目次
あらすじ
どうも、私はキンプウエン。
名前は最悪おぼえなくていい。
まだ、遊戯王に復帰はしてない。
「一体、3回もコラム書いておいてなに話してんだ」
と、野次られるかもしれないが、前回・前々回を見てほしい。
知ったかぶってあぐらをかいていた私が、すべて悪い。
証拠歴然
今回は、やっと私、キンプウエンが遊戯王に復帰する話をする。
いや、復帰せざるを得なかったという表現が正しいだろう。
ということで、私がふたたび地元に帰るところから物語が始まる。
始めないとだめですか?
カズ「帰ってきたら遊戯王やろうぜ」
テツ「たくさん戦おうぜ」
キン「・・・・わ、わかった」
12月
電話越しに交わしたこの言葉がザックリと、私の背中を刺したまま年の瀬を迎えようとしていた。
そんな中、12月上旬に急用により地元に帰ることになる。
この旨を伝えたときは地元のデュエリストらも喜んでくれた。
「我々に新たな挑戦者が現れる」からだろうな。
血の気が多い連中だ。
だが、その血をたぎらせたのは紛れもなく私である。
私が「ドラゴンメイドはいいぞ」と言わなければ、こうならなかった。
つまんだだけの知識を大っぴらにしなければ、こうはならなかったのだ。
1.電話越しにかわした友との約束。
2.油を注いでしまったことへの自責の念。
・・・・・・
・・・・あーーー、ぜーーんぶ私が悪いじゃねーーーかーーー。
予想外だよほんっっとに!
何より、一端のデュエリストにもなれていない私のことを「友達のなかで遊戯王に一番詳しい人」と称してくれていることが一番、申し訳なかった。
仕方がない、不本意ではあるがデッキを作るしかあるまい。
こうして、地元に帰る前にひとつデッキを作ることとなったのだ。
復帰と見栄
よし、どんなデッキを作ろうか。
とりあえず、カードゲームをするにあたって大事なことを抑えておこうか。
第一に、自分が楽しむ必要がある。
第二に、強いカードではなく好きなカードを使う。
第三に、ほかのデッキと戦えるだけの強さが必要。
ほかのデッキと戦えるだけの強さが必要。
戦えるだけの強さが必要。
・・・・・・
コイツらと対等に戦えるデッキってなんだ!!?
コイツらと対等に戦えるデッキってなんだ!!?
あっ、確か「オルフェゴール」が強いって言ってたよな。
イラストも楽器みたいで華やかだしいいんじゃないk
カズ「オルフェゴールも作っているよ」
ぬかりねぇえええええ
ていうかカズ! お前、カワイイカードが入ってるデッキしか使う気ないんじゃなかったのかよ!
カズ「かわいいだろうが」
キン「さじ加減だろうが」
いいよもう、じゃあもうファン寄りのデッキを作るよ!
まぁ、それに「強い」を理由にしてデッキを作りたくなかったから、これはこれでよかったかもしれない。
「好き」を理由にしてデッキを作りたい。これだけは曲げられん。
ということで、地元復帰組に続き、私も実に数年ぶりにカードゲームショップを訪れることとなった。新しい土地のカードゲームショップは初めてである。
入店前に軽く深呼吸したのは内緒の話。
中は一般的なカードゲームショップの様相だった。ショーケースに並ぶカードの列と、テーブルの上でストレージボックスとポテトチップスをおおっぴろげにして遊ぶ中学生たち。
・・・・・・・・うゎぁっ、懐かしいぃ・・・・
よし、さっそくショーケースを覗いてみる。
・・・・・・
・・・・・・・????
・・・・何を買えばいいかわからない。
そう。私の情報源は動画である。動画で得た知識しかなかったため、
「このデッキのこのカードが強い」
「最初にドローしておきたいカード」
は、知っていた一方で。
「どのカードがあればデッキができるのか」
だけは画面越し、ショーケース越しにはわからなかったのだ。
ドーナツ屋のように「店員さーん、このショーケースの上一列全部くださーい」と注文するだけでデッキができたらどれだけ簡単なのだろう。
店長「何かお求めで?」
キン「あっ・・・・えーっと、遊戯王に復帰したくて・・・・」
見かねた店長が話しかけてくれた。昔だったら、うっとうしいだけの店員さんが今ではガンジーのように高貴な存在に見える。ありがとう、こんな挙動不審にショーケースを物色する男に話しかけてくれて!
・・・・いや、不審者だと思って話しかけたのかもしれないな。
店長「あ、復帰したいのね。どんなの欲しいの」
キン「えっと・・・・」
ここでの最適解は、
「一番新しいストラクチャーデッキ3つください」
であることは承知の上。だが、ストラクチャーデッキでデッキは作りたくないという変な見栄が邪魔をした。
キン「えっと、一番新しいパックください」
店長「えっ、じゃあこの「リンク・ヴレインズ・パック3」になるけど」
キン「あ、じゃ、じゃあそれで(無知)」
リンク・ヴレインズ・パックとは。
既存のさまざまなデッキを強化させるリンクカードが多く入っている。再収録されるカードも多く、今まで手に入りにくかったテーマカードを簡単に手に入れることができる。
つまり、デッキがなきゃ意味がない。
私は今、「パソコンがない状態でマウスとキーボードを買った」状態なのだ。
店長「えー、復帰するには向いてないけど」
キン「大丈夫です」
一体何が大丈夫だったんだろうなぁ。
HELP ME,AKIIIIIIIIII!!
こうして見栄を張った私はデッキを買わず、「リンク・ヴレインズ・パック3」を1箱買って帰ることとなった。
これだけでデッキができるわけがないだろう!
しかし、このパックで出会いを果たすこととなる。同時に、これから作るデッキを決定づけることになった。
う、美しい!!シークレット加工も相まって強そうに見える!
後に店長に話を聞いたところ、このパックはシークレットレアの封入率が渋いらしい。強い弱い関わらず大事にしたほうがいいとも言われた。これは、余計うれしいな!
決めた! 「ローズ」を作ろう!
カズに「シクの買い取り安いよ」と言われたけど知らん!
そのためには「ローズ」テーマのカードを調べる必要がある。確か、シンクロ召喚が出てきてけっこう始めの頃に《ブラック・ローズ・ドラゴン》ってカードがあったはず。多分、この系統だよな。
昔のカードにも救いの手を差し伸べる。流石は、KONAMIさん。
さてさて、公式サイトさんで「ローズ・ドラゴン」カードを調べてみよう!
- 《ブラック・ローズ・ドラゴン》
- 《レッドローズ・ドラゴン》
- 《ブルーローズ・ドラゴン》
- 《ホワイトローズ・ドラゴン》
- 《クロスローズ・ドラゴン》
・・・・・えっ、こんだけ?
レッド、ブルーときたら信号機理論でイエローもあるだろ!
チューリップの歌も「あ~か~し~ろ~き~い~ろ~」って言ってるじゃん!
ローズだけでデッキ作れねーじゃねーか!
どうなってんだよ、十六夜アキーーーー!!!!
強制送還
ということで12月はじめ、
デッキを完成させることはできず、大事にケースにしまった《クロス・ローズ・ドラゴン》片手に地元に帰ることとなった。
いろいろと試行錯誤を繰り返したが、どうやら《ガーデン・ローズ・メイデン》というカードが必要になるということと、「ローズ」以外にもドラゴン族シンクロモンスターや植物族の汎用カードが必要なこと、そしてこれらを用意してもデッキとして完成させるにはカードが足りなすぎることがわかるだけだった。
ので、例のデュエリストたちに地元に帰ったことは黙っていた。
が、そうは問屋が卸さない。
カズ「あれ、帰ってきてたの?」
キン「・・・・うん」
なぜか会ってしまった。田舎とは実に狭いものだ。
カズ「ちょうど明後日遊べるから、遊ぼうぜ」
キン「スーーーーーッ・・・・
・・・よし、わかった」
こうなってしまったら覚悟を決めるしかなかろう。
地元に唯一あるカードゲームショップにそのまま突撃した。
キン「すいませーん!遊戯王のデッキください!!」
店員「!!?」
第一声である。恥なんてあるか!
そこで店員さんと作りたいデッキを練っていくことになる。
こちとら急いでいるんだ。ポリシーから反してろうが構わん。
まず、今手持ちにある《クロスローズ・ドラゴン》を有効に使えるデッキが欲しいこと。であるならば「ローズ」デッキを作るべきだが、必要なパーツが多すぎて用意ができないとのこと。ならば他のドラゴン族か植物族のデッキに組み込めないか・・・・
ここである言葉を思い出す。
カズ「今、使ってない手札誘発あげるか?」
カズ「《浮幽さくら》は年末に使いそうだから、《エフェクトヴェーラー》と《儚無みずき》が余ってるかな」
《儚無みずき》
キン「あの、「アロマ」ってすぐに揃います?」
店員「あー、アロマならけっこうあるよ」
キン「あと、《月華竜 ブラック・ローズ》と《ブラック・ローズ・ドラゴン》あります?」
店員「あるある、月華竜だけちょっと高いけど」
「ローズ」がドラゴン族主体のデッキである一方で、植物族も扱うことをどこかで聞いていたことが活きた。ならば、植物族テーマのデッキで、回復が使えて強い・・・・
「ローズ×アロマ」だ!
まさか、動画のおかげで無駄に広がったカードプールが活きるとは。
よし、あとはカズに頼んで余ったカードを譲ってもらって・・・・・・
できた!
いろいろ足りないが、使いたかったカードを使ったうえで、十分にデュエルができるようになった!!
恥ずかしいからあんまり、未完成なデッキのレシピを見せたくはないけれど、カードを全部覚えていたわ。
それだけ、ひとつのデッキを作り上げたときの圧倒的な喜びがあったのだろう。
パズルのピースを掛け合わせるように1枚1枚をデッキに組み込み、最後の40枚目のピースが埋まった、あの感覚によく似ている。
少年時代に置いてきてしまった感覚でもあった。いつ以来だろうね、こんなにカードで一喜一憂したのは。
・・・にしても、エクストラデッキ少なかったり、ひでぇデッキだ。
こうしてやっと私はデュエリストになった。
次回予告
ついに「ローズ・アロマ」デッキを完成させたキンプウエン。
来たるあさってに向けて「アロマ」デッキの回し方を実家の布団の上で練習し続けた。
そして迎えた当日。ついに2ヵ月の因縁に決着をつける!
次回「キンプウエン、ガチデッキに指一本たりとも触れられず敗北」
デュエル、スタンバイ!