意できます。シビルカウント達成を狙うのにもいいですね。
ただ、これでは捨てて引いてるだけなので実質トントン。なんとかしてこれを収支プラスに持っていけたらいいんですが……
ここはムゲンクライム持ちに頼りましょう。後々墓地から召喚すれば、手札消費は実質ゼロです。
おあつらえ向きにムゲンクライム2で出せる手札補充持ちやルーターがいるので、このあたりを活かせばそこそこ想定ムーブができるんじゃないでしょうか。
こうしてアイネで得をしつつ(引けなかったら順当にムゲンクライム持ちを並べて)盤面が並んだら、0マナ3ドローこと《 電脳呪文「ブレイン」 》も採用圏内。
手札や盤面が揃えば揃うほどムゲンクライムもやりやすくなり、モリモリ生物が並んだ後に出すと強そうなのが……
やっぱり、お前になるのか……!
というわけで、完成したデッキがこちらになります。
デッキレシピ:ズルい女
総額は3940円。
というわけで、カード解説に入っていきましょうか。
採用カード解説
今回の主役
《Eine k’Reine》
【 クリーチャー 】
種族 マジック・スプラッシュ・クイーン / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
■シビルカウント3:自分の水のクリーチャーまたは水のタマシードが合計3つ以上あれば、このクリーチャーを召喚するコストは3少なくなる。
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の手札が4枚以下なら、5枚になるようカードを引く。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
110円
このデッキの主役にして、3ターン目か4ターン目にしか出すチャンスのない女です。ちょっといい女、だけどズルい女ですね。
序盤から全力で手札を切ってシビルカウントを達成し、最低3枚くらいカードが引けるように動いていきましょう。
ちなみに二体目を出すことはまずありません。2体目以降はおおむねピットデルに食われるかマナに送られてBye Bye ありがとう さようならします。
《神出鬼没 ピットデル》
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー2000 / コスト4
■コストを支払う代わりに水のカードを2枚自分の手札から捨てて、このクリーチャーを召喚してもよい。
■ブロッカー
120円
アイネのために必死こいて手札を捨ててくれる、厄介ファンです。
とはいえ、ムゲンクライム多めのこのデッキならば捨てるカードには困らないはず。せいぜい頭数になってもらいましょう。
ちなみに、「こいつを出さないと後続をムゲンクライムできない!」ってケースでなければ出せるなら1ターン待つのが正着になることもあります。ムゲンクライムで寝かせる分には召喚酔いしませんから、ターン最初のドローを見てからカードを捨てられてお得です。
ムゲンクライムの方々
《戯具 ザンボロン》
【 クリーチャー 】
種族 マフィ・ギャング / チーム零 / 文明 水 / パワー3000 / コスト1
■このクリーチャーは攻撃できない。
■「ムゲンクライム」能力を使ってこのクリーチャーをタップした時、カードを1枚引く。
50円
一番優先したい1マナ域にして、ムゲンクライムで寝かせるとお得な一枚です。
とにかく手札の数が肝心ですので、最優先で寝かせていきましょう。
《罪無 ミズゲム垓》
【 クリーチャー 】
種族 マフィ・ギャング / チーム零 / 文明 水 / パワー4000 / コスト3
■ムゲンクライム 2(自分のクリーチャーを2体タップし、 [ww02]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚引き、その後、自分の手札を1枚捨てる。
50円
ムゲンクライム持ちの中では一番弱い、ルーター生物です。入れ替え候補。
ギリギリ素出し圏内のコストであることは覚えておいて損はない……と思いますよ。
《罪無 ビカビカ兆》
【 クリーチャー 】
種族 マフィ・ギャング / チーム零 / 文明 水 / パワー3000 / コスト4
■ムゲンクライム 1(自分のクリーチャーを1体タップし、 [ww01]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
50円
1マナで出せるのが最大の売りの一枚です。見ての通り頭数稼ぎに最適!
余ったマナで出して、次なるムゲンクライム要員に充てるのが丸そうですね。
《罪無 ウォダラ垓》
【 クリーチャー 】
種族 マフィ・ギャング / チーム零 / 文明 水 / パワー2000 / コスト5
■ムゲンクライム 2(自分のクリーチャーを2体タップし、 [ww02]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを2枚引く。
50円
超シンプルにカードが引けてお得なムゲンクライム持ちです。
1ターン目《 神出鬼没 ピットデル 》で捨てて1マナ生物を出す→2ターン目墓地からムゲンクライムしてドロー……というのが、このデッキの理想ですね。
頭数の1マナのみなさん
《封魔ダンタリオ》《生意気な衛兵 メダカ》
【 クリーチャー 】
種族 グランド・デビル / 文明 水 / パワー1000 / コスト1
■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
90円
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー1000 / コスト1
■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい) ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
75円
さすがにムゲンクライムだけではデッキが回らなかったので渋々採用した、1マナ生物です。マジで頭数以外の何物でもありません。
選考基準は、「トリガーであること」。相手に殴られながらシビルカウントを稼げるカードは……と考えた結果です。
「ゼロ」
《電脳呪文「ブレイン」》
【 呪文 】
文明 水 / コスト5
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい。)
■シビルカウント4: 自分の水のクリーチャーまたは水のタマシードが合計4つ以上あれば、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
■カードを3枚引く。
■自分のターン中にこの呪文を唱えたなら、このターン、自分は呪文を唱えられない。
120円
シビルカウント4を達成すると3ドローに変わる引換券です。
1ターンに1回までとはいえ、さすがにここまでカードを引けるならそりゃ使いたいでしょ!
アイネで殴って勝つのは無理でした
《伝説の正体 ギュウジン丸》
【 クリーチャー 】
種族 ジ・アンサー / 文明 水 / パワー71000 / コスト71
■天才シンパシー―水のクリーチャー(このクリーチャーの召喚コストは、バトルゾーンにある自分の水のクリーチャー1体につき10少なくなる。ただし、コストは0以下にはならない。)
■ワールド・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚されてバトルゾーンに出た時、相手は自身のクリーチャーをすべて山札に戻してシャッフルする。
相手がこうして6体以上山札に加えたなら、自分はゲームに勝つ。
270円
7体並ぶと1マナで出てきて全体除去を放つ、ワールドブレイカーです。これがないと勝てませんが、あるとまあだいたい勝てます。よかったですね。
このバージョンだけなぜかめちゃくちゃ安いので、見た目にこだわりがないならこれでいきましょう。
このデッキの回し方
①:とにかくシビルカウント3を達成せよ!
最初にすべきは、とにかく盤面を並べること。
目標……というか理想は、2ターン目までに盤面に生物を3体並べることです。デッキの4割を占める大量の1マナ生物を並べるのが正攻法ですが、《 神出鬼没 ピットデル 》がいるとちょっと楽です。
ピットデルを使う際は、可能な限りムゲンクライム持ちを捨てておくと、あとで墓地からムゲンクライムできてお得ですよ。
もちろん、余裕があれば《 戯具 ザンボロン 》でムゲンクライムしてカードを引いて行ったりするのも忘れずに。
手札に残しておきたいカードは一番が《 Eine k’Reine 》、その次に《 伝説の正体 ギュウジン丸 》《 電脳呪文「ブレイン」 》あたりですね。
②:減った手札を、アイネかブレインで補充!
3ターン目頃にシビルカウント3を達成すれば《 Eine k’Reine 》が、4を達成すれば《 電脳呪文「ブレイン」 》が解禁!
ここまでで手札はがっつり減っているでしょうから、とにかく手札を回復させていきましょう。
ちなみに、アイネを3マナで出しているとシビルカウント4が達成できているはずなので、アイネ→ブレインという流れでカードを引きまくれます。たのしい!
③:そのまま7体並べて天才シンパシー!
あとは増えまくった手札からさらに展開し、盤面に生物を7体揃えて1マナで《 伝説の正体 ギュウジン丸 》を召喚して雑に暴れるだけです。お疲れ様でした。
……ただ、どうしてもギュウジン丸が引けない場合は……《 Eine k’Reine 》とその他雑兵で殴りまくる、しかなさそうですね。人は殴れば死ぬのです。
採用候補のカード
ぶっちゃけかなり無理をしている構成なので、あんまりいじれるところはないんですが……強いて言えば。
《∞龍 ゲンムエンペラー》
【 クリーチャー 】
種族 ∞マスター・ドラゴン / チーム零 / 文明 水/闇 / パワー∞ / コスト∞
■ムゲンクライム 4(自分のクリーチャーを4体タップし、 [wd04]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
■∞ (ルビ:インフィニティ)ブレイカー(「∞ ブレイカー」を持つクリーチャーは、相手のシールドを好きな数ブレイクできる)
■ブロッカー
■コスト5以下のクリーチャーの能力とコスト5以下の呪文の効果を無視する。
2980円
手札と盤面を稼いでムゲンクライムを狙うデッキですので、《 新世界王の破壊 》なんかを採用してフィニッシャーをこちらに切り替えることもできると思います。
文明が足せるので、言わずもがな構築選択肢も増えますね。2マナ多色の手札入れ替え軍団を積むパターンも出てきそうです。
あとは……《 罪無 ミズゲム垓 》が微妙ならば、受け札となる《 罪無 ドロキオ垓 》や、追加の1マナ域なんかにするのも悪くないかと。
こういう「デッキの37-40枚目」みたいなところに何を積むかで、各自の人間性が出てきますね。
おわりに
というわけで、困ったちゃんでした。今回はちょっといろいろあって締め切りがめちゃくちゃ短かったので薄味でしたね。
一見いかにも相性のよさそうなカードが、実はそうでもない……ということはよくあります。先入観に捕らわれずにカード単体を見れるようになると、この手のデッキを組むうえで何かと捗りますよ。
……まあ、それができないから苦しんでるんですが。
「実際に組んでみた!」「こんな改造はどう?」「結局Youtuberたちと同じ勝ち手段しかなかったんだ」などなど、感想やアイディアがあれば#格安デュエマ研究所でツイートしていただければ幸いです。
それでは、次の記事で。北白河でした。