え、僕また何かやっちゃいました?

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え、僕また何かやっちゃいました?

5月中旬、『第一回トレカライターコロシアム』開催。

TCG通販サイト『カーナベル』主催の、専属ライターの公募を兼ねた業界初となるコラム大賞。

己の文才を競い合う創作の宴であったはずのこの企画だが、
後日発表されたその優勝賞金『10万円』によって魑魅魍魎修羅の世界へと一気に変わってしまった。

10万。

あれだけ高い高いと持て囃されたCSプロモ《超戦龍覇 モルトNEXT》ですら初動を過ぎ去った今では届かない額だし、《三途渡しのユーリン》なら200枚は買う事が出来る。 《伝説の禁断 ドキンダムX》のバトルに勝つことだって出来てしまうのだ。

なんか透けてるのは気にしないで・・・

正に全知全能の証。

ある者は1本記事を上げたところで精神を破壊され、
ある者は狂気に駆られてカードを食べ、
ある者は膝を抱えて2番煎じバレに怯えながら日々を過ごす。

激化する10万円を巡る者達の壮絶な戦い。

そして、その渦中に身を投じるDMPがまた一人・・・

目次

最強プロプレイヤー伝説 ユーリ

やあ、僕の名前はユーリ。

(出典:デュエルマスターズ)

世界に轟く大企業『カーナベル』にスポンサードされたプロプレイヤーの一人だ。
ラノベの主人公になったこともある。

普段はデュエマを研究しながら各地のCSを巡ってるんだけど、今日はカーナベルからとある指令が届いた。

「トレカライターコロシアムに記事を投稿しろ」。

なんだろう、この壮絶なお茶を濁されている感は。

普段から記事の執筆料をこれでもかというほど叩きまくっている彼等だが、ついにまともに給料を出す事すら嫌になったんだろうか。

それとも高校生だからって舐められているんだろうか。 こちとら決闘者だぞ決闘者。

トレカライターコロシアムが血で血を洗う殺し合いに発展しているのは自分も知っている。
だが、今の僕の手元には今をときめく環境のソリューション、『ミッツァイルジョーカーズ』があるんだ。

こいつをCSで使ったレポートと解説。
これならプロプレイヤーブーストで優勝間違いなしだろう。

丁度今週は全国初の6倍CS、はっちCSもある。

環境予想記事で情報操作もしておいたし、準備は完璧だ。

そして迎えたはっちCS当日。

会場に向かうと、関西の知り合いが「ミッツァイルジョーカーズ増えそうだからメタろうかな」なんて抜かしていたから、トイレに立った隙にデッキを入り口自販機横のゴミ箱に投げ入れ
遠征してきた関東の知り合いが「強いデッキが板」と言いつつフリーを回している隙に、はっちCS専用の封筒に封入されたデッキシートを白紙のものと入れ替える。

CSはこうした事前の準備が一番大切なのだ。
不安要素をひとつひとつ取り除くうちに、すぐに予選1回戦が始まった。

うん、初手には《BAKUOOON・ミッツァイル》《夢のジョー星》もあり、ちゃんとGRクリーチャーを撒く手段もある。 後手ではあるがいい手札だ。

だが対戦相手が超次元を用意していない以上、相手のマナチャージを確認しないとこちらもプランを練ることが出来ない。

固唾を飲んで相手のマナチャージを・・・待・・・・?

「マナチャージします」

(出典:メタリカしか知らないDMPがデスザーク描いてみた)

「ジャッジ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

すぐさまジャッジを呼ぶ僕。

やられた。 同じことを考えている奴なんてのはいくらでもいるんだ。

魑魅魍魎たちの魔の手は既にCSの中にも忍び寄っていたという事か。
どうせなら「マナゾーンに置いたらゲームに勝つ」とか書いとけばいいのに。

当然失格になる対戦相手。
「いや、私メタリカしか知らないんで・・・」などと意味不明な供述をしている。

だが、そんなライターコロシアムの刺客たちは続く予選の間も容赦なく牙を剥いてきた。

次の対戦相手の『青白GRギュウジン丸』、

更に予選が進み、『ジョラゴンホールディングス』からの出向社員と当たったり、

果ては『5cゴクガサイクル』(⁉)。

どれも苦戦を強いられる強敵だったが、その全てを先手4ターン目《BAKUOOON・ミッツァイル》+12体のGRクリーチャー+《単騎連射 マグナム》+《ジョジョジョ・マキシマム》で爽快に撲殺する僕。

これが環境のソリューションの力。
無論試合が終わった後に「え、僕また何かやっちゃいましたか?」と訊くのも忘れない。 なろう系主人公の宿命だ。

そのまま難なく予選を抜け始まった決勝トーナメントも、勝ち上がってきた関東の知り合いのデッキチェックを要求して次々ふるい落とし、決勝戦まで一気に上り詰める。

勿論試合後の煽りセリフも忘れない。

すまないみんな。
だが僕はただのCS優勝とは違う、プロプレイヤーとしてもっと重く大きいものを背負っているんだ。 その白紙のデッキシートを涙で濡らしてくれ。

だがそうして辿り着いた決勝のテーブルの向こうに座っていたのは、ライターコロシアムの中間発表でも1位に輝いていた、あのプレイヤーだった。

まさか最後に相対するのがライターコロシアムの現王者とは・・・

しかも奇しくも『ミッツァイルジョーカーズ』のミラーマッチ。

デッキをカットし、シールド、そして手札を広げる。
鼓動が速くなる。 幾ら百戦錬磨のプロでラノベ主人公の僕でも、緊張するときは緊張するのだ。

此方が膨大な調整の末にこのデッキに辿り着いたのと比べて、あのプレイヤーは長い知識の蓄積と経験の中で、この「プレイヤーズ」が環境を変えうると判断して手に取っているのだろう。

そしてその判断は彼をこの決勝の舞台に、ライターとしてもプレイヤーとしても王者として君臨するべくこの場に導いているのだ。

くっ・・・・!凄いオーラだ・・・・!!!

思わず気圧されそうになる背をぐっとこらえて、深く椅子に座りなおす。

違う。

どれだけ文才があろうと、CSに来ている以上は只の一人のプレイヤーだ。

デュエマの力量にこそ差はあれど、人である以上はそこに差なんてある筈が無い。

ひるんだら負けだ!

右側《三途渡しのユーリン》っぽい。

(出典:テキストカバレージの写真をカッコよく撮ろう!)

そんな強い気持ちに応えるかのようにじゃんけんは勝ち。 初手も《BAKUOOON・ミッツァイル》こそ無いものの、ちゃんと初動の出来る悪くないものだ。

《ヤッタレマン》《ガチャダマン》と動き、出てきたGRクリーチャーで相手の初動を潰す。

それに《ウォッシャ幾三》で応える相手。

これは貰った。 こちらも《ウォッシャ幾三》で盤面を広げつつ、《夢のジョー星》

(出典:デュエルマスターズ)

1枚づつカードを捲る。 ここまで《BAKUOOON・ミッツァイル》は1枚も見えていないのだ。どうせ見つかる。 その慢心がいけなかった。

無い。 手札にも、捲れた4枚にも。

頭が真っ白になる。 先手後手が入れ替わってしまう。
このミラーマッチ、しかもこの局面でそれは、まごうことなき「死」だ。

そして無論、ライターの王者はその隙を見逃さない。

《ウォッシャ幾三》を更に召喚し、新たな「歴史を変える1枚」、《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚!

(出典:デュエルマスターズ)

たちまち並ぶジャスキル打点。 そこには何故か《K2マッチョ》の姿もある。 ボディビルにでも目覚めたのだろうか。

(出典:デュエルマスターズ)

それ以上の展開は無かったものの、僕を殴り殺すには十分な打点だ。

1枚づつブレイクされていくシールド。

めくるたびに心を諦めが支配していき、ここまでの練習が走馬灯のように蘇る。

ここまでの努力を共にしてきた仲間たち、結果を出して喜び抱き合う仲間たち、白紙のデッキシートと僕を交互に見ながら吠える仲間たち・・・・

負けてしまう時は、見た目で淡々としていても、やはり色々と考えるものなのだろう。

そうした流れゆくイメージの奥底で、僕は一つの声を聞いた。

「負けないで!」

頭の中が弾けるようだった。

そうだ。 思い出した。

自分で言ったんじゃないか。 僕は遥かに「重いもの」「大きなもの」を、背負っていると。

プロプレイヤーとしての、ファンからの期待。
トッププレイヤーとしての、仲間からの信頼。

その彼等の「重い」、いや「想い」を無駄にすることなど、プロプレイヤーとしてあってはならないんだ!!

最後のシールドを確認する。 これは・・・・!?

そして数刻後、ノートリガーで安堵しきった相手のGRクリーチャーが、その身を横にする。

先に《BAKUOOON・ミッツァイル》を出される?

ノートリでダイレクトアタックをされる?

それがどうした。

「勝てないかどうかを決めるのは――僕ですッ!」

(出典:デュエルマスターズ)

動揺を隠しきれない相手。

それはそうだ。
この時の為に解説記事では《ハヤブサマル》抜きのリストしか載せていなかったのだから。

これが僕が、万が一「筋肉」や「資産」のごり押しによる一点突破を狙われた時の、最後の策だったのだ。

ターンが渡る。
手札は潤沢。 マナは5マナ。 盤面のミッツァイルの種も充分。

たちまち並ぶGRクリーチャー。

その眼前には《単騎連射 マグナム》、その手には《ジョジョジョ・マキシマム》

そんな頼もしい仲間たちと共に、僕は初の6倍CS優勝者としてその名を刻んでみせた。

差し出される右手。

「おめでとうございます」と向かい側、横側から声を掛けられる。

「ありがとうございます」と返しながら、僕は初めてカバレージを取られているのに気付いた。 よっぽど緊張していたのだろうか。

それにしてもこのカバレージライターもどこかで見た事あるな。
『デスザーク』VS『青白サッヴァーク』のカバレージとか書いてそう。

仲間たちも駆け寄ってくる。

彼らのお陰で優勝できたようなものだ。

安堵して力の抜ける体にもう一度力を込め、笑顔で彼らに声を返す。

「え、僕また何かやっちゃいましたか?」

賞金でダイナマイト買ってカー●ベルは爆破しときました。

現在の時刻、7月31日の23:10。

この時間帯なら、もう大体の人が投票を終わっているでしょう。

だったら投票に影響しないんだし、何書いても怒られないんじゃね???(暴論)

そんな衝動に駆られて数時間で書きました。
急ピッチすぎてスペーサーブロックすら作れていません。 あれ手間過ぎるんだが。

多方面の方々、本当にすいません。 平に平に。

あとは・・・投票お願いしますとももう言えないので、次回をお楽しみに、って感じです。

ライターの皆さん、お疲れさまでした。 自分も含めてね。


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