デュエル・マスターズ背景ストーリー、今回は14~17弾・転生編の歴史を振り返ります。
転生編といえば、ゲーム的にはクロスギアが初登場。デュエマの歴史において、カードタイプの追加はこれが初めてでした。
同時に、原作漫画も「デュエル・マスターズFE(ファイティングエッジ)」として再スタート。 黒城が突如として繰り出した《デモニック・プロテクター》が印象的だった、という人も多いのではないでしょうか。
背景ストーリーでも、転生編ではクロスギアを巡る物語が軸となります。
もちろん、その名の通り転生した超獣たちも見どころの一つ。
前置きはこのくらいにして、当時の物語を振り返っていきましょう。
目次
0、前回までのあらすじ
光、水、闇、火、自然。
5つの文明は、時には敵対し、時には手を組みながら、長きに渡り争い続けていました。
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その戦乱のさなか、王と呼ばれる強大なクリーチャーたちが目覚め、世界は滅亡の危機を迎えます。
7日間に及ぶ決戦の果て、すべての王は姿を消し、世界は光に包まれました。
長かった戦いに終止符が打たれ、ついに平和が訪れたのです。
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1、魔導機械の誕生 ~DM-14 転生編~
世界を揺るがす激戦により、人々も大地も、深く傷ついていました。
そんな中、地表の崩壊が思わぬ発見をもたらします。超高度な古代文明の遺跡と、そこに眠っていた魔導機械と呼ばれる道具です。
未知のテクノロジーが詰め込まれた魔導機械は、当時の人々には手に余るものでした。
もとより戦災からの復興を優先したこともあったのでしょう、魔導機械はこの段階では普及することなく、時が流れます。
それから200年。平和な時代は続き、世界はかつての繁栄を取り戻しつつありました。
長き平和の間に遺跡の出土品も解析が進みました。誰でも使える道具として改良・実用化されたのです。
そう、クロスギアの誕生です。
《ファイアー・ブレード》や《フェアリー・スコップ》など、特に初期のクロスギアには武器や防具ではない道具も見られますね。 このクロスギア研究において、遺跡の探求に優れたフェザーノイド族が台頭します。
また、光文明はクロスギアの扱いに特化した種族コスモ・ウォーカーを生み出しました。
自然文明のワンダー・トリックもまたクロスギアと縁深い種族ですね。
そんなクロスギアの研究開発を巡る競争は加熱し、クロスギアを持つ者と持たざる者の格差も生まれるようになります。
平和によって生まれたはずのクロスギアが、新たな争いの火種となって燻りはじめたのです。
クロスギア開発競争の一方で、各文明は、先の戦いで失われた超獣の復活も計画していました。
王の脅威が去ったこの時代に、自らの文明が覇者となるために。
ほどなく、水文明の《クリスタル・ランサー》そして闇文明の《悪魔神バロム》が、さらなる力を得て蘇ります。
もはや戦いは避けられない段階へと至りました。
2、闇文明の春、そのとき他文明は ~DM-15 神滅奥義継承~
《ドルバロム》出現。
この知らせに、残る四文明に激震が走ります。
しかし、動揺した時には既に手遅れでした。
闇の勢力は密かに地上に進出し、辺境各地から徐々に領土を広げていたのです。
出遅れた他文明を尻目に、闇による支配が始まります。
闇文明は、悲願の地上支配を成し遂げ、この世の春を謳歌していました。
しかし言わずもがな、他文明が黙って従っていたわけではありません。
ドルバロム復活から実に50年。光文明が密かに仙界で続けていた研究の成果が結実しました。
聖霊王が復活したのです。
《聖霊王アルファディオス》、そして《ペトリアル・フレーム》で武装した光文明の戦士たちは、ドルバロムの右腕《従獄の凶獣ドルベロス》を撃破。かつての威光を取り戻します。
火文明と自然文明もまた、戦力の増強を進めました。 両文明が目指したのは、過去の強大なクリーチャーを転生させるのではなく、クロスギアとして蘇らせること。 その最たる例が《バジュラズ・ソウル》でしょう。
さらに、各文明はクロスギアを身に着けると強化される戦士を育成しました。
「アクセル」と名付けられたこの能力によって、特に火文明はその存在感を増していきます。
唯一、表舞台に姿を見せていない水文明は、海溝深くで潜伏を続けていました。
3、天門は赤く燃えているか ~DM-16 魔導黙示録~
火文明の猛攻はとどまるところを知らず、やがて闇の軍勢を追い詰めます。
《ドルバロム》の存在に頼り切り、油断しきっていた闇文明は敗走を重ねました。
ゲーム内でも、闇はクロスギアに対する対策カードが極端に少ないのですが、「慢心からクロスギア対策を怠っていたから」という背景ストーリーと絡めて説明できるのが秀逸ですね。
こうして、闇文明はせっかく進出した地上を追われ、地下世界へと撤退します。
一方、この勝利に湧いた火文明は余勢を駆り、水文明へも侵攻。壊滅的な打撃を与えます。
あ、これで水文明の出番おしまいです。
大事なことなのでもう一度言います。これで水文明の出番おしまいです。
……なんだか聖拳編の時のサイバー・ムーンといい、思わせぶりな様子だけ見せて何もしないパターンが続きますね、この時期の水文明……
ともあれ、世界の勢力図は「光VS火」の様相を呈し始めました。 この2強体制であれば、やはり継戦能力で勝るのは光文明。火の反撃は《インパクト・アブソーバー》で軽減しつつ、最終兵器《ヘブンズ・ゲート》を惜しみなく連打。巨大戦力を奇襲に投入し、火文明を圧倒します。
全世界の制圧を目前にした光文明の前に立ちはだかったのは、大地の怒りから生まれた超神龍――つまり進化ドラゴンでした。
なぜ今ここで進化ドラゴンが?
その理由は、《聖霊王アルファディオス》復活にありました。 上でもご紹介したように《アルファディオス》のための研究は聖地たる仙界で行われていました。 その際の実験で聖地が汚染され、大地の怒りが進化ドラゴンの出現を招いたのです。
強大な超神龍の進撃、そして開発競争のインフレが進む魔導機械。
圧倒的な力による戦いが続くことで、惑星の地軸は歪み、重力の崩壊すら発生しました。
身軽に飛び出すクリーチャーたちとは対照的に、戦禍はさらに重くなるばかりでした……
4、そして世界は滅亡する ~DM-17 終末魔導大戦~
ドラゴンの圧倒的な力に対し、各地ではヒット&アウェイ的なゲリラ戦術「ストライク・バック」が生み出されていました。
しかし、それが戦乱を終わらせる手立てになるはずもなく。
やはり圧倒的な力を持つクロスギアと、他文明を制圧するクロスギア対策兵器を作り出すしかない。
各文明は、さらなる軍拡に勤しみます。
しかし、クロスギアのそもそもの由来は古代のオーバーテクノロジー。
突き詰めようとすれば、未知の要素が立ちはだかります。
各文明が行き詰まりつつあったその頃、仙界で5つのクロスギアが発掘されました。
古代の遺物でありながら、美しい状態を維持したままだった5つのクロスギア。これらは最終魔道具と呼ばれ、天変地異を巻き起こす究極の力を持っていました。
各々の文明は、その力を他文明への攻撃に使います。
最終魔道具により多数の被害が出た文明は、その報復にまた最終魔道具を使う。
そうして、世界の荒廃はまたたく間に広がっていきました。
やがて5つの最終魔道具は、引き寄せられるように1か所に集まってゆきました。互いの暴走を止めようとしていたのかもしれません。
しかし、5つの天変地異の激突が生み出したのはさらなる悲劇でした。
強大な力は空間を歪め、時空を引き裂くと、その裂け目に全てを吸い込み始めたのです。
人々はクロスギアの危険性を悟り、処分を始めましたが時すでに遅し。
ブラックホールと化した時空の裂け目に、世界は飲み込まれ、全てが消えていきました。
それは、最終魔道具すらも例外ではありません……
5、世界が消えた、その先に……
というわけで、まさかの超絶バッドエンドとなった転生編。
次の舞台は、時空の彼方に旧世界を見下ろす新たな世界となります。
果たしてどんな冒険探検が待っているのでしょうか?
余談
とまぁ、結構な長さになってしまったのですがちょっとだけ。 デュエプレで強化を受け、青系デッキで大活躍中の《ペコタン》の初出もこの時期だったりします。
この《ペコタン》、《テンペスト・ベビー》《アストラル・テンペスト》のアートにも姿を見せているんですよね。
物語としては、《ペコタン》が《テンペスト・ベビー》を培養し、進化クリーチャーとして解き放った姿が《アストラル・テンペスト》といったところでしょうか。
DM-17には、こうした3枚セットで描かれたクリーチャーが各文明に存在します。
本筋のストーリーだけでなく、こうした個別カードで物語を辿るのも面白いですよね!
【参考資料】
デュエル・マスターズ 全方位カードファイル6・7・8
デュエル・マスターズ 公式レジェンド・ブック (以上、いずれも小学館)