はじめに
こんにちは。あーくんです。前回の更新がGP前だったということで、だいぶ間が空いてしまいましたが、皆様お元気でしたでしょうか?
GP、もう1ヶ月以上前の話ですね……。自分はチームメイトの助けもあり、入賞、念願だった全国大会への出場権利を獲得しました。
ありがたいことにこのような記事も書いていただき、今後、この環境まとめ記事が一つの指針になれば恩返しできるかなと考えています。
さて、今回はGP後の環境について解説していこうと思います。
……が、しかし、今回の環境は新弾が出てから大分時間が経ったことや、プレイヤー間の練度の向上が合わさり、ある種異常な環境が生成されています。
新弾発売前ですので、環境最終期に差し掛かってきました。この後の数週間をどう戦うのか、そもそもこの環境は一体何なのか、そういったことを主軸にはなしていきたいと思います。
それでは、オリジナル環境解説5月編、スタートです。
2024年4月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
Tier1
【火水マジック】Tier1
入賞率30%オーバー。環境最強どころか歴代最強候補に名前を挙げる人も少なくありません。デーモン・オブ・ハイパームーン環境を定義しているデッキが【火水マジック】です。
改めてこのデッキの動きをおさらいしましょう。
まずは小型のマジッククリーチャーを展開。
そして優秀な5コストマジックに繋いで
《芸魔王将 カクメイジン》や《瞬閃と疾駆と双撃の決断》などで相手を殴り倒す。たったこれだけです。
登場以来このデッキの基本理念は変わっていません。
ではなぜ今こんなにも入賞率が高いのか。それは、プレイヤー間の認識の変化にあると考えられます。
・マジックの3キルは受けられない
・溜めてきたマジックの破壊力は止められない
・マジックはロングゲームをさせても強い
ほとんど全ての競技プレイヤーがこれらを改めて認識したことにより、【火水マジック】と同速のデッキを蹴散らし、【火水マジック】よりただ遅いデッキを環境からシャットアウトしました。
長期戦に持ち込んでも《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》と《氷柱と炎弧の決断》の除去効率がずば抜けており、7マナで《カクメイジン》が走ってくることも珍しくはなくなりました。
前回までとの構築の違いは《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》と《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》の複数採用と、メタクリーチャーを極限まで減らしたことでしょう。
現在の【火水マジック】は3キルの精度の高さもあり、その地力の高さだけで環境の頂点に君臨しています。
【火水マジック】に有利と言われていた【闇自然アビス】ですが、正直先攻を取った側が大幅に有利であることは間違いありません。
懸念点と言えばデッキの操作が難しすぎるところでしょうか。環境が煮詰まるにつれてプレイ練度が要求されるのはどのデッキも変わりませんが、このデッキは初手のマナ埋め、2ターン目のカードプレイの選択、3ターン目のディスカードなど、シビアな選択を迫られることが多く、1ミスでゲームが破綻することも珍しくありません。
そういった難しさがプレイヤーを魅了している点も間違いなく存在しており、人気、強さ共にこの環境の王者であると言えます。
【闇自然アビス】Tier1
殿堂発表後、【火水マジック】と共に常に環境トップを走っているトップデッキ、【闇自然アビス】です。
【火水マジック】に続いて改めて動きを説明しましょう。
まずは2コストのカードでマナブースト
メクレイドでクリーチャーを展開
マッハファイターやハンデスで逆転の目を摘んで勝利
こちらも非常に単純明快なデッキです。
このデッキの最大の強みは再現性。メクレイド連打により、ほぼ全てのゲームで同じような試合展開を見せることができます。
前回の記事では打点よし、妨害よし、除去よし、上振れよし、絡め手ありの優等生デッキと紹介しましたが、アップデートにより《とこしえの超人》や《清浄のカルマ インカ / オキヨメ・水晶チャージャー》《マキシマムザ亮君(暴天覚醒MAXIMUM神羅曼象)》といったトリガー封殺カードも採用されるようになりました。
現在のTier1は【火水マジック】と【闇自然アビス】のみであり、入賞数は合わせて50%超え。そもそもの母数が多いこともありますが、この2デッキは両方速度と対応力を兼ね備えているため、シンプルに強いです。
そしてこの2デッキの方向性が違い、双方に有利主張がしきれないため、結果として両デッキが環境に居座り、他のデッキは半ば蚊帳の外状態になってしまっています。
Tier2
これから紹介するのは、上位2デッキに立ち向かえるデッキとして練り込まれているデッキ群です。
【水闇COMPLEX】Tier2
対【火水マジック】と【闇自然アビス】という環境でこのデッキを無視することはできません。
最近のトレンドは《アクア忍者 ライヤ》。《DARK MATERIAL COMPLEX》の設置が遅れても巻き返すことができる他、そもそもキルレンジを読み切らせない強さもあります。
弱点は《DARK MATERIAL COMPLEX》依存の出力と、【火水マジック】に詰め切られると押し切られる試合が存在するところ。 両方を見れるという部分を掘り下げると、《DARK MATERIAL COMPLEX》で【闇自然アビス】を意識していてシールドトリガーや《奇天烈 シャッフ》で【火水マジック】を意識しているという構造になっているため、引きの噛み合いによってはゲームが上手く組み立てられない試合も生まれてしまいます。
実際には漁夫の利に成功しており、環境内で良いポジションをキープしている3rdデッキと言えます。
【ラッカゴスペル】Tier2
特に【火水マジック】を強く意識しているのが現在の【ラッカゴスペル】です。
アドバンスで使用されていたような《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を連打するタイプの構築に《T・T・T》といったリソースカードを加えてよりオリジナルの環境に適応した構築になっています。
ひと際異彩を放つのが4枚採用された《ファイナル・ストップ》です。
4ターン目から連打することで【火水マジック】の行動を牽制し、《水晶の王 ゴスペル》の着地でそのロックを継続させて勝つことをゲームプランに組み込んでいるため、人によっては《禁時王秘伝エンドオブランド》の採用をしているプレイヤーもいるほどです。
リソースゲームで【闇自然アビス】と向かい合うこともでき、【水闇COMPLEX】や【マトリクスループ】といった自分より速度が遅い対面にも強く出ることができるため、Tier2以下のデッキまで満遍なく意識したときにこのデッキはその存在感を光らせるでしょう。
弱点は上位2デッキの上振れ。特に【火水マジック】の先3《カクメイジン》なんかは《オリオティス・ジャッジ》くらいでしか捌けず、仮に捌いたとしても後続で押し切られるゲームがほとんどです。 また、《キャディ・ビートル》や《ボン・キゴマイム》などの正統派メタカードが少し重い場面もあり、使う際には自分のリソースをどこまで抱えるのか、速度を出すのかの判断が重要なポイントとなっています。
【マトリクスループ】Tier2
DMGPで鮮烈なデビューを果たし、その後も研究が進んだことにより、地道に母数や入賞数が伸びてきているのがこの【マトリクスループ】です。
現在はアナカラーで組まれることが多く、最速4キル、安定5キルを狙う構成になっています。
《アーテル・ゴルギーニ》が2枚、《終斗の閃き マトリクス》と《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》、《緊急再誕》を揃える必要があるコンボデッキですが、この一見無茶な要求を《邪魂転生》が一気に解決したことにより、キル速度と精度の両立が可能になりました。
リソース面で圧倒することができるため【闇自然アビス】に対して特に強力なデッキと言えます。また、初見での対応が難しく、地味に受けも硬いデッキなので、この後環境で長く活躍することもあるかもしれません。
Tier3
なし
さて、前代未聞となりましたが、個人的にはこの環境でTeir3と呼べるデッキはないと考えています。
いや、入賞しているデッキは色々あるんですよ?【光自然ヘブンズ・ゲート】とか【光単ゴルゲルス】とか【闇単アビス】とか【5c蒼龍】とか。
どれも強力なデッキであることに変わりはありません。
しかし、これらの挙げたデッキと、よく言われるローグデッキ(ここでは例として【ハチ公】を挙げておきましょう)たちは、母数も、入賞数もあまり差がないのが現状です。
具体的に言うと、参加者50人ほどのCSでは、20人近くが【火水マジック】、10人が【闇自然アビス】。そこにTier2群をあわせたものが10人。そして残りが母数2以下でその他に分類されているという分布になっているのが現環境です。
それほどまでに【火水マジック】と【闇自然アビス】は強大であり、他の追随を許しません。
もちろん、この広いカードプールには、どこかに答えが眠っているはずですし、その可能性を追うプレイヤー達もいます。
最近は上位4デッキが全て【火水マジック】であることも珍しくなくなってきましたが、そんな今だからこそ、改めて新デッキで入賞するプレイヤーやデッキの輝きは増していると感じます。
ですがあまりに流動的かつ環境に留まるデッキがないことから、今回のTier3はなしとさせていただきます。
環境のまとめと今後の展望
情報をまとめていて目眩がするくらい2トップが圧倒的な強さを誇っている環境になっているのが5月のオリジナルフォーマットでした。
【火水マジック】と【闇自然アビス】、構築の洗練され方も目を惹きますが、なによりプレイヤーの練度が上がりすぎていて本当に付け入る隙がなくなってきています。
その分、今トップ2デッキと向き合ってプレイスキルを磨くのことは、後々の大きな財産になるでしょう。
6月は新パックの発売があり、魔覇革命から長く続いたこの環境にテコ入れが期待できます。みなさんもこの激動を体感しましょう!
おわりに
というわけで、5月のオリジナル環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、6月のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!