・この記事は2020年7月1日施行の殿堂レギュレーション変更以前に執筆されたものとなります。あらかじめご了承ください。
はじめに
《ヨミジ丁―二式》
低コストで現れながら、8コスト以下のクリーチャーかオーラを蘇生するこのカードの出力は、破格のコストパフォーマンスを持つと評されるGRクリーチャーの中でも頭一つとびぬけています。
特にギガ・オレガオーラとの相性はすさまじく、GR戦術のインフレをこれ以上にない形で世に知らしめました。
現在も活躍中であり、新規カードでありながら堂々たる貫録を見せつけています。
さてこの《ヨミジ丁―二式》のデッキと聞くと【ヨミジドッカンデイヤー】を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は少し毛色の異なる【ネクラ(光自然闇)ヨミジループ】について解説します。
【ドッカンデイヤー】と比べると爆発力でやや見劣りしますが、採用文明が減ったことで色事故問題をある程度解決しており、より安定して運用できるデッキとなっています。
もう一つ現実的な利点として、非常に廉価で組めるということも挙げられます。
【ドッカンデイヤー】は《スゴ腕プロジューサー》《魔神轟怒万軍投》《アカカゲ・レッドシャドウ》《天災デドダム》など強力ではあるものの高額なカードが多く、デッキを作るための敷居が少し高いです。
一方こちらの【ネクラヨミジループ】では高額カードが《無双の縛り打閃》くらいしかないので、とても組みやすいです。
とりあえず環境デッキを1つは持っておきたい、そんなあなたに特におすすめのデッキです!!
目次
【ヨミジループ】とは
【ネクラヨミジループ】は自然、光、闇文明で構築された《ヨミジ丁―二式》を中心とした「GRデッキ」です。
「GRデッキ」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、メインデッキの半分以上(今回のリストだと25枚、62.5%)がGR召喚を行うカードとなっています。
《ヨミジ丁―二式》《続召の意志マーチス》《ロッキーロック》《マリゴルドⅢ》など展開能力の高いGRクリーチャーを駆使してGRゾーンを空にし、最終的にはループを行って勝利することを目指すデッキです。
マナドライブを達成できるだけのマナが溜まってからはデッキ内の大半のカードが値千金の強力なカードとなり、非常に小気味よくゲームを進めていくことができます。
【ヨミジループ】のサンプルデッキレシピ
【ヨミジループ】デッキの回し方
1、マナを伸ばしてマナドライブ達成を目指す!!
【 クリーチャー 】
【種族】 スノーフェアリー
【文明】 自然
【パワー】1000
【コスト】2
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
【 呪文 】
【文明】自然
【コスト】2
S(シールド)・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加えるとき、コストを支払わずにすぐ唱えてよい)
自分の山札の上から1枚目を、自分のマナゾーンに置く。
このデッキの大半はGR召喚を行うカードで構成されており、そしてそのGRクリーチャーたちはマナドライブ能力を持っています。
マナドライブ条件を満たすことは、それらGRにかかわるすべてのカードの能力が飛躍的に向上することを意味します。
かつて【シータミッツァイル】は「マナドライブ6」デッキと評されましたが、この【ヨミジループ】を一言で表現するならば「マナドライブ7」と言えます。
豊富に採用されたブーストカードを存分に利用し、マナ加速を決めましょう。
2、相手の展開を制限!!
【 ツインパクトカード 】
【種族】 メタリカ
【文明】 光
【パワー】4500
【コスト】6
■ブロッカー
■相手は、自身のターンに1体しかクリーチャーをバトルゾーンに出せない。
■ラスト・バースト(このクリーチャーが破壊された時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
────────────呪文────────────
カード名:パシフィック・スパーク
【文明】光
【コスト】3マナ
■相手のクリーチャーをすべてタップする。
【 オレガ・オーラ 】
【種族】 マフィ・ギャング / デリートロン
【文明】 闇
【パワー】+2000
【コスト】5
■無月の大罪1(このオーラを使うコストを1少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体破壊する)
■これをクリーチャーに付けた時、相手の手札を見て1枚選び、捨てさせる。
【ヨミジドッカンデイヤー】デッキの《魔神轟怒万軍投》や《MEGATOON・ドッカンデイヤー》のような一度に大量のGR召喚を行うカードがこのデッキにはありません。
(その分低コストでGR召喚できるカードはあります)
そのため、自分の動きを通し切るということ以外に相手の展開を制限するということも重要になってきます。
GR召喚による横並びや《生命と大地と轟破の決断》による複数展開が主流となっている現環境において《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》は極めて強力なロックカードとなります。
除去される可能性はもちろんありますが、このカードを立てていればとりあえず次のターンが返ってくる確率が高いです。
同系戦や【ドッカンデイヤー】を相手にするときには、除去カードである《斬罪 シ蔑ザンド》の除去から逃れるために前もって横に並ぶクリーチャーを1体出しておくと心強いです。
《解罪ジェ霊ニー》によるピーピングハンデス(手札を見たうえで好きなカードを墓地に送れる手札破壊)も次の1手を奪える強力なカードです。
戦況に大きな影響を与える1枚を抜き取ることができれば数ターン分の優位を得ることも珍しくありません。
相手がビッグアクションを起こしそうな雰囲気を感じ取ったら、その目をしっかり摘むようにしましょう。
使用可能なマナが5ある状態での《解罪ジェ霊ニー》の無月の大罪効果ですが、マナドライブを達成している状態ならば《ロッキー・ロック》に除去効果をあてることを期待してコスト軽減して出すのも有効です。
マナドライブ条件が満たされていなければ、GRゾーンを空にしやすくするため、適正コストを払って使うのが良い場合が多いです。
ループを決めろ!掘り起こせ、GRクリーチャー!
【 ギガ・オレガ・オーラ 】
【種族】 グランセクト / デリートロン
【文明】 自然
【パワー】+0000
【コスト】4
マナが溜まったら、ギガ・オレガオーラを利用してGRクリーチャーを一気に掘り起こしましょう。
コンボの始動は《γγ モンキュウタ》が担います。
(この時、事前に《逆転のオーロラ》を撃てていると《マリゴルドⅢ》で呼び出すためのカードを確保でき、その効果でマナからカードを出した後もマナドライブ条件を満たすだけのマナが残せるのでコンボ成功率が大きく上がります)
この2回のGR召喚で《ヨミジ丁―二式》が出た場合はその後の展開がかなり楽になります。
《γγ モンキュウタ》を《ヨミジ丁―二式》に装備させて破壊し、その効果で再び2回のGR召喚を行いましょう。
【 GRクリーチャー 】
【種族】 マフィ・ギャング / デリートロン
【文明】 闇
【パワー】2000
【コスト】4
■マナドライブ7(闇):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが7枚以上で闇文明があれば、このクリーチャーを破壊してもよい。そうしたら、このクリーチャーの◇能力を使う。
◇コスト8以下の進化ではないクリーチャー1体またはコスト8以下のオーラを1枚、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
《ヨミジ丁―二式》が出ない場合でも、《続召の意志マーチス》や《マリゴルドⅢ》からの《γγ モンキュウタ》展開などでかなりの数試行回数が稼げます。
【 GRクリーチャー 】
【種族】 メタリカ / ワンダフォース
【文明】 光
【パワー】1000
【コスト】3
■マナドライブ 5 (光):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが5枚以上で光文明があれば、GR召喚する。(GR召喚:自分の超GRの上から1枚目を、コストを支払ったものとして召喚する) (ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す)
【 GRクリーチャー 】
【種族】 グランセクト / デリートロン
【文明】 自然
【パワー】3000
【コスト】4
■マナドライブ6(自然):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが6枚以上で自然文明があれば、コスト5以下の進化ではないクリーチャー1体またはコスト5以下のオーラ1枚を、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。 (ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す)
《ヨミジ丁―二式》のマナドライブ条件を満たすだけの十分なマナがあるので、《γγ モンキュウタ》をプレイした後にさらにGR召喚カードをプレイすることも可能なはずです。
様々なカードを駆使してGRゾーンを空にすることを目指してください。
手札を全て使い切ればターン終了時に《手札の儀》で追加のGR召喚を行えるので、思い切りよくカードを使っていきましょう。
それでは、ループ条件と手順を確認していきましょう。
1、《斬罪シ蔑ザンド》を用いたループ
【 オレガ・オーラ 】
【種族】マフィ・ギャング / デリートロン
【文明】 闇
【パワー】+4000
【コスト】4
■無月の大罪2(このオーラを使うコストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体破壊する)
■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■これをクリーチャーに付けた時、各プレイヤーはそれぞれ自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
開始条件 場に2枚の《ヨミジ丁―二式》、墓地に《γγ モンキュウタ》《斬罪 シ蔑ザンド》《ラルド・ワースピーダ》、マナ 闇を含んだ7枚以上 GRゾーン 0枚
1、《ヨミジ丁―二式》の効果で墓地から《斬罪 シ蔑ザンド》を場に出す。効果でGRゾーンに戻った《ヨミジ丁―二式》をGR召喚。
2、《斬罪 シ蔑ザンド》の付いた《ヨミジ丁―二式》を自身のクリーチャー効果で破壊。
3、2を繰り返すことで《斬罪 シ蔑ザンド》の破壊効果を無限にストック。
4、《ヨミジ丁―二式》効果で《ラルド・ワースピーダ》を蘇生。《斬罪 シ蔑ザンド》効果でそのまま破壊し、相手の山札2枚をマナゾーンへ。
5、場に残っている《ヨミジ丁―二式》効果で《γγ モンキュウタ》を場に出し、2枚の《ヨミジ丁―二式》をGR召喚。
6、4、5を繰り返し、相手の山札を0にする。
2、《零星アンバラン》を用いたループ
【 オレガ・オーラ 】
【種族】 マフィ・ギャング / デリートロン / ゼロリスト
【文明】 闇
【パワー】+8000
【コスト】3
■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■これをクリーチャーに付けた時、自分のクリーチャーを2体破壊する。その後、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
開始条件 場に2枚の《ヨミジ丁―二式》、墓地に《ラルド・ワースピーダ》《零星アンバラン》《γγ モンキュウタ》 マナ 闇を含んだ7枚以上 GRゾーン 0枚
1、《ヨミジ丁―二式》効果で《ラルド・ワースピーダ》を蘇生。
2、《ヨミジ丁―二式》効果で《γγ モンキュウタ》を場に。2枚の《ヨミジ丁―二式》をGR召喚。
3、《ヨミジ丁―二式》効果で《零星アンバラン》を場に。《零星アンバラン》効果で《ヨミジ丁―二式》をGR召喚。
4、《零星アンバラン》効果で《ヨミジ丁―二式》1体と《ラルド・ワースピーダ》を破壊。相手の山札2枚をマナに。
5、《ヨミジ丁―二式》効果で《γγ モンキュウタ》を場に。《ヨミジ丁―二式》2体をGR召喚。
6、1に戻り、相手の山札がなくなるまで繰り返す。
以上がループ方法になります。
どちらも難しいものではありませんが、《斬罪シ蔑ザンド》の方は特に簡単なので、どちらも行えるという場合にはミスの少ない《斬罪シ蔑ザンド》プランを選択するのが無難です。
【ヨミジループ】デッキの強化方法
【 GRクリーチャー 】
【種族】 マフィ・ギャング / デリートロン
【文明】 闇
【パワー】2000
【コスト】3
■マナドライブ5(闇):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが5枚以上で闇文明があれば、このクリーチャーを破壊してもよい。そうしたら、このクリーチャーの◇能力を使う。
◇相手の手札を見て1枚選び、捨てさせる。
GRゾーンに採用するカードとしておすすめしたいのが、《カット丙二式》です。
《解罪ジェ霊ニー》を使うとよくわかるのですが、相手の手札状況を把握したうえで最も重要なカードを墓地に送るピーピングハンデスは極めて強力です。
そのハンデスをGR召喚から行える《カット丙二式》は速攻以外のデッキに対しては広く刺さります。
能力発動の際には自身を破壊、つまりGRゾーンに戻るのでデッキの回転速度は落ちてしまうのですが、それに十分見合うだけのメリットをもたらしてくれます。
【 GRクリーチャー 】
【種族】 トリックス / デリートロン
【文明】 水
【パワー】2000
【コスト】3
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札または超GRの上から1枚目を見る。それをその一番下に置いてもよい。 (ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す)
《予知TE-20》は山札かGRゾーンの1番上のカードを確認し、気に入らなければ底に送れるというやや珍しい効果を持ったGRクリーチャーです。
確認するのは基本的にGRゾーンで、これを使うことで《ヨミジ丁―二式》や《マリゴルドⅢ》など、のぞみのGRクリーチャーにたどり着くスピードが上がります。
小刻みにGR召喚を繰り返すこのデッキとは相性の良いカードだといえます。
【ヨミジループ】デッキの対策方法
【 クリーチャー 】
【種族】 アウトレイジ
【文明】 火
【パワー】12000
【コスト】12
■このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、サイキック・クリーチャーを全て破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーを全て破壊する。
■誰もパワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことができない。
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
【 ツインパクトカード 】
【種族】 メタリカ
【文明】 光
【パワー】4500
【コスト】6
■ブロッカー
■相手は、自身のターンに1体しかクリーチャーをバトルゾーンに出せない。
■ラスト・バースト(このクリーチャーが破壊された時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
────────────呪文────────────
カード名:パシフィック・スパーク
【文明】光
【コスト】3マナ
■相手のクリーチャーをすべてタップする。
他のGRギミックを多用するデッキへの対策と被ってしまいますが、やはり《暴走龍5000GT》《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》は有効に機能します。
特に《暴走龍5000GT》はこのデッキに対して強いです。デッキの性質上、オレガオーラ以外の除去カードを採用する枠が基本的になく、このカードを処理することがまずできません。
着地にこぎつければそこからは一方的なゲーム展開を行うことができるはずです。
除去されてしまう可能性が《暴走龍5000GT》よりも高く、GR戦術を完全に封じ込めるという訳ではないものの、その展開力を大幅に下げるのがこのデッキでも採用している《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》です。
このカードが制限するのはGR召喚に限りません。
そもそもクリーチャーはターンに1枚しか出さないなどというデッキはまず存在せず、幅広いデッキに刺さる1枚といって間違いありません。
【ヨミジループ】の除去カードは破壊するカードを自身で選ぶ《斬罪シ蔑ザンド》《零星アンバラン》くらいしかないので、このカード以外に身代わりとなるクリーチャーを立ててしまえばまず突破は不可能です。
【ヨミジループ】対策プレイング
【ヨミジループ】は手札破壊と展開制限によって相手の動きに干渉します。
この手札破壊に対して有効なのが次のターンに自分が行いたい動きを複数用意しておくというものがあります。
例えば、次のターンにマナをためれば5マナになるという状況を考えてみましょう。
手札には《ガヨウ神》と《スゴ腕プロジューサー》、そしてそれ以外のカードが数枚あるとします。
次のターンには《ガヨウ神》をプレイしたいから、多色でもある《スゴ腕プロジューサー》はこのターンの間にマナに埋めておこう。
一見この判断は間違っていないように思えますが、ピーピングハンデスによって《ガヨウ神》が落とされた場合に何もできない空白の1ターンを生むことになってしまいます。
【ヨミジループ】のように相手の手札を奪ってくる相手に対しては、次のターンの動きの選択肢を複数抱えておくことでそれに対応することが可能です。
まとめ
要所要所で相手の動きを止めながら確実に勝利へと近づいていく【ヨミジループ】
派手さにはやや欠けるものの、同様に動きに無駄がなく非常に堅実なデッキであるといえます。
メインデッキ、GRゾーンともに安いものばかりでとても組みやすく、それでいてGRクリーチャーの強さをこれでもかと感じられる、幅広い層の方にお勧めできるデッキです。
あなたもこの【ヨミジループ】を使って、超天篇最高のフィニッシュを決めましょう!!!