殿堂入りも解除もいっぱいやってほしい派閥です
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。来ませんでしたね、殿堂入り。今年は3月ですって。
これまでの「1月と7月にやる」みたいなサイクルをずらして新体制に持っていく予定……なんだと思います。変なタイミングでGoA始まりましたし、最強位決定戦もありますし。
まあ、言ってあと一か月ちょっと。【青魔導具】とかに未練がある方は、どんどん回していってくださいね。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《冥界を統べる新月のハーデス》
【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / デーモン・コマンド / 月光王国 / 文明 光/闇 / パワー15500 / コスト9
■ブロッカー
■T・ブレイカー
■自分のクリーチャーすべてに「エスケープ」を与える。(「エスケープ」を持つクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のシールドを1つ手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない)
■オシオキムーン:カードが自分のシールドゾーンを離れた時、相手のクリーチャーを1体破壊する。
DMEX-13「四強集結→最強直結パック」にて登場した、月光王国のSRですね。
月光王国最重量級だけあり、エスケープによる除去耐性とオシオキムーンによる除去が実に噛み合った見事な防御性能を見せてくれるこのカード。
巨大ブロッカーということで【天門】系列とも好相性という、地味ながらハイスペックな一枚なのですが……
明らかにスペックを上回る、異様に高いシングルカード市場価格を保つ一枚でもあります。
どんなデッキにでも入るわけでもないカードが、今なおこの価格!まあまあ異常なことだと思いますし、私もまあまあ異常だと思いながら4枚買いました。月光王国好きなんだもん……。
そんなわけで、今回のテーマは、「どうしてそんなスペックと値段の乖離が起きるか」。どうぞお付き合いくださいませ。
……と、それっぽいことを言ってみたんですが、資本主義として答えはシンプルです。
「需要に比べて供給が極端に少ないから」。
では、なぜそうなったか。これにはいくらか理由があります。
まず第一に、「封入率が低くて供給されない」。
DMEX-13というパックは、1パック130円(4枚入り)かつ1BOX24パックの構成。
そして1BOXにマスターカード2枚、SR2枚、VR4枚、レア16枚が入っている(そして、それらは同じパックからは出てこない)……とされています。まあ再録と新規で枠が分かれているという話も聞きますが、いったんそれはスルーで。
で、SRは全8種。単純計算で、特定のSRを引くには期待値で4BOX(12480円)ほど剥く必要があるわけです。これは「パックを買うと1/96で出る」とも言い換えられます。
これがどれくらいの値かを知るために、比較的近いカードパワーのパックことDMEX-09から11の「ドッキングパック」を見てみましょう。
あちらは1パック180円(6枚入り)かつ1BOX16パックの構成。そして1BOXにSR2枚、VRが4枚。SRは全4種です。
こちらを計算すると、特定のSRを引ける期待値は2BOX(5760円)。「パックを買うと1/32で出る」ですね。
……3倍!?
そりゃ1パックの値段が違うしキングマスターも入ってるとはいえ、要は「ドッキングパックのSRより3倍出にくい」んですよこいつ!
一応、十王篇の通常パックから特定のSRが出る確率は1/110(1パック150円(5枚入り)かつ1BOX30パック、1BOXにSRは3枚の全11種)なのでそっちよりは出やすいんですが、通常パックはめちゃ強のキングマスター3種入ってますからね…!(例外アリ)
ともあれ、このパックから《 冥界を統べる新月のハーデス 》を開封するのには相当骨が折れることが分かっていただけたと思います。そりゃ供給も減ります。
次に、「パックが剥かれなくて市場に供給されない」。
ものすごく正直な話をすると、このパック全体のカードパワーは非常に低いです。
その理由は、このパックが「ドッキングパック」の流れを引く「十王篇の各チーム・王国の基本カードを供給してデッキを組みやすくするためのパック」だったから。
要するに通常パックの主役たるキングマスターを支えられるような、よく言えばいぶし銀、悪く言えば地味なカードがいっぱい入ってるんですよ。おおむねノーマル枠に。
この手のカードの供給は初心者やキッズ層(あと、当時推されていた2ブロック構築)のためになんとかしてある程度行う必要があるんですが、その反面超天篇のカードパワーに目を焼かれた高年齢層への訴求力に欠けていてですね。
そのうえでさっきの封入率問題もありますし、「BOXで買ったうえで、シングルカード市場に余ったカードを供給してくれる」人は相当少なかったものと思われます。キッズ、箱じゃなくてパック単位で買いますからね……。というかそれが普通なんだって!
こうして、《 冥界を統べる新月のハーデス 》の供給がまた減りました。
そして最後に、「同期の中でもっとも需要が高かった」。
ここで一度、このパックで登場した新規SRを眺めてみましょう。
お前らやる気あんのか!?
そう。《 冥界を統べる新月のハーデス 》以外全員、めちゃくちゃデッキを選ぶんですよ。
《 無量大龍 ツェン・ミリアルデン 》はデッキ全体にムゲンクライムを要求しますし、《 劇の根源 マクガフィン 》はビビッドローに頼らず運用するには骨が折れるスペック。《 捕封の鎖 テラエイプ 》は……アバレチェーンっていう能力そのものが……はい。
そんな中、【天門】というデザイン通りの職場があって出せばちゃんと仕事をしてくれるこのカードに、消去法で需要が集中。
カードを売るショップ側としても仕入れたパックの元を取る必要がありますから、需要の高まったカードの値段が上がる……ということで、また《 冥界を統べる新月のハーデス 》の値段は上がりました。
ちなみに、キングマスターの《 勝熱龍主 モモキング 》も《 鬼ヶ大王 ジャオウガ 》も当時はそこまで評価されていなかった(【4c邪王門】とか未開発でしたし)のもそれに拍車をかけたとされています。
なんなら、超使いにくい他三種すらスペックと比べて結構な値段しますからね。格安企画で使おうとして何度も挫折したので知ってます。
……とまあ、それらの条件が複合した結果、今なお希少な《 冥界を統べる新月のハーデス 》 くんが生まれたということです。
個人的にめちゃくちゃ好きなカードだけに思う所は大いにあるんですが、とりあえずカードパワーだけが市場価格を決めるわけではないということは分かっていただけたと思います。
ところで、なんでこのパックがそんな歪んだことになったかは……
次回に続きます。
蝶が羽ばたけばハリケーンが起き、風が吹けば桶屋が儲かる
というわけで、《 冥界を統べる新月のハーデス 》でした。
これは余談になるんですが、この時期は2ブロック構築を意識したカードデザインや収録がなされていた時期。
その最大の煽りを受けていたのが、この月光王国だったりします。
いやその……この時期の2ブロックにはないんですよね、《 ヘブンズ・ゲート 》が。ここまで「天門使えよ!」っていうカードを刷りまくりながら。環境を考慮したつもりだったんでしょうが、さすがに慎重すぎたと思いますよ。
十王篇期、内外から歪みが出過ぎている……!
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。