目次
はじめに
突然だが、私は今回のTWCでは基本的に環境で戦えるデッキの紹介をしようと思っている。
前回記事を読んだ方は「【コードトーカー】で環境……? こいつ、正気か?」と思われるだろうが安心して欲しい。私は全くもって正気ではない。
さて、そんな狂気的な精神を持って今回お届けするのは【叢雲ダイーザ】というデッキである。
【叢雲ダイーザ】とは読んで字の如く、
これら2枚を組み合わせて、圧倒的な攻撃力を持つ圧倒的な《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を召喚し圧倒的に相手を撃滅せしめるというなんかこう、色々と圧倒的なデッキである。
非常に簡潔な説明。簡潔すぎて最早説明になっておらず、むしろ「私は語彙力のない人間です」という自己紹介の域に達している。
このままでは他の記事も読んで頂けないのは明白なため、今回はこのデッキに関して個人的に考えていることを紹介したい。
取るべきは先攻? 後攻?
【叢雲ダイーザ】は基本的に《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》と《機巧蛇-叢雲遠呂智》の2枚が入っていれば【叢雲ダイーザ】と名乗ることができる。
残りの34枚にサイバース族が入っていようが、《G・コザッキー》が入っていようが、《ウォーター・ドラゴン-クラスター》が入っていようが、先の2枚が揃えばそれは【叢雲ダイーザ】なのである。
つまり、非常に拡張性が高いということであり、《神の宣告》などの強力な罠や《インスペクト・ボーダー》などのシステムモンスターを入れた先攻型にしてもいいし、壊獣や《妖精伝姫-カグヤ》を投入した後攻型にしてもいい。好きな方を選べるのだ。
では、どちらを選べばいいのか?
私個人としては、後攻型をオススメしたい。
何故なら、基本的に先攻で《紅蓮魔獣 ダ・イーザを引いたとして、ただの邪魔なカードにしかならないからだ。
もし仮にそんな状況が起こったとして、不幸中の幸いで《強欲で貪欲な壺》を発動出来たとして、貴方はただ攻撃力の高いだけのカードを先攻で召喚したいだろうか? 私はしたくない。
また、《機巧蛇-叢雲遠呂智》はフリーチェーンで特殊召喚出来るのがウリなのであって、先攻ではその1ターン分を損していると言える。
そう、《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》と《機巧蛇-叢雲遠呂智》はどちらとも後攻向けのカードなのだ。
また、マッチ戦においてメインデッキが後攻寄りの場合、相手にこちらがサイド後に先攻を取るか後攻を取るかで迷わせることもできる。
しかし、それはこのデッキの都合を考えた場合においての話であり、実際のデッキ構築は環境を意識して決めていきたいところだ。
注目カードはこちら!!
【 通常魔法 】
「強欲で貪欲な壺」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
【 通常魔法 】
①:自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。
この2枚は《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を強化しつつドローを進めることが出来るので絶対に入れなければならないカードだ。
このカードが入っていなければ【叢雲ダイーザ】とは言えない。例え《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》と《機巧蛇-叢雲遠呂智》が入っていようが言えない。もはやそれはただの、レベル8とレベル3モンスターを出すデッキである。なので正確には自由枠は40-3×4なので28枚となる。
……実は入れるカードによって自由枠の枚数は更に変動するのだが、それはまた、おいおい──
最早テキスト説明の必要がない、非常に強力なメタカードである。
《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》と相性が良いため是非入れたい……と言いたいところだが実は慎重に採用を考えた方が良いカードだ。
何故なら、《機巧蛇-叢雲遠呂智》は墓地からも蘇生することが出来るからである。つまりこのカードによって除外されては都合が悪いわけだ。
少しずつ使われたカードが除外されていくよりも、ほぼ毎ターン8枚除外+打点2450の方が早めに相手を殺害するというサイコパスじみた思想においては、強い。なのでサイコパスの自覚がある方は《機巧蛇-叢雲遠呂智》の方を優先した方がいいだろう。
もちろん、相手のデッキが極端に除外に弱い時などは十二分にその性能を発揮してくれるため環境次第では臨機応変に採用を考えたい。
【 効果モンスター 】
星 1 / 闇 / 悪魔族 / 攻? / 守?
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールド・エクストラデッキからカード5枚以上を裏側表示で除外した場合のみ特殊召喚できる。
①:このカードの攻撃力・守備力は、裏側表示で除外されているカードの数×100アップする。
②:このカードはモンスターゾーンに存在する限り、リリースできず、融合・S・X召喚の素材にもできない。
③:1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターを裏側表示で除外する。
《百万喰らいのグラットン》はこのデッキでほぼ使わないEXデッキを除外しつつ、特殊召喚出来るとても相性の良いカードである。
しかもダメージステップ開始時に相手モンスターを除外するため戦闘に強く、その上《サブテラーの導師》といった厄介なリバースモンスターの効果も封殺することが出来る。
また特殊召喚は1ターンに何度でも出来るため、後述する《トポロジック・ゼロヴォロス》のリンク素材にすることも可能だ。
ただし、EXデッキを除外してドローする《強欲で金満な壺》や、EXデッキを除外して相手モンスターを破壊する《機巧蛇-叢雲遠呂智》などとはお互いのリソースを食い合うため、このカードを採用する場合は《強欲で金満な壺》の枚数を減らしておきたい。これが先述した「自由枠が変動する理由」だ。
【 永続罠 】
①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。そのモンスターは自分フィールドに存在する場合、攻撃できず、効果を発動できない。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
《大捕り物》は強い。「相手のモンスターを奪う」という凶悪な行為がいとも容易くフリーチェーンで行われることがシンプルに強力。
奪ったモンスターは攻撃宣言や効果の発動こそ出来ないものの、永続効果は適用されるため、このデッキが非常に苦手としている【サンダー・ドラゴン】に対しての銀の弾丸、シルバーヴァレット(Silver Barrett)と言っても良いカードだ。
相手の軽率に出した《超雷竜-サンダー・ドラゴン》を奪って逆にサーチ不可にしてやろう。
俗に言う【壊獣カグヤ】ギミックも後手選択のしやすいこのデッキならば採用が考えられる。
特に壊獣に関しては《機巧蛇-叢雲遠呂智》で破壊したり、《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》で殴り倒したりと処理手段が多い。
シンプルに高打点を並べやすい点や、《トポロジック・ゼロヴォロス》のリンク素材にしやすい点も含めてメリットが多く使いやすいカードだ。後攻型にするならば是非採用したい。
【 リンクモンスター 】
星 4 / 闇 / サイバース族 / 攻3000 /
効果モンスター2体以上
自分はこのカードのリンク先となるEXモンスターゾーンにモンスターを出せない。①:このカードの攻撃力は除外されているカードの数×200アップする。②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカード以外のモンスターがリンクモンスターのリンク先に特殊召喚された場合に発動する。フィールドのカードを全て除外する。③:このカードが自身の効果で除外された場合、次のターンのスタンバイフェイズに発動する。除外されているこのカードを特殊召喚する。
【LINK-4:左上/右上/左下/右下】
このカードは《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》が手札に存在しない時、代わりのアタッカーとなってくれるカードである。
攻撃力の上昇率は1/2だが、《強欲で貪欲な壺》によって「あぁ……全部飛んだ……。殺害手段、無い……」などと嘆かなくて良くなる。
また《機巧蛇-叢雲遠呂智》をリンク先に蘇生することによって、相手の盤面を消しとばす事も出来る、豪快なカードだ。
《強欲で金満な壺》で飛んだ場合どうするか?
知らん、そんな事は俺の管轄外だ
デッキの弱点
このデッキの弱点とはズバリ、効果無効である。
《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》のモンスターへの攻撃に合わせてこれらの汎用的な効果無効を発動されると、せっかくのエースが攻撃力0にまで戻され戦闘破壊されてしまい、反射ダメージまで受けてしまう。
その上、次の《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》の出勤まで敵の攻撃を掻い潜らなければならなくなるのだ。
そのため、モンスターを攻撃する場合は、極力《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》以外で攻撃する事を意識したい。
【オルフェゴール】の良く使う《幻影霧剣》や《大捕り物》も弱点のため、《ハーピィの羽根箒》や《サイクロン》などの魔法罠破壊もサイドまでに積んでおきたい所だ。
サンプルデッキ
さて、ここまで長々と各カードについて解説してきた。ここまでを踏まえて、サンプルデッキを置いておきたいと思う。ちなみにEXデッキは《やぶ蛇》をサイドで使う場合用に作っている。
もちろんこれはサンプルであるため、是非みなさん自分だけの【叢雲ダイーザ】を作ってみてほしい。
終わりに
ごちゃごちゃと今まで書いてきたわけだが、結局のところ、
パワーで、殴る
という非常にシンプルなコンセプトながら、如何に充分にパワーを発揮させてやるかという繊細な部分もある非常に奥深いデッキである。
この矛盾を如何に解決するか、あなたの答えはどうだろうか?
是非とも【叢雲ダイーザ】を組んで確かめてもらいたい。