目次
はじめに
こんにちは、《光帝クライス》が大好きなはみるとんです。
前回に引き続き、自分のカードを破壊してアドバンテージを得るコンボギミック「セルフブレイク」について解説していきます。
前回は「手札を割る事の出来る側カード」のみに絞って考えたので《炎王の孤島》と《ドラゴニックD》など数少ないカードしかありませんでしたが、「フィールドのカードを破壊する」という条件では多種多様なカードが候補として挙がってきます。
例えば、以下のカードを見てください。
《幻影騎士団ブレイクソード》 【 エクシーズモンスター 】 星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻2000 / 守1000
レベル3モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
②:X召喚されたこのカードが破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの「幻影騎士団」モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。
縛り無しのランク3エクシーズなので場に出しやすく、自分の場のカードを割りながら相手の場まで破壊する事が出来ます。
このように、直接除去をしたりリクルートを行ったりと、「破壊をしながら得るメリット」の部分が大きく、また種類が多い分いろんなタイプが存在している事が「フィールドしか割れないセルフブレイクカード」の強みといえます。
セルフブレイクを取り込みやすいテーマ
「炎王」や「真竜」が「自分の手札・場を破壊してアドバンテージを得る」事をデザインして作られているように、「自分の場を破壊してアドバンテージを得る 」事が元々テーマのコンセプトとしてデザインされている物が数多く存在します。
テーマ等に属さない特定のカードを使ってセルフブレイクコンボを考える際も、特定のテーマをベースとして組む事によって安定感や完成度が増す事も多いので、まずはこれを確認していきましょう。
No.1 破械
《破械童子アルハ》 【 効果モンスター 】星 3 / 炎 / 悪魔族 / 攻1500 / 守1500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。②:フィールドのこのカードが戦闘または「破械童子アルハ」以外のカードの効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「破械童子アルハ」以外の「破械」モンスター1体を特殊召喚する。
《破械童子ラキア》 【 効果モンスター 】 星 3 / 水 / 悪魔族 / 攻1500 / 守1500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。この効果は相手ターンでも発動できる。②:フィールドのこのカードが戦闘または「破械童子ラキア」以外のカードの効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「破械童子ラキア」以外の「破械」モンスター1体を特殊召喚する。
文字通り、「破壊でアドバンテージを得る」を体現したかのようなめちゃくちゃ尖ったテーマです。
下級2種は両方とも自分の場を破壊する効果を持っている上、すべてのサポート魔法・罠カードに共通効果として「セットされたこのカードが破壊された場合、デッキから『破壊』モンスターをリクルートする」と書かれています。
メリット
《破械童子アルハ》によって召喚権を使わずに破壊出来るので、割られる側に召喚権を割く事が出来る
《破械童子ラキア》によってフリーチェーンで繰り返し破壊する事が出来る
デメリット
「この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない」という制約がついてしまうので、展開系のカードと組み合わせる場合には使いづらい
No.2 メタルフォーゼ
《メタルフォーゼ・ヴォルフレイム》 【 ペンデュラムモンスター 】 星 7 / 炎 / サイキック族 / 攻2400 / 守2000
【P効果 青8/赤8】
①:1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「メタルフォーゼ」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
メタルフォーゼPモンスターは共通効果で自分の場の表側のカードを破壊する効果を持っています。
Pスケールに貼るだけで破壊につながり、特に下準備も必要ないのでお手軽に採用できることから、【メタルKozmo】【メタルセフィラ】などの「メタルフォーゼ〇〇」というようなデッキタイプが数多く存在します。
反面、「表側表示のカードしか破壊できない」というデメリットも大きく、「セット状態で破壊された場合」という条件を持つカードを起動できなかったり、永続罠カードを破壊したい場合セットから1ターン待って発動しなければならなかたりという範囲の狭さに繋がります。
メリット
通常モンスター&Pモンスターであるためサーチ手段が豊富
下準備が不要
汎用のペンデュラムスケールなのでP召喚による展開補助に繋げられる
デメリット
表側のカードしか破壊出来ない
セット先の「メタルフォーゼ」魔法・罠カードが単体で機能しない
No.3 スクラップ
《スクラップ・ワイバーン》 【 リンクモンスター 】 星 2 / 地 / ドラゴン族 / 攻1700 /
「スクラップ」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分の墓地の「スクラップ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、フィールドの表側表示の「スクラップ」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「スクラップ」モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
【LINK-2:左/下】
【 シンクロモンスター 】
星 8 / 地 / ドラゴン族 / 攻2800 / 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分及び相手フィールド上に存在するカードを1枚ずつ選択して発動する事ができる。選択したカードを破壊する。このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、シンクロモンスター以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。
元祖セルフブレイクテーマとして親しまれている「スクラップ」です。
割られる側には「スクラップカードの効果によって破壊された場合」などの縛りが付いているのですが、割る側は「自分フィールドのカード」としか指定されていません。
特に《スクラップ・ワイバーン》は【はみるとんのデッキビルドTips】第4回 ハリファイバーで出来る事~汎用リンクを初動にしたデッキ構築~ でも紹介した通り、《水晶機巧-ハリファイバー》になれるカード1枚から出す事が出来るため、出張性能が非常に高いです。
メリット
汎用性が高く安定してコンボに組み込むことが出来る
通った時のリターンが大きい
裏側のカードも破壊出来る
デメリット
エクストラからの展開となるため、途中で妨害を踏みやすい
複数体並べて出すため、召喚権を使わないと到達しづらい
除去によってアドバンテージを得るため、相手の場にカードが存在していないと無意味になってしまう
No.4 幻影騎士団
《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》【 リンクモンスター 】星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻2100 /
闇属性モンスター2体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。このカードはリンク素材にできない。①:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「幻影騎士団」モンスター1体を墓地へ送る。その後、デッキから「ファントム」魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカードのリンク先に闇属性Xモンスターが特殊召喚された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
【LINK-3:右/左下/右下】
《幻影騎士団ブレイクソード》 【 エクシーズモンスター 】 星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻2000 / 守1000
レベル3モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
②:X召喚されたこのカードが破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの「幻影騎士団」モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。
《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》はリンク召喚による展開で比較的出しやすいモンスターで、リンク先でエクシーズ召喚を行うという条件は少々厳しい物の、《幻影霧剣》などにアクセスして盤面を強固にしつつ先攻で自分のカードを割りに行くのに適しています。
実用的なコンボでは、《宵星の機神ディンギルス》をリンク先に出して破壊対象とし、身代わり効果のために素材を外す事によって素材を0にし、サーチした《RUM-幻影騎士団ラウンチ》の対象にする動きなどが使われていました。
《幻影騎士団ブレイクソード》は《スクラップ・ドラゴン》同様の汎用エクストラでありながら自壊もこなせる優秀なモンスターです。
「幻影騎士団」の良いところはメインデッキのテーマ枚数をさほど多く入れなくとも、《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》さえだせれば簡単に多くの「幻影騎士団」カードにアクセスして流れに組み込む事が出来る事で、出張先を絞ることなく運用できます。
メリット
汎用性が高く安定してコンボに組み込むことが出来る
通った時のリターンが大きい
裏側のカードも破壊出来る
デメリット
展開に必要な枚数が多い
エクストラからの展開となるため、途中で妨害を踏みやすい
複数体並べて出すため、召喚権を使わないと到達しづらい
除去によってアドバンテージを得るため、相手の場にカードが存在していないと無意味になってしまう
No.5 帝王
【 効果モンスター 】
星 8 / 光 / 天使族 / 攻2800 / 守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
①:このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキから「帝王」魔法・罠カード2種類を墓地へ送り、デッキから攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。
②:このカードが手札にある場合、相手メインフェイズに自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。
このカードをアドバンス召喚する。
《光帝クライス》 【 効果モンスター 】 星 6 / 光 / 戦士族 / 攻2400 / 守1000
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上に存在するカードを2枚まで破壊する事ができる。破壊されたカードのコントローラーはデッキから破壊された枚数分のカードをドローする事ができる。このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃する事ができない。
【帝王】というテーマ自体にはそこまでセルフブレイク向きのテーマではないのですが、この《光帝クライス》にアクセスする事で自分の場のカードを破壊しながらドローを行う事が出来ます。
《天帝アイテール》で相手ターンに《光帝クライス》を出せば破壊された時に発動する効果を相手ターン中に起動する事が出来るため、「アーティファクト」などと組み合わせると良いでしょう
その他の優秀な「自分の場を破壊する」カード
・何でも破壊可能
《EMペンデュラム・マジシャン》
2枚まで破壊でき、Pスケールを揃えられるので破壊された時にサーチを行うカードなどと組み合わせて展開しやすい
《メガロイド都市》
「ロイド」カードをサーチ出来るため、「SR」にもアクセスできる。エクストラから融合以外出せなくなるためメインデッキで戦うギミックに
《輝竜星-ショウフク》
墓地のレベル4以下のモンスターを蘇生できる
非チューナーに幻竜族縛りがあるが、《源竜星-ボウテンコウ》を経由して竜星モンスターを出したり一旦《邪竜星-ガイザー》などを経由する事でクリアできる
《旧神ヌトス》
《インフェルノイド・ティエラ》や《影霊衣の万華鏡》、《轟雷帝ザボルグ》などで直接落とすかシンクロとエクシーズを並べ正規召喚する
《深淵に潜む者》などの相手ターンに効果が使えるエクシーズの素材にする事で相手ターン中に起動したりも出来る
・表側表示のカード限定
《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》
セルフブレイクを主とするPデッキなら必須カード。Pデッキなら条件が緩く出しやすい
《ヴァレット・トレーサー》
「ヴァレット」のリクルート効果によってアクセスしやすく、闇限定だがシンクロやエクシーズ等に繋がる
《古代の機械射出機》
リクルート先の《古代の機械飛竜》が《古代の機械箱》を経由する事で様々な機械族に繋がります。
《天空の虹彩》
「オッドアイズ」をサーチ出来るのですが、《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》をサーチする事で間接的にあらゆるドラゴン族Pにアクセスできます。
サーチ先の一つである《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》はセルフブレイクととても相性が良いです。
・魔法、罠限定
《TG ワンダー・マジシャン》
相手ターンに《水晶機巧-ハリファイバー》から出す事で好きなタイミングで起動できる
「アーティファクト」や「真竜」などを割る事で除去に繋げる
《アーティファクト・ムーブメント》
割られる側である「アーティファクト」カードを供給しつつ割る事が出来る
単純に《サイクロン》として使う事も出来るので便利
全体除去によるセルフブレイク
コンボの一環として巻き込む以外にも、「全体除去」によって相手のターン中に妨害を行いつつ起動する方法もあります。
《激流葬》 【 通常罠 】 モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。フィールドのモンスターを全て破壊する。
破壊された場合にアドバンテージを得る事の出来るモンスターをセットし、《激流葬》などの罠を構えてターンを渡し、相手ターン中に動きを阻害しつつ次の返しのターンの準備を進める、といったような戦法です。
過去には【竜星】デッキなどが主にこういった戦い方をしていました。
能動的なコンボとしてのセルフブレイクだけでなく、「アドバンテージを失わずんに全体除去を撃つ」という方をメインに据えた戦い方もあり、構築次第ではこれらは共存させることもできます。
実際にデッキ構築する際のポイント
セルフブレイクを主体としたデッキはコンボデッキですので、「いかに割る側と割られる側を揃えるか」という所が一番重視しないといけないポイントとなります。
【はみるとんのデッキビルドTips】第7回 自分のカードを破壊してアドを取ろう~ドラゴニックD編~ にて書いた通り、「割る側と割られる側がそれぞれ単体でも機能するかどうか」という事も重要となってきます。
「割る側としても使える上、単体でも除去として機能するカード」「割られる側としても使える上、単体でも仕事があるカード」などをなるべく多めに採用し、「割る側or割られる側としてだけ機能する強いカード」はエクストラデッキからのアクセスやサーチなど、機能する時だけうまくアクセスできるような形で「欲しくないタイミングで単体で引く」確率を下げていきましょう。
というわけで、今回は「自分の場のカードを破壊する事の出来るカード」の中でも優秀なオススメギミックを紹介しました。
次回は「割られる側」について触れていきます。お楽しみに!