はじめに
みなさんこんにちは魔王軍の魔王の右腕、DM魔神の◆ドラ焼きです(?)
今回は現在デュエル・マスターズ公式YouTubeチャンネル、デュエチューブで絶賛放映中の「デュエチューブリーグ」の第3節の振り返りをやっていきたいと思います。
自分自身も魔王軍のメンバーとして今回は戦略策定、調整、そして当日のプレイまでを担当してきました。
今回の記事ではデュエチューブリーグがどんな企画なのか、から、当日までの調整や、今後の展望まで洗いざらい話していきたいと思います。最後までお付き合いいただけますと幸いです。
目次
デュエチューブリーグ(DTL)とは
トップクラスの実力を持つデュエル・マスターズプレイヤーを各5人、3チームに分け、全6節・全54試合をリーグ戦形式で戦い、最も強いチームはどこか、を決める戦いです。
2024年4月から始まったこの企画ですが、4月は我らが魔王軍が一歩リードという形でしたが、今回の6節でついにチームSAGAがトップに踊り出ましたね。
簡単にどんな見所があるのか、紹介していきましょう。
DTL見所1.発売日前に躍動する新弾のカードたち
DTLは基本的に新弾の発売前日に開催されています(第2節は商品展開の関係で特になし)。そして、発売日前のカードを使う、特殊レギュレーションを採用しています。
例えば今回の第3節、および4月の第1節では「チーム内3人で、新弾のカードを合計30枚採用、かつ、1人につき新弾のカードを2種類もしくは4枚以上採用」という縛りのもとで行われました。
つまりどういうことかというと、新弾のカードを多く採用できるデッキが環境を定義するデッキとなるということです。
今回の第3節では新弾でマジックや闇自然アビスの強化パーツが余りこなかったこともあって、そこまで暴れてはいません。寧ろ、全体的に【火光アーマード】や【闇単アビス】を中心に環境が回っていたと感じます。
こういう風に新弾を中心とした独自のメタゲームの中で、新弾の活躍を発売前に見ることができるという企画になります。
DTL見所2.一発勝負のガチ対戦
DTLの2つ目の見所が、ガチ対戦だと言えるでしょう。
参加者は去年の去年のランキングの上位プレイヤーや、様々なタイトルを獲得しているプレイヤーです。そんな彼らが新弾のカードを使った一発勝負の対戦でしのぎを削ります。
因みにDTLは放送日の午前中くらいから収録を開始し、それをそのまま撮って出しの形で放送しています。
放映時間には既に全ての対戦を終えており、選手はどんな結果だったかは知っているのですが、熱は冷めていない状態で放送での皆さんの反応を見ています。この雰囲気、全国大会やGPなどでは中々ない雰囲気で、毎回楽しく撮影しています。
撮り直しなしのガチ対戦だからこそ、ミスは悔しいし、ファインプレイは嬉しい。この対戦を観れるのはDTLだけなので、ぜひこれからも応援していただければと思います。
DTL見所3.推しチームを応援しよう
FTG、Team SAGA、魔王軍、チーム毎に特色が違っています。FTGは新進気鋭の若手の注目株が多くいるチームですし、SAGAは”上手さは勿論、強さがある”と定評のあるメンバーが揃っている、と筆者は個人的に感じています。
魔王軍は、筆者的な感覚で言うといつメンなんですよね。dotto選手を中心に大型大会の調整などをこれまで一緒にやってきたメンバーで固められています。チームメンバーの居住地は北海道、関西、関東とバラバラですが、団結力で見れば3つのチームの中では頭一つ抜けてるんじゃないかな、なんて思っています。
さあ、そんなチーム毎に特長が違うDTLですが、皆さんはどのチーム推しでしょうか。ユニフォームの色で決めていただいても結構ですし、Zweiさんが好きだからTeam SAGA推し!みたいな形でも大歓迎です。
ぜひ推しのチームや推しの選手を見つけて観戦を楽しんでくれたらなと思います。
第3節 振り返り
調整録:実際どういう調整してんの?
そんなDTLですが、魔王軍としての取り組みの振り返りを残していきます。
まず、魔王軍の調整のスタイルですが、基本的にデッキを思いついた人がバンバンLINEグループに貼っていき、各自で試したり、だれか一緒に回そうとリモートで呼びかけて練習する、というスタイルです。
良いアイデアだったかや、悪いアイデアだったかなどは基本的にその本人たちが自分でアウトプットをします。今回で言えば、【闇単アビス】のリストを貼ったりっきー君が自分で実際に回してみて、ここが良かった、ここが悪かったみたいな形でアウトプットをくれてました。
ある意味個人技的な調整方法でのらりくらり、が直前期までのフェーズです。チームとして集まってぎゅっと調整するのが、収録カード全てが判明する一週間前から、になります。
新弾の全カードが判明すれば、その節の戦術を練ることができるようになります。他のチームはこういうデッキを組んできそうだから、それに対してこっちはこういう準備をしておかないといけない、というようなことですね。
あとは、これまでお互いにアウトプットしてきた内容が実際のところどうなのか、という精査のようなことも行われていくようになります。【闇単アビス】や【アーマード】の構築の最適化について今節はたくさん議論しました。
このタイミングで基本的に全員がリモートで集まって対戦しつつ今節のメタゲームへの解像度、および、プレイングのレベルを引き上げていくということを行なっていきます。
これが魔王軍の調整の一連の流れです。余談ですが、大型大会の調整においても、僕やdottoさんはこういう形で進めています。みんなが集まる必要がない時は基本的に個人主義で、自由主義。やらないといけない時期からギアを1個上げていく、みたいにメリハリをつけて調整しています。
メタゲーム考察:魔王軍のカイザ様だぞ
第3節のメタゲームの中心は【アーマード】だったと自信をもって答えることができます。なぜかと言うと、魔王軍にカイザがいるからですね、。
彼のHNはデュエル・マスターズにカイザ様が登場する前からカイザではあるのですが、DTLが始まってから毎節アーマードを使うタイミングを見計らっていました。
そして今回、オーバーレアは《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》。カードもデッキも強いことは周知の事実であり、ここで使わなくていつ使うんだという話です。
これは他のチームから見てもわかる情報だったと思います。「魔王軍のカイザ様はアーマードやなあ」と思われていたはずなので、相手の想定を超える《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を使ったデッキを作る必要がありましたね。
しかし、これ自体は難しくなかったように思います。調整を始めてすぐにかなり強力なリストが出来上がりましたし、受けを大量に積まれてもプレイングで対応も可能です。間違いなく、今回のメタゲームの中心にいるだけの実力あるデッキだったと思います。
メタゲームを考察していく中で、【アーマード】を中心に三角形の形になっていくと私たちは予想していくようになりました。
- 環境の速度を定義し、対応力の高い【アーマード】
- 【アーマード】がケアできない受けを搭載できる【天門】
- 【天門】の受けを破壊できるメタカードを積める【闇単アビス】
これら3つのデッキはいずれも新弾を8枚以上積むことができつつ、強力なデッキであったと思います。
そんな中でカイザ選手が選択したアーマードではデッキの出力を高つつ、殴り合いを制する方向性でチューニングをしました。【アビス】やミラーに対して殴り合いを制しつつ、自分の動きにもなる《ピース・盾・ルピア》を《ポッピ・冠・ラッキー》より優先している点などが特徴でしたね。
ソリューションの発見
そんなメタゲームを考察していく中で自分たちが目をつけたのが《死神覇王 ブラックXENARCH》でした。最初はセキボンさんの「このカードでなんかできんのかなあ」という声から始まった調整でしたが、触り始めてすぐに三角形のメタゲームを破壊するデッキだということがわかりました。
3つの環境デッキに互角。かつ、新弾枠は脅威の12枚。今回持ち込むのに申し分ないデッキでした。
ただ、先攻ゲーの側面が強いことが唯一の欠点でした。プレイングを理解されると後攻の時にほとんど勝てないのです。
そのため、《終止の時計 ザ・ミュート》を4枚採用し、先攻ゲーを強いられる【アーマード】、【闇単アビス】に後攻から盾で受けて返すプランを取れるように構築を最適化させました。
また、全てのデッキに対し先攻時の有利を相手に明け渡さないための《闇参謀グラン・ギニョール》、《罪無 ドロキオ垓》を採用し、先攻も絶対に落とさない構築へとブラッシュアップしました。これらの採用によって【天門】の先出し《∞龍 ゲンムエンペラー》などにも対応できるようになり、ゲームプランが広がったと感じます。
その分、先3ゼナークの確率は落としています、が1割も変わらない微々たる差です。実際に特化型と、後ろ寄せ型で100回ずつ1人回しをして、3ターン目までの着地率は特化型が上ですが、4ターン目までならほぼ変わらないこと、先3《闇参謀グラン・ギニョール》or《罪無 ドロキオ垓》も許容と考えた場合は3ターン目までの確率もほぼ変わらないことを確認しました。
盾の《終止の時計 ザ・ミュート》、その後ろに構えている《飛翔龍 5000VT》、少し事故れば《死神覇王 ブラックXENARCH》でリソース差を一気に広げられる、そういう良い形の仕上げることができた点は今回満足いっています。
この時点でチームメンバー2人のデッキが決まっています。
- カイザ…全対面への適切な立ち回りを理解した【アーマード】(新弾は8枚)
- ◆ドラ焼き…先攻必勝、後攻盾ゲーの【水闇ゼナーク】(新弾は12枚)
ルール的には最後の1人は新カードを10枚以上使用しなくてはなりません。
最後の1ピースはdottoエンジン
最後の1人であるdottoさんが選択したのは【天門】でした。
魔王軍がアーマードを使うことが公開情報なので、他のチームはそれに不利なアビスは使いづらいこと、が最終的な結論です。
ただ、最後の最後で一味違うのがdottoという男。新規軸のエンジンを搭載した天門を持ってきてくれました。
それが《集結!夜の四天王!!》です。チャージャーが手札にないなら、《支配の精霊ペルフェクト/ギャラクシー・チャージャー》を、引けているなら相手や手札に応じて必要な出し先のブロッカーを探してくれ、どのターンでもうちやすいこのカードは天門というデッキを新しいステージに押し上げてくれていました。
《巨大設計図》がなくても天門は回るんだぞ、ということを証明してくれたこのエンジン、今では僕もとってもお気に入りです。
最後の最後で《蒼神龍アナザー・ワールド》を入れるかどうかだけ、チーム内でも議論になりました。最終的には相手のチームに居ても1人、基本的には0人であろう《死神覇王 ブラックXENARCH》へのピンメタを採用してデッキの出力は落としたくない、という理由で今回は不採用としました。
第3節ゲーム内容深掘り
魔王軍の当日の対戦内容について、動画を見ているだけでは伝わりづらかった部分を解説していきたいと思います。
dotto vs るるる/◆ドラ焼き vs にわか
この2試合にはdottoさんと、◆ドラ焼きに共通する点がありました。
それが「ゲームの決着自体はすぐについていたが、その上でできるだけ公開情報を与えないようにプレイした」という点です。
dottoさんの次の対戦相手はおんそく選手(【闇単アビス】)、自分の次の対戦相手はミノミー選手(【光水天門】)と決まってました。
dottoさんからすると、「《単騎連射 マグナム》さえ出せば勝てる」とおんそく選手に思ってもらいたいところ。dottoさんのデッキには《♪ハイパーで ハイクがますます ハイクラス》が1枚だけ入っており、もしもタイミングよく踏ませたり手打ちができれば、それがそのまま試合の結果に直結することもあります。
◆ドラ焼きにとってのキーカードは、《闇参謀グラン・ギニョール》と《罪無 ドロキオ垓》、次点で《終止の時計 ザ・ミュート》でした。
基本的に《蒼神龍アナザー・ワールド》を4枚採用した天門に勝つことはできませんが、練習段階で勝ち筋だけは把握していました。それが、自分が先に《∞龍 ゲンムエンペラー》を立て、次のターンにジャスキルを通す、というものです。
そのために相手のブロッカーを弾く手段として《闇参謀グラン・ギニョール》と《罪無 ドロキオ垓》はマストで必要なカードとなります。
また、同様に早期決着をしようと焦ってくれた場合にトリガーで踏む《終止の時計 ザ・ミュート》も有効になる可能性があります。
これらを加味し、《闇参謀グラン・ギニョール》、《罪無 ドロキオ垓》、《終止の時計 ザ・ミュート》は見られたくないカードだったといえますね。
改めてこの試合を見返すと、以下のことがわかります。
- dottoさんと◆ドラ焼きは勝ち確になってから比較的早めに攻め始めていること。本当はもっと圧倒的な盤面差を作りこの世の全てのカードをケアすることも可能
- できるだけ公開領域を増やさないように立ち回っていること。
- 勝ち確定盤面になってからは解説席に手札が見えない角度で持っていること
とかですね。この試合は勝ち、で良いとして次のことを考えながらプレイしていた試合です。
カイザ vs ZweiLance
終始ZweiLance選手が優勢に見えたものの、最後の最後でカイザ選手にワンチャンが来るものの、それを通せず負け、という試合でした。そのワンチャンを通すためにカイザが狙っていた勝ち筋について簡単に説明しておきます。
この試合はZweiLance選手の先攻2ターン目の時点で《死神覇王 ブラックXENARCH》の先攻3t目の着地が決定し、ほぼ負けが確定していた試合です。
そんな中でカイザ選手が選択を強いられたのが先攻3ターン目のマナチャージでした。
この時のカイザ選手の手札が《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》、《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》、《ボルシャック・アークゼオス》《アシスター・コッピ》、《鎧機天 シロフェシー》です。
次のターンにZweiLance選手が3ハンデスを飛ばしてきた場合、カイザ選手は《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》しかハンドキープができません。
しかし、2ハンデスしか飛んでこなければ、もう1枚ハンドキープが可能です。そこで持っておいた方が良いカードを何にするか、というのがここでカイザ選手が迫られた選択だったと思います。
確かに《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》を持てば、《「暴竜爵は不滅なり!」》から《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を捲り、そこからアーマードを捲れば連続攻撃を叩き込んで勝つことができるかもしれません。
しかし、もし多色をトップしてしまったら、そもそも《「暴竜爵は不滅なり!」》を撃つことすらできず、負けになります。
そんな時にカイザ選手がキープしたのは《ボルシャック・アークゼオス》でした。
これであれば、最後のトップが濁っても最低限《「暴竜爵は不滅なり!」》は使うことができ、かつもし《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》から《ボルシャック・アークゼオスNEX》まで繋がった場合に超過打点を組みやすくなります。
ここの選択、すごくカイザらしい選択だったなあと自分は振り返ります。確実に走れそうだけどその後が厳しい道を選ぶのか、もしかしたら走れない可能性があるけどそれを乗り越えればある程度楽ができる道を選ぶのか、という選択です。
勿論、勝率が高い方の道を選ぶべき、ということがプレイヤーには求められますが、多くの場合はどっちの方が勝率が高いかなんてその場で冷静に計算することは時間的にも個人の能力的にもできません。できるとしたら日々練習をしている場合ですが、今回のように”新弾を発売日前に使う”そんな特殊なシチュエーションで勝率の高い方を選ぶことは尚更難しいでしょう。
だからこそ、最後の最後は自分のデュエル・マスターズ観や、人生観がプレイ方針を決定付けると、僕は考えています。
今回カイザが後攻4ターン目にトップデックしたのは《チャラ・ルピア》でした。つまり、カイザがもしも《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》をキープしていたら、そもそも最後《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》で走ることすらできずに負けていたことになります。
個人的に、こういうプレイヤーのプレイスタイル、ひいては人となりが見えるようなプレイが出る瞬間が大好きなので紹介しました。
おわりに 第4節にむけて
ということでDTL第3節の振り返りをやってきました。
振り返ると個人1−1、チームは2-4と、苦しい結果でしたが、上で紹介したカイザのプレイングを含めて、内容においては良い部分も多くあったように思います。
次節のルールは、新発売の『超感謝祭 ファンタジーBEST』で登場する、デスパペット、ファイアー・バード、スノーフェアリー、ドリームメイト、スプラッシュ・クイーンの5種族から、各チーム3種族を選択しそれぞれの専用デッキを作成して戦うというルールです。
このルールは、今までのルールに比べて練習ゲーの側面が強いルールだと言えると思います。各種族で複数パターンのデッキを作りつつ、それぞれのデッキの弱点の把握、およびメタゲームの把握が必要です。そして、そのメタゲームの把握のためには、それぞれのデッキを適切にプレイできることは必須でしょう。
そしてそしてそして、このルールの一番エキサイティングなところは各チーム3種族選択しなければならないからこそ、席順ゲーが発生するところでしょう。
とことん詰めるところまで詰めた上で最後の最後は運ゲー。まさにデュエル・マスターズらしいルールで、僕は大好きです。
きっと実際の対戦でも新弾のカードがバンバン登場するはずなので、そこにも是非注目していただけたらと思います。
こっから魔王軍としても優勝を目指して巻き返していくので、これからも応援よろしくお願いします。