はじめに
はじめまして。あるいは、お久しぶりです。北白河と申します。 生きています。
「王星伝説超動」でピックアップしたカードが全部めちゃくちゃ使われるという「きたしーが予想を当てる」という前代未聞の事態を起こした前回から一か月が経ちまして。
いやあ早くも来ましたね、「魂の章 名場面BEST」!
漫画・アニメ20周年コラボの記念パックかな?と思いきや、今までの常識を覆すパワーカード・強力カードの再録が次々と判明して大きな話題となっているこのパック。
「もう2ブロックとか真面目に整備するつもりはないぜ!」という公式の意思表示とすら取れる面々に、全北白河が驚いたと言います。
そんな「魂の章 名場面BEST」の中から北白河が独断と偏見で選んだ注目カードを、デッキの試作案等を交えつつ紹介させていただきます!ドラゴンについても……語ることがある!仕事だから!
また、今回は日ごろ書けてない「今日の一枚」の出張版といたしまして、個人的に思い出深いカードなんかの紹介もしていこうと思っております。肩の力を抜いて、ゆるゆるご覧いただければ幸いです。
目次
・1000枚買え!新カード部門
《切札勝舞&ボルメテウス -決闘の物語-》
【クリーチャー】
【種族】アーマード・ドラゴン/ヒューマノイド
【文明】光/火
【コスト】16
【パワー】17000
■このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにある自分のドラゴン1体につき3、マナゾーンにある自分のドラゴン1体につき1、少なくする。ただし、コストは1以下にはならない。
■スピードアタッカー
■T・ブレイカー
■自分のシールドゾーンから手札に加えるドラゴンすべてに「S・トリガー」を与える。
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。その後、このクリーチャーは自分のシールドを1つブレイクする。
デュエマの初代主人公こと切札勝舞が、テキストにボルメテウス要素を一切失った《 ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン 》とともに大先生レアとして登場を果たしました!運用的には《 DG ~ヒトノ造リシモノ~ 》じゃねえか!
まず目を引くのは16マナという莫大なコスト。とはいえバトルゾーンとマナゾーンのドラゴンの数に応じてのコスト軽減により見た目以上に簡単に出すことができます。
バトルゾーンに2体、マナに5枚でもう5マナまで軽減!ちゃんと組めば2マナでの登場もかなり現実的に狙えそうですね。
こうしてひとたび繰り出せば、トリガー化とセルフブレイクであらゆるドラゴンを暴発できるという寸法です。要するに、「【連ドラ】に入れろ!」という公式の意志を感じる生物ですね。
殴らなくてもトリガー化で防御も固められるのは、同種のカードと比べて明確な優位点です。全世界の《 仰天無双 鬼セブン「勝」 》や《 龍装者"SVN"ムソウ 》が泣いています。
彼に限らず「大先生レア」の面々はどれも当時の主人公の切札を再現したスペックとイラストを持ち、ファンにとっても嬉しい一枚と言えるでしょう。
カードとしてもしっかり強力なので、実プレイヤーとしても集めておきたいところです。でもカツキング要素種族以外どこにもなくない?
《革命の絆》
【NEOクリーチャー】
【種族】メガ・コマンド・ドラゴン/エンジェル・コマンド・ドラゴン/ヒューマノイド/革命軍
【文明】光/火
【コスト】7
【パワー】8000
■革命0トリガー:クリーチャーが自分を攻撃する時、自分のシールドが1つもなければ、このクリーチャーを手札から見せてもよい。そうしたら、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードが光または火の進化ではないクリーチャーなら出し、このクリーチャーをその上に置く。
■NEO進化:光または火のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにあるクリーチャーではないカードを1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。
ついに出た、第三の革命0トリガー進化生物!
先輩となる《 ボルシャック・ドギラゴン 》と《 ミラクル・ミラダンテ 》と併用可能な、【カウンタードギダンテ】垂涎の一枚ですね。
このカードの何が革命的かというと、自身がNEO進化クリーチャーであること。《 革命の絆 》そのものをめくっても自爆しないんですよね。
本体性能は実質ブロッカーのみとささやかながら多色なので先輩の踏み台にもなれますし、革命チェンジもオッケーと至れり尽くせりの防御札となっています。
公式からの「【カウンタードギダンテ】組め!」というお達しが出たことですし、ここはひとつ組んでみますか。
※裏向きのカードは《 革命の絆 》
というわけで、ワンチャージキルです。
一マナ溜めたらあとはひたすらターンエンド宣言をするだけの、とってもプレイが簡単なデッキに仕上がりました。
相手のダイレクトアタックを受けることのみを勝ち手段とし、無策で殴ってくるタイプのデッキに痛烈なカウンターを食らわせることもある、専守防衛をドクトリンとしたクソデッキですね。
「同時に複数の敗北時誘発を使える」という特徴は、「まず革命ゼロトリガー試してみてダメだったら《 百鬼の邪王門 》でトップをリセット」という戦略が可能ということでもあります。
一回何かしらのドラゴンを出すことに成功したら、侵略&革命チェンジの合わせ技でアドを稼ぎながらどんどん手札に回収していくといいでしょう。
もっと極端にするなら、《超越男》採用も手ですね。「初手《 超越男 》チャージ」を発生させた時点で(精神的には)勝っているので、どんどんやっていきましょう。
《鬼札アバクと鬼札王国》
【クリーチャー】
【種族】デモニオ
【文明】闇/火/自然
【コスト】3
【パワー】13000
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を墓地に置く。その後、このクリーチャーを破壊する。
■<鬼タイム>自分と相手のシールドの数が合計6つ以下なら、真上の■能力を無視する。
■スピードアタッカー
■マッハファイター
■T・ブレイカー
■このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。
記憶に新しい鬼札アバクが早くも帰ってきた!…なんか墓地肥やしの力を引っ提げて、ですが。今回の「一番ヤバそうなカード」枠です。
3色とはいえ3マナで合計6枚墓地を肥やせるのはさすがに破格で、墓地の数が肝要になる【墓地ソース】なんかには色を足してでもすんなり入りそうです。
鬼タイム突入前ならば「墓地から召喚してさらに5枚墓地肥やし」なんていうお化けムーブも可能ですし、達成したら達成したでこのサイズのSA・MF持ち生物が何度でも墓地から突っ込んでくるのはさすがに常軌を逸していますね。
セイバー持ちで強引に維持してみたり、各種「儀」の達成に使ってみたりと使い出抜群のカードだけに、これから墓地の絡むデッキでよく見かけるカードになりそうです。いやあヘブフォがなくて本当に良かった。
ちなみに、王来篇に入ってからはこれに限らず《 夏だ!デュエル修業だ!! 》などの軽量3色パワーカードが多数登場しています。
《 天災 デドダム 》を刷ってしまった贖いを、全カラーリングに同等のカードを刷ることで行うつもりでしょうか。
いやあ白青黒が楽しみですねえ。さぞいいカードをもらえるんだろうなあ。プロゴ内蔵の防御トリガーとかね。
《神の試練》
【呪文】
【文明】水
【コスト】5
■コストが同じカードが2枚出るまで、自分の山札の上からカードを表向きにする。
こうして自分の山札をすべて表向きにした場合、このターンの後に自分のターンを追加し、残りのゲーム中、自分の山札のカードが1枚もなくても、自分はゲームに負けない。
表向きにしたカードをすべて手札に加える。
何だかめちゃくちゃ複雑なテキストですが、「コスト被りが発生するまで山札をめくって手札に加えるよ」「山札めくりきったら追加ターンと『ゲーム中ライブラリアウトで負けない』権利がもらえるよ」と言うことですね。
さらっと言ってますが、割とヤバいことが書いています。具体的には後半。
要するに「5マナのドロー呪文に『山札がなければ追加ターン、回収すれば無限ターンもOK』というテキストがついてきた」わけで、そりゃ弱いはずがありません。ひとり【オラクルパクト】か?
実運用としては「ちょっと構築は歪むけど呪文になった《 水上第九院 シャコガイル 》」といった感じになるでしょう。ヘビーコントロールの事実上の勝ち手段としてあちらと枠を争いそうですね。
普通に使ってもよほどコストが偏ってなければおおむね3-4枚くらいはもぎ取れるので、特にその手の無限ギミックが入ってない遅めのデッキのお守りとして使ってもいいかもですね。
ところで、これアダムのカードなんですよね。名前に神(ゴッド)ってついてますよね。もっとこんな坊主めくりよりもフレーバーに即したテキストがあったんじゃないですかね。ねえ。
《闇王ゼーロ》
【呪文】
【文明】闇
【コスト】8
■コストを支払うかわりに、自分の手札から闇のカードを3枚捨て、自分の闇のクリーチャーを3体破壊して、この呪文を唱えてもよい。
■自分の山札の上から4枚を墓地に置く。その後、闇のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
現行のストーリーで闇文明代表として頑張っているゼーロJrのパパことゼーロも、もちろんカード化!「バカボンのパパの息子」みたいな表現ですね。
全身タイツにパンツという闇文明特有のファッションセンスが光るイラストは置いといて、その効果もゼーロらしいものに仕上がっています。
手札からカードを捨て、盤面の生物を3体破壊し、墓地を肥やし、復活を行う…要するに、これ一枚で彼の切り札たる《 零龍 》の儀がすべて達成できるように作られてるんですね。フレーバーとシステムの融合が上手い!
…まあ実際は《 破壊の儀 》の強制効果で手札が1枚増えるので《 手札の儀 》だけ達成できないんですが。ここは各種軽量生物やG・ゼロとかで何とかしてください。
《 零龍 》とのデザイナーズコンボに頼らずとも、「簡単な条件で踏み倒せる、コスト無制限リアニメイト」というだけで実は破格です。
デュエルマスターズというゲームは3ターン目に《 ∞龍 ゲンムエンペラー》や《 聖魔連結王 ドルファディロム 》が出てくればおおむね終わってしまうゲームですからね。専用構築を組んでみる価値は大いにありそうです。
《熱血の誓い》
【DMフィールド】
【文明】水/火/自然
【種族】ドラゴン・ワールド
【コスト】3
■自分の最初のターンのはじめに、このフィールドが自分の手札にあれば、自分の手札にある他のドラゴンを1枚、相手に見せてもよい。そうしたら、このフィールドをバトルゾーンに出す。
■すべてのゾーンにある自分のクリーチャーは種族にワールド・ドラゴンを追加する。
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
※裏向きのカードは《熱血の誓い》
ドラゴン以外の部分について語ると、2ターン目《 ビースト・チャージ 》からの2ブレイクが決まればおおむね次のターンに人は死にます。青マナが欲しいなら《 ミラクル・サーチャー 》を足すのがおすすめです。
・きたしーピックアップ部門
ここからは、強さはいったん置いといて北白河が個人的に触れたいカードについて語っていこうと思います。
せっかくの過去の名場面を振り返るパックなわけですから、こういったフレーバー的なところも確かめていきたいものですね。企画を私物化するのは…楽しい!
昔Twitterで自分がやってた「今日の一枚プチ」を見る感覚でゆるゆる眺めてもらえれば幸いです。
《闘うべき時!!》
【呪文】
【文明】火
【コスト】8
■相手のシールドを1つ選び、持ち主の墓地に置く。その後、相手のシールドが1つもなければ、自分はゲームに勝利する。
ついに出た、エクストラウィン持ちの呪文!このカードの登場で、ついに「クリーチャーが物理的に一切出ない構成で勝つ」という稚気じみた夢が現実になりました。
※裏向きのカードは《 闘うべき時!! 》
現実になりませんでした。
とはいえ、他のゲームでいうところの「フルバーン」に近い構成ができるようになったのは大きな進歩と言えるでしょう。
勝てるかどうかは置いといて、選択肢が広がることそのものがデッキビルダーの福音なわけですね。でもなんかそのうちコンボの勝ち手段で悪さしそうだなこいつ…
《超幽龍アブゾ・ドルバ/切札をねらう悪魔!》
【進化クリーチャー】
【種族】ドラゴン・ゾンビ
【文明】闇
【コスト】6
【パワー】11000+
■進化:ドラゴン1体の上に置く。
■パワード・ブレイカー
■自分の墓地にあるクリーチャー1体につき、このクリーチャーのパワーを+2000する。
【呪文】
【文明】闇
【コスト】4
■S・トリガー
■自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
■相手のドラゴンを1体破壊する。
上半分について語ることは何もないんですが、呪文面は本っっっ当にいいテキストしてますね。
最後の一文とか全カードに記されるべき名文だと思います。今年のノーベル文学賞はこれで確定です。
…とはいえ、このカードのように「パワード・ブレイカー」という能力の発明がもっと早ければ、元ネタのほうの《 超神龍アブゾ・ドルバ 》や《 ボルシャック・ドラゴン 》なども実戦でも使われるカードになっていたかもしれませんね。
歴史のifを考えることに意味はないんですが、楽しいのもまた事実です。無力と知りつつやっていきましょう。
《ティラノ・リンク・ノヴァ》
【呪文】
【文明】火
【コスト】14
■シンパシー:ティラノ・ドレイクとブレイブ・スピリット(この呪文を唱える時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のティラノ・ドレイクまたはブレイブ・スピリット1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない)
■相手は、自分自身のシールドをすべて手札に加える。(相手はその「S・トリガー」を使うことができる)
知らん人二人がキョトンとすると全てのシールドが弾け飛ぶという、フレーバーに満ちたカードです。
嘘です。実際にはアニメ「デュエルマスターズ フラッシュ」の主人公、夢見テルと夢見ココロのイラストですね。テルはティラノ・ドレイク使いなので、その絡みでのカード化と思われます。
今ではアニメと漫画の展開が同期しているんですが、不死鳥編の一時だけ別展開を狙っていた時期があったのです。彼らはその時期の主人公です。
ちなみにこの時期のデュエマはいろいろあってやることなすこと裏目に出ており、新たな試みであったこのアニメも一年で打ち切られました。
このへんは多分ばにらさんが詳しそうですね。
今までほとんど音沙汰の無かった彼らの突然の復活に、「なかったことにされたわけじゃなかったんだ…」と驚かされました。ただ、もうちょっといいシーンはなかったんでしょうか…
《ガールズ・ジャーニー》
【呪文】
【文明】光/水/自然
【コスト】5
■S・トリガー
■カードを3枚引く。
ボーイズ・ジャーニーです。
アニメ「デュエルマスターズキング」の第四話にてメインキャラたちが一時的に女装した回のイラストなのですが…まあカード化は公式の悪ノリだとは思います。
アニメといい漫画といい、メインターゲットであるキッズの皆さんの前途ある人生を狂わせたりしないかちょっと心配になりますね。お前らのことやぞ真ん中の二人。
《原初の決闘者アダム》
【進化クリーチャー】
【種族】ゴッド/クリエイター/オリジン
【文明】水/自然
【コスト】7
【パワー】8000
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚をマナゾーンに置く。
■自分のターンのはじめに、コスト6以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。
■呪文の効果によって相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
起源神は使い手にすら見放されました。
いやまあ「6マナ以下」っていうところで【起源神】を意識してるとは思うんですが、そんな悠長なムーブで救われるのであればもうとっくに救われています。色も片方合ってませんし、現状入るパターンは正直なさそうです。
名前に《起源神》って入ってたらだいぶ違ったんですが…。
とはいえ3ブースト付きシステムクリーチャーとしての強さは言わずもがな。意外なデッキでお声がかかるかもしれませんね。
おわりに
というわけで、注目カードでした。いやその、蓋を開けてみればめちゃくちゃ豪華なパックでしたね。
他にも見たいシーンや出してほしい起源神がいるので、ぜひこの先もこの手の企画パックはやってみてほしいものです。
せっかく「魂の章」なんていう個性的なサブタイトルが付いてることですし、ここはひとつ「魂以外全部の章 名場面以外全部BEST」とかを刷っていきましょう。
じーさんに爆破されたバサラやザ・ニラとなったザキラ、「カードゲームで死にたくないからな。」などなど名場面以外全部はたくさんありますからね。
ともあれ、せっかくのお祭りパック。気になるカードやかつて胸を躍らせたシーンなどがありましたら、ぜひぜひ実際のカードを手に取ってみてくださいませ!できれば弊社で!
それでは、次の記事で。北白河でした。