はじめに
どうも◆ドラ焼きです。
いよいよGP2023 1stが近づいてきました。今回はGPのアドバンスで活躍が期待される4c万軍投について解説していきたいと思います。
CS開催数が少ないアドバンスフォーマットはどうやって練習すれば良いか不安と思われる方もいるかもしれません。そのような方の一助となれるような記事を目指して執筆してまいります。
目次
【4c万軍投】特徴
強み
《“魔神轟怒”万軍投》の強みは少ない枠でデッキのビッグアクションとなる要素を取り入れる事が出来るため、結果的に余った枠に環境に応じたメタカードやフィニッシャーを採用することが出来る、という点になります。
また、より《“魔神轟怒”万軍投》を打つことが勝ちに直結するような環境では、自由枠をキングセルにすることで《“魔神轟怒”万軍投》自体の出力を上げる、といったアプローチも可能です。
現環境最強の【サガループ】に対して、《とこしえの超人》+《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》+《龍素記号 wD サイクルペディア》のパッケージを採りつつ、自分の強い動きを採用出来るデッキの中で最も構築の自由度が高いのが【万軍投系】デッキの強みだと考えることも出来るでしょう。
弱み
一方で【4c万軍投】の弱みは、GR召喚へのメタ、ブーストへのメタ等、様々な形で対策されると自由枠の多さという強みを活かしにくいところだと言えるでしょう。
折角の自由枠がメタに対するメタに割かれることになり、自分の動きを強くするようなアプローチを採用出来なくなります。また、相手のメタカードに対して都合よく特定のカードを引かないといけないことも多くなり、引きムラも目立つようになります。
環境に対して対策していく側ならば強力なデッキですが、対策される側に回ると強みを発揮しにくいデッキだと言えるでしょう。
今回のサンプルリストでは、現環境に存在する【4c万軍投】へのメタカードを意識した上で、それを乗り越えられる構築を目指しています。メタられている中でも出来るだけパワーが高い構築を目指してみたので、是非参考にしてみてください。
自分のイメージをお伝えすると、基本的に【5c万軍投】の方がデッキの出力が高く強いデッキであるものの、環境的に立ち位置が悪い時には自由枠を多く採れる【4c万軍投】にする、という感じです。今回は後者のパターンをお届けします。
【4c万軍投】サンプルリスト
特徴的なのは《神の試練》が不採用なことでしょうか。
《神の試練》は主に禁断開放や禁断爆発をケアする手段であり、これに頼らずとも十分にゲームに勝つことが出来ます。現環境で封印をケアしたいという場面は限定的だと考えて、今回は不採用としました。
《流星のガイアッシュ・カイザー》はミラーで差を付ける要素として、また警戒されない場合に強力なメタカードとして採用しています。このように採用カードの選択肢が広いのが【4c万軍投】の特徴だと言えるでしょう。
採用カード解説
GRゾーン
避けては通れないGRゾーンの構成から確認していきましょう。
《カット 丙-二式》、《クリスマⅢ》、《天啓 CX-20》、《回収 TE-10》を各2枚までは、文句なしの確定枠と言えるでしょう。
残りの4枠を争うのは、《サザン・エー》、《全能ゼンノー》、《静止 TB-30》、《ポクタマたま》等になります。
【4c万軍投】の基本の動きはマナブーストをしてしっかり《“魔神轟怒”万軍投》を撃つ準備を整えてから《“魔神轟怒”万軍投》を撃っていくという感じなので、比較的展開するターンが遅いです。
そのため、既に広がってしまった面を止めていける《静止 TB-30》は強力で、是非とも採用したいカードではあります。
しかし、現在の環境の中心は【サガループ】であり、《超神星DOOM・ドラゲリオン》を止めることの出来る《全能ゼンノー》は可能なら2枚採用したいところです。また、【サガループ】のおかげで《静止 TB-30》が必要な対面がそもそも減ってきています。
今回は残りの2枠に《全能ゼンノー》を2枚採用し、次点でいつ捲れても基本的には弱くない《サザン・エー》を2枚採用しました。ただし、《「敬虔なる警官」》を出されると《サザン・エー》はハズレになってしまう点に注意が必要です。
《「敬虔なる警官」》を嫌うならば、《サザン・エー》を1枚《静止 TB-30》や《ポクタマたま》に割くのもアリです。《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》で墓地メタは用意出来ているので、個人的には《静止 TB-30》推しですね。
コンセプトカード
《“魔神轟怒”万軍投》、《龍月 ドラグ・スザーク/龍・獄・殺》
デッキのコンセプトを作っているカードではあるものの、基本的にプレイするタイミングは6マナ~8マナ時になります。そのため、これらのカードを使うまでにしっかりブーストを撃っていくことが必要です。
出来るだけマナの伸びが悪い時に《“魔神轟怒”万軍投》を撃ち始めたくなく、ギリギリまで待ったうえでここぞのタイミングで連打していくことがコツです。
もしくは、《龍素記号 wD サイクルペディア》が着地したあとに撃つようにしましょう。
《BAKUOOON・ミッツァイル》
(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / ワンダフォース / 文明 火 / パワー9000 / コスト9
■このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーを召喚する時に破壊されたクリーチャー1体につき、GR召喚する。
■自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
引ければ素早いリーサルで突っ込むプランや、切り返しのプランが可能になるカードであり、マナに見えれば《クリスマⅢ》で拾うことが出来ます。
このカードを引いた時にだけ、2019年の超天篇のGRパワーを体感できるカードなので採用しておきたいカードです。
《龍素記号 wD サイクルペディア》
【 クリーチャー 】
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / ダークロード / 文明 水/闇 / パワー5000 / コスト5
■ブロッカー
■ジャストダイバー
■このクリーチャーが出た時、コスト4以下の呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。
■自分の手札から呪文を唱えた時、その呪文を自分の墓地からもう1度、コストを支払わずに唱えてもよい。この能力は各ターン1度しか使えない。
■自分の墓地から呪文を唱えた時、唱えた後で、墓地のかわりに山札の下に置く。
これまで、《“魔神轟怒”万軍投》を撃つまでの準備としてブーストを行っていく、というものでした。なので後続の確保と盤面干渉を同時にこなす《ドンドン火吹くナウ》のようなカードが重宝されていました。
それに対し《龍素記号 wD サイクルペディア》は一度出ると墓地のカードをプレイしてマナ等のリソースを増やし、かつ、自分の盾にあるST呪文が実質の2倍として使えることから受け性能も上がります。勿論自身のジャストダイバーブロッカーも受け性能として優秀ですね。
そのため《“魔神轟怒”万軍投》までの準備のカードとして非常に優秀なカードで、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》を使いまわすことや《イデア・パラドックス》を使いまわすことが強い環境であることから、今の環境で活躍が期待できるカードです。
また、《時空の禁断 レッドゾーンX》へのP侵略、《蒼き覚醒 ドギラゴンX》へのP革命チェンジにも対応しており、オリジナルではあり得なかったデッキパワーを手にしています。
細かいですが、相手の《イデア・パラドックス》のケアや、自分のデッキに《CRYMAX ジャオウガ》が入っていないことを相手に悟られないようにするために必ず《時空の禁断 レッドゾーンX》は4枚採用しましょう。
もしも《CRYMAX ジャオウガ》を採用している場合は、鬼S-MAX進化の耐性を《龍素記号 wD サイクルペディア》+《時空の禁断 レッドゾーンX》4枚+《CRYMAX ジャオウガ》で丁度2回分作れるため、絶対に4枚採用するはずです。
特徴的なカード
《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》
(殿堂カード) 【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・コマンド / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、数字を1つ選ぶ。その数字と同じコストを持つ相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
【呪文】
カード名:「本日のラッキーナンバー!」
文明:水
コスト:3マナ
■数字を1つ選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、相手はその数字と同じコストを持つクリーチャーと呪文を召喚したり唱えたりできない。
相手の《「敬虔なる警官」》への返しとして今回は採用しました。《「敬虔なる警官」》の返し手は今の環境なら必ず用意すべきでしょう。
先に述べた通り、《神の試練》は今の環境的に不必要な場合が多いため、今は《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》の方が優れているのではないでしょうか。
《一王二命三眼槍》
【 クリーチャー 】
種族 デモニオ / 鬼札王国 / 文明 闇/火 / パワー6000 / コスト5
■自分がゲームに負ける時または相手がゲームに勝つ時、これが相手のターンで、自分のマナゾーンに闇のカードと火のカードがそれぞれ1枚以上あれば、かわりに自分の手札にあるこのカードを相手に見せ、山札の下に置いてもよい。
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■鬼エンド:このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、シールドが1つもないプレイヤーがいれば、自分の山札の一番下のカードを墓地に置く。それがコスト5以下のクリーチャーなら、バトルゾーンに出してもよい。
対【赤青アポロ】に対して少しでも勝率を改善するために採用しています。1枚あるだけで1割以上勝率が改善するため、GPのようなほぼ全ての対面に当たることを想定すべき大会においては採用もアリなカードだと言えるでしょう。
個人的には《フェアリー・Re:ライフ》を1枚《五郎丸コミュニケーション》にするかをずっと悩んでいます。因みに《ディメンジョン・ゲート》は《マキシマムザ亮君(暴天覚醒MAXIMUM神羅曼象)》で止まるので採用は止めましょう。
他にも《流星のガイアッシュ・カイザー》や、《神の試練》、《勝利龍装 クラッシュ”覇道”》など採用候補カードが存在します。自分だけの最強の【4c万軍投】をGPまでに作り上げる、というのも楽しいでしょう。
回し方
まずは《“魔神轟怒”万軍投》までの準備
何よりも大事なのはマナを伸ばして《“魔神轟怒”万軍投》を撃つまでの準備を整えることです。出来るだけ多くのマナ、火マナを出来るだけ2枚以上、手札に《龍月 ドラグ・スザーク/龍・獄・殺》と《“魔神轟怒”万軍投》。このように乗り越えないといけないハードルは多いです。
可能な限り、というのが大事で、これ以上は待てないというタイミングで抱えたリソースを不十分であっても放出していきます。
どんなにマナが伸びていなくてもGRの捲り方次第では勝負が出来ます。溜めるタイミングと《“魔神轟怒”万軍投》を撃つタイミングを見極めることがこの【4c万軍投】を使いこなすためのポイントとなるでしょう。
《“魔神轟怒”万軍投》で確率と向き合う
ここぞのタイミングで《“魔神轟怒”万軍投》を撃った場合、あとは確率との勝負です。あるいは、撃つ前のタイミングで《“魔神轟怒”万軍投》からの捲りの期待値を考えてプレイを変えることも重要になってきます。
《“魔神轟怒”万軍投》1枚、つまり3回のGR召喚で狙っている1種類のカードを捲り確率は45.45%で、50%は超えません。ここに《龍月 ドラグ・スザーク/龍・獄・殺》まで絡むと57.57%で5割を超えてきます。
こういった確率を細かく覚えておかないとこのデッキは使いこなせませんし、プレイ方針の根幹になってきます。
あまりにも不利な確率で《“魔神轟怒”万軍投》を撃たされている場合は、そもそも【4c万軍投】が環境に合っていない時期かもしれないため、自由枠に他の強い動きを取り入れる、【5c万軍投】にして有利な確率に持っていく、そもそも《“魔神轟怒”万軍投》を使わない、といった工夫が必要になるでしょう。
負けない盤面を作ることを意識して詰める
《神の試練》があったころは無限EXターンというある意味明確なゴールが存在していたので気になりませんでしたが、そうでない場合は各対面への効率的な詰め筋は知っておく必要があります。
対【メタジャオウガ】には《龍素記号 wD サイクルペディア》のジャストダイバーブロッカーを活かして壁を作りつつ攻撃していく。
対【サガループ】には《とこしえの超人》や《「本日のラッキーナンバー!」》で相手の反撃を防ぎつつ殴る、もしくは相手の墓地を消してから殴る。
対【赤青アポロ】は不利対面なので、そもそも6打点が組めるタイミングはガンガン攻めていく。
等々、詰め筋は各対面によりけりです。《CRYMAX ジャオウガ》の有無、《流星のガイアッシュ・カイザー》の有無、《神の試練》の有無、《勝利龍装 クラッシュ”覇道”》の有無など、構築によっても詰め筋が変わっていくのでよく意識して練習に取り組みたいところです。
おわりに
【4c万軍投】、いかがだったでしょうか。このデッキの特徴についてまとめると、
- GRの出力は【5c万軍投】に劣るものの、自由枠の多さで環境に適応して勝負するのが【4c万軍投】
- 《 龍素記号 wD サイクルペディア 》は今の【4c万軍投】を支える基盤カード
- プレイングはギリギリまで《 “魔神轟怒”万軍投 》を撃つタイミングを見計らうことがポイント
- 確率計算、詰め方の把握など、練習のしがいのあるデッキ
といったところです。
デッキ構築やプレイングなど、練習しがいのあるデッキで、オリジナルにはないゲーム体験が出来るということもあって自分はこのデッキが好きです。
まだまだGPまでに【4c万軍投】をマスターするだけの時間はあります。この記事が皆さんのGP調整に向けた一助になれば幸いです。