こんにちは、神結です。
前回・前々回と【緑天門】【ジャスティスループ】というループデッキのご紹介をさせていただきましたが、今回は「上・中・下」の下にあたる回となります。
是非併せて読んでいただけますと幸いです。
まぁ長い前口上は抜きして、さっそく始めていきましょう。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。

今回は【ジャスティスストーム】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
デッキ名歴代最強「ジャスティスストーム」
というわけで今回の名作デッキはデッキ名歴代最強クラスである【ジャスティスストーム】になります。
リストは様々なパターンがありますが、制作者(Nさん)へのリスペクトを込めてこれで提出させていただきます。



【 クリーチャー 】
種族 ゴッド・ノヴァ / エンジェル・コマンド / 文明 ゼロ / パワー8000 / コスト7
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚を見る。その中からコスト6以下の呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。残りを自分の墓地に置く。
■W・ブレイカー
■左(レフト)G・リンク
■このクリーチャーがリンクしている間、このクリーチャーはシールドをさらに1枚ブレイクする。
さて、前回は【ジャスティスループ】を紹介しましたが、そこから更に進んで2017年の夏。今回はループデッキ絡みで《目的不明の作戦》が殿堂。
2016年2月 《 奇跡の精霊ミルザム 》殿堂
2016年9月 《 フォース・アゲイン 》殿堂
2016年2月 《 奇跡の精霊ミルザム 》プレミアム殿堂
2017年7月 《 目的不明の作戦 》殿堂 ←いまここ
2018年3月 《 龍素知新 》殿堂
ループに突入するための補助であったり、《黒神龍ブライゼナーガ》をシュートしたときの出力先ともなる《目的不明の作戦》の殿堂というのは、【ジャスティスループ】にとっては大きな痛手となります。
しかし《聖霊左神ジャスティス》はまだ死んではいませんでした。
時をやや遡って、2017年6月末に発売された新DM第2弾「マジでB・A・Dなラビリンス!!」に、とある1枚の呪文が収録されていました。
それが《テキサス・ストーム》です。

【 呪文 】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / コスト5
自分の進化ではないクリーチャーを1体、表向きのまま山札の上に置く。その後、それを山札の上からバトルゾーンに戻す。そのクリーチャーは、相手のシールドを1つブレイクする。
効果はクリーチャーを山札上から場に出し直してシールドをブレイクするという《激沸騰!オンセン・ガロウズ》のような《フォース・アゲイン》のようなカードです。
ただS・トリガーが付いていないということや、相手のシールドをブレイクしてしまう点などから、世間的にはあまり注目はされなかった1枚だと記憶しています。
しかしこの呪文に注目したのが、当時《目的不明の作戦》の殿堂によって出力低下を余儀なくされた《聖霊左神ジャスティス》でした。
そして《聖霊左神ジャスティス》+《テキサス・ストーム》というパッケージは、これまで【ジャスティスループ】が抱えていた問題をも解決してしまうのです。
というのも、前回の記事で書きましたが【ジャスティスループ】は“ジャスティスを2枚出さないとだいたい決まらない”という問題点を紹介しました。1枚目の《聖霊左神ジャスティス》で山を掘って、2枚目を投げて決める、といった感じです。
しかしこの【ジャスティスストーム】は、《テキサス・ストーム》の採用によって実質的に《フォース・アゲイン》5枚体制となり、《龍素知新》や《大地と永遠の神門》などもあって連鎖が続きやすく、「《聖霊左神ジャスティス》1枚からループに入れる」を実現しました。
これによって【青黒ハンデス】などに手札を攻められたとしても、トップデックした《龍素知新》などから《大地と永遠の神門》を経由して《聖霊左神ジャスティス》を蘇生し、そのままループに突入する、なんてことも可能になっています。
もちろん、《テキサス・ストーム》には弱点もあります。前述した通り、相手のシールドをブレイクしてしまうという点です。せっかくチェインに入ったのにシールドブレイクからの逆転を許してしまう可能性があるわけです。
これに対して、【ジャスティスストーム】側もしっかりと対抗手段を用意しています。
多くのリストでは《テキサス・ストーム》でブレイクした楯を最終的に《ロスト・ソウル》で叩き落とすことによって対策する、という手段を用いています。これはGP5thのカバレージでも紹介されていますね。
現在の《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》などのように、呪文のS・トリガーから呪文封殺をされる手段というのは《ドレミ団の光魂Go!》+《ファイナル・ストップ》や《シヴィル・バインド》くらいしか思い付かないのですが、ぶっちゃけそんなカードを採用しているデッキは稀だったので問題ないです。
ちなみに上記で紹介したリストは《ロスト・ソウル》ではなく、序中盤でも使える+相手のデッキによってはフィニッシャーなりうるカードを採用し、環境デッキに対してをそれぞれフィニッシャーとなるカードを複数用意することで対策としております。
例えば【モルトNEXT】であればトリガーした《熱血龍 バトクロス・バトル》を先に破壊してしまえば問題なく、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》は《テック団の波壊Go!》で引っぺがし、その他多くの場面で《無双と竜機の伝説》で追加ターンを取ることでケア可能など、かなりやり込みを感じるリストとなっております。
《邪眼右神ニューオーダー》の採用
また、《テキサス・ストーム》の登場は《聖霊左神ジャスティス》にちょっと不思議な変化を与えました。
なんと【ジャスティスストーム】は《邪眼右神ニューオーダー》の採用によって「ゴッドリンクするジャスティス」が誕生するんですよ。

【 クリーチャー 】
種族 ゴッド・ノヴァ / ダークロード / ドラゴン・ゾンビ / 文明 ゼロ / パワー8000+ / コスト7
■このクリーチャーが攻撃する時、墓地にあるコスト7以下の無色呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、その呪文を自分の山札の一番下に置く。
■W・ブレイカー
■右G・リンク
競技シーンでは中々見られないゴッドリンクしたジャスティスがバトルゾーンに顕現します。
しかしこのゴッドリンク、なかなか侮る勿れと言いますか、これがまたデッキを勝ち筋の根幹を担っているからまた面白いものです。初めて聞いたときは感動しました。
使い方としては《聖霊左神ジャスティス》をループした後に《邪眼右神ニューオーダー》を出してゴッドリンクをすることで、デュエル・マスターズのルールである「ゴッドリンクをしたクリーチャーは召喚酔いをしない」を活かしダイレクトアタック要員となります。
このギミックだけ使うなら右神自体はなんでもいいっちゃいいんですが実質的には《邪眼右神ニューオーダー》一択でありまして、というのもコイツは攻撃時に《テキサス・ストーム》を撃てるんですよ。
それで《聖霊左神ジャスティス》を出し直して追加で呪文を唱えるのはもちろんなのですが、《邪眼右神ニューオーダー》を出し直して攻撃中以外のジャスティスとゴッドリンクすることで、打点を増やすということもできてしまうんですね。これも初見で感動したギミックの1つです。
このように、【ジャスティスストーム】というデッキは《聖霊左神ジャスティス》絡みのループや、《ホーガン・ブラスター》を経由して任意の呪文を無限に使うループ(ざっくり言えば、ジャスティスのストックを作った状態で山札の内容を固定し、「何が捲れてもストックが続くか呪文か、撃ちたい呪文かになる」状態を作れる)などはもちろん、上記のような応用テクニックなども多く、かなり難しい部類のループデッキには該当すると思います。
ただその中で、シールドブレイクの処理優先度のルールであったり、ゴッドリンクのルールであったり、基本的なデュエマのルールを活かしているのも、何か味があっていいですよね。
ちなみにリストを最初に見たときのお気に入りは《ピーピング・チャージャー》でした。《テキサス・ストーム》でブレイクできる安全楯を作れるチャージャーなので、デッキと噛み合っていますね。

【 呪文 】
文明 水 / コスト3
■相手のシールドをひとつ見る。
■チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く)
そんな《聖霊左神ジャスティス》系のループは、登場以来ループの根幹を担っていた《龍素知新》の殿堂によって、とうとう姿を消すこととなってしまいました。
《ヘブンズ・ゲート》だったり《ウェディング・ゲート》だったり、いわゆる「ゲート系の踏み倒しによる呪文ループ」というのは2015年からずっと存在し続けていたんですよね。
しかし冒頭で紹介したように、関連パーツが次々と殿堂していって、その最後の砦と言えるのが《龍素知新》だと思っていたので、殿堂となったときは「1つの時代が終わったなぁ」という印象を抱きました。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第153回は私の大好きな【ジャスティスストーム】でした。
ループ系のデッキを3回に渡って紹介してきましたが、実はこのデッキが紹介したくて始めたんですよね。
【ジャスティスストーム】というデッキを紹介するにあたって、【ジャスティスループ】というデッキの動きが課題を説明した方が伝わりやすいだろうと思って、準備段階を経たような格好となりました。
一番はデッキ名の格好良さ。しかしそんなキャッチーな要素だけではなく、非常に奥深いギミック・テクニックのあるデッキです。
惹かれるデッキ名のお陰なのか、ゲートボール愛好家にも人気のデッキのようなので、ぜひ2017年環境を揃えて遊んでみて欲しく思います。
というわけで、今回はここまで。
参考させていただいたリストと記事については、参考文献の方に掲載させていただきましたので、ぜひご確認ください。各カードの採用理由や、フィニッシュパターンなどがより詳細に解説されています。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。

それではまた来週会いましょう。
参考文献
N「ジャスティスストーム」(http://ndekcreator.blog.fc2.com/blog-entry-34.html) 2025/7/9閲覧
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