はじめに
読者の皆さま、こんにちは。かもめ先生です。
突然ですが皆さんに質問です。
「遊戯王のクソカード」という言葉から、いったいどんなカードを思い浮かべますか?
「クソカード」といっても定義はさまざま。
原作効果から大きく弱体化した《ラーの翼神竜》、一時期の環境を席巻した《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》、ゲーム性を大きく歪めてしまう《スキルドレイン》などなど。
プレイヤーの皆さんの置かれる環境によっても、その意味合いは違ってくることでしょう。
しかしながら今回の記事ではそんな「クソカード」の中でも、とりわけ「構築難度の極めて高い、ヤバいカード」ということで、独断と偏見に基づいてたくさん集めてきました。(よけいなお世話)
並のプレイヤーでは構築すら難しい、一流のデッキビルダーにしか使いこなせないようなカードばかり。
この記事ではそうしたカードたちの簡単な解説と、筆者が考える構築のヒントをいくらか紹介しようと思います。
よろしくお願いいたします。
目次
レベル:★(活用が困難なもの)
この項で紹介するのは、出すこと自体はそれほど難しくない(普通のカードよりはぜんぜん難しい)が、活用するとなると難しいというカードたち。
現代遊戯王のカードプールは非常に豊富で、大抵のモンスターは少し構築をひねりれば召喚すること自体は容易なものがほとんどです。
しかしながら出すだけでなく活用するとなると、また話は別。
ここではそんな、ちょっと難しい問題児カードたちを紹介していきます。
《オレイカルコス・シュノロス》
【 効果モンスター 】
星 10 / 闇 / 機械族 / 攻? / 守0
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する通常モンスターが戦闘によって破壊された場合、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力は相手フィールド上に存在するモンスターの数×1000ポイントアップする。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールド上に表側表示で存在するレベル4の通常モンスターはカードの効果では破壊されない。
まずはこうしたカードの代表格とも言えるカード、《オレイカルコス・シュノロス》です。
自分の通常モンスターが戦闘破壊されれば手札から特殊召喚できるので、呼び出すこと自体は難しくないカードとなっています。
このカードの攻撃力は相手フィールド上に存在するモンスターの数×1000ポイントアップする。
《オレイカルコス・シュノロス》の②の効果
しかしながらこのカード自体の攻撃力は?となっており、相手モンスターの数によって変化します。
最大で6000の攻撃力にできるといえば聞こえはいいですが、相手が1体しか使っていなければ攻撃力1000と下級モンスター以下の攻撃力にしかなりません。
また自身にはなんの耐性もなく守備力も0となっているので、壁モンスターとして活用するにはあまりに不安が残ってしまいます。
ですが②の攻撃力アップ効果と、③のレベル4通常モンスターサポート効果は、なかなかユニークなものとなっているので、まだ他のカードとの差別化はできる部類のカードでもあります。
ちなみに《オレイカルコス・シュノロス》を活用するデッキは、前回の記事で紹介させていただいておりますので、こちらもご覧にいただけますと幸いです。(唐突のダイマ)
《メタル・デビルゾア》
【 効果モンスター 】
星 8 / 闇 / 機械族 / 攻3000 / 守2300
「メタル化・魔法反射装甲」を装備した「デビルゾア」を生け贄に捧げる。デッキからこのカードをフィールドに出すことができる。
悪魔族の通常モンスターである《デビルゾア》に、通常罠《メタル化・魔法反射装甲》を装備してリリースすることで、デッキから呼び出すことができる機械族の効果モンスターです。
ちなみにこの「デッキから特殊召喚できる」以外の効果はないです。
繰り返します。これ以外の効果は何もないです。
現代遊戯王のカードプールでは【悪魔族】をサポートするカードも数多くあり、【通常モンスター】のサポートも受けられる 《メタル化・魔法反射装甲》 にアクセスできるカードはたくさん存在します。
また《メタル化・魔法反射装甲》も、《トラップトリック》や《トラップトラック》などの通常罠カードにアクセスできるカードが増えたことで、容易にアクセスできるようになりました。
さらに言えば【ラビュリンス】という、【悪魔族】と通常罠カードの両方をサポートするテーマも登場したことで、《メタル・デビルゾア》を呼び出すこと自体は本当に簡単になったといえるでしょう。
問題は、このカードをどのように活用するかという点です。
《メタル・デビルゾア》自体の効果は無いようなもので、攻撃力3000の高打点と言うこと以外に特段ユニークといえる部分もありません。
なんなら《メタル化・魔法反射装甲》を装備した《デビルゾア》の方が、打点こそ劣るものの相手モンスターの攻撃力の半分を吸収できるので、有用な機会は多いといえるでしょう。
この問題を上手く解消できる何かがあれば、デッキができそうなのですが……。筆者自身もこの点にはずっと悩まされているところです。
ちなみに類似カードである《レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン》も、同じような問題を抱えています。
あちらは【レッドアイズ】のサポートも受けることができるので、活用自体は容易かもしれませんね。
《ガーディアン・デスサイス》
【 効果モンスター 】
星 8 / 闇 / 悪魔族 / 攻2500 / 守2000
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でのみ特殊召喚できる。
①:「ガーディアン・エアトス」が戦闘・効果で破壊され自分の墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「死神の大鎌-デスサイス」1枚をこのカードに装備する。
③:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は召喚・特殊召喚できない。
④:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。手札を1枚墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。
数ある【ガーディアン】モンスターのひとつ、《ガーディアン・デスサイス》です。
このカード自体は《魔犬オクトロス》や《ダーク・オカルティズム》でサーチすることができ、召喚条件である《ガーディアン・エアトス》も特殊召喚が容易な高打点モンスターとして有用であるため、呼び出すこと自体はそれほど難しいものでありません。
③:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は召喚・特殊召喚できない。
《ガーディアン・デスサイス》の③の効果
④:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。手札を1枚墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。
《ガーディアン・デスサイス》の④の効果
問題なのはこの③と④の効果で、このカードが存在する限り他のモンスターを呼び出すことができなくなり、しかも強制効果で手札を消費してこのカードを自己再生させなければなりません。
召喚できない制約や手札を減らすデメリットこそあるものの、破壊や墓地送りには対応できるという強みこそあるものの、バウンスや除外といった除去にはどうにもならないという弱点も持っている、クセの強いカードとなっています。
幸いなことに専用装備である《死神の大鎌-デスサイス》を装備する効果も持っているので、他のカードとの差別化はしやすくなっています。
ただ前提となる《ガーディアン・エアトス》を使う都合上、自分の墓地のモンスターの数を調整するギミックは必要になるでしょう。
《魅惑の女王 LV7》
【 効果モンスター 】
星 7 / 闇 / 魔法使い族 / 攻1500 / 守1500
「魅惑の女王 LV5」の効果で特殊召喚した場合、1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に相手フィールド上のモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる(この効果で装備できるモンスターは1枚まで)。このカードが戦闘によって破壊される場合、代わりに装備したモンスターを破壊する。
特定のモンスターを指定する【LV】モンスターのひとつ、《魅惑の女王 LV7》です。
【LV】モンスターには《サイレント・マジシャン LV8》や《アームド・ドラゴン LV10》といったモンスターが代表的で、それらのカードは新しい強化カードももらっています。
しかしこの《魅惑の女王 LV7》や、類似カードである《漆黒の魔王 LV8》、《アルティメット・インセクト LV7》は、未だ強化カードがもらえていない不遇のカードとなっています。
何なら【LV】サポートとされる《レベルアップ!》の恩恵を受けない(出すことはできるが実質的な効果はない)というのも、つらいところです。
「魅惑の女王 LV5」の効果で特殊召喚した場合、1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に相手フィールド上のモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる(この効果で装備できるモンスターは1枚まで)。
《魅惑の女王 LV7》の効果
これらの【LV】モンスターは、下位のモンスターの効果で特殊召喚している場合にのみ効果を得ることができます。(《レベルアップ!》の効果では条件を満たせない)
そのため下位のモンスターで条件を満たして上位【LV】を正当に呼び出すことでしか、活用することができません。
【魅惑の女王】であれば、「自分ターンのスタンバイフェイズ時、自身の効果で装備カードを装備したこのカードを墓地に送る」ことでのみ、レベルアップができるという訳ですね。
先述した他の【LV】モンスターも、条件を満たした上で「自分ターンのスタンバイフェイズ」にレベルアップをする効果となっています。
現代遊戯王のハイパワーカードに対面する中で、これらの条件を満たしつつ下位の【LV】モンスターをいかにして守りながら戦うのかというのが、構築難度を高めている理由という訳ですね。
《救世の美神ノースウェムコ》
【 儀式モンスター 】
星 7 / 光 / 魔法使い族 / 攻2700 / 守1200
「救世の儀式」により降臨。このカードが儀式召喚に成功した時、このカードの儀式召喚に使用したモンスターの数まで、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードを選択して発動する。選択したカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードはカードの効果では破壊されない。
構築難度レベル★1の儀式枠として紹介したいモンスターです。
現代遊戯王では【儀式】サポートもとても潤沢なものとなったおかげで、このカードも儀式召喚自体はとても容易なものとなりました。
このカードが儀式召喚に成功した時、このカードの儀式召喚に使用したモンスターの数まで、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードを選択して発動する。選択したカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードはカードの効果では破壊されない。
《救世の美神ノースウェムコ》の効果
モンスター効果そのものは「対象としたカードが存在する限り自身に永続的な効果破壊耐性を付与する」という、ユニークなものとなっています。
ただ自身の打点が2700と少し心もとない点と、バウンスや除外などの除去にはどうしようもないというのが、扱いづらいところでもあります。
しかしながら永続系のカードとは相性が良いので《魔法族の里》などはもちろんのこと、《トポロジック・ボマー・ドラゴン》と組み合わせて全体除去しつつ自身を守るといった動きも可能です。
《救世の美神ノースウェムコ》に限らず、ちょっと昔の儀式モンスターにはユニークながらも扱いづらいモンスターがけっこうな数あります。
すこし探してみると面白いばかりありますので、時間があるときにでも調べてみてくださいね。
《E・HERO ゴッド・ネオス》
【 融合モンスター 】
星 12 / 光 / 戦士族 / 攻2500 / 守2500
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。「ネオス」・「N」・「HERO」と名のついたモンスターをそれぞれ1体以上、合計5体のモンスターを融合素材として融合召喚する。1ターンに1度、自分の墓地に存在する「ネオス」・「N」・「HERO」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。さらに、エンドフェイズ時までそのモンスターと同じ効果を得る。
数多くのサポートを有する【E・HERO】の名称を持った、5体素材の融合モンスター。
素材条件こそ非常の重いものの、《ミラクル・フュージョン》や《フェイバリット・コンタクト》といったカードを用いることで、墓地のモンスターを使って呼び出すことができるため、召喚自体はそれほど困難ではなくなりました。
1ターンに1度、自分の墓地に存在する「ネオス」・「N」・「HERO」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。さらに、エンドフェイズ時までそのモンスターと同じ効果を得る。
《E・HERO ゴッド・ネオス》の効果
問題となるのは、モンスター効果をどのように用いるのかという点です。
墓地のテーマモンスターの効果をコピーできるというユニークなものではあるのですが、そもそもこのカードを呼び出さなくても良いものが多いため、活用が難しいという悩みを抱えています。
またその重い素材条件の都合上、それよりも軽い条件で出すことができる【HERO】融合モンスターの方が扱いやすいといった、差別化の難しい点も逆風となっています。
とは言えやはり幅広い範囲のコピー効果自体は唯一無二なものとなっているので、専用構築にしてみれば使用意義も見出すことができるでしょう。
また《未来融合-フューチャー・フュージョン》を用いることで素材をデッキから墓地へ送ることができるので、そちらを軸にすれば差別化も容易となるのかなあと考えています。
《セイヴァー・デモン・ドラゴン》
【 シンクロモンスター 】
星 10 / 闇 / ドラゴン族 / 攻4000 / 守3000
「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「レッド・デーモンズ・ドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体
このカードはカードの効果では破壊されない。このカードが攻撃した場合、ダメージ計算後にフィールド上に守備表示で存在するモンスターを全て破壊する。1ターンに1度、エンドフェイズ時まで相手の表側表示モンスター1体の効果を無効にし、そのモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力をアップする事ができる。エンドフェイズ時にこのカードをエクストラデッキに戻し、自分の墓地に存在する「レッド・デーモンズ・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
構築難度レベル★1のシンクロ枠として選んだモンスターです。
現代遊戯王で【シンクロ召喚】のサポートカードこそ数多く登場したものの、未だに活用が難しいカードのひとつとして《セイヴァー・デモン・ドラゴン》を選びました。
【セイヴァー】と言えば、少し前に《シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン》をはじめとしたカードが登場したことで、【スターダスト】関連のSモンスターは一気に強化されました。
しかしながら《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を基としたこのカードに関してはあまりその恩恵も受けておらず、未だにちょっと扱いにくい状態となっています。
このカードが攻撃した場合、ダメージ計算後にフィールド上に守備表示で存在するモンスターを全て破壊する。
《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果
というのも、そもそも《レッド・デーモンズ・ドラゴン》や《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》などが自前で全体除去効果を持っているので、わざわざ召喚条件の難しいこちらを呼び出すまでもないという現実があります。
もちろんこの効果以外にも攻撃力吸収効果や無効効果もあるのですが、【セイヴァー】関連カードを採用してこのカードを呼び出すよりも、チューナー展開を増やして他の【レッド・デーモン】シリーズを呼び出す方がカードパワーも対応力も高いという訳です。
またこのカードが呼び出せるということは、同様に《セイヴァー・スター・ドラゴン》も呼び出すことができる状況となります。
あちらの方は誘発の無効効果を持っているので状況を選ばず出すことができることもあり、そういう意味でも《セイヴァー・デモン・ドラゴン》を呼び出す意味合いと言うのはなかなか見出すのが難しいといえるでしょう。
しかしながら、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》と《セイヴァー・スター・ドラゴン》を使い分けられるように【セイヴァー】デッキをカスタムすれば、使える場面もいくらかは生まれるようにも思います。
こと攻撃性能に関してはSモンスターの中でもかなり強力な部類に入るモンスターですので、そのような感じで使ってみるのも良いのではないでしょうか。
《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》
【 エクシーズモンスター 】
星 10 / 闇 / ドラゴン族 / 攻1000 / 守0
レベル10モンスター×4
このカードは戦闘では破壊されない。
自分フィールド上のモンスターが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、その数値分だけ自分のライフポイントを回復する。
また、このカードが「No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon」をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
この効果の発動と効果は無効化されない。
構築難度レベル★1の最後のカードであり、エクシーズ枠として選んのがこのモンスターです。
いわゆる【CNo.】に属するカードであり、元である《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》に重ねてランクアップさせることで、真の力を発揮することができます。
また、このカードが「No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon」をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。
《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》の効果
●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
この効果の発動と効果は無効化されない。
真の効果自体はかなり強力で、X素材を取り除くことで相手フィールド上のカード効果をすべて無効化することができます。
ただこのカードは戦闘破壊こそされないものの攻撃力1000しかないことや、元となる 《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》 の方が扱いやすく強力であるという点から、使用意義を見出すのが非常に難しいカードとなっています。
あちらはダメージ反射効果や自己再生効果、相手エンドフェイズに疑似的な全体除外効果と強力な効果をいくつも持っています。
それを素材にわざわざこのカードを出すというのはあまり合理的ではないといわざるを得ないでしょう。
しかしながら《No.97 龍影神ドラッグラビオン》を用いれば【ランク8】ギミックからこのカードを呼び出すことができるうえ、《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》を素材とした効果を発動することができます。
また②の回復効果は同一ターンで何度でも発動できるので、他のモンスターも攻撃できるような状況であればライフ回復という役割を担うこともできます。(なおドラッグラビオンで出した場合は自身しか殴れない模様)
レベル:★★(召喚自体が困難なもの)
この項では先ほど紹介したカードたちよりも、より召喚が難しいものを集めてきました。
呼び出すために必要なカードをサーチする手段が少なかったり、召喚条件を満たすことが難しいものなど、より構築難度の高いカードを選りすぐっております。
《青眼の光龍》
【 効果モンスター 】
星 10 / 光 / ドラゴン族 / 攻3000 / 守2500
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する「青眼の究極竜」1体を生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力は、自分の墓地ドラゴン族モンスター1体につき300ポイントアップする。また、このカードを対象にする魔法・罠・モンスターの効果を無効にする事ができる。
【ブルーアイズ】の名称を持った、特殊召喚モンスターです。
自分の《青眼の究極竜》をリリースすることで手札から特殊召喚できるのですが、そもそも《青眼の究極竜》を呼び出すことが容易でないというところから、この項目に分類しました。
とは言え【ブルーアイズ】には強力なサポートカードも多く、このカードのサーチと《青眼の究極竜》をフィールドに出力の両方を満たすのは、すこし大変ではありますが可能な範囲となっています。
しかし重要となるのは、「わざわざこのカードを呼び出す必要があるのか」という点でしょう。
【ブルーアイズ】にはこのカードよりも強力なカードは数多く登場しているので、そちらの方が召喚も容易で効果も扱いやすいものばかりとなっています。
このカードの攻撃力は、自分の墓地ドラゴン族モンスター1体につき300ポイントアップする。
《青眼の光龍》の効果
とは言え、このカードが他の【ブルーアイズ】カードに勝る点としては、やはりこの攻撃力アップ効果にあるでしょう。
【ブルーアイズ】モンスターは全体的に高打点のテーマですが、4500より上の数値のものは存在していません。
《青眼の光龍》は自前の効果で唯一、この打点を越えることができる【ブルーアイズ】モンスターとなっているので、採用意義を見出すのであればこのポイントを重視してみると良いかと思います。
またこのカードを用いたオリジナルデッキも、過去に紹介しているので併せて載せておきます。
ただレギュレーションはすこし前のものとなっているので、参考程度にお読みいただけると幸いです。
《スフィンクス・アンドロジュネス》
【 効果モンスター 】
星 10 / 光 / 獣族 / 攻3500 / 守3000
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の「アンドロ・スフィンクス」と「スフィンクス・テーレイア」が同時に破壊された時、500ライフポイントを払う事でのみ手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、500ライフポイントを払う事で、エンドフェイズ終了時までこのカードの攻撃力は3000ポイントアップする。
《光のピラミッド》に関連する【スフィンクス】モンスターの同時破壊を条件tの死て呼び出すことができる、大型特殊召喚モンスターです。
このカードは正直なところ構築難度レベル★3クラスのカードではあるのですが、最新テーマの【ネムレリア】によっていくらか簡単になったのでこの★2に紹介することとしました。
このカードの召喚条件となる《アンドロ・スフィンクス》《スフィンクス・テーレイア》は、永続魔法《ネムレリアの寝姫楼》1枚から両方をサーチすることができます。
あとはこの2体のカードをなんとかフィールドに呼び出し、《ブラック・ホール》や《激流葬》を用いて同時に破壊すれば、そのまま手札・デッキから《スフィンクス・アンドロジュネス》を呼び出すことができるという算段ですね。
この2体をフィールドに出力する方法としては、【ネムレリア】や【P召喚】サポートを使った手札からのP召喚、《メルフィー・フェニィ》などの【獣族】サポートの効果を用いるのが現実的かと思います。
かつては《ユニオン・キャリアー》を使って、フィールドに出した《アンドロ・スフィンクス》に《スフィンクス・テーレイア》を装備した状態で破壊することで条件を満たすこともできました。
禁止カードとなった今では使えないコンボですが、今後《ユニオン・キャリアー》に似たようなカードが出るかもしれないので、こういった知識も頭に入れておくと良いかもしれません。
《黒衣の大賢者》
【 効果モンスター 】
星 9 / 闇 / 魔法使い族 / 攻2800 / 守3200
「時の魔術師」の効果成功時に「ブラック・マジシャン」を生け贄に捧げれば、手札またはデッキからこのカード1体を特殊召喚可能。その時、デッキから魔法カードを1枚手札に加え、デッキをシャッフルする。
《ブラック・マジシャン》と《時の魔術師》をリリースすることで、手札・デッキから特殊召喚することができる、魔法使い族の特殊召喚モンスターです。
ただしこれには《時の魔術師》のコイントス効果を成功させるという、不確定な要素を考慮する必要があります。
一見すると大変な労力に見えるかもしれませんが、【ブラック・マジシャン】には《永遠の魂》などのサポートが豊富なので、わりと何とかなるものでもあります。
また《時の魔術師》も《融合派兵》を用いることでデッキから特殊召喚することができるので、この2体を並べること自体はそれほど難しくありません。
その時、デッキから魔法カードを1枚手札に加え、デッキをシャッフルする。
《黒衣の大賢者》の効果
コイントスに成功してこのカードを特殊召喚することができれば、デッキから任意の魔法カードをサーチすることができます。
むしろこの効果で何を持ってくるのかを考える方が、難しいといえるかもしれないでしょう。
《サンダー・ボルト》や《ハーピィの羽根帚》、制限復帰となった《心変わり》など、選択肢が多すぎて大変というクソカードならざる贅沢な悩み方ができます。
ちなみに個人的なイチオシとして、《時を裂く魔瞳》を挙げておきましょう。
数ある魔法効果の中でも効果が一層ぶっ飛んでいるので、このカードでサーチする意義も見出しやすいカードとなっています。
ただひとつ問題点があるとするなら、このカードを呼び出す前に《時を裂く魔瞳》を発動できた方が強いよねといったところでしょうか。
まあそれなら先ほどの魔法カードもぜんぶ詰め込んで、シルバーバレット気味に組んでみるのも面白いかもしれませんね。
《幻影の騎士-ミラージュ・ナイト-》
【 効果モンスター 】
星 8 / 光 / 戦士族 / 攻2800 / 守2000
このカードは「黒炎の騎士−ブラック・フレア・ナイト−」の効果でのみ特殊召喚が可能。ダメージ計算時、このカードの攻撃力に相手モンスターの元々の攻撃力を加える。戦闘を行ったターンのエンドフェイズ時に、このカードをゲームから除外する。
融合モンスター《黒炎の騎士−ブラック・フレア・ナイト−》が戦闘によって破壊された場合に、そちらの効果で手札・デッキから呼び出すことができる特殊召喚モンスターです。
まず《黒炎の騎士−ブラック・フレア・ナイト−》自体がこのカードを呼び出す効果しか持っていないこと、そして呼び出したこのカード自体も戦闘を行った場合エンドフェイズに除外されてしまうという、二重の業を背負ったモンスターとなっています。
イラストはどっちも非常にかっこいいんですけどね。
しかしながら元々の攻撃力を参照する打点強化効果であるため、他の攻撃力変動効果のカードと組み合わせれば、わりととんでもない戦闘ダメージをたたき出すこともできます。
とくに《ミニマム・ガッツ》は相手の攻撃力を0にしながらこのカードの攻撃力アップには影響を与えないため、多大な戦闘ダメージを与えつつ《ミニマム・ガッツ》の効果での効果ダメージも追加で入るため、ワンキルも可能なコンボとなっています。
《黒炎の騎士−ブラック・フレア・ナイト−》も《ティマイオスの眼》や《表裏一体》などで呼び出せば消費も少ないので、しっかり煮詰めれば良いデッキに仕上げることができるでしょう。
《不死王リッチー》
【 効果モンスター 】
星 7 / 闇 / アンデット族 / 攻2600 / 守2900
条件を満たした「大神官デ・ザード」を生け贄に捧げる事で特殊召喚できる。このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。このカードを対象にする魔法・罠カードの発動と効果を無効にして破壊する。このカードがリバースした時、自分の墓地のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。
《大神官デ・ザード》の効果条件を満たすことで呼び出すことができる、特殊召喚モンスターです。
このカードを呼び出す上で重要なのは、やはり《大神官デ・ザード》の効果をどのように達成するかと言うところでしょう。
戦闘によってモンスターを破壊する度に次の効果を得る。1回目:このカードを対象にする魔法・罠カードの発動と効果を無効にし破壊する。2回目:このカードを生け贄に捧げ自分の手札・デッキから「不死王リッチー」を特殊召喚する事ができる。
《大神官デ・ザード》の効果
《大神官デ・ザード》でモンスターを2回戦闘破壊することで、条件を満たすことができます。
カードパワーが高い現代遊戯王下でこの条件を満たすのも大変ですが、そのうえで呼び出した《不死王リッチー》が【アンデット族】サポート効果なのもかみ合わせが悪いという問題を抱えています。
とは言え、《不死王リッチー》自体は一度と正規の方法で特殊召喚に成功すれば、他のカード効果でも蘇生や帰還も可能となります。
なので何とかこのカードを《大神官デ・ザード》から呼び出すことさえできれば、あとは蘇生カードと自身のリバース効果を駆使することで、かなり粘り強い盤面を構築して戦い続けることができるでしょう。
《ジャイアント・ボマー・エアレイド》
【 効果モンスター 】
星 8 / 風 / 機械族 / 攻3000 / 守2500
このカードは通常召喚できない。「サモン・リアクター・AI」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。1ターンに1度、手札1枚を墓地へ送る事で相手フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。また、相手のターンに1度、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。●相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。そのモンスターを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。●相手がカードをセットした時に発動する事ができる。そのカードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。
強いけど出しにくいカード選手権第1位(自社調べ)の特殊召喚モンスター。
自分フィールド上に表側表示で存在する、このカードと「トラップ・リアクター・RR」「マジック・リアクター・AID」をそれぞれ1体ずつ墓地へ送る事で、自分の手札・デッキ・墓地から「ジャイアント・ボマー・エアレイド」1体を特殊召喚する。
《サモン・リアクター・AI》の効果
《サモン・リアクター・AI》の効果でフィールド上から《トラップ・リアクター・RR》、《マジック・リアクター・AID》を墓地へ送ることで手札・デッキ・墓地から呼び出すことができます。
これら3体のモンスターをフィールドに呼び出すことを必要とする上、《サモン・リアクター・AI》はレベル5の上級モンスターとなっているため、しっかりと展開ルートやプランを考えて構築・プレイしなければなりません。
いずれも闇属性・機械族モンスターとなっているので、【オルフェゴール】のテーマカードを用いれば、アクセス自体はしやすいでしょう。(エアレイド自体は風属性ですが)
あとは手札やデッキ、墓地から特殊召喚するカードを採用したり、《ダーク・フラット・トップ》や《ダブル・フッキング》などで墓地から一気に展開したりして、《サモン・リアクター・AI》の効果で《ジャイアント・ボマー・エアレイド》に繋いでいくというのが現実的でしょうか。
【闇属性】や【機械族】はサポートカードも豊富にあるので、けっこう考える余地は多いことでしょう。
《絶望神アンチホープ》
【 効果モンスター 】
星 12 / 闇 / 悪魔族 / 攻5000 / 守5000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの表側表示のレベル1モンスター4体を墓地へ送った場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、他の自分のモンスターは攻撃できない。
②:このカードが戦闘を行うバトルステップ中に1度、自分の墓地のレベル1モンスター1体を除外して発動できる。
このカードはそのダメージステップ終了時まで、他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されない。
未だに「クソカード」と言えば真っ先に思い出されるのがこのカード。
仰々しいカード名から繰り出される絶望的なモンスター効果から、数多くのプレイヤーを魅了し続けています。
まあそうしたネタ的な部分はさておき、実は構築難度レベル★2の中では比較的呼び出しやすいカードとなっています。
というのも、このカードは墓地からでも特殊召喚が可能となっているので、レベル1モンスターを展開できるテーマギミックなどを用いることで、呼び出すことはそれほど難しくないからですね。
しかしこのカードを「活用する」となると、一気に話が変わってきます。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、他の自分のモンスターは攻撃できない。
《絶望神アンチホープ》の①の効果
②:このカードが戦闘を行うバトルステップ中に1度、自分の墓地のレベル1モンスター1体を除外して発動できる。
《絶望神アンチホープ》の②の効果
このカードはそのダメージステップ終了時まで、他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されない。
①の効果で自身以外の自分モンスターが攻撃できず、②の耐性効果も自分のバトル中のみという、重い召喚条件に見合わない効果となっています。
幸いなことに攻撃力5000と破格な数値を誇るため、そちらを活かすようにすると使用意義も生まれてくることでしょう。
……まあその点を突き詰めていくと、最終的にはこのカードに落ち着いてしまうかもしれませんが。
《sophiaの影霊衣》
【 儀式モンスター 】
星 11 / 光 / 魔法使い族 / 攻3600 / 守3400
「影霊衣」儀式魔法カードにより降臨。それぞれ種族の異なる自分フィールドのモンスター3体を使用した手札からの儀式召喚でしか特殊召喚できない。
①:自分・相手のメインフェイズ1に手札からこのカードと「影霊衣」魔法カード1枚を捨てて発動できる。そのフェイズの間、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
②:このカードが儀式召喚に成功した時に発動できる。このカード以外のお互いのフィールド・墓地のカードを全て除外する。
この効果を発動するターン、自分は他のモンスターを通常召喚・特殊召喚できない。
構築難度レベル★2最後のモンスターは、筆者が個人的に注目しているカード《sophiaの影霊衣》です。
種族の異なるモンスター3体を用いた、手札からの儀式召喚でのみ呼び出すことができる【影霊衣】儀式モンスターです。
とはいえ実は、このカードを呼び出すだけであれば種族がバラバラなモンスターで構成される【儀式召喚】サポート【魔神儀】などを用いることで、容易に儀式召喚することができます。
②:このカードが儀式召喚に成功した時に発動できる。このカード以外のお互いのフィールド・墓地のカードを全て除外する。
《sophiaの影霊衣》の②の効果
この効果を発動するターン、自分は他のモンスターを通常召喚・特殊召喚できない。
しかしここで問題となるのが、この②の効果です。
この②の効果を発動する場合、《sophiaの影霊衣》の儀式召喚を行うターンには他のモンスターを召喚・特殊召喚することができません。
つまり儀式魔法などで儀式召喚する場合には「種族の異なるモンスター3体を自分フィールドに残した上で相手ターンを凌ぐ」必要があるという訳ですね。
カードパワーの高い現代遊戯王でそんな悠長なことはほとんど起こり得ないので、違う視点からアプローチすると良いでしょう。
具体的には《トランソニックバード》や《星逢の天河》などを用いた、相手ターン中の儀式召喚ですね。
幸いなことに最近のカードでこの辺りは強化されたので、わりと現実的な形でデッキになるかなと考えています。
筆者も考えているデッキですので、皆さんもぜひ考えてみてくださると嬉しいです。ご意見お待ちしてます。
レベル:★★★(構築そのものが困難なもの)
ここで紹介するのは現代遊戯王のカードプールをもってしても、召喚が非常に難しいカードたちです。
召喚に必要となるカードが複数枚要求されるため、デッキの多くの枠を占めてしまい構築そのものを歪めてしまう、そんな業の深いカードを集めてきました。
これらのカードを使って自在に戦うことができるのは、選ばれた超一流のデュエリストと言っても過言ではないことでしょう。
《ゲート・ガーディアン》
【 効果モンスター 】
星 11 / 闇 / 戦士族 / 攻3750 / 守3400
「雷魔神−サンガ」「風魔神−ヒューガ」「水魔神−スーガ」を生け贄に捧げなければ召喚できない。
「こんなカード出せねーだろ教」の開祖。
ちなみに同期の《究極完全態・グレート・モス》くんは、度重なる【昆虫族】の強化に伴い解脱しました。
皆さんもご存知の通り、三魔神《雷魔神−サンガ》《風魔神−ヒューガ》《水魔神−スーガ》をリリースすることで、手札から特殊召喚することができる究極の特殊召喚モンスターですね。
しかし三魔神も《ゲート・ガーディアン》も種族・属性が異なるためサポートがバラバラ、そもそも3体出したままで戦ってる方が強いと、とても散々な扱いを受けているカードでもあります。
幸いなことにメインデッキで採用できる【戦士族】の中では最大の攻撃力を持っているため、《ズババジェネラル》などで装備するといった使い方がせいぜいマシと言われていました。
しっかり《ゲート・ガーディアン》を呼び出すというデッキを構築するのであれば、【戦士族】サポートの《聖騎士の追想 イゾルデ》やPモンスター《ダーク・ドリアード》+ドローカードなどを用いて三魔神ともども手札にかき集めながら、P召喚で一気に展開するというのが良いでしょうか。
最近のカードには【P召喚】をサポートするものも多く収録されたので、まだ現実的な範囲でデッキになりそうではあります。
一度でも特殊召喚してしまえば、《ゲート・ガーディアン》自体は蘇生・帰還も可能ですしね。
とは言え実は海外の新規カードで、【ゲート・ガーディアン】として強化されることがすでに決まっています。
そちらでは「召喚条件を無視して【ゲート・ガーディアン】モンスターを呼び出す」みたいなカードが出てるようなので、しっかりとしたデッキが組みたいという方はそちらの情報を待つと良いでしょう。
ただそうは言っても、素の《ゲート・ガーディアン》の居場所があるかはちょっと微妙な感じです。彼の明日はどっちだ。
《エクゾディア・ネクロス》
【 効果モンスター 】
星 4 / 闇 / 魔法使い族 / 攻1800 / 守0
このカードは「エクゾディアとの契約」の効果でのみ特殊召喚が可能。このカードは戦闘と魔法・罠の効果によっては破壊されず、自分のスタンバイフェイズ毎に攻撃力が500ポイントアップする。このカードは自分の墓地に「封印されしエクゾディア」「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」のいずれかが存在しなくなった時に破壊される。
このカードもまた構築難度レベル★3にふさわしい、非常に扱いづらい特殊召喚モンスターです。
【エクゾディア】関係のカードではあるものの、他の【エクゾディア】カードと違い「特殊勝利条件」などを持っていません。
自分の墓地に「封印されしエクゾディア」「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」全てが存在している時に発動可能。手札から「エクゾディア・ネクロス」を特殊召喚する。
《エクゾディアとの契約》の効果
専用の魔法カード《エクゾディアとの契約》の効果で、手札から《エクゾディア・ネクロス》を特殊召喚することとなります。
つまり《エクゾディアとの契約》の発動条件である【エクゾディア】パーツ5体を墓地へ送りつつ、《エクゾディアとの契約》と《エクゾディア・ネクロス》手札に用意する必要があるという訳ですね。
しかもそれだけの準備が必要でありながら、出てくるのはちょっとした耐性をもった1800打点のモンスターというのが、ほんとこの世の終わりのような絶望感を醸し出しています。
しかしながら【エクゾディア】は強力なサポートカードである《魔神火炎砲》があったり、【エクゾディア】パーツのうち4体は【通常モンスター】のサポートが受けることができます。
頭部の《封印されしエクゾディア》もレベル3なので《彼岸の黒天使 ケルビーニ》で墓地へ送ることもできます。
とまあ現代遊戯王のパワーをもってすれば、出力自体はけっこう何とかなりそうです。
そこから活用するとなると、ちょっとまだ筆者自身もまとめ切っていません。
この辺りにヒントはありそうな気はしているのですがね……。
《スピリッツ・オブ・ファラオ》
【 効果モンスター 】
星 6 / 光 / アンデット族 / 攻2500 / 守2000
このカードは通常召喚できない。「第一の棺」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、自分の墓地からレベル2以下のアンデット族通常モンスターを4体まで特殊召喚する事ができる。
こちらもまた構築難度レベル★3にふさわしい、凶悪なモンスター。
というかこの帯のモンスターはこんなのしかいないんですけども。
相手ターンのエンドフェイズ毎に「第二の棺」「第三の棺」の順にカードを1枚手札またはデッキから自分フィールド上に表側表示で出す。1枚でもフィールド上から離れると、これらのカードは全て墓地に送られる。全てのカードが自分フィールド上に揃った時、これらのカードを全て墓地へ送り、手札またはデッキから「スピリッツ・オブ・ファラオ」1体を特殊召喚する。
《第一の棺》の効果
永続罠《第一の棺》の効果によって永続魔法《第二の棺》《第三の棺》をフィールドに出し、それらを墓地へ送ることで手札・デッキから《スピリッツ・オブ・ファラオ》を呼び出すことができます。
自分ターンから数えて4ターンの間《第一の棺》と残りのカードをフィールドに維持し続ける必要があるという訳です。
現代遊戯王で4ターンもの間、表側表示のカードを維持するというのは極めて難しいことは、読者の皆さまもお分かりのことでしょう。
とは言え、相手エンドフェイズに《スピリッツ・オブ・ファラオ》とその効果で最大4体のモンスターを2回で展開できるため、《サモンリミッター》などを用いたメタビート的なデッキであればまだデッキとして成立しそうではあります。
《マーダーサーカス・ゾンビ》などのアンデッド族通常モンスターを蘇生した上で、《サウザンドエナジー》や《スプライト・ガンマ・バースト》を発動すれば、高打点の通常モンスターで一気に相手のライフを削ることができます。
《眠れる巨人ズシン》
【 効果モンスター 】
星 10 / 地 / 戦士族 / 攻0 / 守0
このカードは通常召喚できない。
ズシンカウンターが10個置かれた自分のモンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
①:1ターンに1度、手札のこのカードをターン終了時まで相手に見せ、自分フィールドのレベル1通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターにズシンカウンターを1つ置く。
②:このカードは他のカードの効果を受けない。
③:このカードがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
このカードの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ、そのモンスターの攻撃力+1000の数値になる。
アニメでも活躍した、「神のカードにも匹敵するノーマルモンスター」です。
実際このカードの収録はけっこう遅かったこともあり、目立った弱体化もなく良好な原作再現カードとなりました。
非常に出しにくいというのもある種の原作再現要素であり、出すことができればしっかり強いカードなので、このカードを使いたいと思う方も少なくないのではないでしょうか。
ズシンカウンターが10個置かれた自分のモンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
《眠れる巨人ズシン》の効果外テキスト
①:1ターンに1度、手札のこのカードをターン終了時まで相手に見せ、自分フィールドのレベル1通常モンスター1体を対象として発動できる。
《眠れる巨人ズシン》の①の効果
そのモンスターにズシンカウンターを1つ置く。
さて最大の課題となるのが、やはりその召喚条件でしょう。
1ターンに1つずつレベル1通常モンスターにカウンターを乗せていき、10個まで乗せ続けたうえでリリースすることで、このカードを手札から特殊召喚することができます。
まともに1ターンに1つずつ乗せていくと合計で10ターンもかかってしまうというあまりにも途方ない条件(原作再現としては最高)となっており、一見すれば現代遊戯王ではとても通用しないカードと言えるでしょう。
しかし、さすが遊戯王。このカードの①の効果は、同名ターン1使用の制約がありません。
つまり複数枚の手札の《眠れる巨人ズシン》の効果を発動すれば、その数だけカウンターを乗せることができます。
また手札から移動させて再び手札に戻してしまえば、そのままもう一度カウンター付与効果を発動させることも可能となります。
《ゾンビキャリア》でデッキトップに戻してドローする、《聖光の宣告者》などで墓地から回収するなど、かなり複雑なギミックこそ必要ですが1ターンで《眠れる巨人ズシン》を降臨させるというのも不可能ではないでしょう。
《合神竜ティマイオス》
【 融合モンスター 】
星 10 / 光 / 戦士族 / 攻? / 守?
「伝説の騎士 ティマイオス」+「伝説の騎士 クリティウス」+「伝説の騎士 ヘルモス」
自分フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
①:このカードは他のカードの効果を受けない。
②:このカードが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
このカードの攻撃力・守備力は、フィールドのモンスターの一番高い攻撃力と同じになる。
③:このカードが戦闘で破壊された時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地の「伝説の騎士」モンスター3体を選び、召喚条件を無視して特殊召喚する。
構築難度レベル★3の最後に紹介するのは、皆さんお待ちかねのこのカード。
【伝説の騎士】3種類のカードをフィールドから墓地へ送ることで特殊召喚できる、究極の融合モンスターです。
このカードの問題点を挙げるときりがないのですが、まず抑えなくてはならないのはやはりその召喚条件でしょう。
そもそも前提となる【伝説の騎士】モンスター自体が特殊召喚モンスターであり、専用魔法である《レジェンド・オブ・ハート》で対応する魔法カードを除外することでしか特殊召喚することができないというものです。
このカードを使うこと自体がそもそも難易度が高く、《ティマイオスの眼》《クリティウスの牙》《ヘルモスの爪》を墓地へ送る手段もそれほど多くないという訳ですね。(いずれも専用構築を作れるくらい、面白いカードではあるのですが)
そのため「正規の手段で【伝説の騎士】3体をフィールドに並べる」というのは非常に困難を極めるため、《合神竜ティマイオス》を活躍させたいというのであれば、いくらかズルをしたほうが良いでしょう。
考える方法は大きく2通りで、「コピー効果で名称をコピーする」「装備魔法としてフィールドに出力する」というものが有力でしょう。
前者には【HERO】サポートを受けられる《E・HERO プリズマー》や、《七精の解門》で蘇生できる《ファントム・オブ・カオス》などが扱いやすいでしょう。
後者では《セリオンズ“ブルズ”アイン》や《真紅眼の黒刃竜》、《甲虫装機 エクサビートル》などが挙げられます。
これらのカードを使えば、《レジェンド・オブ・ハート》で3体並べるよりは容易な形で、【伝説の騎士】3種類のカードをフィールドに用意することができるでしょう。
③:このカードが戦闘で破壊された時に発動できる。
《合神竜ティマイオス》の③の効果
自分の手札・デッキ・墓地の「伝説の騎士」モンスター3体を選び、召喚条件を無視して特殊召喚する。
1度でも《合神竜ティマイオス》を出してしまえば、③の効果で戦闘破壊されてしまっても再び【伝説の騎士】3体を展開することができます。
ただ以前は「蘇生制限を満たしていない状態でも墓地から特殊召喚できる」という裁定だったのですが、近年のカードテキスト整備に伴い「蘇生制限を満たしていない場合は墓地から特殊召喚できない」という裁定に変更されました。
そのため《E・HERO プリズマー》などを使って墓地に送ってしまうギミックを使う場合は、複数枚採用したりデッキに戻すカードを採用したりして、③の効果を活かせるような構築にすることをオススメします。
おわりに
いかがだったでしょうか。
一見するとどうしようもないカードだらけに見えますが、どれもユニークで面白いものばかりでしたね。
現代遊戯王はパワーカードこそ増えてはいるものの、同時にこうしたカードたちも救済できるのものも存在しています。
ひとりのデッキビルダーとしても、こうしたどうしようもないカードたちを使って遊ぶのは本当に楽しいですからね。
もっと言えば、同じように「クソカード」同士を活躍させるデッキで対戦できた暁には、非常に充実した時間が得られることでしょう。
また今回の記事で紹介こそしていないものの、これらのカード以上にヤバいカードもまだまだたくさん存在しています。(恐ろしいことに)
いずれまた、こうしたカードのことも皆さんにお話しできたら良いですね。
それでは今回はこの辺りで。また、次回の記事でお会いしましょう。
ここまでのご清読、ありがとうございました。