【前回の記事】ファリスHERO デッキ解説Part2
目次
・初めに
はい、どうも
おかげさまでゲストライター記事第4弾となりました。
初めましての方もいると思いますが過去3回HEROデッキの解説記事を書いてきましたREDと申します。
そして今日も今日とてHERO関連についての内容です。
今までは細かくデッキの解説記事を書いていましたが今回は1枚のカードにスポットを当てていきたいと思います。
恐らく今までの記事を読んできてもらった方には文章量的に物足りないと感じるかもしれませんが逆に言えば読みやすくなっていると思うので最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
・E・HERO リキッドマン
まず最初にHEROデッキと水属性モンスターというのは切っても切れない縁というものがあります。
最古は《E・HERO オーシャン》で《E・HERO エアーマン》を使い回してアドバンテージを取っていくオーシャンビートから始まり、次にそれまで既存のHEROビートというデッキに《E・HERO バブルマン》《ヒーロー・アライブ》を投入したエクシーズ主体のアライブHERO、8期中盤になり炎星デッキの台頭によってアライブHEROに《マスク・チェンジ》を入れた現在のマスクHEROと言われているデッキの原型とも言える構築が流行します。
その後も《旧神ノーデン》《バハムート・シャーク》等のHEROと相性の良い水属性モンスターを駆使して定期的に環境に姿を現していました。
そして先月のデュエリストパック - レジェンドデュエリスト編6 -で新たな水属性HEROモンスターが登場しました。
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1400/守1300
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、
「E・HERO リキッドマン」以外の自分の墓地の
レベル4以下の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが「HERO」融合モンスターの融合召喚の素材になり、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
今回はこの新規カード《E・HERO リキッドマン》にスポットライトを当てていきたいと思います。
本来であればパックが発売して1週間以内にでもこういう記事を書くのがベストだと思うのですがこのカードを含むデュエリストパック - レジェンドデュエリスト編6 -の新規HEROを入れたデッキでCS優勝した事もあって先にそっちの解説をする都合上遅れてしまいました。
ただ発売から期間が経ったからこそ分かったこともあるので次の項目から《E・HERO リキッドマン》が登場したことにより、どうHEROデッキが変化したかを書いていきます。
今回は分かりやすいように現在トーナメントデッキとして存在している2種類のデッキタイプでの《E・HERO リキッドマン》について触れます。
・ファリス入りHEROでのリキッドマン
1番大きい部分はやはり召喚権をギリギリまで温存してこのカード1枚から《X・HERO ワンダー・ドライバー》を作って《原始生命態ニビル》の上からワンキルが出来るようになった事だと思います。あとはデッキに無理なく水属性HEROを採用する事が出来る為《E・HERO アブソルートZero》や《M・HERO アシッド》を駆使して先攻展開の強化やビート系相手に強くなりました。
リキッドマンを絡めた展開パターンはこちらの記事を参照
あとは《フュージョン・デステニー》1枚から《M・HERO ダークロウ》が出せるようにもなりました。
《M・HERO ダークロウ》の出し方は
《フュージョン・デステニー》発動から《E・HERO シャドー・ミスト》と《D-HERO ディアボリックガイ》を落として《D・HERO デッドリーガイ》をss
《D-HERO ディアボリックガイ》効果で2体目をss、リンクして《X・HERO クロスガイ》をssしてD-HEROを蘇生
《X・HERO クロスガイ》効果でD-HEROをリリースして《E・HERO リキッドマン》をサーチ
そのまま《E・HERO リキッドマン》を召喚して《E・HERO シャドー・ミスト》蘇生から《マスク・チェンジ》をサーチ
この《フュージョン・デステニー》1枚で《M・HERO ダークロウ》を出せる動きが可能になった事で実質《ヒーロー・アライブ》が5枚体制となりました。
他にも《V・HERO ファリス》を絡めた展開で《V・HERO ヴァイオン》から《D-HERO ディアボリックガイ》を落として《マスク・チェンジ》にアクセス出来ない時に《X・HERO クロスガイ》から《E・HERO リキッドマン》をサーチして融合素材に
《E・HERO サンライザー》をssして《E・HERO リキッドマン》効果をチェーン1、《E・HERO サンライザー》の効果をチェーン2で組む事によって《灰流うらら》等をケアしながら《マスク・チェンジ》ないし返しに備えた手札誘発を引きにいく事が出来ます。
メインギミックを回しているとかなりの勢いでデッキが減っていくので《マスク・チェンジ》か手札誘発を引ける期待値が結構高くて《E・HERO リキッドマン》や《E・HERO ソリッドマン》の蘇生効果で《マスク・チェンジ》にアクセス出来ない初手の場合は積極的に《E・HERO リキッドマン》のドロー効果を使って引きにいきます。
CSでも《マスク・チェンジ》を引けて途中から《E・HERO アブソルートZero》を絡めた先攻展開に切り替えたり、手札誘発を引いて相手の動きを止めて勝ったりと以前に比べて疑似的に返しも強くなりました。
もし相手がワンキルをほとんどしてこないビート系である場合は《E・HERO サンライザー》からサーチした《ミラクル・フュージョン》を撃つのは1ターン待って次のターンに墓地の《E・HERO リキッドマン》を素材にして撃てばもう1度ドロー効果が使えるので相手とのアドバンテージ差を付けてかつ《マスク・チェンジ》や《ハーピィの羽根帚》のようなパワーカードへのアクセスを狙いにいけます。
このように”展開型”のHEROでは①と②の両方の効果をフル活用出来てかなり劇的な強化の1枚となりました。
・マスクHEROでのリキッドマン
次に”展開型”とは違って最低限のHEROギミックに+汎用カードで構築を固めた、所謂”マスクHERO”での《E・HERO リキッドマン》について話していきます。
現在のマスクHEROについても少し前の記事で書いていますのでもし気になる方は読んでもらえたら幸いです。
まず少し話がズレますが僕は9期初期から《M・HERO ダークロウ》率いるHEROストラクが出るまではテラナイトデッキを使っていました。
そういう経験もあってリキッドマンのテキストを読んだ時は《星因士 アルタイル》を彷彿とさせてテラナイトの《星因士 デネブ》→《星因士 アルタイル》ループのように《E・HERO シャドー・ミスト》と《E・HERO リキッドマン》を毎ターンループさせる事が出来るので完全なマスクHERO強化だと思っていました。
とりあえず最初は《E・HERO ソリッドマン》減らしたりして《E・HERO リキッドマン》を2枚からスタート
ただ《E・HERO ソリッドマン》を減らしたことにより《E・HERO シャドー・ミスト》、《E・HERO エアーマン》×《E・HERO リキッドマン》みたいな初手の組み合わせが発生して事故率アップ
ならば《E・HERO エアーマン》を減らして《V・HERO ヴァイオン》を複数枚入れる事によって事故軽減+次のターンに《E・HERO リキッドマン》から《E・HERO シャドー・ミスト》を蘇生する動きを重視してみる。
これは《マスク・チェンジ》が絡んでいない《V・HERO ヴァイオン》単騎エンドが弱くて容易に返され次のターンに《M・HERO ダークロウ》を出している場合ではなくなる事が多くて没
次は去年の年末くらいに使用していた《転生炎獣アルミラージ》《星遺物を継ぐもの》を採用して《V・HERO ヴァイオン》から1ターンで《M・HERO ダークロウ》を狙いつつ返しで《E・HERO リキッドマン》を用意する構築を試す
そこまで先攻での動きは悪いものではなかったが枠の都合上《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》や《大捕り物》を減らしていたり《M・HERO ダークロウ》に特化させていたのもあって前の構築ではそこまで不利ではなかったサンダードラゴン相手の勝率がガクッと落ちる
そもそも《V・HERO ヴァイオン》《星遺物を継ぐもの》のギミックがランク4に向かう事が出来ない為、サンダードラゴン相手にかなり分が悪くなってしまう
あとは前の構築だと先攻1ターン目でリンクは滅多にしないので《M・HERO ダイアン》のカモくらいでしか思っていなかった《幻創龍ファンタズメイ》がこっちの先攻で出てくるので重くなる
特にサンダードラゴン相手の勝率が落ちるのは前の構築から変えて1番駄目な部分で本末転倒感を感じました。
ここら辺の理由から《E・HERO リキッドマン》に寄せた構築は環境に合っていないと判断 《E・HERO ソリッドマン》や《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》の枚数を元に戻しました それでもデッキを考えていて《E・HERO リキッドマン》を使う事を諦めきれない僕は次に《V・HERO ヴァイオン》に加えて《おろかな埋葬》を入れます。 《おろかな埋葬》は《E・HERO シャドー・ミスト》を落として《E・HERO リキッドマン》をサーチ、そのまま召喚してランク4相手ターンに素材を外して2枚目の《E・HERO リキッドマン》をサーチして返しにもう1度《E・HERO シャドー・ミスト》蘇生から《マスク・チェンジ》サーチという動きを1枚で可能なので理論上は悪くないカードです。 《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》の枚数を3枚に戻したのもあって《マスク・チェンジ》《マスク・チェンジ・セカンド》《簡易融合》と合わせて《M・HERO ダークロウ》ないしランク4という先攻での動きで《V・HERO ヴァイオン》が棒立ちになってターンを返す事も減りました。 これは意外と悪くないと思って調整を重ねていくと次に問題になるのは召喚権被りでした。テラナイトの時の遊戯王はある程度罠で凌げたりして召喚権が被ったモンスターを消化していく事が出来ました。 ただ現代遊戯王は如何に環境が以前より低速化しているとはいえ未だに展開系のデッキが蔓延としていてビート系も1ターン跨ぐと一気にアドバンテージを突き放してきます。 マスクHEROは”展開型”と違ってメインギミックで1ターンに何回も攻め手を作る事は出来なくて基本的には良くて《ヒーロー・アライブ》+召喚権での2段階での攻めしか出来ません。 こうなると手札で召喚権が被ってその1ターンの手札-1が致命的となります。 召喚権を使うモンスターは《V・HERO ヴァイオン》以外にも《E・HERO ソリッドマン》や《E・HERO エアーマン》もいるので《E・HERO リキッドマン》を増やせば増やすほど被りが多発してかつ初動にもならない《E・HERO リキッドマン》自身が事故要因となりがちになってしまいます。 テラナイトの下級はssされた時でも効果が発動するのでモンスターが被っても消化しやすいですがこっちは《E・HERO ソリッドマン》も《E・HERO リキッドマン》も効果が通常召喚にしか対応していないのでそうもいきません。 せめてどっちかがssにも対応していたら《E・HERO リキッドマン》の評価はかなり変わっていましたがその差がかなり勝敗に影響してくるレベルなので複数枚採用は厳しいと感じました。 僕の中では《おろかな埋葬》を入れる場合は《おろかな埋葬》を発動したターンに出す《E・HERO リキッドマン》と返しの《E・HERO リキッドマン》の最低2枚は必要だと思っていて《E・HERO リキッドマン》を複数枚採用する場合は初動で浮かないようにする為に《V・HERO ヴァイオン》のようなカードも複数枚必要となり《E・HERO リキッドマン》を意識するだけでメインの枠を圧迫し、その結果他のHEROとの兼ね合いが悪くなりデッキとしてのバランスがかなり悪くなりました。 また、《おろかな埋葬》は初動として優秀ではあるが”展開型”と違って落として強いカードが《E・HERO シャドー・ミスト》しかない為逆に初動以外はいつ引いても-1となるのが弱くてこのカード自体にも怪しさが生まれました。 1枚のカードの為に他に落として強いカードを入れてそれを素引きして事故札になっていまったら元も子もないです。このように色々な構築やカードを試した結果《E・HERO リキッドマン》に重きを置いて使いたいという気持ちに完全に終止符を打ってサーチ先として1枚だけ採用するのがベストだという結論に至りました。そもそも今のクロシープ型のHEROに関しては先攻は《E・HERO ソリッドマン》+《E・HERO シャドー・ミスト》の動きに加えて《簡易融合》や《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》で《M・HERO ダークロウ》+《クロノダイバー・リダン》の盤面を目指す後攻は《E・HERO ソリッドマン》に《マスク・チェンジ》を撃って《クロシープ》を絡めたワンキルを目指すという動きで完成されていて正直《E・HERO リキッドマン》に関しては0でもいいレベルだと僕は思っています。 最後に軽くまとめですが ・《V・HERO ヴァイオン》や《おろかな埋葬》を入れる場合は《E・HERO リキッドマン》は2枚以上採用、そうでなければ0~1枚が現状最善の枚数・《E・HERO リキッドマン》に寄せると召喚権がかさばるので他のHEROとの召喚権被りが問題になったり《E・HERO リキッドマン》だけの事故率も上がる ・《E・HERO ソリッドマン》《E・HERO シャドー・ミスト》+αからの《M・HERO ダークロウ》《クロノダイバー・リダン》、《クロシープ》を絡めた動きを目指す方が安定した盤面を作れて対応力がある 非常に残念ながら改訂で環境がガラッと変わらない限りは今後もしばらくはマスクHEROでの《E・HERO リキッドマン》の活躍は期待出来なさそうです。
・リキッドマンを活用しよう
このまま否定的な感じで終わるのもあれなので最後に《E・HERO リキッドマン》を使った話を少しだけ《E・HERO リキッドマン》は効果が注目されがちですが水属性というのも勿論このカードが評価されるポイントの1つです。 上述している通り《E・HERO アブソルートZero》の素材として入れるE・HEROモンスターとして現状1番使いやすいというのもありますしマスクHEROであれば吊り上げ効果からそのまま《深淵に潜む者》をssして自分フィールドの水属性モンスターの攻撃力を500ポイントアップ出来ます。 昔も《E・HERO バブルマン》や《ブリキンギョ》で《深淵に潜む者》の攻撃力を上げていたのが懐かしいですね。《E・HERO アブソルートZero》も場の水属性モンスターの分攻撃力が上がるので2体を場に同時に出せれば相手のライフを一気に2/3近く削り取れます。 あとは例えば《ヒーロー・アライブ》+《E・HERO リキッドマン》+《E・HERO バブルマン》と引いていれば《ヒーロー・アライブ》から《E・HERO シャドー・ミスト》をssして《マスク・チェンジ》をサーチ、そのまま発動で《M・HERO ダークロウ》をss 《E・HERO リキッドマン》を召喚して《E・HERO シャドー・ミスト》を蘇生、《E・HERO リキッドマン》以外の2体でリンクモンスターをss 《E・HERO バブルマン》をssしてから2体で《バハムート・シャーク》をss、《餅カエル》ss という風に《E・HERO バブルマン》、《バハムート・シャーク》、《E・HERO リキッドマン》と過去に環境で使われていたカード同士を組み合わせて展開する事も出来ます。 実際にダークロウをリンク素材にするかはひとまず置いといて《E・HERO リキッドマン》を用いてメインギミックだけで昔のカードもかなり使いやすくなっているので大会などを考えないで手札誘発を入れない昔のエクシーズ全盛期の頃のHEROに近い動きを出来る構築を組んでみるのも良いと思います。 《クロシープ》のリンク先に《簡易融合》から水属性融合モンスターをss、墓地から《クロシープ》の素材にした《E・HERO リキッドマン》を蘇生して《バハムート・シャーク》を出せますし水属性寄せのHEROはあの有名な《M・HERO ダークロウ》《バハムート・シャーク》《餅カエル》といった展開も普通に出来ると思うので中々楽しそうです。他にもマスクHEROに《V・HERO ヴァイオン》だけでなく《融合》も入れて先攻では《E・HERO サンライザー》+《ミラクル・フュージョン》+2ドロー1枚捨てで妨害を引きにいく返しのターンに墓地の《E・HERO リキッドマン》を素材に《ミラクル・フュージョン》を撃ってもう1度ドローして《E・HERO サンライザー》をss、《E・HERO サンライザー》効果で追加の《ミラクル・フュージョン》をサーチや《E・HERO アブソルートZero》を出して盤面を強くしたり、そこに《クロシープ》を絡めて更なる展開も出来ます。 こういう妨害を引き込みながら大型モンスターを立てられる動きは昔ながらの融合HEROを彷彿とさせて熱くなりますし、環境でも戦える可能性がありそうなのでそのうち僕も試してみたいと思っています。《グラビティ・コントローラー》が出た事によって今は《E・HERO アブソルートZero》をssしてから好きなタイミングで《サンダー・ボルト》を撃てるのも面白い変化です。 あんまり実用性はないかもしれないですが《V・HERO ヴァイオン》+《二重召喚》で《E・HERO シャドー・ミスト》落としから《E・HERO リキッドマン》をサーチして追加召喚して3体素材のランク4とかも出来ます(某色の支配者がいれば…)他にも良い使い道がもっとあると思うので大会、フリー問わず色々な使い方をしていきたいですね。
・総括
ということで今回の記事はここまでとなります。
僕の好きなマスクHEROの方では思っていた程の強化にならなかったのが残念でしたが”展開型”のHEROでは以前とはデッキの強さが別物レベルになるくらい強力な新規カードとなりました。
”展開型”を使ってCS全勝優勝も出来て最近では店舗代表戦でも使用して4-0で権利も取れました。
今期”展開型”を使用して大会は2回しか出ていませんがいずれも負けなしで、他のプレイヤーの優勝報告もいくつか聞いているので如何に新規によって強くなったかがうかがえます。
恐らくHEROは改訂で規制がかかることはないでしょうしなんなら緩和の可能性もあるので来期は更なる躍進を期待したいです。
そしてこれが今年最後のゲストライター記事だと思います。
今まででひっそりと田舎の片隅で記事を書き続けていた僕ですがこのように評価されて沢山の方に読んでもらえる場所で記事を書ける機会を設けてもらい感謝しています。
次の記事の予定は現状ないの5回目のゲストライター記事がいつになるのか(そもそもあるのか?)分かりませんがまた来年も何かしら良い記事をお届け出来たらいいなと思っています。
最後に改めて今年4つの記事のどれか1つでも読んでくれた方、本当にありがとうございました。
それでは少し早いですが良いお年を!
【前回の記事】ファリスHERO デッキ解説Part2