はじめまして!女子高生カードゲーマーのモカと申します!普段はマジック:ザ・ギャザリング(MTG)を中心にプレイしており、中学生の時にはユースアンバサダーとして、デュエマやMTGのふるさと、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト本社に招待されました。
こちらはシアトルの街並み
そして、
ウィザーズ社です!
現地では実際に《開発部の守護者 ミッチー》や《モンスのゴブリン略奪隊》の元ネタ、モンスさんとお会いしました!
デュエマにも、MTGのコラボカードがいくつか登場していますね。代表的なのは《ニコル・ボーラス》や《Black Lotus》でしょうか。人気が(あと値段も……)高いですよね!
そんな中で、《精神を刻む者、ジェイス》は、ボーラスと並ぶデュエマコラボ第一弾でありながら、ボーラスと比べてなんだかちょっと影が薄いような……。
しかし、MTGのジェイスはとっても強くて、とっってもエモいキャラなんです!!影が薄いなんて、納得できない!!というわけで、今回はその話をさせていただきたいと思います!!
目次
①MTGでのジェイスって?
ご存知の方もいるかもしれませんが、MTGのジェイスは実はクリーチャーではありません。異世界を渡り歩く能力者、「プレインズウォーカー」というカードタイプなんです!デュエマでは種族として書かれていますが、MTGでは彼らは毎ターン様々な能力を使って助けてくれる、頼もしい仲間という立ち位置です。
ジェイスもプレインズウォーカーとして、今までに11種類のカードが作られました。中でも多くの大会で活躍し、結果を出しているのが、《精神を刻む者、ジェイス》です。デュエマに登場するジェイスは、このカードが元になっています。
このMTG版《精神を刻む者、ジェイス》は、4つの能力を使い分けられます。4つから選べることで、対応力が抜群なんですよ! 特に4つ目の能力は、指定したプレイヤーのライブラリー(山札)を吹き飛ばす強力な必殺技。その強さから、ファンからは「神ジェイス」と 呼ばれることもあるんです!
一方、デュエマのジェイスは4つのうち、2段目と3段目の能力しか再現されておらず、それぞれ登場時と攻撃時に限定されています。 もし奥義も再現されていたら、評価はまるで違ったのかもしれませんね!
ちなみに、ジェイスのカードは他にもたくさんあります。 2020年4月現在、最新のジェイスは2019年に出た『灯争大戦』のジェイスです。ジェイスが初めてカードになったのは2007年なので、10年以上登場し続けていることになります。デュエマにも、ドギラゴンやジョニーなど、同じ人物が何度もカード化されている例はありますが、これほど長く登場し続けているキャラクターは珍しいのではないでしょうか?
さらにこの『灯争大戦』は、日本語版にはプレインズウォーカーが限定イラスト版で封入されていることがあるんです!もちろんジェイスもいますよ!かっこいいですね!
《水上第九院 シャコガイル》のような、「山札が切れると特殊勝利」という能力で、大会でも活躍しています!
ジェイスの強みはこういった点ですね!でも、ジェイスの本当にエモくて伝えたいポイントは、彼のストーリーについてなんです!さっそく語っちゃいますね!!
② ジェイスの物語 ~旅立ち編~
ジェイスは、生まれつき精神魔法を使うことに長けていました。
幼い頃はその力を制御できず、父親には疎まれ、同年代の中でも浮いていました。ある日、そんなジェイスへの嫌がらせがエスカレートし、命の危機を感じたジェイスは、相手の精神を破壊してしまいます。
この事件がきっかけとなり、嫌気がさした父親は、卓越した精神魔法の使い手であるスフィンクスに、修行という名目でジェイスを預けることにしました。
こうしてジェイスはスフィンクスに師事することになりました。
修行の日々のさなか、ジェイスは腕試しをしようと、師匠の記憶をのぞき見します。そこでジェイスは、自分がプレインズウォーカー(=次元を渡る能力者)になっていること、師匠がその記憶を自分から消していたことを知ります。不審に思ったジェイスはもう一度師匠の記憶をのぞき、師匠が故意に戦争を長引かせ、情報を売って利益を得ていたこと、そのために自分が利用されていたことを知ります。
ジェイスは師匠へと戦いを挑みました。精神魔道士同士の戦いは、お互いの精神を破壊しあう苛烈なものでした。
出典:マジック:ザ・ギャザリング公式サイト
師匠から呼吸の仕方を忘れさせることでなんとか勝利しますが、引き換えに故郷の風景や両親の顔を忘れさせられてしまいます。ジェイスは本能的に、違う次元に渡っていました。
③ ジェイスの物語 ~迷走編~
着いた先は都市世界ラヴニカ。ジェイスは精神魔法を使って富裕層の人々の秘密を握り、彼らを恐喝することで収入を得ていました。ある時ジェイスは精神魔法の才能を買われ、プレインズウォーカー達の犯罪組織、「無限連合」に勧誘されます。この組織はニコル・ボーラスによって設立されたものでした。
ジェイスは勧誘に同意し、組織の工作員として働きながら、精神魔法の訓練を受けることになります。ジェイスは工作員として、人を傷つけることをためらいながらも悪事に手をそめていました。パワハラ上司が怖かったからです。これがブラック企業……。真っ黒ですね!
工作員時代の話はもう少しあるのですが、ここでは割愛します。気になる人は調べてみてくださいね!
上司からの要求はどんどん過激になっていき、ジェイスへのパワハラもエスカレートしていきます。それに嫌気がさしたジェイスは無限連合から離反することを決意し、上司を撃退。パワハラから解放されます。お疲れ様!!おめでとう!!疲れた彼は、しばらく多元宇宙のいざこざからも距離を置こうとしていました。
しかし、何かあると首を突っ込んでしまうのがジェイス。彼はラヴニカでも都市全てを巻き込む事件に関わってしまい、その果てに彼はラヴニカの調停者となります。
事務作業に追われたり、プレインズウォーカーの暗殺者に命を狙われたりしつつも、ラヴニカでの生活を続けていたある日、ジェイスは《引き裂かれし永劫、エムラクール》をはじめとする、エルドラージと呼ばれる種族が別の次元で暴れていることを聞きます。
実はジェイスは、無限連合時代にエルドラージの封印の解除に関わっていました。責任を感じていたジェイスは現場へ赴き、他のプレインズウォーカー達と協力して、なんとかエルドラージを倒します。
④ ジェイスの物語 ~漂流編~
エルドラージを倒した彼らは、多元宇宙を守り続ける誓いを立てました。
出典:マジック:ザ・ギャザリング公式サイト
そんな彼らの目の前に立ちはだかる巨悪は、やはりあの《ニコル・ボーラス》でした。ボーラスを一刻も早く倒し平和を取り戻すため、ジェイスと仲間達はボーラスの本拠へと旅立ちます。しかし彼の力は強大で、ジェイス達はなすすべなく敗北。
仲間たちは散り散りになり、ぼろぼろのジェイスは無意識に他の次元に渡っていました。目覚めた時には記憶喪失になっており、無人島に一人ぼっち。
彼は生きるため、自分のことを知るために、島から脱出します。その途中、嵐にあって遭難をしますが、たまたま近くを通りかかった海賊団に救われます。その海賊団の女船長は、なんとラヴニカでジェイスを追っていたあの暗殺者でした。しかし、過去のことを何も覚えていないジェイスは、子犬のように素直な青年になっており、船長・ヴラスカは自分の海賊団で面倒をみることにします。意外と面倒見がいいんですね!
海賊団の一員となったジェイスは、船長であるヴラスカと仲を深めていきました。
海賊団での冒険の果てに、ジェイスはついに記憶を取り戻します。精神魔道士だからでしょうか、彼の記憶は制御できないほどにあふれ出し、ヴラスカにも流れ込みました。自身も過去に迫害されたことがあるヴラスカはジェイスの過去に共感し、ジェイスもまた、ヴラスカへの理解を深めました。同時に、ヴラスカは衝撃の告白をします。ヴラスカがこの次元にやってきたのは、ボーラスの指令によるものだと。
2人の情報を共有した結果、ボーラスはヴラスカが持ち帰った秘宝を使ってラヴニカを襲おうとしていることがわかりました。このままでは、ラヴニカが壊れるか、2人とも殺されるかになってしまいます。そこで、ジェイスは「ヴラスカのジェイスについての記憶を預かり、ボーラスの計画を妨害する」という作戦を提案しました。それに対してヴラスカは、記憶を返された暁には、ボーラスの計画を阻止することに全力を尽くすことを誓います。
このとき、ボーラスを退けた後に2人でデートをする約束をしています。一度は命を狙い、狙われる関係だった2人が、ここまで親密になるなんてエモくないですか??ところで、もしかしてこれ死亡フラグ……?
ジェイスに記憶を預けたヴラスカは、何食わぬ顔で指令を達成したと(実際に記憶がないので本当にそうだと思っていますが)ボーラスへと報告をします。
⑤ ジェイスの物語 ~灯争大戦~
そしてついに、ボーラスとの決戦の時がやってきました。舞台はラヴニカ。他の次元からもプレインズウォーカー達が集まり、打倒ボーラスを目指します。ジェイスとヴラスカも、計画通りにとはいきませんでしたが、再会を果たします。先ほども少しだけ書きましたが、ヴラスカもプレインズウォーカーでしたね。
ボーラスはプレインズウォーカー達を配下に殺させ、彼らの力を吸収してより強大になっていきました。ジェイスとともに戦ってきた大切な仲間を筆頭に、多くの犠牲がありました。
しかし、彼らにチャンスをもらったジェイスは幻影で皆の視覚を遮り、その隙に力を奪われたボーラスは封印されました。やっと、長きに渡る戦いは終わりを迎えたのです。
巨悪を打ち倒したジェイスは、ヴラスカとの約束を果たすことにします。その約束とは……もちろんデートです!灯争大戦でどちらかが死ぬ展開にならなくて、本当に良かった……。余談ですが、ヴラスカは本とコーヒーが好きだそうです。こうして見ると、暗殺者とは言っても、案外普通の人ですね。
この物語は『灯争大戦』で描かれました。灯争大戦、冒頭でも少しご紹介しましたね!つまり何が言いたいかというと……。ヴラスカにも限定イラストがあります!!それがこちら。
こちらもとっても美人ですね!!!
おわりに
いかがでしたか?ジェイス、エモいところがいっぱいだと思いません?彼の魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。皆さんもぜひ、ストーリーとMTGに触れてみてくださいね!
私もまだまだデュエマは勉強中で、わからないことがたくさんあります。また書く機会がいただければ、読者の皆さんと一緒にデュエマを学び、成長していきたいです!いつか、デュエマにも詳しくなって、再びウィザーズ社を訪れてみたいですね。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!!
※記事内のマジック:ザ・ギャザリングのカード画像は特に断りのない限りカーナベル通販サイトから引用しました