こんにちは、はみるとんです。
皆さんは普段「マッチ戦」をやりますか?
マッチ戦とは、『サイドデッキ』を使った2本先取のデュエルで、多くの大会で採用される形式です。
15枚のカードをメインデッキとは別に用意し(これをサイドデッキといいます)、1試合目が終わった段階で好きな枚数メインデッキのカードと入れ替えを行い、2試合目を1試合目とは違う形のデッキにして戦う、という形式です。
メインデッキには見られないような変わったカードが見られたり、環境によって数多くの面白い逸話が発生するサイドデッキ。
今回は、そんな「サイドデッキ」の面白さについて話したいと思います。
目次
あらゆるデッキに《ガトムズの緊急指令》が!?
まずはこちらのデッキレシピを見てください。
こちらは「2011 National Championship ジャマイカ」3位のマシンナーズのデッキレシピです。
さて、こちらのサイドカード、一見メジャーなカードばかりですが、見慣れないカードがありますね
《ガトムズの緊急指令》 【 通常罠 】 フィールド上に「X−セイバー」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、自分または相手の墓地に存在する「X−セイバー」と名のついたモンスター2体を選択して発動する。選択したモンスター2体を墓地から自分フィールド上に特殊召喚する。
【X-セイバー】のサポートカード《ガトムズの緊急指令》です。
メインにもエクストラにもX-セイバーが投入されていないこのデッキに何故このカードが入っているのでしょうか?
このカードは展開カードではなく「メタカード」として【X-セイバー】デッキ相手に投入します。
この大会が開催された当時は 【X-セイバー】 が環境の上位を占めていました。
《XX-セイバー フォルトロール》 【 効果モンスター 】星 6 / 地 / 戦士族 / 攻2400 / 守1800
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に「X−セイバー」と名のついたモンスターが表側表示で2体以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。1ターンに1度、自分の墓地に存在するレベル4以下の「X−セイバー」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
《ガトムズの緊急指令》の発動条件は場にX-セイバーがあることですが、この条件は相手の場にいる場合でも満たすことができ、また、蘇生は相手の墓地からも行う出来るので、「相手の場にX-セイバーがいるとき、相手の墓地からX-セイバーを蘇生する」という完全に相手のカードだけで成立する動きが可能となります。
そこで、相手の《XX-セイバー フォルトロール》の蘇生効果や《XX-セイバー レイジグラ》の回収効果などに合わせて《ガトムズの緊急指令》を打つことで妨害しつつアドバンテージを得ることのできる強力なメタカードとして機能していました。
よって、本来X-セイバーにしか投入されないこのカードを、この環境ではあらゆるデッキにサイドから投入する事が可能だったのです。
ピンポイントメタの面白さ
皆さんは 「面白いカードだけど、条件が相手依存すぎるからなぁ……」という理由で カードの採用を見送った経験はありますか?
「ごく限られた状況、相手にだけ効くカード」を「ピンポイントメタ」というのですが、このように「用途がピンポイントである」ことはメインデッキにおける評価では本来大きなマイナスになります。
例えば《ガトムズの緊急指令》をメインデッキから入れた場合、相手がX-セイバーでなければ発動条件すら満たせないカードとなってしまいますが、サイドからの投入であれば確実に満たせる相手にだけ入れることができるわけです。
前述の《ガトムズの緊急指令》の話をはじめて聞いたとき、僕は「サイドデッキ」というものの魅力に引き込まれ、それまであまりマッチ戦に縁がなかったのですが、積極的に大会などに出るようになり、身内で遊ぶ際にもマッチ戦を好んで行うようになりました。
というわけで、まずは「サイドデッキって面白い!」と思ってもらえるような、「実際に大会環境で使われていた面白いサイドカード」を紹介していきたいと思います。
過去環境で使われた面白いサイドカード
《エレクトリック・ワーム》
【 効果モンスター 】
星 3 / 光 / 雷族 / 攻1000 / 守1000
このカードを手札から墓地に捨てる。このターンのエンドフェイズ時まで、相手フィールド上に表側表示で存在する機械族またはドラゴン族モンスター1体のコントロールを得る。
相手の機械族またはドラゴン族のコントロールを得ることのできるこのカードは、両方ともメジャーな種族ということでかなり色んな環境で使われているカードです。
しかし、環境によってはただコントロールを奪って素材にするだけでなく、更なるピンポイントな場面で活躍する面白い動きが開拓されていました。
+《サイバー・ヴァリー》
【 効果モンスター 】
星 1 / 光 / 機械族 / 攻0 / 守0
次の効果から1つを選択して発動する事ができる。●このカードが相手モンスターの攻撃対象になった時、このカードをゲームから除外する事で自分はデッキからカードを1枚ドローし、そのバトルフェイズを終了させる。●このカードと自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、ゲームから除外する。自分のデッキからカードを2枚ドローする。●このカードと自分の手札1枚を選択してゲームから除外する。自分の墓地のカード1枚をデッキの一番上に置く。
このカードはガジェット環境でサイドから投入されていました。
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 地 / 機械族 / 攻2300 / 守1500
機械族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。自分のデッキ・墓地からレベル4以下の機械族モンスター1体を選んで手札に加える。また、このカードがフィールド上から離れた時、自分の墓地のレベル3以下の「ギアギア」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
この環境の【ガジェット】は先攻で《ギアギガント X》を出して手札を整えてターン終了、という感じでターンが回ってくることが多かったため、《エレクトリック・ワーム》でこいつをコントロール奪取し、《サイバー・ヴァリー》をサーチして召喚し、効果を使うことで2ドローに変換、エンドフェイズにコントロールを戻してしまう事無く有効活用できるため《サイバー・ヴァリー》がピン刺しされていました。
+《侵略の侵喰崩壊》
【 通常罠 】
自分フィールド上に表側表示で存在する「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を選択してゲームから除外し、相手フィールド上のカード2枚を選択して持ち主の手札に戻す。
このカードは【ヴェルズ】が環境にいる際に、レベル5以上を特殊召喚して展開したいデッキが投入していました。
《ヴェルズ・オピオン》【 エクシーズモンスター 】星 4 / 闇 / ドラゴン族 / 攻2550 / 守1650
「ヴェルズ」と名のついたレベル4モンスター×2
エクシーズ素材を持っているこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから「侵略の」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える。
先攻で出てきた《ヴェルズ・オピオン》を対象に《エレクトリック・ワーム》を発動し、効果でサイドから投入した《侵略の侵喰崩壊》をサーチすることで、《ヴェルズ・オピオン》の素材が0枚の状態にすることができます。
これによって即座にレベル5以上の特殊召喚が出来るようになるので、このまま展開していくことができます。
エンドフェイズにコントロールが戻ってしまうので《侵略の侵喰崩壊》自体はすぐに打つことが出来ませんが、2枚目以降《エレクトリック・ワーム》を打った際に先にサーチしておいた《侵略の侵喰崩壊》で飛ばすこともできます。
+《超雷龍-サンダー・ドラゴン》
(制限カード) 【 融合モンスター 】
星 8 / 闇 / 雷族 / 攻2600 / 守2400
「サンダー・ドラゴン」+雷族モンスター
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。
②:このカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。
エクストラデッキに空き余裕があった【オルターガイスト】デッキが対【閃刀姫】のプランとして投入していました。
ちなみにWCS2019における世界王者、 魔鏡さんが使っていたプランです。
《エレクトリック・ワーム》 で相手の《閃刀姫-シズク》を奪って《閃刀姫-ハヤテ》にして《閃刀機-ホーネットビット》を落とし、《閃刀姫-カガリ》で拾ってトークンを特殊召喚、そのまま《リプロドクス》をリンク召喚し、手札から召喚したモンスターを《リプロドクス》の効果で雷族モンスターに変換することで、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚出来ます。
エクストラをかなり食う代わりに《エレクトリック・ワーム》 +任意のモンスターだけでこれらの展開が出来、《閃刀姫-レイ》を蘇生させる事無く閃刀姫リンクを処理しながら《超雷龍-サンダー・ドラゴン》によるサーチ封じを仕掛けられる強力なコンボとして使われていました。
《エクシーズ・ユニバース》
【 通常罠 】
フィールド上のエクシーズモンスター2体を選択して発動できる。
選択したモンスター2体を墓地へ送る。
その後、そのエクシーズモンスター2体のランクの合計と同じか
1つ低いランクを持つ「No.」と名のついたモンスター以外の
エクシーズモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚し、
このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。
このカードを発動したターン、相手が受ける全てのダメージは0になる。
【彼岸】や【十二獣】などのエクシーズデッキが流行っている環境で時折使われるカードです。
《CX 熱血指導神アルティメットレーナー》【 エクシーズモンスター 】星 9 / 炎 / 戦士族 / 攻3800 / 守2300
レベル9モンスター×4
このカードはカードの効果の対象にならない。
また、このカードがエクシーズモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキからカードを1枚ドローし、お互いに確認する。
確認したカードがモンスターだった場合、
さらに相手ライフに800ポイントダメージを与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
相手のモンスター2体を吸いながら 《CX 熱血指導神アルティメットレーナー》 などの強力な高ランクエクシーズを出す事が出来、一気に形勢を逆転する事が出来ます。
《炎舞-「天キ」》と愉快な仲間たち
サイドデッキのカードは必ず素引きする必要はありません。
メインデッキに投入されているサーチカードの条件に当てはまる場合は、メインギミックとの使い分けで状況に応じて手札に加えることが出来ます。
このような条件を満たすサイドカードは、サイドデッキの枠の消費が少ないまま、実質的にアクセスできる枚数を増せるのでお得です。
【 永続魔法 】
このカードの発動時に、デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター1体を手札に加える事ができる。また、このカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の獣戦士族モンスターの攻撃力は100ポイントアップする。「炎舞-「天璣」」は1ターンに1枚しか発動できない。
《炎舞-「天キ」》をメインデッキに投入している【炎星】や【セイクリッド】のようなデッキには、サイドデッキからサーチ可能な獣戦士族を増やす事が出来ます。
《グリズリーマザー》
《グリズリーマザー》 【 効果モンスター 】星 4 / 水 / 獣戦士族 / 攻1400 / 守1000
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚できる。
《アイス・ハンド》【 効果モンスター 】星 4 / 水 / 水族 / 攻1400 / 守1600
①:このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
その後、デッキから「ファイヤー・ハンド」1体を特殊召喚できる。
《炎舞-「天キ」》によって《グリズリーマザー》をサーチし、自爆特攻を行うことで《アイス・ハンド》をリクルートし、そのまま自爆特攻から場を荒らしながら《ファイヤー・ハンド》と交互に自爆してフィールドを壊滅させる事が出来ます。
【クリフォート】などの罠を多用するデッキが環境に多い状態でよく使われていました。
《ブラッド・ヴォルス》
《ブラッド・ヴォルス》【 通常モンスター 】星 4 / 闇 / 獣戦士族 / 攻1900 / 守1200
悪行の限りを尽くし、それを喜びとしている魔獣人。手にした斧は常に血塗られている。
《魔のデッキ破壊ウイルス》【 通常罠 】自分フィールド上の攻撃力2000以上の闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる。相手フィールド上モンスターと手札、発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、攻撃力1500以下のモンスターを破壊する。
《炎舞-「天キ」》で《ブラッド・ヴォルス》をサーチして召喚する事で、《炎舞-「天キ」》の永続効果によって攻撃力が100上昇し、《魔のデッキ破壊ウイルス》の条件を満たすことが出来るようになります。
【水精鱗】などの《魔のデッキ破壊ウイルス》が刺さりやすいデッキが環境にいる状態でサイドから《魔のデッキ破壊ウイルス》と《ブラッド・ヴォルス》を投入します。
《精霊の鏡》
効果の対象がちょっとややこしいカードですが、《強欲で貪欲な壺》や《トレード・イン》などのドローソースが流行っている環境では、その効果を奪い取ることが出来ます。
変わったところだと《連鎖爆撃》のようなバーンカードに対しても撃つことが出来たり、意外な相手に刺さることもあります。使う場合はしっかり範囲を把握しておきましょう。
対応カード一覧
- 《打ち出の小槌》
- 《終わりの始まり》
- 《カオス・グリード》
- 《記憶抹消》
- 《黒羽の宝札》
- 《謙虚な壺》
- 《謙虚な番兵》
- 《強欲で謙虚な壺》
- 《強欲で貪欲な壺》
- 《サイキック・インパルス》
- 《七星の宝刀》
- 《深淵の指名者》
- 《森羅の施し》
- 《調和の宝札》
- 《デステニー・ドロー》
- 《天よりの宝札》
- 《トレード・イン》
- 《汎神の帝王》
- 《ヒエログリフの石版》
- 《封神鏡》
- 《未熟な密偵》
- 《無の煉獄》
- 《闇の誘惑》
- 《陽気な葬儀屋》
- 《リロード》
- 《革命》
- 《ご隠居の猛毒薬》
- 《神秘の中華なべ》
- 《至高の木の実》
- 《連鎖爆撃》
- 《昼夜の大火事》
- 《治療の神 ディアン・ケト》
- 《デス・メテオ》
- 《天使の生き血》
- 《非常食》
- 《火あぶりの刑》
- 《火の粉》
- 《ファイヤー・ボール》
- 《ブルー・ポーション》
- 《モウヤンのカレー》
- 《雷鳴》
- 《リニアキャノン》
- 《レッド・ポーション》
このように、メインからはあまり投入されないようなカードがサイドデッキには数多く使われます。
どんなカードがサイド向きなのか?
では、実際にサイドデッキに使うカードにどんなものがあるのか見ていきましょう。
サイドデッキの主な役割は、 「先攻・後攻による構築の変更」「メインデッキでは対応できない相手への対処」「効く相手が限られるが、大きなリターンが期待できるカードの投入」などがあります。
順番に見ていきましょう。
先攻・後攻による構築の変更
遊戯王における相手の展開への妨害は、主に「手札誘発」と「罠」に別れています。妨害の質としては、1枚で展開を止めることのできる永続罠カードや広い範囲をチェーンさせずに妨害する事のできるカウンター罠など、罠の方が質が高いことが多いですが、後攻を取った場合に先攻1ターン目の相手に対して打てないことがネックとなります。
一方、手札誘発は後攻の場合でも相手の動きを止める事が出来、先攻の場合でも腐らないため、「メインデッキは先攻でも後攻でも強い手札誘発をたくさん積み、サイドチェンジ後は先攻時は罠を、後攻時は手札誘発を積む」というのが多くの環境で有効な手段となっています。
《王宮の勅命》 (制限カード) 【 永続罠 】
このカードのコントローラーはお互いのスタンバイフェイズ毎に700LPを払う。700LP払えない場合このカードを破壊する。①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される。
先攻のサイドチェンジでよく使われる罠カード
- 《王宮の勅命》
- 《虚無空間》
- 《スキルドレイン》
- 《マクロコスモス》
- 《神の通告》、《神の宣告》などのカウンター罠
- 《メンタルドレイン》
- 《ソウルドレイン》
- 《閃光を吸い込むマジック・ミラー》
- 《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》
- 《群雄割拠》
- 《御前試合》
- 《大捕り物》
- 《異次元グランド》
後攻のサイドチェンジでよく使われる手札誘発(一部の罠)
- 《増殖するG》
- 《幽鬼うさぎ》
- 《浮幽さくら》
- 《灰流うらら》
- 《屋敷わらし》
- 《原始生命態ニビル》
- 《D.D.クロウ》
- 《エフェクト・ヴェーラー》
- 《無限泡影》
- 《タイフーン》
- 《スカル・マイスター》
- 《アーティファクト-ロンギヌス》
- 《ドロール&ロックバード》
- PSYフレームギア
- 《飛翔するG》
- 《応戦するG》
- 《A・O・J サイクルリーダー》
メインデッキでは対応できない相手への対処
現代遊戯王では「戦闘・効果では破壊されない」「対象に取れない」などの様々な耐性が存在し、デッキタイプによっては「メインギミックでは超えることが出来ない相手」というのが発生してきます。
また、「召喚権をつぶされてしまうと動けない」「〇〇に妨害を打たれると動けない」など、明確に止めどころがあるデッキでは、ギミック以外の部分で相手の妨害を踏み越えなければいけなかったりします。
このような「対処の難しいモンスターの処理」「相手が先攻で敷いてきた盤面への対処」などのための除去カードが必要な相手にサイドから投入する事の出来る除去カードは数多く存在します。
《禁じられた一滴》
《禁じられた一滴》【 速攻魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分の手札・フィールドから、このカード以外のカードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。その数だけ相手フィールドの効果モンスターを選ぶ。そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が半分になり、効果は無効化される。このカードの発動に対して、相手はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を発動できない。
対象に取れないモンスターであっても効果を無効化する事が出来、捨てるコスト次第ではチェーンを許さないため、こちらの効果の発動を無効にしてくるような先攻盤面に対しても撃つことができ、先攻展開デッキへの後攻からの巻き返し手段として重宝されています。
《ライトニング・ストーム》
【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。●相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
シンプル最強な全体除去です。《ハーピィの羽根帚》と《ライトニング・ボルテックス》の良いとこどり、というようなカードで、後攻ならとりあえずどのデッキ相手にでも入れることのできる汎用性があります。
《ダイナレスラー・パンクラトプス》
(準制限カード) 【 効果モンスター 】
星 7 / 地 / 恐竜族 / 攻2600 / 守0
このカード名の、①の方法に特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②自分フィールドの「ダイナレスラー」モンスター1体をリリースし、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。
高い打点を持ち、戦闘によって相手のモンスターを倒しつつ除去効果でもう1枚持っていくというような強力な動きを召喚権を使わずに行えることから、展開に召喚権を割きたいデッキに投入されます。
除去が過剰な場合はそのまま相手ターンの妨害にまわしたり展開に使ったりもできて便利なカードです。
《レッド・リブート》
(準制限カード) 【 カウンター罠 】
このカードはLPを半分払って手札から発動する事もできる。
①:相手が罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。その後、相手はデッキから罠カード1枚を選んで自身の魔法&罠ゾーンにセットできる。このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できない。
罠カードなら何でもこれ1枚で完封。相手に追加セットを許してしまうので、そのターン中に全体除去などで罠を超える事が出来るのが前提となります。
《拮抗勝負》
【 通常罠 】
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードより多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手は自身のフィールドのカードを選んで裏側表示で除外しなければならない。
対象に取れないモンスターや破壊耐性のあるモンスターも除去する事が出来ますが、必ず相手が選んだ1枚が残ってしまうため、本当にヤバいカードは残されてしまうのが難点です。
メインギミックにある程度の突破性能があって、「1枚なら超えられる」というデッキであれば、このカードで妨害数を1枚にする事で突破する事が出来ます。
裏側除外なので再利用も許さず、デッキによってはこのカード1枚で詰んでしまうこともある非常に強力なカードです。自分で使うのはもちろん、サイチェン後は相手から飛んでくることも意識しておきましょう。
ピンポイントメタカード
これは記事の最初の方にも書きましたが、本当に環境によって多岐に渡ります。
《超融合》(準制限カード) 【 速攻魔法 】
手札を1枚捨てる。自分または相手フィールド上から融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。このカードの発動に対して、魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事はできない。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
よく使われるものとしては、《超融合》があります。展開系のデッキの最終盤面に対してこのカードを打つことで、チェーンを許さず複数枚分の妨害を消しながら、大型モンスターを呼び出すというような動きを狙う事が出来ます。
《ダイヤモンド・ダスト》【 通常罠 】
フィールド上の水属性モンスターを全て破壊する。その後、この効果で破壊され墓地へ送られた水属性モンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。
また、 《ダイヤモンド・ダスト》 や《システム・ダウン》など、属性や種族を指定したメタカードには強力なものが多く、環境に多く存在するステータスに対する思わぬメタになり得ることもあります。
「サイド向き」という視点を持つ面白さ
今回はサイドデッキにどのようなカードが使われているのかを紹介していきました。こういった視点で見ると、今まで「相手依存すぎるからうまく使えない」と思っていたカードにも、「〇〇デッキが環境にいるときは強く使える」というような、新たな評価軸が生まれます。
どんなにピンポイントな状況であろうと、それが環境的に起こりやすいものであれば、十分な採用理由となるからです。
《エネミーコントローラー》【 速攻魔法 】
次の効果から1つを選択して発動する。
●相手フィールド上の表側表示モンスター1体の表示形式を変更する。
●自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。発動ターンのエンドフェイズまで、選択したカードのコントロールを得る。
例えば、《エネミーコントローラー》というカードは発動コストの重さ、コントロール奪取に限れば他にも同系統のカードがある、などの理由から、長い間大会環境で使われるようなカードではありませんでしたが、【十二獣】環境では多くの人が使っていました。
【 効果モンスター 】
星 3 / 地 / 昆虫族 / 攻700 / 守700
相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、
このカードを手札から相手フィールド上に表側守備表示で特殊召喚できる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードのコントローラーはエクシーズ召喚できない。
それは、コストがあるというデメリットが、この環境では送り付けられた《飛翔するG》をリリースできるという利点になっていたからです。
一見短所である部分も環境との噛み合い次第で長所にも化ける、そんな「マッチ戦」の世界。普段あまり縁がない皆さんも、この機会にマッチ戦で遊んでみてはいかがでしょうか?
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。