目次
0.はじめに
このデッキは、マジシャン・ガール(以下ガールズ)とメタルフォーゼ(以下メタル)を組み合わせたデッキです。ガールズの特性を活かした明確なコンセプトとそこそこのデッキパワーを持っており、ガールズにはしっかりとメタルに無い(?)役割があてられているため、「それメタルでよくね?」への言い訳は用意されています。【魔法使い】の枠を超えたガールズの新たな可能性を感じて頂ければ幸いです。
また、マジシャン・ガールというカテゴリについては、筆者のnoteに総括してあります。まずは彼女らについて知りたいという方は、もしよろしければそちらもご覧下さい。
1.コンセプトと基本的な動き
○このデッキの主軸は《アップル・マジシャン・ガール》です。破壊時の複数サルベージを活用するため、安直ではありますがメタルの力を借ります。《アップル・マジシャン・ガール》を破壊してサルベージを起動しつつ、そのままそれらをP召喚して無駄なくボードアドバンテージに変換すること(名付けて"ガールズ式ソウルチャージ")がメインコンセプトです。攻撃権を失うこともなく複数体の蘇生を実現するこの動きはガールズを採用する強烈な動機となります。
○ガールズの攻撃性能の低さを真摯に受け止め、それらはEXデッキに任せます。ガールズには序盤は壁、中盤以降はガールズ式ソウルチャージの弾という役割を持たせます。
○序盤はガールズの遅延性能で相手の攻撃を受け流しつつ、メタルでデッキを回していきます。隙を見てメタルの展開力とガールズ式ソウルチャージを利用して攻勢に転じましょう。
2.デッキレシピ(2019/10/01制限)
※カード名などの情報はクリック・タップで確認できます。そのためカード名の枚挙は省略しました。
ありがとうDECKMAKER。
3.主要カードついて
《ベリー・マジシャン・ガール》
☆1/地/魔法使い/400/400
①:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「マジシャン・ガール」モンスター1体を手札に加える。②:1ターンに1度、このカードが相手の効果の対象になった時、または相手モンスターの攻撃対象になった時に発動できる。このカードの表示形式を変更し、デッキから「ベリー・マジシャン・ガール」以外の「マジシャン・ガール」モンスター1体を特殊召喚する。
万能サーチ効果を持ちながら《無限泡影》などの対象無効効果に擬似的な耐性を持ち、さらには《灰流うらら》などで対象を取らず無力化されても②で返しのターンの役割を残せる器用なモンスター。序盤での壁としての性能に加え、《アップル・マジシャン・ガール》及びそのサルベージ先を存分に使い倒すというコンセプト上、是が非でも序盤に握りたいです。《アップル・マジシャン・ガール》のサーチ後、次のターンまでにメタルのスケールを揃えられれば《アップル・マジシャン・ガール》をP召喚し破壊、そしてサルベージしたこのカードを召喚し2枚目の《アップル・マジシャン・ガール》をサーチしてサイクルの準備が整います。
もちろん手札や相手にもよりますが、中盤以降の攻めの下準備として序盤にやっておきたい動きです。一歩遅れてしまう欠点はありますが、初手でクリッターを起動できる機会があれば積極的に彼女をサーチしましょう。
《レモン・マジシャン・ガール》
☆2/光/魔法使い/800/600
①:1ターンに1度、「レモン・マジシャン・ガール」以外の自分フィールドの「マジシャン・ガール」モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから魔法使い族モンスター1体を手札に加える。②:1ターンに1度、このカードが攻撃対象に選択された場合に発動できる。手札から魔法使い族モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する。その後、攻撃対象をそのモンスターに移し替え、攻撃モンスターの攻撃力を半分にする。
メタルのスケールでP召喚できる下級ガールズであるため、コンセプト上それだけで採用価値があります。ガールズ式ソウルチャージを下級ガールズとメタルのスケールだけで最大枚数実現するには彼女も必要になります。使いづらくはありますが、高リンクに繋げるときに彼女が墓地に欲しい場面が多々あるため採用です。
《アップル・マジシャン・ガール》
☆3/炎/魔法使い/1200/800
①:1ターンに1度、このカードが攻撃対象に選択された場合に発動できる。手札からレベル5以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。その後、攻撃対象をそのモンスターに移し替え、攻撃モンスターの攻撃力を半分にする。②:このカードが戦闘・効果で破壊された場合、このカード以外の自分の墓地の「マジシャン・ガール」モンスターを3体まで対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。そのカードを手札に加える。
このデッキの主役。強力なサルベージ効果と、メタルとの親和性を活かしてメインコンセプトを担います。2枚以上のサルベージが狙える時は積極的に破壊していきたいですが、序盤では《ベリー・マジシャン・ガール》だけのサルベージでもガンガン狙っていきましょう。
ただし壁の維持との兼ね合いも考え、破壊は計画的に。
《チョコ・マジシャン・ガール》
☆4/水/魔法使い/1600/1000
①:1ターンに1度、手札から魔法使い族モンスター1体を捨てて発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。②:1ターンに1度、このカードが攻撃対象に選択された場合、「チョコ・マジシャン・ガール」以外の自分の墓地の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、攻撃対象をそのモンスターに移し替え、攻撃モンスターの攻撃力を半分にする。
魔法使いとしては優秀ですが、ガールズ内ではやや孤立している点と、割く召喚権が無いことから一枚に抑えています。
大体は《ベリー・マジシャン・ガール》からのリクルートか、(2枚の《アップル・マジシャン・ガール》を揃えた後の)サーチなどで用意されます。
カテゴリとしてのガールズに関連する効果は持たないと言っても、①で手札のガールズを墓地に置けることから《アップル・マジシャン・ガール》のサルベージ効率を上げる準備役として活躍し、《アップル・マジシャン・ガール》と同時にP召喚されることも多いです。
さらにサルベージされた後もそのままP召喚できれば、P召喚できず手札に残る《ベリー・マジシャン・ガール》をコストに①を発動でき、《アップル・マジシャン・ガール》のサルベージを直接ハンドアドバンテージに変換する重要な役を担います。
実のところ手札でダブっても①で捨てればいい話なので、召喚権の問題は依然残るとはいえスペースさえあれば2枚目も十分採用圏内です。
《増殖するG》、《エフェクト・ヴェーラー》
ガールズの天敵である《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》を意識してのペア採用です。
他にも《ベリー・マジシャン・ガール》への回答を無力化してガールズの耐久力を高めてくれます。特に《エフェクト・ヴェーラー》は《レモン・マジシャン・ガール》でサーチできるため、ガールズを使う意義付けにも貢献しています。
《真竜皇アグニマズドV》
☆9/炎/幻竜/2900/1900
「真竜皇アグニマズドV」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分メインフェイズに発動できる。このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、炎属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、炎属性モンスター2体を破壊した場合、相手のフィールド・墓地からモンスター1体を選んで除外できる②:このカードが効果で破壊された場合に発動できる。自分の墓地から炎属性以外の幻竜族モンスター1体を選んで手札に加える。
メインデッキ中最高打点・自己特殊召喚効果・条件付きの非対象除外効果を持つ非常にパワフルなモンスター。
ガールズに無い打点と除去を同時に提供します。《アップル・マジシャン・ガール》とメタルが炎属性であり、コンセプト上どちらも手札・フィールドにいやすいため発動機会は多いです。
またこのデッキでは手札の《アップル・マジシャン・ガール》を破壊するカードとしても重要です。通常召喚もP召喚もなしに破壊できる意味は大変大きく、サルベージしたガールズをそのままP召喚したり、サルベージした《ベリー・マジシャン・ガール》のサーチを起動してからのP召喚で大量のリンク素材を揃えたりと、まさに理想のガールズ式ソウルチャージを実現できます。
その高い除去性能と打点から、ガールズ式ソウルチャージで召喚した《ヴァレルソード・ドラゴン》と共にフィニッシャーとなることも多いです。
このカードでの《アップル・マジシャン・ガール》破壊→P召喚→リンク召喚は大変綺麗にこのデッキのメインコンセプトを実現しており、《アップル・マジシャン・ガール》とメタルの奇跡のシナジーが如実に現れる動きでもあるため、デッキの意義付けに関わるカードでもあります。
さらに2019/10/01施行のリミットレギュレーションにて、《ドラゴニックD》が制限カードとなりました。手札の《アップル・マジシャン・ガール》を破壊しつつこのカードをサーチできるため、破壊作業を強烈にサポートします。《アップル・マジシャン・ガール》のサルベージに回数制限がないこととも噛み合いがいいです。
EXデッキのカード
召喚可能かつ便利なモンスターを適切に採用していけばよいです。ただしコンセプトの都合上、リンク4のモンスターは気持ち多めに採用しています。
4.アレンジの余地
新たな枠を作る際に抜く候補としては《魔界発現世行きデスガイド》《クリッター》《精神操作》《エキセントリック・デーモン》《レモン・マジシャン・ガール》あたりが有力です。メタル濃度を高めて初動安定を狙うもよし、汎用除去や妨害を入れてガールズの弱みを補うもよし、雑にパワーカードを入れるもよし。好みに合わせてアレンジしましょう。
例えば《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》と相性の良い《アストログラフ・マジシャン》、妨害と手札の破壊を両立できる《炎王獣ガネーシャ》、ガイドクリッターから《アップル・マジシャン・ガール》を墓地に送ってサイクルの準備ができる《彼岸の黒天使 ケルビーニ》、メタルを活かした《超融合》(と《メタルフォーゼ・アダマンテ》あるいは《メタルフォーゼ・カーディナル》)、《メタルフォーゼ・コンビネーション》を起動しながら《真竜皇アグニマズドV》のサーチも睨める《真竜導士マジェスティM》などは有力な候補です。
5.おわりに
最後までお読み頂きありがとうございます。
このデッキはガールズに明確な採用意義を見いだせており、好み実用両目線から筆者のお気に入りです。こうして紹介の機会を得られたことを喜ばしく思います。難点があるとすれば、メタルフォーゼのパワーは十分に高く、ガールズ式ソウルチャージに頼らずに高リンクに繋げることも、ガールズの遅延効果に頼らずに相手ターンの妨害を構えることもできてしまうことでしょうか……。