【第5回TWC】決闘者への成り上がり〜一般人の俺が遊戯王を始めるまで〜 前編

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【第5回TWC】決闘者への成り上がり〜一般人の俺が遊戯王を始めるまで〜 前編
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目次

はじめに

皆さんは、初めて遊戯王を始めた記念すべき日を覚えているだろうか?

最近始めたばかりの方は簡単に思い出せるかも知れないし、もうずっと前からやっている方はいつごろ始めたかも忘れてしまっているかも知れない。

私はといえば、実はかなり鮮明に、自分の始めた頃の記憶を思い出せる。

そこで、これまでのTWCに於いては殆どデッキ紹介記事ばかりを書いていた私だが、今回は初心を思い出して、初めて遊戯王に触れた時の話を書きたいと思う。

暇な私と遊戯王

皆さんご存知の通り、おおよそ学生とは暇なものである。部活動に所属していなければ尚更暇である。これは太古から定められたルールであり、これを逸脱する者は“リア充”という伝説上の生き物しか存在しない。

そして当時高校生だった私もその例に漏れず暇を持て余していた。

勿論ゲームや読書、漫画などの娯楽をする事もあったがどれも目新しいものが無く、飽きてしまっていた。新しい刺激、衝撃的な体験。そういうものを求めていた。

そんな時だった。

「そうだ、カードゲームをしよう」

なんの前触れもなく閃いた。かのオルレアンを解放した聖女と称えられるジャンヌ・ダルクも始まりは神の啓示だったというし、これは早急に始めねばなるまい。そう思って、思い付いた当日に、金を持って早速カードショップに向かった。どのカードゲームを始めるかは決まっていた。勿論遊戯王である。

何故遊戯王なのかというと、単純に消去法であった。バトスピもデュエマも小学生の頃に遊びでやった。なら最後に残っているのは遊戯王だろう。当時カードの文化に疎かった私は、カードゲームといえばその3つしかなかった。ヴァイスシュヴァルツやウィクロスなどはその名前すら知らなかった。

ブリリアントダンディマンとゴキボール

スマホの地図アプリを頼りに最寄りのカードショップに着いた私は、早速店員に話しかけようとした。遊戯王を始めるに当たって必要な物が分からなかったからだ。当時の私はデッキの最低枚数すら知らなかった。そんな人間が初心者向けのデッキなど知る訳もなかった。ならば、分かる人間に聞くのが1番手っ取り早い。

だがしかし、ここで初心者丸出しで行くのはダメだ。今後遊戯王を続けるならば、この店舗とは恐らく長い付き合いになる。ならば舐められては終わりだ。さもなくば「レアカード」と称して《ゴキボール》を高値で売りつけられることになるだろう。

コレ。今では意外と使い道があったりするので思ったより高い。

それを避けるためには、「遊戯王、昔やってましたよ感」を出すしかない。幸い、遊戯王の原作アニメはケーブルテレビネットで見た事があったので、《ラーの翼神竜》は呪文を解読しなければその真の力を解放する事ができないことや、《光の護符剣》は《闇晦ましの城》の闇を照らし出すことくらいは知っていた。流石にこれだけの知識があれば、「遊戯王、昔やってましたよ感」なぞ簡単に出せるはずだ。アニメを元にカードゲームを作っているのだから、まさかそこまで大きな違いがあるはずもない。

しかしながら、いくら古参振ったとしても高校生という実年齢だけはどうしても誤魔化しが効かなかった。若い、というのはそれだけで舐められる理由たりえる。それではいけない。必要なのは渋さ、そう、若さの中に隠れた、ほんの一握りの未だ熟成されていない渋さだった。これは、もう、アレだ。今こそブリリアントダンディマンになる時だ。“あの”ブリリアントダンディマンになることさえ出来れば、田中力子さんを差し置いて世界最長齢の人間として振る舞う事すらも許される。そうして誕生した年齢不詳の人物は、意を決して出来うる限りのダンディな声で、発した。

「あ、あの、い、い、今の遊戯王って、何から始めるのがいいんですかね?」

「ウチ、遊戯王、取り扱ってないよ」

「え゛」

こうしてブリリアントダンディマンは下調べの圧倒的な不足によって敗北した。敗北者は、去らねばならぬ。とりあえず入ったからには何か買っておこうと思い、店の一番目につくところに置いてあった、入荷したてだという「冴かの」の恵のストレージとスリーブを全種類買って、そそくさと退散した。チア姿の恵が、傷付いた私を慰めてくれているような気がした。

「冴かの」、最高。

デッキとスリーブと悲しみのマッチョマン

しかし、ここで諦めるのは早過ぎる。私は遊戯王界のジャンヌ・ダルクになるべき男なのだ。今度こそ、遊戯王を取り扱っている店に向かわなければならない。

入念な下調べを行い今度こそ間違いなく遊戯王を取り扱っている店を見つけた。あの、なんだっけ、ほら、まぁいいや。ブリなんとかマンになる時が再びやってきたのだ。

「あ、あのー、今の、えー最近の遊戯王って、何から始めればいいんですかね?」

「どういうデッキが良いかによるね、シンクロがいい?エクシーズ?」

シ、シンクロ?エクシーズ?なんだそれは。遊戯も海馬もペガサスでさえも、そんな単語は口にしていなかった。マジック&ウィザーズ創始者も知らないならば、そんなものは遊戯王に存在するわけがない。もしや遊戯王は既に衰退し、取って代わる新しいカードゲームが始まっているのか?

今思えば、店員は私が遊戯王やってましたよ感を出していたためにそれに合わせた年代の召喚法を軸に教えてくれようとしていただけだったのだが、残念ながら私の融合デッキは《竜騎士ガイア》で止まっていた。

聞いたこともない単語にたじろぐ私を見て、店員はシンプルに私の事を狂人であると認識しただろう。昔遊戯王をやったことがあるような口振りの高校生が、シンクロもエクシーズも知らないのである。しかもなんならめちゃくちゃダンディに聞いてくる。これはもう恐怖以外の何者でもない。

本当に店員がそこまで考えていたかは分からないが、とりあえず

「一番新しいストラクチャーデッキ3つ買っとけば間違いないでしょ」

ということは教えてくれた。

なるほど、3つ、3つ買っとけばいいのか。

そうして最新のストラクチャーデッキ「パワーコード・リンク」を3つ購入。スマホと説明書を片手にデッキを組む。

最低枚数は40枚、同じカードは3枚まで……。ふむふむ、なるほど、エースモンスターの《パワーコード・トーカー》を出すためにはとりあえずいっぱいカードを並べれば良いんだな。ちゃんとその為にトークンを出すカードがいっぱい入ってる。……お、なんか並べなくても《パワーコード・トーカー》をタダ出し出来るフィールド魔法があるぞ?それを持ってくる為のカードも入れて……。

こうして遊戯王初心者のデッキはなんとか完成した。後はさっき買ったスリーブにカードを入れてデュエルの準備かんry……。いやちょっと待て。

スリーブとカードの大きさが合わないではないか。

今更皆さんに説明するまでも無いだろうが、一般的なキャラスリーブはデュエマなどのカードの大きさに合わせて作られており、遊戯王やバトスピのようなミニカードでは悲しいことに端の方が余ってぐにゃぐにゃしてしまう。そんな状態ではカードにもスリーブにも傷が入ってしまう。

これはもう悔しいが恵とはお別れをするしかない。仕方が無いのでなんかその辺に売ってたKONAMI公式の赤いマッチョマン(注:《パワーコード・トーカー》のことです)のスリーブを買い、デッキに装着した。

人生初デュエル

ここまで見事にカードゲーム初心者が嵌まりがちな罠に全て引っかかり、とても遠回りをしてしまったが、とりあえずこれで私のデュエルの準備は整ったわけだ。ここまでくればあとはもう存分にデュエルを楽しむだけである。

事前に約束しておいた遊戯王を嗜んでいる友人に連絡をして、デュエルのセッティングをする。残念ながら向こうの予定が悪くお互いの盤面をスマホで映すオンラインデュエルだったが、そんなものは大した問題では無い。決闘者に距離など関係は無いのだ。

いよいよ始まる人生初めてのデュエルでテンションは爆上がり。舌を出してデッキをカットしていた闇マリクだって、ここまでのワクワク感は無かっただろう。そう、今この世で1番遊戯王を楽しんでいるのは、間違いなく、確実に、私だ。そういう確信があった。

デッキからカードを5枚引き、ジャンケン。私の勝ち。勿論先攻。スタンバイ、メインと呟き、さぁ、人生初の、カードの発動を、今──!!

「俺は手札から《盆回し》発動!!俺はデッキから《サイバネット・ストーム》をお互いのフィールドにセット──」

「出来ないよ」

「え゛」

後編に続く。

(注:「パワーコード・リンク」にはフィールド魔法が《サイバネット・ストーム》しか収録されておらず、一緒に入っていた《盆回し》が発動出来ませんでした。なんでやねん!)


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