目次
※この記事は2部構成物の後編です。まだご覧になっていない方はぜひ前編の記事「九十九語であそぼ 〜現代兵器を添えて〜」(https://gachi-matome.com/p-dm-dbc-5/)からどうぞ。
5.轟破天修繕語
〜前回のあらすじ〜 ミッツァイルすごい!デッキいっぱいつくれる!あっミッツァイル殿堂行った!リペアするね!
という訳で(?)、前編の記事で紹介した3つのミッツァイル轟破天デッキをリペアしていこうと思います。
1枚でとんでもないマルチタスクをこなすスーパーカードだったミッツァイルですが、彼がデッキから抜ける事は悲しみを産むだけではありません。ミッツァイルをコンボに組み込まない事によるメリットもちゃんと存在します。
- ①コンボ開始時、轟破天詠唱後にミッツァイルを召喚する為の火の呪文マナを用意する必要が無くなった
- ②①により、パーツさえ揃っていれば10マナの状態からでもコンボを始められるようになった
- ③コンボ開始時に手札に轟破天以外のパーツを握っていなくても良くなる可能性が出てきた(=轟破天さえ手札に来ればコンボを始められるため、トップ轟破天解決が出来るように)
- ④「それミッツァイルで殴れば良くね?」という
グーで殴りたいぐうの音も出ない意見が飛んでこなくなった
① 要するに《ハムカツ団の爆砕Go!》及び《焦土と開拓の天変》をデッキにねじ込まなくて良くなったって事です。汎用性の高い火/自然の呪文という事で4,5枚これらの為に枠を取っていました。ミッツァイルがコンボの起点にならない=火の呪文マナを用意する必要も無いので、その分デッキスロットに空きが生まれました。結果として自然に入っていた防御札が抜けたので、何も出来ずに倒される可能性も増えました。
② 轟破天を唱えてからミッツァイルを召喚する事が必須条件だった関係上、これまでは最低でもコンボを始めるのに11マナが必要でした。毎回《ドルツヴァイ・アステリオ》を絡ませて2→4→6→12のインチキ美しいマナカーブを描けたら良いのですが、勿論そうもいきません。防御性能をそれ程高く出来ない以上、少しでも早く動ける様になるのは大きいです。
③ ↑で最低限必要なマナが減った事のメリットをお話しましたが、それは手札でも同じ事。マナを貯めパーツを落とし後は引くだけ、という状態から特定のカード2枚を引いてくるのはかなり厳しいでしょう。手札0の状態から轟破天かミッツァイルを引いたとしたら、何もせずターンを返さざるを得ません。盤面には触れないので無防備になりますし、ハンデス1回だけで致命的なダメージを受けてしまいます。トップ轟破天で解決、という可能性が見えただけでも僥倖。
④ これが1番デカい。正直これだけでもいい。このミッツァイル轟破天シリーズ、実際ミッツァイルで殴りかかった方が早いじゃんと思われた方もいらっしゃる事でしょう。私が1番そう思ってます。
長々とミッツァイルが抜けるメリットを書き連ねましたが、それでも結局彼が余りにハイスペックなコンボ発火点であった事は事実。前編での宣言通り、何とかフィニッシュ手段を変えずにリペアを試みてみましょう。
6.メイ様の場合
まずはこのデッキから。「真実の轟破天 BAKUOOON・メイ様・スパゲッティーノ」。このデッキにおけるミッツァイルの役割は以下の通り。
- ①《真実の名 ナッツ・スパゲッティーノ》の破壊、それによるドリームメイトの大量展開
- ②《お目覚めメイ様》へのSA付与
流石にこの2つの役割を1枚に担わせるのは厳しそうなので、①と②それぞれを別のカードによって達成する方向で考えていきましょう。
まずは①について。こちらについては、どうせ制限かかると思ってたんでミッツァイル殿堂前に候補を見つけておりました。
《ジョルジュ・バタイユ》。耐性持ちの闇の大型クリーチャーですが、その真価は1つ目の効果に。
□コストを支払うかわりに自分のクリーチャーを4体破壊して、このクリーチャーを召喚してもよい。
4体破壊してコスト踏み倒し…これはもう実質ミッツァイルと言っても過言では無いでしょう。彼も同様に轟破天詠唱時に手札に抱えておく必要はありますが、追加のマナコストを必要としない点で本家より優れているとも言えそうです。①に関しては、彼を採用する事で条件達成としましょう。
続いて②について。正直な所、雑に《永遠のリュウセイ・カイザー》に代表される常在SA付与クリーチャーを入れるだけでこの問題は解決してしまいます。でもコンボ感が薄い(?)。せっかくだからスパゲッティーノと同じく、破壊される事で味方にSAを付与するクリーチャーを採用したい所。でもそんなに都合のいいクリーチャーなんて…
兵器使ってんじゃねえか
一発目からタイトル詐欺をかましてしまいました。お許しください。しかしこのカード、破壊された時に味方全体にSAを付与する効果を持つ唯一のクリーチャーであるはず。使わない手は無いでしょう。
1度は幕を下ろしたものの、再び舞台は整いました。これがメイ様轟破天のリペア、「進軍する轟破天 ジョルジュ・メイ様・スパゲッティーノ」です!
- ①メイ様、スパゲッティーノ、《進軍する巨砲 クロムウェル》、適当なクリーチャー×2(、《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》)を含む10マナをチャージし、手札に《ジョルジュ・バタイユ》と轟破天を用意する
- ②轟破天詠唱、メイ様達を着地させる
- ③ジョルジュの召喚宣言を行い、スパゲッティーノとクロムウェル、適当なクリーチャー2体を破壊して0コストでジョルジュを召喚
- ④スパゲッティーノの破壊時効果を解決、場に7体以上のドリームメイトが揃うように山札からメイ様orガンバレットを場に出す
- ⑤クロムウェルの破壊時効果を解決、シールド・ゴーによりシールドゾーンに送られたクロムウェルの効果で自軍が全員SAに
- ⑥SA(とアンブロッカブル)を付与されたメイ様で相手を攻撃時、その能力でエクストラウィン
マナに落とす必要のあるカードが一種類増えてしまったものの、なんとか大筋を変えずにメイ様轟破天をリペア出来たのではないかと思います。この勢いのまま、残り2つのデッキも修繕していきましょう。
7.ミステリーの場合
続いてこのデッキ。「冥府の轟破天 BAKUOOON・ゾルゲ・ミステリー」。このデッキにおけるミッツァイルの役割は次の2つ。
- ①轟破天詠唱後にも使用出来るコストでのクリーチャー召喚=《偽りの名 ゾルゲ》のバトル効果ストック
- ②SA付与による盾焼却ループ終了後の過剰打点形成
まず①について。現在のデッキでは1コストでのミッツァイル召喚によって、最低でも5回のゾルゲ効果がストックされる形になりますね。効果ストックが多いことにはありがたいのですが、1度バトル効果が起動してしまえば手札次第でループに入れる構築上、複数回の効果ストックにこだわる必要は無さそうです。最低限、轟破天後にクリーチャーを1体盤面に出す事を目標に据えます。
次に②について。これは正直な所、再現出来なくてもなんとかなるでしょう。《偽りの悪魔神 バロム・ミステリー》本人が進化クリーチャーであるため、盾焼きループ後に自分でダイレクトアタックを決めれば問題はありません。勿論轟破天によりブロッカー等の妨害クリーチャーが大量に並んでしまう懸念もありますが、まずは①の機能を最優先に復旧させる方向で。ぶっちゃけ盾野いた時点で実質勝ちみたいなとこあるしいっかなって
少ないマナコストでクリーチャーを場に出す…これだけなら、先程登場したジョルジュを入れておけば良いように思います。文明もこのデッキにマッチしており邪魔になりにくく、実際相性は良さそうです。
でもpigを持つクリーチャーもいないのに他のデッキと全く同じ手段でリペアしたくない!美しくねえ!と私の中のオウ禍武斗が語りかけてきます…。勝手なキャラ付けをするな
どこかに「轟破天詠唱後にも出せる軽量さ」で「このデッキだからこそ実現できる噛み合わせの良さ」を持った都合のいいクリーチャーはいないものか。そう思いながら情報収集をしていた所、こんな声が。
「これコンボパーツと進化元で5文明揃ってるからオファニスG・0で出るんじゃないですか?」いやいやそんな美味い話が
ゾルゲ(火/自然/水)+ミステリー(光)+ミステリーの進化元(闇)=5文明
ホントだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
コンボパーツで4文明は確実に揃い、残った闇文明もマナブーストの過程でほぼ間違いなく余分にマナに落ちる!すなわち轟破天を唱えれば5文明は自然に揃う!
オファニスがついでのように持ってるモヤシ効果付与もこのデッキには必要なもの!なんという噛み合わせの良さでしょう、これはまさしく天啓…!
こんな素晴らしいカードを見つけてしまったからにはデッキを組むしか無いでしょう。「冥府の轟破天 オファニス・ゾルゲ・ミステリー」の爆誕です!
- ①ミステリーとその進化元、ゾルゲ、闇のクリーチャー×1を含む10マナをチャージし、手札に《五元の精霊オファニス》Aと轟破天を用意する
- ②轟破天詠唱、ミステリー達を着地させる
- ③盤面に5文明が揃っている為G・0条件達成、オファニスAを無償召喚
- ④ゾルゲのバトル効果を解決、ミステリーをオファニスAとバトルさせる(オファニスAはモヤシ効果で手札へ)
- ⑤ミステリーがバトルに勝った事でミステリーのドロー&踏み倒し効果誘発(どちらも任意)
- ⑥オファニスBとガジラビュートorガビュートを引き込むまで、③~⑤を繰り返して好きな枚数ドローする
- ⑦パーツが揃ったらオファニスAをバトル効果無しで召喚、続けてオファニスBを召喚してミステリーとバトルさせる
- ⑧ミステリーの踏み倒し効果を使い、ガジラビュートorガビュートを踏み倒して相手の盾を1枚焼却
- ⑨⑧で出たガジラビュートorガビュートをミステリーとバトル、モヤシ効果によって手札に戻す
- ⑩⑧~⑨を相手の盾が無くなるまで繰り返す
- ⑪ミステリーでダイレクトアタック
モヤシ効果の付与と無償召喚を1体で賄えるようになったので、ミステリーのバトル勝利時のドロー効果によって必要なカードを探しに行けるようになりました。最低限のパーツが揃っていれば見切り発車でループを始められるようになったのはかなり大きいですね。
もちろん①の時点でマナにオファニスA、手札にオファニスBとガジラビュートorガビュートがいればそのまま盾焼きループに入れます。《マッド・デーモン閣下/デーモン・ハンド》や《九番目の旧王》等の優秀なトリガーも積めるので防御面も安心。耐えながらマナを伸ばしてコンボを決めにいきましょう。
8.ペテルギウスの場合
最後はこのデッキ。「超神星 ペテルギウス・轟破天・ミッツァイル」。このデッキにおけるミッツァイルの役割は次の2つ。
- ①轟破天による大量展開後の自軍破壊=《超神星 ペテルギウス・ファイナルキャノン》のメガメテオバーン6の発動に必要な"ペテルギウスの下に配置されるカード"(以下下敷き)の供給
- ②①に伴う打点の減少を補うGR召喚、及びSA付与
②に関してはあまり気にしなくて大丈夫でしょう。メガメテオバーン6を発動できた時点でこちらの勝利はほぼほぼ確実なため、轟破天を唱えたターンに勝負を終わらせる事にはそこまでこだわらなくても問題ないはず。
では①、肝心のメガメテオバーン6を発動させる為の下敷きの供給方法について。これもジョルジュ同様、ミッツァイルが足湯に浸かる前に候補を見つけていました。
《無限龍ファタル・スパイラル》。その名の通り、超無限進化:ドラゴンを持つ進化クリーチャーです。
轟破天を絡ませて使う前提ならば、進化元のドラゴン数体→ファタルという順番でマナから出す事で、マナに落ちたドラゴンを好きな数こいつの進化元に出来るのです。それすなわち、複数枚のカードで構成されたポセイディア・ドラゴンが1体場に現れるという事。つまりこいつをペテルギウスの進化元にすれば、自軍を破壊せずにペテルギウスの下敷きを用意出来るという訳です。
「じゃあこいつ入れればペテルギウスリペア終わりじゃん」…確かにその通りです。しかしそれではただビマナデッキに不純物を刺しただけ。それならペテルギウスなんて使わず、本来の動きをした方が往々にして強いでしょう。このデッキにしかない動き、強みをなんとか見つけたいところ。
ファタルをペテルギウスの進化元として活かすのなら、自然とデッキはドラゴンに染まっていくでしょう。であればそれを活かして《メンデルスゾーン》で2→5のマナカーブを作る事は出来ますが、それだけでは流石に動きとしてもコンセプトとしても弱すぎる…。
例えば「ドラゴンのカードだけで成立する大量マナブースト手段」があれば…。そう考えている所に、当時話題だったあるカードを使ったコンボがTwitterに流れて来ました。
「ナウ・オア・ネバーでロマネスク出したらノーリスクで4ブーストできる」
なるほどこれは確かに強い。《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》の呪文面から《龍仙ロマネスク》を踏み倒した直後に手札に戻す事で、ロマネスクの持つ4マナブースト効果だけをデメリット無く使える様です。…5マナで4ブースト?
…5マナで4ブースト…メンデルスゾーンから繋がる…2→5→9→…?4ターン轟破天!?
- 1ターン目 マナチャージ(0→1)
- 2ターン目 マナチャージ(1→2)→メンデルスゾーン (2→4)
- 3ターン目 マナチャージ(4→5)→ナウ・オア・ネバーロマネキャンセル(5→9)
- 4ターン目 マナチャージ(9→10)→轟破天
リペアをするだけだったつもりが、とんでもないインチキムーブに辿り着いてしまいました…!手札要求値は高いものの、大量マナブーストの代名詞《ドルツヴァイ・アステリオ》ですら(ほぼ)到達不可能だった4ターン目轟破天という偉業!これはロマンが過ぎる!
現代デュエマのパワーの粋を集めたミッツァイルをフォローしてくれたのは、同じく現代の魔法と子供の頃から強かったドラゴンのコンビでした。ミッツァイルリペアの旅を締め括る最後のデッキ、「無限龍仙 キングダム・オア・ファイナルキャノン」の完成です!
最速ムーブを決められなくてもリカバリーできるよう、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》と《摩破目 ナトゥーラ・トプス/ストンピング・ウィード》の軽量ブースト持ちドラゴンを採用。《蒼神龍ヴェール・バビロニア》や《メガ・マナロック・ドラゴン》、《偽りの王 ナンバーナイン/歓喜の歌》という優秀な妨害札でお茶を濁す事も出来ます。
《熱血龍 バトクロス・バトル》や《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》、《爆裂遺跡シシオー・カイザー》等のドラゴントリガーのお陰である程度攻撃にも耐えられます。もちろん、ナウ・オア・ネバーからホーリーエンドを踏み倒すデザイナーズコンボも強力ですね。
11マナ貯まっていれば、ストンピング・ウィードでデッキトップを固定しつつ《蒼の潮流スーパー・スペル・グレートブルー》を召喚する事で、実質的にマナから好きな呪文を打てる…というオシャレな動きも搭載。轟破天だって打てちゃいます。
9.轟破天終幕語
前後編2記事に分けて、ミッツァイル轟破天の開拓とそのリペアを特集して参りました。まずはここまで見て下さった皆様に感謝を。ありがとうございます。
後編の記事で紹介した3つのデッキ、ミッツァイルが抜けた事でGRゾーンも不要になり、比較的お安く組めるようになったのではないかと思います。ホーリーエンド(記事編集時点で1枚2000円オーバー)は別として。気軽なフリー対戦用のデッキとしては面白く仕上がったと思うので、ぜひ組んで遊んでみて下さい。ついでに対戦相手を轟破天の沼に沈めましょう。
最後に紹介したペテルギウスリペア、どれくらい実戦で戦えるのか試してみたくなり、年始にCSに持って行ってみました。結果は上振れに次ぐ上振れがあってようやく1勝というアレなものでしたが、こちらのCS独自の「おもしろデッキ賞」を頂く事となりました。フォルバルトCS運営の皆様、その節はありがとうございました。
自分語も終わった所で、長々と書き連ねたこの記事も締めの時間がやって参りました。
いいねご意見ご感想、どうぞお気軽にお寄せ下さい。こんな轟破天使ってるよ、こんなカード相性いいんじゃないの、等々コメントお待ちしております。もちろん轟破天関係無くてもOK。皆様のレスポンスが私の力になります。
デッキビルダーコンテスト期間中にあと2記事はぶち込むつもりなので、そちらもご覧いただけますと幸いです。もちろんどっちも轟破天の記事です。鋭意制作中。
それではここまでご観覧いただき、誠にありがとうございました。次の記事でお会い出来ることを楽しみにしております。良き轟破天ライフを!