目次
はじめに
はじめまして ふみをおと申します。
今回紹介するのは「G・コザッキー1本槍デッキ」です 。
こういった記事を書くのは初めてのため、拙い文章になりますが、最後までご覧いただけたらと思います。
デッキレシピ
まず初めに、こちらがデッキレシピになります。
モンスターカード:6枚
- 《G・コザッキー》:3枚
- 《絶対王 バック・ジャック》:3枚
魔法カード:13枚
- 《強制転移》:2枚
- 《強欲で謙虚な壺》:3枚
- 《局所的ハリケーン》:1枚
- 《光の護封剣》:2枚
- 《浅すぎた墓穴》:1枚
- 《命削りの宝札》:3枚
- 《チキンレース》:1枚
罠カード:21枚
- 《ガード・ブロック》:3枚
- 《スウィッチヒーロー》:2枚
- 《タイフーン》:2枚
- 《トラップトリック》:2枚
- 《バースト・リバース》:2枚
- 《停戦協定》:3枚
- 《破壊輪》:2枚
- 《地獄の扉越し銃》:3枚
- 《スキルドレイン》:2枚
エクストラデッキ:0枚
コンセプト(1本槍デッキについて)
このデッキのコンセプトである、1本槍デッキとは、デッキに入れた1種類のモンスターを主軸とし、そのカードをうまく使ってデュエルに勝つというコンセプトになります。
そのため、1本槍デッキはモンスターを用いたビートダウンデッキであることが多く、近い構築として、各種結界像モンスターを用いて戦う「結界像ビート」や、《サブテラーの導師》を駆使して戦う「導師ビート」などのデッキがあげられます。
1本槍デッキについては先日関西で開催された『嵐を呼ぶマン吉72時間耐久オフ会』で大会が開かれるなど、関西やツイッターを中心に話題になっています 。
『嵐を呼ぶマン吉72時間耐久オフ会』についてはガチまとめで記事があがっています。
出典:ガチまとめ【交流会情報】72時間連続開催!?『嵐を呼ぶマン吉72時間耐久オフ会』の様子をお届け
そもそも《G・コザッキー》って何??
デッキ名に《G・コザッキー》とありますが、知らない人もいると思います。
また、知っている方もデッキの根幹であるこのカードについて、復習もかねてご覧いただければと思います。
《G・コザッキー》ジャイアント・コザッキー
闇属性 レベル4 悪魔族・効果
フィールド上に「コザッキー」が表側表示で存在していない場合、このカードを破壊する。フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊された場合、その時のコントローラーにこのカードの元々の攻撃力分のダメージを与える。
ATK/2500 DEF/2400
カードテキストを読んでいただくとわかるように、このカードはデメリット効果の塊です。
昔のテキストのため分かりづらいですが、《G・コザッキー》は2つの効果を持っています。
1つ目が、
フィールドにコザッキーが存在しない場合にチェーンブロックを組まずに破壊されるという永続効果
2つ目が、
表側表示で破壊された際に破壊された時のコントローラーに2500のバーンダメージをあたえる強制効果になります。
ちなみに、《G・コザッキー》の維持に必要な《コザッキー》のステータスは非常に低く、
《コザッキー》
闇属性 レベル1 悪魔族
魔界言語の研究に全てを捧げているモーレツ悪魔。働きすぎて精神が崩壊している。
ATK/400 DEF/400
《コザッキー》と《G・コザッキー》の2体をフィールドに維持し続けることは現代遊戯王においてかなり難易度が高いです(おそらく発売当初の環境でも難しいです)。
《G・コザッキー》は2つのデメリット効果を持つ一方、通常召喚可能なレベル4として、破格のステータスを持っています。
これは初収録の2005年の際はステータス最強のレベル4と言っても過言ではなく、記事を作製した2019年9月現在においても、全てのレベル4以下のモンスターで最大の攻撃力を誇り、守備力は7番目の数値、ステータスの合計値は2番目となっています(ステータス合計トップは《機皇帝ワイゼル∞》)。
このように《G・コザッキー》は、大きすぎるデメリットと破格のステータスを持つ強いのか弱いのかわからないモンスターという表現ができるかと思います。
カードの採用理由と戦い方
先に紹介したデッキレシピを見た際に、1本槍なのに《絶対王 バックジャック》が入っているじゃないかと思った方もいると思います。
このデッキはモンスターを《G・コザッキー》しか入れないから1本槍というわけではなく、《G・コザッキー》をうまく使うというコンセプトのため、《絶対王 バックジャック》を入れデッキの安定性を高めています。《絶対王 バックジャック》の採用理由としては、罠へのアクセスを増やす、ドローの安定性を上げる、攻撃力0のモンスターを相手に送りつけダメージを取る、この3つがあげられます。
では、そもそもデメリットの塊である《G・コザッキー》でどうやって戦うのかというと、
このデッキは効果ダメージによって相手のライフを削りきることを狙います。
もちろん、《スキルドレイン》を発動した状態で《G・コザッキー》を召喚すればお手軽に攻撃力2500のモンスターを召喚できます。しかし、《神獣王バルバロス》や《深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト》などのいわゆる半上級モンスターは召喚した瞬間に永続効果により攻撃力が下がることから、《スキルドレイン》適用下で攻撃力が3000に戻り、あっという間に《G・コザッキー》の攻撃力を超えてしまいます。そのため、これらのカードの存在により《G・コザッキー》を採用する旨味がなくなってしまいます。
さらに、《スキルドレイン》を使用してビートダウンできていればデュエルとして成立しますが、《スキルドレイン》が破壊された場合や攻撃力を超えられた場合、《G・コザッキー》が破壊され、2500ものダメージを受ける羽目になってしまいます。
こうなってしまうともう挽回の余地はなく負けが確定してしまいます。
そのため、一見デメリットに見える強制効果による2500のダメージをいかに相手に与えていくかを突き詰めていきました。
重要なのは相手に《G・コザッキー》のコントロールを移し、表側表示にしてから破壊することです。
そこで注目したのは、最近制限カードから解除された《停戦協定》になります。
①:フィールドに効果モンスターまたは裏側守備表示モンスターが存在する場合に発動できる。フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にする。この時、リバースモンスターの効果は発動しない。フィールドの効果モンスターの数×500ダメージを相手に与える。
そう、「表側」にできるのです。
このカードの採用により、セットすれば戦えるという、半上級モンスターにはない利点を得ることができ、さらに《スキルドレイン》に頼らない戦いをすることができます。
あとは簡単です《強制転移》や《スウィッチヒーロー》を用いて相手に《G・コザッキー》をプレゼントしてあげればいいのです。
さらに、ここで重要になるのが《停戦協定》の効果で入るバーンダメージです。
《停戦協定》は効果処理中に《G・コザッキー》を表側表示にするため、なんと、《G・コザッキー》を《停戦協定》の効果モンスターの数に数えることができます(2019.09.18に裁定確認済)。
そのため、コントロール入れ替え+《停戦協定》、これを3回やれば勝てます(錯乱)。
現実的ではないですね
では、残りのダメージソースを確認していきましょう
《チキンレース》、《破壊輪》、《地獄の扉越し銃》
この3枚です。
《チキンレース》は相手に1000ダメージを与えることができるカードとして採用されています。さらに、自分のライフポイントが相手よりも低い場合《G・コザッキー》のバーンダメージを受けることなく運用することができるようになるため、非常に相性のいいカードになっています。
《破壊輪》は相手モンスターを破壊することで展開を妨害しながらダメージを与えることができます。もちろん《スキルドレイン》適用下で、相手フィールドの《G・コザッキー》を破壊すれば一挙に5000ものダメージを与えることができます。
《地獄の扉越し銃》は《G・コザッキー》の効果にチェーンして発動することで、ダメージを相手に移し替えることができます。
このようなダメージソースに加えて、《強制転移》や《スウィッチヒーロー》で奪った相手モンスターの攻撃でダメージを稼ぎます。
その他のカードの採用理由ですが、
このデッキには、ドローソース、蘇生カード、デュエルに生き残るためのカードの3種類が採用されています。
この中で先にあげたカードと特に関連のあるカードは《浅すぎた墓穴》と《光の護封剣》になります。
《浅すぎた墓穴》は自分と相手が墓地からそれぞれモンスターを裏側守備表示で蘇生する魔法カードであり、相手もモンスターを蘇生できてしまうデメリットから、あまり採用されていません。このデッキにとっては相手フィールドにモンスターを用意することで、《強制転移》や《スウィッチヒーロー》の発動条件を満たせるために、非常に相性がいいカードとなっています。
《光の護封剣》は《停戦協定》と同様に相手フィールドのモンスターを表側にすることができます。主にこちらの効果を狙っての採用となっており、おまけで3ターンも戦闘ダメージを受けないで済む優れものです。
もちろんおまけのためだけに発動することもあります。
このデッキの戦い方については先ほども書きましたが、ドローソースやバックジャックを用いてGコザッキーやダメージソースを引き込み、バーンダメージで勝つという戦い方になっています。そのため、コンボデッキのような展開例や目指す盤面など存在せず、ただただ《G・コザッキー》を使って勝ちを狙います。
一見弱そうに見えるものの非常に初見殺しなデッキとなっており、戦い方を知らない人相手には高い勝率を誇ります。
また、1本槍デッキを用いたミラー対戦は非常に緊迫した熱いデュエルになることが多く、この記事を読んで作ってみたい、触ってみたいと思った方は是非遊んでみてはいかがでしょうか。
ここまでで、デッキ自体の紹介は終わりとなります。
以下に今回のデッキを作製するにあたり、重要になった裁定や、裁定のせいで不採用になったカードについて書かせていただきます(もしかしたらこっちがメインなのかもしれない)。
番外編:《G・コザッキー》の裁定
《G・コザッキー》と戦う、運用する際に知っていて得すること間違いなしかと思います。
召喚した瞬間のできごと
フィールドに《コザッキー》がいない時に《G・コザッキー》を通常召喚した場合、召喚に成功した瞬間に破壊されることで、召喚成功時に強制効果が発動します。例えば、《激流葬》を発動したいのであれば、強制効果が発動していますが、召喚成功時にあたるため、《激流葬》をチェーン2以降に発動することができます(2019.09.18に裁定確認済)。
このような裁定は彼岸モンスターなどにも当てはまるため理解出来る方も多いと思います。
しかしながら、この状況が実際に起きることはないに等しく、自分もほぼ行ったことはありません。破壊されるかつ2500ものバーンダメージを受けるために召喚権を割くというプレイングが自分にプラスに働く盤面が非常に稀であるためです。
Gコザッキーに召喚権を割く際はスキルドレイン適用下でない限りはセットすることが基本のプレイングになります。
ここで疑問が出ると思います。セット状態にするだけでは破壊された時に強制効果が発動しないからただただ弱いだけじゃないか?
僕もそう思っていました。
裏側の《G・コザッキー》が攻撃をうけたら?
では、裏側守備表示の《G・コザッキー》が相手モンスターの攻撃対象になった場合はどうなるのでしょうか?
裏側守備表示のモンスターはダメージ計算前に表側表示にする必要があります。
しかし、このタイミングで表側表示になっても、ダメージ計算前には《G・コザッキー》の自壊する強制効果は発動しません(2019.09.18に裁定確認済)。
戦闘することが確約されたカードは永続効果により破壊されず、戦闘を行うというルールが存在しているらしいです。
そのため、戦闘破壊された場合は戦闘破壊されたことにより強制効果が発動し、戦闘破壊されなかった場合は相手に反射ダメージを与えつつ、ダメージ計算後に自壊し、強制効果が発動します(2019.09.18に裁定確認済)。
《G・コザッキー》の高い守備力が生かされるということになります。
裏側守備表示でセットしていても戦闘を経由することで効果が発動してしまうことは一見デメリットに見えますが、メリットにもなります。
前述した、《地獄の扉越し銃》はダメージを与える効果に直接チェーンしなければなりません。そのためメインフェイズなどに《G・コザッキー》が破壊された場合、強制効果の発動後、一度優先権が相手に移るため、フリーチェーンの効果を発動されるだけで《地獄の扉越し銃》を発動できなくなってしまいます。
しかしながら、ダメージ計算後のタイミングは発動できるカードが非常に限られていることから、ほぼ妨害なく《地獄の扉越し銃》の効果を発動することができます。
モンスターをセット、カードを1枚セット、エンドだけでもこれだけの可能性が詰まっているなんて《G・コザッキー》は素晴らしいですね。
わからない裁定①
《G・コザッキー》のように、ややこしいカードを採用する際には、様々なサイトで裁定を確認し、わからなければKONAMIに聞くことが大切です。
では、遊戯王Wikiに記載されていた、以下の裁定はいかがでしょうか。
Q:《御前試合》(《群雄割拠》)が適用中、裏側守備表示の《G・コザッキー》と表側表示の《奇跡のジュラシック・エッグ》がいます。相手モンスターが《G・コザッキー》に攻撃し、戦闘で破壊されなかった場合、自壊しますか?
A:自壊しますが、ダメージは発生しません。(09/08/30)
出典:遊戯王カードwiki-《G・コザッキー》
意味が分からなかったため、これについて、再度KONAMIに質問したところ、
「このたびお問い合わせいただいた件、ご案内できる回答のご用意までお時間をいただきます。 ご質問の状況がデュエル中に発生した際には、対戦相手の方と話し合って進めていただいたり、大会中であれば審判の判断で進めていただけましたら幸いでございます。」
と返事がありました(2019.09.18に確認)。
《G・コザッキー》の永続効果による自壊と《御前試合》の永続効果による墓地送りのどちらが優先されるか、というとても難しい処理のため、自壊と墓地送りのどちらを優先させるか明言できないできないということでしょうか。
おそらく、当日ジャッジにより自壊が選択された際はバーンダメージが入り、墓地送りが選択された場合はダメージがないものと思われます。
わからない裁定②
もう一つが、《ピンポイント・ガード》での蘇生を試みたときのものです。
①:相手モンスターの攻撃宣言時、自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、戦闘・効果では破壊されない。
Q:自分フィールドに《ピンポイント・ガード》で蘇生した《G・コザッキー》のみがいる状態で相手がターン終了を宣言しました。《G・コザッキー》は自身の効果でドロー前に破壊されますが、この時《G・コザッキー》が破壊された場合に発動する効果は発動しますか?
上記の質問をKONAMIに送ったところ先の《御前試合》の際と同様の回答となり、採用を見送りました(2019.09.18に確認)。
なおドローフェイズのドロー前のタイミングというのは効果の発動がダメージステップ以上に制限されています(《魔王ディアボロス》の効果などは有名ですね)。
先の質問と同様に、前のターン終了時まで効果が無効になった彼岸モンスターがドローフェイズのドロー前に破壊された場合、効果を発動できないという裁定がでています。
これは、おそらく彼岸モンスターの効果が任意効果であることと関連しており、《G・コザッキー》とは異なる考え方をしなければならないと考えられます。
この《G・コザッキー》の裁定(実際には裁定ではないですが)は非常に限定的ではありますが、強制効果であっても発動できない可能性が存在するとても面白い一例だと思う反面、遊戯王の難しさを痛感した次第です。
おわりに
ここまで、「Gコザッキー1本槍デッキ」の紹介と《G・コザッキー》の可能性について書かせていただきました。非常に長い内容になってしまいましたが、「どれだけデメリットがあっても、デッキの中心となりうる」という一つの例としてとらえていただき、マイナーカード、デメリットのあるカードを採用される方の参考になればと思います。
最後までお読みになっていただき、ありがとうございました。