はじめに
「みんなでワイワイ盛り上がろう!」という触れ込みで立ち上げられたデュエパーティー。
せっかくなら、デュエマを知らない家族や友達とも盛り上がっちゃいましょう!
というわけで今回は、デュエマ未経験の小中学生にご協力いただき、実際に初めて遊んでもらった際のレポートをお届けします。
デュエマ経験豊富な読者のみなさまも、ご家族やお友達を誘う機会があるかもしれません。初めてのプレイヤーと遊ぶ際のコツや、つまづきやすいポイントを知る参考になれば幸いです。
いささか毛色の変わった記事にはなりますが、どうぞお付き合いください。
目次
ゲームの準備
今回はデュエパーティーについて体験してもらうため、遊びやすいデッキを事前に組んでおきました。まずはそちらのご紹介からまいりましょう!
(対戦レポートは記事の後半になります。「プレイヤーの声を知りたい!」という方は本項を飛ばしてお読みください)
使用デッキレシピ
今回は、すべて2色ディスペクター――以下の4種をパートナーに選んでいます。
それぞれ色の特徴は抑えつつ、『ササゲール』で軽減できる点・『EXライフ』持ちである点は共通します。4デッキすべてに共通のキーワードを持たせることで、ゲームを理解しやすくすることが狙いです。
具体的なレシピは以下。
【ワーグレンツォ】
パートナー:《四真混成 ワーグレンツォ》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / キング・コマンド・ドラゴン / ナイト / 文明 光/水 / パワー8000 / コスト7
■G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
自分が呪文を唱えた時、カードを1枚引いてもよい。
【クラウツインゼ】
パートナー:《双聖混成 クラウツインゼ》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / アーマード・ワイバーン / イニシエート / 文明 光/火 / パワー12000 / コスト8
■G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。
【バルガ・アリタ】
パートナー:《紅封混成 バルガ・アリタ》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / グランド・デビル / ボルケーノ・ドラゴン / 文明 水/火 / パワー6000 / コスト6
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く。)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時または攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがコスト5以下のクリーチャーかコスト5以下の呪文なら、コストを支払わずに使ってもよい。そうしなければ、そのカードを墓地に置く。
【ファタル・エレガンス】
パートナー:《飢限電融 ファタル・エレガンス》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / ポセイディア・ドラゴン / ジャイアント / 文明 水/自然 / パワー9000 / コスト7
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを2体まで選び、持ち主の手札に戻す。
■相手のクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
デッキ構築のポイント
前述した「全デッキでササゲールを使う」以外にも、遊びやすくするために次のようなポイントを工夫しました。
初めてのプレイヤーを誘う際の参考にしてみてください。
1)フレームの統一
デッキ内を俗に言う新新枠、ジョー編以降の通常枠のカードだけで統一しました。カード枠で「なんか違うカード?」と誤認させてしまわないための工夫です。
いわゆる旧枠カードを入れていないことはもちろん、黒トレジャーや銀枠・漫画版イラストなども避けています。
また、魔導具呪文も「特別なカード」という印象を与えてしまうため、今回は採用を見送りました。
シンプルで取り回しの良い効果が多いから、ちょっと勿体ないんですけどね……
2)クリーチャーと呪文のみ
覚える情報を絞り込むため、デッキ内のカードはクリーチャーと呪文だけとしました。進化クリーチャーも不採用としています。
テキスト内で「クリーチャー」「呪文」以外のタイプに言及するカードも採用していません。主にシビルカウント持ちカードが巻き込まれています。
ちなみに、シンプルなツインパクトは少しだけ入れてみたのですが、遊んでみると使い方に戸惑う様子が見られました。
みなさんがティーチングを行う際には、これらも避けておいた方が良いかもしれません。
3)カードパワーの微調整
除去性能の高いカードや、1枚で盤面を制圧できるカードの採用は控えめにしました。
「せっかく出した切り札が除去される」「殴ったら致命的なカードがトリガーする」「盤面が抑え込まれて動けない」……といった体験は、少なくとも初回のゲームとしてはあまり楽しくないと考えたからです。
もちろん、強カードをブン回す楽しさもデュエマの魅力でしょう。二度目・三度目とゲームを繰り返す中で、そうしたカードを追加していくのが良いかもしれません。
……あと、カードパワーの高いカード、だいたい値段も高いので……シャッフル慣れてないときに使うのは、ちょっと怖いよねっていう……
参加者集合&デッキ選択
デッキの準備ができたので、小中学生の面々に無理を言ってご協力いただきました。ありがたや……
参加してくれたのはモカの後輩にあたる3姉弟。
ゆーちん
中2。犬と猫とボードゲームが好き。
さっちん
小5。ヒョウモントカゲモドキとスポーツが好き。
そーちん
小3。イカがナワバリを塗りつぶすゲームが好き。
3人とも、ちょっとだけポケモンカードの対戦キットを触ったことがあるくらいで、トレーディングカードゲームはほぼ未経験とのこと。
さっそくデッキを選んでもらいます。
この4つの中から使ってみたいカードを選んでね!
オーキド博士みたいだ
遊び方は後から言うから、ひとまずは直感で選んでOKだよ
ぼくコレにする!
他のやつ見ないの……?
え~、じゃあやっぱこっち
適当だなあ
じゃあコレ選ぶ!
残りは2種か、ゆーちんどっち?
そっちのやつかわいいカード入ってるよ
さっき手放したじゃんそれ!
コレにする
そしたら残った【ファタル・エレガンス】を俺が使うね
これで4人の使うデッキが決定!
左下に書いてあるこの数字なに?
これがこのカードのパワーだよ
え~待って!これだけ弱いってこと!?
ゆーちんのだけ強い!!
あんた最初に選ぶのやめたでしょ……
対戦スタート!
それじゃあ、一番上のパートナーだけ横にどけて、残りのカードをよくシャッフルして
上から6枚を見ないで並べてね!これが自分を守るシールドになるよ
……と、簡単にゲームの進め方を解説しつつ、対戦スタートです!
※ちなみにこんな感じで、シールドだけ展開してもらって「このシールドを攻撃し合うゲームだよ」って教えると、イメージを掴んでもらいやすいですよ!
厳正なるジャンケン(?)の結果、ターン進行は
- そーちん(【ワーグレンツォ】)
- さっちん(【バルガ・アリタ】)
- ゆーちん(【クラウツインゼ】)
- ばにら所長(【ファタル・エレガンス】)
という若い順に決定。
なお、みなさんがティーチングする際には「今回はお手本のために俺から始めるね!」と、経験者が先手をもらうのも良いかもしれません。
序盤戦
1ターン目はドローとマナチャージのやり方を確認。
一巡しての2ターン目、最初に動いたのはそーちん!
《猛菌 マリフラ-1》が着地します。
え~、こいつ攻撃できないの!?
一方、ゆーちんは《チャラ・ルピア》を召喚!これは良い初動か……!?
待ってずるい!こっちだけコスト2いないんだけど!
などと不満を言いつつ、続く3ターン目にはさっちんの《モエル・モヒッチ》が登場。《チャラ・ルピア》を除去します。
思った以上に一進一退になってる……!
あっ俺は《青銅の鎧》、出た時の効果で1マナ増やすよ
……!?
何それ!!
ずるーい!!
これが……ヘイトを稼ぐというやつ……!
ドローを巡る中盤戦
各人がクリーチャーを展開しつつ4マナ域に到達。ゲームは中盤戦に進みます。
まずはそーちんがドロー付きブロッカー・《光輪の精霊 ピカリエ》を召喚!
強っ
コストがあれば何でもできる!
名言が生まれた
《火炎幻竜星弾》、《ピカリエ》を破壊します
あああ~!ぼくのブロッカーが!
じゃあ俺も、《掘師の銀》でそーちんの《マリフラ-1》をマナ送り
あああ~!ぼくのブロッカーが!!
ブロッカーいない隙に、《青銅の鎧》でそーちんに攻撃
あーあ
壊されたシールドは、持ち主の手札になるよ
そしたらぼくのターン、コイツ出すね
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》!?
ここで、かつて殿堂入りを果たした強力クリーチャーが登場!
敵味方どっちでも、クリーチャーが出るたびに1枚引ける強いカードだよ!
いえーい
《 伝説の秘法 超動 》
そーちんの今出した《ミスト・リエス》破壊で
ひどい!!
よくやってくれたー!!
今日のヒーローは私だ!
ついでに《モエル・モヒッチ》でその《青銅の鎧》も殴っとこう
ぐぬぬ
今日のヒーローは私だ!!
スッ(そっと《雷鳴の守護者ミスト・リエス》召喚)
マジか!!
ひどい!!!
今度は倒せないよ!?
まさかの2体目の《ミスト・リエス》着地。これには他の3人から悲鳴が上がります。
攻撃はしないでエンド
どうやらゆーちんはデュエマの基本・「半端な攻撃で相手の手札を増やしたら危険」に気付いた模様。さてどうなる!?
パートナー登場!
マナが伸びてきたため、いよいよゲームのクライマックスが近づきます。
マナを溜めてたから、俺は一足先にパートナーが出せるぞ!
《飢限電融 ファタル・エレガンス》!
最初に登場したパートナーは、ばにら所長の《ファタル・エレガンス》。空気を読め。
出たとき効果で、ゆーちんの《ミスト・リエス》を手札に戻すよ!
あ、ぼくも7コスト溜まった
お、パートナーが出せるね!
じゃあ7コストで、
《怒りの赤髭 ゴセントラス》!
……なんで?
パートナー出さないの?
今はブロッカー並べたほうがいいかなって
渋い状況判断を見せたそーちん。果たしてこの判断がどう転ぶか……!?
あっこっちも出せる!
えーと、このクリーチャーが出た時……?
めくったカードが使えるんだね!
《紅封混成 バルガ・アリタ》によって、《クック・ポロン》が登場!
一方、コスト8であるゆーちんのパートナー《クラウツインゼ》はまだ出せず。その代わりに召喚されたクリーチャーは――
《嵐撃の求道者ル・ライバ》
そーちんのブロッカーをタップで
ねえひどい!
よっしゃあ!俺のターン、《ファタル・エレガンス》でそーちんの《ゴセントラス》に攻撃!
ねえひどい!!
ぼくのブロッカー全部やられてるじゃん!!
迂闊に強力なカードを出すと、複数人の連携で倒されてしまう――これもデュエパーティーの面白いところですね!
終盤戦、勝負の行方は?
続く7ターン目、さっちんにビッグアクションが。
コストが足りればカード2枚使ってもいいんだよね?
除去内蔵クリーチャー2体を召喚し、盤面を制圧。
さらに《バルガ・アリタ》の攻撃時効果で、ブロッカー《浅瀬の探究者 ランチュ》を展開!
一方ゆーちんは、バウンスされた《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を再召喚。続けて《「放浪の機兵」》を出すことで、守りを固めつつドローする手堅い動きを見せます。
流石にやばいな、ブロッカー立てつつ《ファタル・エレガンス》でゆーちんに攻撃
ぼくのターン、《マスター・スパーク》!
所長のクリーチャーを全タップ!
あっ俺のブロッカー!!
ブロッカーいないうちに《バルガ・アリタ》で攻撃!めくれたカードは……
登場したのは、なんとスピードアタッカー《轟速 ザ・レッド》!
こいつも攻撃!
S・トリガーなし……!
前ターンに展開したクリーチャー達も含めた一斉攻撃で、ばにら所長・脱落!
いえーい
ゆーちん頼む、俺の仇を……!
パートナー……!
あっやばい!あいつスピードアタッカーでT・ブレイカーだよ!
8マナに到達し、ついに登場した《クラウツインゼ》!
取り巻きも含めた軍勢が、さっちんを攻撃します。
が、さっちんの楯が固かった!
《デップとチールのサーカス》《炎闘童夢》、2枚の除去呪文がトリガーして、猛攻を耐えきります。
あっぶな
9ターン目にはそーちんが《遣宮使 ネオンクス》でアドバンテージ獲得を図るも、クリーチャーがめくれて不発。
盤面を大量展開したさっちんが、先ほどのお返しとばかりにゆーちんに反撃します。
全員で攻撃!
S・トリガー《ウラニック・ギガント》、1体破壊
しかし1枚のS・トリガーでは止めきれず。物量でのゴリ押しでゆーちんも撃破します。
残るは《ワーグレンツォ》のそーちんと、《バルガ・アリタ》のさっちんの2人!
どうにか2位には残れた
なんでもうやり遂げた感出してるんだよ
じゃあこの呪文使いまーす
あれ?これって……
さっちんが唱えた呪文は《エターナル・ブレイン》!
山札の上にカードを置いて、《バルガ・アリタ》でそーちんに攻撃
うまい!
めくれたカードは《雨跳者 ホンアメヨージョウ》!
先ほどの《エターナル・ブレイン》で仕込んでいたのは、《バルガ・アリタ》で踏み倒せるドロー持ちのスピードアタッカー!
ここまでの展開も含め、圧倒的な軍勢で攻撃を仕掛けます。
めっちゃ並んでる……
シールドトリガー……ない
ちーん
勝った~!
というわけで、勝者はさっちん!! おめでとう!!
《紅封混成 バルガ・アリタ》と《エターナル・ブレイン》がちょっとしたコンボになっていることに気付いての押し込み、お見事でした!
ゲームをやってみて
さて、1ゲーム終えてみての感想を3人に聞いてみました。
Q. 特に印象に残ったカードは?
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》
《雨跳者 ホンアメヨージョウ》と《エターナル・ブレイン》!
《遣宮使 ネオンクス》、あと《雷鳴の守護者ミスト・リエス》
さっちんが勝利に貢献した2枚を挙げたのは納得として、中盤の駆け引きを生んだ《ミスト・リエス》は印象的なカードだったようです。
入手が難しいカードではありませんし、デュエパを人に勧める際には組み込んでおきたい1枚と言えるのではないでしょうか。
Q. 面白かったところは?
だんだん強いカードが出せるところと、S・トリガーで逆転できるところ
ゆーちんと同じ2つと、あと4人で相談しながら遊べることとか、パートナーの使い方とか!
違ったカードがたくさん登場するところ!
面白さを感じたポイントは、3人でちょっとばらけました。
パートナーが魅力と答えてくれたのはさっちん。やはり活躍できたパートナーは魅力的ですね!
Q. 難しかったところは?
1枚1枚のカードの効果を把握することと、どこを攻撃するか考えること
私もどこを攻撃するか考えるのは難しかった~
あと、マナに置くカードや使う順番を考えることとか、カードの種類が多いこととか
ぼくもマナに置くカードを決めたり、どのカードから使うか決めたり、どこを攻撃するか選んだりするのが難しかった
あとはターンの順番とか、カードの効果とか
3人とも「カードが多く、1枚1枚が違う効果を持つこと」「ゲーム中に選択肢が多いこと」について、難しかったという意見を述べてくれました。
特に、ハイランダー(=同じカードは1枚ずつ)60枚デッキとなるデュエパーティーでは、多くの種類のカードと遭遇します。
テキストの書式に慣れないうちは、小さいフォントで用語が並んでいるのを読み取るのも一苦労。
初めてのプレイヤーと遊ぶ時には、これら「難しいポイント」に気を付けながら一緒に楽しみたいものですね。
Q. 最後に。楽しかった?
またやりたいなら、次ウチに遊びに来た時にでも……
持って帰って家でもう1回やってみる!
えっマジ?
今日このあと友達と遊ぶ約束してるから、その子にも教えて一緒にやってみる!
え?
2時から遊ぼうって
※取材は祝日のお昼に実施しました
……今3時だけど
おい!!!!
さいごに
新たなカジュアルフォーマットとして立ち上げられたデュエパーティー。
名前の通り、パーティーゲームとしてデュエマを知らなかった人たちにも遊んでもらいたい――そんな思いから、今回の企画記事を執筆いたしました。
「持ち帰ってまた遊びたい」と言ってもらえたように、デュエパーティーは難しい面もあるけれど、何より楽しいゲームです。
ぜひ読者のみなさまも、ご家族やご友人と一緒に、ゼロからデュエパーティーを遊んでみてください。その際に、ここでお伝えした内容が何かしらのヒントになれば幸いです。
なにぶん変わった記事となりましたが、企画を快諾くださった編集よしもとさん・取材協力してくれたゆーちん&さっちん&そーちん・そして最後までお読みいただいた読者のみなさまに感謝を述べて、本記事を締めくくりたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。