こんにちは。北白河と申します。 寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを不定期(週三回くらい更新できたらいいな)で毎日1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、寒さに負けず連載二回目をやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。
《五連の精霊オファニス》
【クリーチャー】
【種族】エンジェル・コマンド
【文明】光
【コスト】5
【パワー】5000
■G・ゼロ−バトルゾーンに5文明すべてのカードがそろっていれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■自分のクリーチャーが破壊される時、バトルゾーンに5文明すべてのカードが揃っていれば、そのクリーチャーを墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
2005年からこんにちは
初出は2005年12月発売のDM-16という古株のこのカード。時代は転生編、同期には《解体人形ジェニー》《ヘブンズ・ゲート》などがいるというとその登場の早さがなんとなくわかるでしょうか。そんなクリスマス商戦のパックのSRとして登場したのがこのカードです。
そのスペックはというと、条件付きでG・ゼロで登場でき、さらに同じ条件で自身含む味方の全クリーチャーに除去耐性を与えるという当時としては破格のスペックです。まさにSRにふさわしい超強力な……
はい。条件に触れてませんでしたね。「バトルゾーンに5文明すべてのカードが揃っていれば」。いくらなんでも厳しすぎるわ!3色レインボーすらいない時代だぞ!
事実上、(二年後に登場する)5色レインボーより先に登場した5色デッキを要求するカードと見ることもできるでしょう。相手のカードも勘案できるとはいえ当時のカードプールで一線級の5色デッキを組むことは無理とは言わないまでも相当に厳しく、同期のSRともども微妙レアとして忘れ去られていく……はずでした。
2010年、覚醒の時
そして5年後。(5色レインボーカードがどいつもこいつも実用性に欠けていたこともあり)眠っていたはずのこのカードに、転機が訪れました。「デッキに5色も積めないならば、デッキの外から持ってくればいい」。超次元ゾーンから持ってこれる5色レインボーカード、《時空の支配者ディアボロスZ/最凶の覚醒者デビル・ディアボロス Z》が登場したのです。サイキック・クリーチャーは下の能力で守れないものの、手軽な召喚方法が生まれたのはこのクリーチャーにとって革命的でした。
2016年、革命の時
そしてこの「革命」から6年後。奇しくもその名を関する革命ファイナル期。「5文明が必要なら、最初からいくつか置いとけばいい」。ゲームの始めからバトルゾーンに存在し、除去困難な闇/火のカード《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》の登場により、オファニス登場ハードルは劇的に下がりました。副作用として攻撃が不可能になりましたが、それならループで勝ってしまえ、とばかりに《ワルスラ・プリンスS》との即死コンボが開発され、かつてのカスレアは見事に汚名を返上したのです。
2020年、誓いとゾンビの時
そして現在、2020年。謎のブラック・ボックス・パックに再録されたオファニスですが、同時により凶悪な相棒を連れてきました。「5文明が必要なら、最初から全部置いとけばいい」 ゲーム開始時に手札にあれば直接場に出せる5色カード《友情の誓い》の登場により、なんと1ターン目降臨が可能になってしまいました。あとは《アクア・ティーチャー》《ゾンビポンの助》を絡めた無限ドローから《エメスレム・ルミナリエ》→《鬼の轟き 参角》→《水上第九院シャコガイル》という美しすぎる0→7→8→9のマナカーブを描いて勝利するだけ、という理論上1ターンキルコンボも開発され、今では押しも押されぬ人気カードの一員にまで上り詰めてしまいました。誰がこの結果を予想できたでしょうか。
というわけで、 《五連の精霊オファニス》 でした。 しかしここまでシンデレラストーリーを歩んでいると、5年くらい後にさらに次があるのではと疑いたくなってきますね。ここまで評価の激変したカードも珍し……くはないのがデュエマなんですが。 それでは、次の記事で。