リリアングから始めるウォズレック調整録

PV 6,405 いいね 12 -

リリアングから始めるウォズレック調整録

書くことが、無い。

この「トレカライターコロシアム」が発表され、参加すると決めてからぼんやりとテーマを考える事数週間。

普段からブログ書いたりカバレージを上げたりしている知り合いの動向や、参加表明しておきながら「あんまやる気出ないから書くのやめる」、などと宣うマラかっちの誰かさんの阿鼻叫喚具合を横目に見つつ頭を捻っていましたが、まあ何も思いつきません。

刻一刻と過ぎる時間。
あまりに何も思いつかな過ぎて「自分も”カード食べてみたレビュー”とかするしかないか・・」などと思っていたのですが・・・・

~5月某日、深夜のまらかっちにて~

ドッシュ「そういえばウォズレックってデッキ最近勝ってますよね、あれ実は強かったりするんじゃないすか?」

dottoさん「俺先週使ってtop8だったよ。 今通常で使うなら結構アリなデッキだと思う。」

◇ドラえもん「普段あんまりDMやってない人達が勝ってますもんね。 実はポテンシャルあるのかも。」

セキボン「SAX」

お酒を呑みながらMT●Aに勤しむぼく「(うーん、いつもの如くデッキ談義してるけどどうせ資産的に組めるわけでも無し、CS出る訳でもないし興味無いなあ、あっトップつよ)」

勝ってたリストを見直して手を止めるぼく「(・・・・いやまて・・・これもしかして・・・?)」

ぼく「聞いてくれ、大変な事に気付いた。」

ドッシュ「なんすか」

セキボン「SOX」

老害ぼく「このデッキ組めるわ。

ドッシュ「きtあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

セキボン「S●X!!!!!!」

テーマ決まったわ。

きっかけなんてのは、得てして取り留めのないもんですよね。

まらかっち…気付いたら軍隊化していたDMPのdiscord会議。 ギラサキ曰く「カードをやり足りないDMP達の居酒屋」。

ドッシュ、dottoさん、セキボン、◇ドラえもん…今現在トーナメントシーンで活躍してたりしてなかったりするマラかっちのメンバー達。 今回はチョイ役だからこれ以上出ません。

目次

かなり長い文章なので、音を上げた方や「結論だけ見たい」って方は『■ウォズレックを構成する「3つの柱」』からご覧ください。

■リリアング軸とミノミー軸

●リリアング軸、爆誕

”なんとか”といった具合ですが、テーマが決まれば話は速い。

早速パーツをかき集めて、マラかっちの先人たちに話を聞きつつ一人回しを始めます。

取り敢えず参考にしたのは、ここ数週間ずっとこのデッキを調整していた京都勢謹製のリスト。

https://twitter.com/matsumatsunow/status/1132595395605934080

うーん、思ったよりもポンポンコンボが決まるし「ポテンシャルがある」っていうのは合ってそうな感じがする。

回し始めて10分くらいの印象はそんな感じです。

構築の「これは明らかにダメだろ」という点も特にありません。 強いて言えば白が少ない、と思ったくらい。

「実はこのデッキ触るところそんなに無い?」と思ったりもしましたが・・・
転機は結構すぐ訪れました。

一人回ししながらぼく「・・・そういえばこのデッキってどうやってメタんの?

イヌ科「んー、分かりやすいのはチェンジ元のクリーチャーを破壊するとか、呪文メタで《ヒラメキ・プログラム》持ってこさせないとか?」

ぼく「あー・・・・じゃあ除去もメタもある『赤白轟轟轟』とか普通にしんどそうやね」

そうは言いつつも、なんか対抗する手段あるかなと思考を巡らせるのがDMPの性。

破壊耐性持ちか、呪文メタをすり抜けられる、あわよくば光のクリーチャー・・・・

そしてパッと思いついたのは、《ナゾの光・リリアング》

(出典:デュエルマスターズ)

今をときめくトップメタ『赤白轟轟轟』でよく見るカードですが、こいつなら大体の除去やマッハファイターはエスケープで躱せますし、自身の効果で《ロジック・キューブ》も撃てます。

言われたメタ手段を大体突破できる上、最初から足りないと感じていた白色を補う事も出来る。 これ以上無いくらいの回答です。

ただ、問題もあります。 その《ナゾの光・リリアング》《ロジック・キューブ》という理想の展開を行うにはもう1枚、埋めるための光を確保しなければなりません。 どう考えても足りない。

それにそもそもこの《ロジック・キューブ》の枚数じゃ引けるかどうかも怪しいです。 つまり、既存の構築にそのまま入れ込むことは不可能。

という事は・・・・全く新しい基盤を作るしかないやん。

このとき既存の物とは違うもう一つの軸、『リリアング軸ウォズレック』が産声を上げました。

京都勢..京都勢自体一枚岩の集団ではないですが、ここでは普段はジャッジだったり仕事だったり別ゲーやったりで、あんまDMやらない方の人達の集まり。
最近のやる気の出かたが急で怖い。

●一人回しの調整方法

(出典:ガチャログ)

元の形とは似ても似つかない、《ロジック・キューブ》系8投に白が足りない事が露骨に見て取れる青白多色の《アルカディア・スパーク》

既存の構築を基準にして見たら「歪」としか言いようのない、しかし『リリアング軸』としてはこの上なく妥当な白いカードの塊達が、そこにはありました。

とは言えまだまだ組みたての粗削り。
ここから一人回しでリストを最適化していかなければなりません。

感覚で進めるだけでは限界のある作業ですが、こういう「一人回しでメインプランが完結するデッキ」の調整にはとっておきの方法があります。

それが、「構築を固めた段階で特定の回数一人回しをしてコンボが決まったターン数を記録していく」というもの。

こんな感じ。

理想を言うなら何百、何千回と数字を取るべきなのでしょうが、残念ながら自分は意志が欠落してる訳でもなければ人並みに疲労もする一般的なヒューマンなので、ある程度ブレが収束するレベルで妥協しています。
即ち60回1セット。

そんな訳で取り敢えずこの初期型リリアング軸で数字を取ってみます。

1

3t目→21(✓3)
4t目→15(✓2)
5t目→5
6t~→19

(編注:画像が破損していたため、テキストにて画像内容を記述いたしました)

更に進んで、《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》《アルカディア・スパーク》を2枚に減量し、更に60回。

前者は《ヴァリアブル・ポーカー》、後者は《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》を切っている故に、3割近くどうしようもない事故を起こしていますが、 この中には3、4tキルが盾落ちによりご破算になったパターンも多いため、それらを戻せば事故率は減らせそうです。

3、4tキルは合わせて約35回。
割合で言うと6割弱とそれなりに安定しています。

基準となる数字が出た上にまだまだ改善できそうな雰囲気ですが、ここで一旦リリアング軸はストップ。

リリアング軸が正解であると決めるにはまだまだ早計であるため、数字を出して調整するなら元のミノミー軸も同時進行していかなくてはならないからです。

イヌ科…公式のカバレージライターやってる人。 DMVaultレート歴代1位。 角度次第で錦織圭に似ている。

●ミノミー軸のメインプラン

そんな訳で一度立ち戻り、イヌ科がマラかっちに上げていたミノミー軸のリストを回してみる事にします。 曰く「《龍素記号Og アマテ・ラジアル》は3枚無いと蕁麻疹出る」とのこと。

(出典:ガチャログ)

ふむ、3,4tキル率が下がった代わりに5tキル率が大幅に上昇し、6tキル以上のどうしようもない事故が激減している。

6t以上のどうしようもない事故が激減しているのは、おそらく《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》《ヴァリアブル・ポーカー》をちゃんと必要な枚数積んでいるからだと思います。

それよりも注目すべきは飛躍的に上昇した5tキル率。
これには、リリアング軸とミノミー軸のメインプランが大きく違う事が関係しています。

リリアング軸は、2t《ナゾの光・リリアング》《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》を回収、 3tに2発目の《ロジック・キューブ》から《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》を回収して、 4tに《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》で《ミラクル1 ドレミ24》を回収してコンボ成立、という展開で4キルを成立させます。

(出典:デュエルマスターズ)《ナゾの光・リリアング》《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》、《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》、《ミラクル1 ドレミ24》

対してミノミー軸は、2tミノミーで《ロジック・キューブ》を回収、 3t《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》を回収して、 4tに2枚目の《ロジック・キューブ》で《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》を回収するか《月光電人オボロカゲロウ》で手札を調整し、 5t目に《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》で持っていないほうのパーツを回収するか、引いてきた《ミラクル1 ドレミ24》を直接召喚してコンボを決める、というメインプラン。

(出典:デュエルマスターズ)《貪欲な若魔導士 ミノミー》《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》《月光電人オボロカゲロウ》、《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》、《ミラクル1 ドレミ24》

つまり、《ナゾの光・リリアング》が2t目に先んじてサーチを撃てるが故の1t差だったのです。

この差はとても大きく、概ね6t以上の事故率も改善されるであろう現状だと、「ミノミー軸よりもリリアング軸の方が優れている」と爆速で決着がつきかねません。

これを埋めるにはどうするか?

答えは簡単。 サーチするターンを1tすっ飛ばせばいいのです。

(出典:ガチャログ)

《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》を素で引ける枚数にまで増量すれば、《ロジック・キューブ》でいちいちサーチする手間が省けます。

どうやらその推理は当たっていたようです。
3t4tキル合わせて35回の水準に引き上げる事に成功。

リリアング軸とミノミー軸、両者再び同じラインに立つ事が出来ました。

それはよかったんですが・・・・・

●アウトプットのターン~スパーリング~、そして暫定の結論

大きな問題、いや懸念点がひとつ。

リストの変遷を見ればわかるんですが、調整を重ねるごとに少しづつ抜けていったカードがありました。

受けのカード、S・トリガーです。

もうつよい

(出典:デュエルマスターズ)

それはそうです。 一人回しではどうしても「メインプランに関係のないカード」は評価が下がりがちになるし、
そもそも高速コンボで相手が動くより先に勝利するのが目的のこのデッキで、どの程度受けが機能するかも未知数だったのですから。

このまま調整を進めるか、無理やりにでも受けに枠を割くべきか。

これ以上は、流石に対面を用意してスパーリングしないと先に進めません。

そんな訳で、マラかっちで暇してそうな奴を適当に捕まえて幾つかの対面と回してみます。

etc etc... 

(出典:デュエルマスターズ)《“轟轟轟”ブランド》、《ジョット・ガン・ジョラゴン》《ドンジャングルS7》

概ね結果は「赤白轟轟轟には妨害と除去で5t目までコンボ始動出来ない事が多くてトリガーとの差し合いになるが、それ以外には全く必要ない」というもの。

こちらが使っていたのはミノミー軸なので、リリアング軸ではまた違った結果になるかもしれませんが、環境トップの『赤白轟轟轟』を無視するのは余りにもリスキーな為、腐りやすくてもやはり受けは必要であると判断せざるを得ません。

そしてもう一つの収穫も。

元々オーバーキル気味じゃないかなと思っていた《古代楽園モアイランド》が無くても、大体は《超竜バジュラズテラ》で事足りた事です。

(出典:デュエルマスターズ)

実はここまでに出した数字の横にあったチェックは、「《超竜バジュラズテラ》までで展開が止まった数」。 つまり、《モアイランド》まで出そうと思うとあまりにも現状の構築では安定しないという実情がありました。

そして実際のスパーリングでもこいつが強いタイミングは殆ど無かった。

《モアイランド》を切ってしまうのに躊躇はありませんでしたね。

ですが翻って、必要という判断をせざるを得なくなった受けのカードには難航しました。

大量の白いカードを必要とするリリアング軸は勿論、若干枠の余裕があるミノミー軸ですら、トリガーの為に4枠も開ける事は容易ではなかったからです。

なんとかして枠を削れないもんかとリストを広げて睨めっこし、数度回してはまたリストを広げて睨めっこする。 この繰り返し。

デッキの上限が45枚になればいいのにと思った事は今までに何度もありましたが、ここまでそれに絶望した事もなかなかありません。

行き詰まりのどん詰まり。

そう思われましたが、一応それでも最後の希望はあったのです。

それが《賢者の紋章》

(出典:デュエルマスターズ)

一番最初、リリアング軸に積む青白多色の受けトリガーを検索してる時に出てきたものの、「受けれるかどうかが余りにも安定しない」と没にしたカードでした。

ですが冷静に考えてみれば、本来受けるためにトリガー4枚を積んでも受けれる可能性は僅か4割強ほどなのです。

呪文なので大量にある《ロジック・キューブ》系カードを1枚トリガーすれば手札には入るし、なんなら使い回しも容易。

同じ安定しない同士ならば、4枚もの枠を食うS・トリガーよりも《賢者の紋章》1枚で受けて枠を一気に圧縮する方が合理的じゃないか。

そう考えながら実際に数字を取ってみても、成功率は4割くらいと大体同じです。

殆ど正当化に近い考え方でしたが、事実あるなしで勝率が大きく変わる『赤白轟轟轟』に対する受けを1枠で納められるのならこれ以上無い、と採用に踏み切ることにしました。

そしてこの時点で光のクリーチャーが足りなさすぎるミノミー軸は事実上の脱落

こうして出来上がったのが最終的にリリアング軸の基盤になるこの形です。

(出典:ガチャログ)

予想通り事故率も大幅に下がってくれました。 

コンボパーツ周りが随分変わっていますが、これは《古代楽園モアイランド》が抜けたからです。 それについてはまた後述。

●アウトプットのターン~ミーティング~

~6月1日(土)、地下ラボCSの会場にて~

貧困ぼく「sabakiさーん、明日の高槻CSでリリアング4枚使いたいんだけど、借りれる人いない?
この赤白の天下で、持ってるのに『赤白轟轟轟』使わずパーツ貸してくれる聖人君子全く見つからないんだよね」

sabakiさん「それはしらんけど・・・・ ナポレオンとか持ってるだろうし聞いてみたら?」

ぼく「うわーいコネ万歳。 ナポさんリリアング貸してくださーーーーー

ナポレオンさん「いいっすよ(おもむろに取り出したのは『赤白轟轟轟』じゃなく『ウォズレック』)」

ぼき「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー….ぁぁぁー…..」

お  ま  え  も  か  。

話を聞いてみるとこのデッキ自体結構前から触っていて、今はこのリリアング軸を練っているとのこと。

ですがリストの方は、ありていに言ってしまえば「リリアングの入ったミノミー軸」という感じ。

《ロジック・キューブ》系カードは大幅に減り、《ヴァリアブル・ポーカー》《ブレイン・ストーム》でコンボ失敗をケアするギミックを残し、《オリオティス・ジャッジ》《終末の時計 ザ・クロック》《超次元エクストラ・ホール》等をしっかり積んで相手の脅威に対処する手段を重く見ている、という形でした。

人によってリストって全然変わるんやなぁと感嘆せざるを得ない違いっぷりです。

どちらの方がいいかという話は後述しますが、取り敢えずここは「《賢者の紋章》つよいっすよ」とだけ伝えておくことに。


足りないパーツ借りるために取った写真。 斜めに置いてあるプロキシが何のカードか全部分かる人はエスパー。

そして次の日、高槻CS。

1週間デッキを練って臨んだCSでしたが、自分の結果は4-2でのオポ落ち。

「ハンデスは逆立ちしても無理!」なんて話をしていた傍から『黒単デスザーク』と当たったりして暴れてましたね・・・・・

終わってからこの日運営をしているナポレオンさんに「《賢者の紋章》の感触結構よかった」と言われてほっとしたのも束の間、続けて「ヒット率安定させる為に《音奏プーンギ》積んだ」と聞かされた時は目ん玉が飛び出ましたが、 ここでこちらばかりにうつつを抜かすなとばかりにスマホが鳴り響きます。

そういえばこっち積んだ形も結果出してましたね。

(出典:デュエルマスターズ)

その電話の先は海の向こう、北海道。

この時このデッキに心血を注いでいたのは、我々二人だけではなかったのです。

sabakiさん…日本橋CS、高槻CS、スキップCS等、関西の数多のCSを運営する古豪。 今回はチョイ役。

ナポレオンさん…sabakiさんと共に多くのCSを手掛けている公認ジャッジ。 こっちはもうちょっと出ます。

5月某日、深夜のマラかっちで自分が『ウォズレック』を調整すると決めたころ、全く同じタイミングでその週のCSのデッキを決めた奴がいました。

北のあーさん「えっ、パンさんウォズレック調整するの? じゃあ今週使うからリスト頂戴!」

あまりに美しい三段論法。 見てて惚れ惚れします。

そんな訳でリストを放り投げた結果、自分が地下ラボCSの会場で《リリアング》を借りるべく奔走している間に、北海道のCSに出ていた北のあーさんはチェンジザドンジャングル相手にtop16で負け。

そして受けたフィードバックは「打点作りづらくて負けがいくつかあったから《超次元エクストラ・ホール》が欲しい」というものでした。

(出典:デュエルマスターズ)

《古代楽園モアイランド》とのシナジーを鑑みたとしても、「青い打点よりも白い打点だ!」と言って抜けていたこのカード。

《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》があれば殴り切れるだろ、と思って聞いた時はあしらったのですが・・・

・ミラーマッチで《イオの伝道師ガガ・パックン》出せずに死にかける。

・赤白轟轟轟とのスパーリングで捌ききれなかった打点をブロッカーでいなす。

・除去を撃ってくる対面にリリアング引けない時に《時空の英雄アンタッチャブル》を出したくなる。

等々、次の日の高槻CSで必要な場面に何度も出くわして「あ、これ一人回しだといらないけど対人だと超次元絶対いるわ」と悟って光の速さで掌返し。

そして北のあーさんの方は《エクストラホール》を実際に積んだようで、その結果は、

「パンさん!top8まできた!!」

というさきの電話。

ですが喜ぶのも束の間、「でも次の相手赤青覇道なんだけど!!!」という悲痛な叫びが聞こえてきます。

そう、今のリストは《終末の時計 ザ・クロック》を積んでいない為、2ターン目に《異端流し オニカマス》が出たら完全に「詰み」なのです。

取り敢えず「大丈夫大丈夫、相手が《オニカマス》出してこなければ3キルで勝てるよ。俺もさっき当たってそれで捲ったから」と一応励まして電話を切りますが、
結局そのマッチ戦で1、2本目両方最速《オニカマス》されたようで、あえなくtop8で終わってしまいました。

結果だけを見れば残念でしたが、こちらからすれば《エクストラホール》が必要という事が分かっただけでも収穫。

そして、実はもう一つ。
このタイミングで新たな天啓が降ってきていたんです。

北のあーさん…マラかっちの若手組のひとりで、色んな意味で行動が若い。 2018年度日本一決定戦出場。

パンさん…世界一不名誉な自分のあだ名。 由来と扱いはサムネ通り。

■第三の刺客

●構想編

ここまで読み進めて下さっている方は判るでしょうが、”数字を出す調整方法”の結果を見るときに、自分は必ず3tでの成功数と4tでの成功数をひとまとめにして所感を述べてきました。

何故かというと、「現状の構築では3t始動も4t始動も変わらない」から。

それはそうです。 3t目に《ミラクル1 ドレミ24》をサーチする手段のないこのデッキで3t初動を決めるには、素で《ドレミ24》を引いてこなければならず、それは最早デッキの性能云々ではなく、ただの運なのですから。

あくまで数字を出すだけの作業で、その”運”の部分を別物として扱ってしまうと、それは調整段階で確実に害となります。

ですからあくまで「このデッキの理想の動きが出来ている数」の判断基準として、ひとまとめにして扱ってきたのです。

ですが、その「サーチする手段」があるとしたらどうでしょう?

デュエルマスターズ17年の歴史とは長いもので、そんな無茶を押し通すカードが存在していました。

《ロスト・ウォーターゲイト》

(出典:デュエルマスターズ)

ミノミー軸を調整していた段階で候補に挙がっていたカードでしたが、「《ロジック・キューブ》で持ってきてもコンボ起動は5ターン目になる」と没にしていたカードです。

ですが、ミノミー軸の結論を通過した今なら、辿り着けます。

「ミノミー軸の《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》のように大量に《ロスト・ウォーターゲイト》を積んで、1ターン目に《ミラクル1 ドレミ24》を持ってくる3キル特化型」という悪魔のようなコンセプトに。

しかもこのコンセプトは、1ターン目に青単色を埋めないといけない都合上、青の枚数を増やしてもリリアング軸のような無理が生じません。

そしてそれは、北のあーさんのような死に方を回避するために《終末の時計 ザ・クロック》を積んでも支障が無いという事でもあります。

マラかっちでリストを見せてからずっといろんな人に「《クロック》は要るよ」と言われ続けていた自分は、これに是非もなく飛びつきました。

リリアング軸(とミノミー軸)の前に現れた、第三の刺客。

即ち、ロストウォーターゲイト軸ウォズレック、『ウォーターウォズ』です。

●調整編

(出典:ガチャログ)

コンボパーツの枚数を絞り、《ヴァリアブル・ポーカー》《ブレイン・ストーム》で事故をケアする形にしたのが一つ。

次にサーチ先が《ミラクル1 ドレミ24》しか無い《ロスト・ウォーターゲイト》に他の役割を作るために、《タイム1 ドレミ》を投入。

後は前述のとおりに《終末の時計 ザ・クロック》を採用して青を濃いめにする。

まだ回していませんが、取り敢えず「これは無理があるだろ」という所は見当たりません。

特に確証もなく「つよそう」と思いながら組んだリリアング軸の時とは違う、圧倒的な自信。
これはソリューションになる・・・・

おや・・・・・・・?

出てきた結果は、3キル成功した数でみれば並みか少し下くらい。

3t《ウォーターゲイト》→4t《ロジック・キューブ》の4キルルートもあるとはいえ、これも正直並み程度。

そしてそれ以上に数字が主張していたのは、目に余るほどの壊滅的な事故率でした。

顕著だったのは、本来3t4tに成功するはずのコンボが、コンボパーツの処理しきれない盾落ちにより失敗するというパターン。
つまりコンボパーツの枚数が大きく響いていたのです。

いくらなんでも《ヴァリアブル・ポーカー》《ブレイン・ストーム》の2枚じゃ、このシビアな枚数配分はケアしきれなかったらしい。

うーん、ならば今度はコンボパーツの枠を増やして再チャレンジしてみましょうか。

《クロック》は犠牲になってしまいますが、仮にこれで事故率が低減されて3、4キルが安定するようになれば、どの対面にも先に動くことでSトリガーは必要無くなります。

無理があるって?
いや、それくらいポジティブ思考でいないと枠作れないんですよ・・・

これは・・・・・・・!!

さっきの推測は当たっていたらしく、3キル率は大幅に上昇してくれました。
が、事故率そのものが全く変わっていません。

それはつまり、事故の理由がもう一つあるという事。

普段なら一体何なんだ! とこれだけで2000文字くらい稼げそうですが、今回は調整中ずっと感じていた「違和感」がありました。

回すまで分からなかったこのデッキの性質が原因だったのです。

●決着編

このデッキの理想の動きは、言わずもがな《ロスト・ウォーターゲイト》から始まります。

大体持ってくるのは《ミラクル1 ドレミ24》ですが、手札次第で《タイム1 ドレミ》を持ってくる事も少なくありません。

次のターンはクリーチャーを召喚します。 《貪欲な若魔導士 ミノミー》や先程持ってきた《ドレミ》なんかを召喚出来れば、消費した手札を取り戻せていい感じです。

そして迎えた3ターン目、《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》を回収し、コンボを達成して完全勝利。 めでたしめでたし。 ・・・・・・・

はいストップ。 ここまででチャージしたマナの色を見てください。
青色、白色、不問の順に3枚です。

これと同じ2ターン目、最悪でも3ターン目に白マナを要求するデッキを、自分は一番最初に調整していました。

そう、リリアング軸と同じ要求です。

(出典:デュエルマスターズ)

しかもしこたま白色を積んでもまだヒーヒー言ってるあの型と違い、このデッキの白はミノミー軸並みに削られています。

必然、白は埋まりません。 そりゃ事故るわって話だったのです。

元々このウォズレックというアーキタイプ自体、《ロジック・キューブ》を撃たなければ先が無い為白という色は大事なのですが、リリアング軸やこの『ウォーターウォズ』ではそれが特に顕著。

実は必要なのは青単色ではない、白単色でした。

なら白増やせばいいじゃん、という話になりそうですが、それも難しい。
リリアング軸と違って、この『ウォーターウォズ』はコンセプトの《ウォーターゲイト》という青単色のカードに3枠も割いているからです。

コンセプトのカードを積むがゆえに、理想の動きが出来なくなっている。

この事実に気付いた時、この『ウォーターウォズ』のコンセプトは最初から崩壊していたことを理解してしまいました。

それに加えて、途中で引いた《ウォーターゲイト》が完全な事故カードとなる事や、受けを全切りして赤白轟轟轟に勝てる見込みが無いことなど、問題は幾らでも残っています。

少しでもノイズを改善するべく《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》を1枚刺した辺りで、「あ、これミノミー軸の下位互換だわ」と遂に悟って調整を断念。

『ウォーターウォズ』は、やたら名前がかっこいいだけで、わずか丸1日で消えていきました。

(出典:ガチャログ)

ですが自信満々なコンセプトが一つぶっ潰れたお陰で、やっとこのアーキタイプの構造にも確信が持ててきたのです。

■ウォズレックを構成する「3つの柱」

●「柱」とは

ここまで調整録という名の前置きを頑張って読んできた皆さん、お疲れさまでした。 飛んできた貴方はお久しぶり。

なんて毒にも薬にもならない挨拶は程々にして、さっさと本題に入りましょう。

このデッキに入っているカードは、大体が3種類のどれかに分別されます。

①.コンボの始動を安定させるためのカード。

②.コンボの事故を回避するためのカード。

③.相手に対応するためのカード。

そしてそれらの間に、相互作用はほぼ存在しません。

「別々の3つのデッキが一つのデッキに押し込まれている」と言ってもいいでしょうか。

丁度3本の柱のように、3つの要素が一つのデッキの中で独立している構造だったのです。

パワポ触ったの久しぶり過ぎて、死

このデッキが常に枠がギリギリなのにカードを選ぶ余地がある理由も、
事故率が他のデッキに比べて高いことも、
そしてこのウォズレックのデッキの組み方も、すべてこれで説明がついてしまいます。

では、そんなこのデッキの組み方から説明していきましょうか。

先程「3つのデッキが押し込まれている」と言いましたが、まさにそれ。
3つの柱のパッケージを別々に検討すればいいのです。

●一本目の柱

これは、コンボを揃える為の部分。 今までずっと弄り回していた「軸」の部分です。

即ち、現状揃っている「リリアング軸」「ミノミー軸」「ロスト・ウォーターゲイト軸」のどれを選ぶか、という話なのですが・・・・

それぞれを比較してみると、こんな感じです。

これを見てどちらを選ぶかは人それぞれな所もあると思いますが、自分が選んだのはリリアング軸でした。
白色と、除去耐性を重く見た結果です。

ここで注意して欲しいのが、「完全な上位互換は存在しない」という点。
ミノミー軸にも良さはあります。

その最大のメリット、空いた枠を他の柱で上手く使えればリリアング軸よりも勝る事だって十分有り得ます。
コンセプトさえ破綻していなければそれでいいのです。

あぁ、そういえばコンセプト破綻して名前通りロストした軸もありましたけど・・・・

●二本目の柱

これについてはここまで意図的に説明を避けてきましたが、いい加減説明しましょう。

この柱に入るカードは、殆どが固定されています。
デッキの根幹を成すコンボパーツであるが故です。

ですからこれに対するアプローチは2つしかありません。

・コンボパーツを盾落ちor引いてきた時にケアするカードを積むか、

・コンボパーツそのものを増やすか。

これも、それらの考え方が破綻してさえいなければどちらを選んでもいいと考えていますが、自分が選んだのは「コンボパーツそのものを増やす」方でした。

理由は、今使われている《ヴァリアブル・ポーカー》《ブレイン・ストーム》《貝獣 マーデク/クラムダンク》セットの不安定さにあります。

(出典:デュエルマスターズ) 《ヴァリアブル・ポーカー》《ブレイン・ストーム》《貝獣 マーデク/クラムダンク》

ケアする対象が「《超竜バジュラズテラ》」の場合は、コンボの途中でケアする呪文を挟めるのでまだいいです。

ですが、この対象が《龍素記号Og アマテ・ラジアル》だったりすると一気に悲惨になります。

《ロジック・キューブ》《ヴァリアブル・ポーカー》→再び《ロジック・キューブ》→ここでやっと《ヒラメキ・プログラム》。 勿論《ミラクル1 ドレミ24》を持ってくるタイミングなんてありません。

これだけで2ターンと2枚のカードを消費しているのです。
そんなトロついてたら瞬く間に敗北してしまうのは、誰でもわかりますよね?

でも、このカード白いよ」という反論もあるかもしれません。

確かに散々語ってきた通り、この『ウォズレック』は白を可能な限り取りたいデッキですが、残念ながらこの《ポーカー》というカードは「白でいて白くない」カードなのです。

先手2ターン目、マナには黒マナ、チャージ前の貴方の手札は《ナゾの光・リリアング》《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》《龍素記号Og アマテ・ラジアル》《ヴァリアブル・ポーカー》

これと黒マナ。

(出典:デュエルマスターズ) 《ナゾの光・リリアング》《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》、《龍素記号Og アマテ・ラジアル》、《ヴァリアブル・ポーカー》

おそらく貴方は相当悩むはずです。
勇気の《ポーカー》埋めで4キルを目指すか、上から追加の《キューブ》を引くと信じて《キューブ》を埋めてしまうか。

このデッキが白の枚数を確保したい理由は、究極的には《キューブ》を確実に撃つためです。

ですがこの例を見てもわかる通り、《ポーカー》というカードは《キューブ》を撃った後でないと使うかどうかの判断が出来ません

埋めたくても、埋められない。 それは、同じく初動色であるにも関わらずギリギリまで持っておかなければ機能しづらい《ブレイン・ストーム》にも同じことが言えました。

ですが、コンボパーツそのものを増やせばそんな悩みはありません。

「《ラジアル》引いた! まだ2枚あるし埋めとこ!W」

「《バジュラズテラ》引いた! 無視して無理やり動いたろ!W」

そういった強引な動きを実現可能です。

カードアドバンテージ、タイムアドバンテージ、そしてプレイの難度。
それら全てにおいて、《ポーカー》のパッケージは中途半端なのです。

《古代楽園モアイランド》を積む場合は、《バジュラズテラ》を1枚しか差せないため自動的に《ポーカー》が優先されてしまいますが、それも《モアイランド》を使わないと判断している今は当てはまりません。

筋自体は通っていますが、こちらの方がより合理的。 そう感じました。

●3本目の柱

ここに当てはまるカードは、他とはうって変わって環境次第で大きく変化します。

とは言っても、現状選択肢はそんなに多くありません。
多投できる余裕がある訳ではないので、サーチして運用出来ることが必須だからです。

《異端流し オニカマス》をいなせる数少ないキラーカード《終末の時計 ザ・クロック》、 盤面を固めて蓋してくるデッキに突き刺さる《オリオティス・ジャッジ》辺りなんかは、かなり環境的次第で入りうる候補。

(出典:デュエルマスターズ)《終末の時計 ザ・クロック》《オリオティス・ジャッジ》

ですが今回は、「CS通して1回当たるかどうかもわからない『赤青覇道』をピンメタするのに枠は割けない」と考えて、 必ず1~2回以上は当たるであろう『赤白轟轟轟』を見た《賢者の紋章》、様々なシチュエーションに対応できる《超次元エクストラ・ホール》の2枚のみに留めています。

このデッキは自由枠が多くて触るのが楽しい」とは北のあーさんの言ですが、
そうやってカードを選ぶ余地があると感じる理由は、こういった柱ごとのパッケージ選択と、この3本目の柱があるからです。

●もうひとつの要素

ですが勿論のこと、いくら「3つのデッキが同居しているからそれぞれを別々に調整すればいい」と言っても、好き放題する事は出来ません。

この3つの柱を結びつける大きな要素が、このデッキには存在しています。

それが「」。

聞いてしまえばなんの事は無いのでしょうが、このデッキの事故が根本的に消えない原因はここにあります。

考えてみてください。 「3つのデッキが同居している」という事は、「3つのデッキがそれぞれ事故と戦う」という事です。

2枚の《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》、9枚の《ロジック・キューブ》、2枚積まれた《終末の時計 ザ・クロック》、ちゃんと必要枚数取られるSトリガー、全て3枚積まれたコンボパーツ。

それらがすべて叶えば、このデッキの事故率はまた分かりやすく減るのでしょうが、現実はそんなに甘くありません。

この中から他の柱に採られたカードを見て、釣り合いを取らねばならない。
それがこのデッキの柱同士に存在する、唯一の相互作用なのです。

だからこそ、その相互作用を無視したウォーターウォズがコンセプト崩壊を起こしていたのですから。

そして自分もこの影響は免れていません。 本来3枚必要な《龍素記号Og アマテ・ラジアル》が2枚しか入っていないのは、妥協せざるを得なかったからです。

自分よりもっと調整上手い人が3枚目の枠見つけてください・・・・

【おまけ】この時点で出揃っているリストの考察。
こうして柱を使って考えればプレイヤーが何を考えてデッキを調整したか分かったりします。

■細部調整と苦悶のトライアングル

●言い訳

ここまでで高槻CSも終わり、月曜火曜で『ウォーターウォズ』を諦めて、いよいよ大枠の結論も出ました。

あとは細部の調整となった所で、二人のプレイヤーから全く別々に「使いたい」との連絡が。

マラかっち経由のユーリくん、そして高槻CS経由のギラサキです。

/やあ\

えらくミーハーだなカーナベルプロコンビ!!
いや、記事的には美味しいんでありがたい限りなんですけど!!

さて、そんな訳で現状のリストを渡すなりマラかっちに張るなりするのですが、正直言ってここから週末近くまで調整自体はほぼ止まっていました。

それには用事が重なったりMT●Aに逃げたりこ の 記 事 書 き 始 め た りとか色々と理由があったのですが、
殆ど納得行くリストになってしまっていて、特別検討するようなカードが思いつかなかったというのが一番大きいです。

なのでその間にやっていた事と言えば、やり取りをしながら「白が足りない」とか「2コストクリーチャー増やしたい」といった感想に、「あー通った通ったその道、微笑ましい」とほっこりする事くらい。

魂の叫び。

ですがプロという肩書は伊達じゃなかったみたいです。

ギラサキ「この《超次元エクストラ・ホール》《超次元サプライズ・ホール》じゃダメ?」

(出典:デュエルマスターズ)

あ、確かに。 考えたことも無かった。

《エクストラホール》のデッキに戻す効果は、《古代楽園モアイランド》が抜けた今、消耗戦の時に使うかもしれない程度のものです。

それよりは、喉から手が出るほど欲しい白色を確保出来る方がいい。
全くもってその通りです。

と、光の速さで入れ替えて挑んだ土曜日、スキップCSは1-2ドロップ。

~ハイライト~

3戦目ぼく「よしよし、これなら先手4キルできるな。 《ロジック・キューブ》《ヒラメキ・プログラム》持ってきてエンド」

後手3t相手「これ召喚します。」



(出典:デュエルマスターズ)

(出典:space cats)

(出典:pixabay)


置換効果ってなんだよ(哲学)。

ちなみにその人優勝してました。 おめでとうございます。

ユーリくん…ご存じカーナベルプロその1。 毎週ちゃんと学校行ってるか心配されているらしい。

ギラサキ…ご存じカーナベルプロその2。 勝手にライバル視、してた頃もあったんだけどなぁ~~~~

●《オリオティス・ジャッジ》をケアせよ

3戦目の業の深い負け方は仕方ないにしても、もうひとつの負けは『ネクラドルマゲドン』対面にコンボ決めたら、Sトリガー《オリオティス・ジャッジ》で盤面全部流されて負けというもの。

(出典:デュエルマスターズ)

《古代楽園モアイランド》を抜いたから仕方ないのですが、そういうカードを積み始めたらキリが無いので諦めるしかないのかなー。

そんな事をこの日も運営していたナポレオンさんと話していたら、面白いケア手段を教えてくれました。

それは《超次元エクストラ・ホール》から《時空の英雄アンタッチャブル》《時空の英雄アンタッチャブル》《時空の喧嘩屋キル》を出して、2ターンかけて《超覚醒ラスト・ストームXX》を立てて、 更に次のターン3マナ目を埋めてからワールドブレイクする事で大量の2コストを盤面に残す、というプラン。

(出典:デュエルマスターズ)

元々超次元、GRゾーンはかなりぼんやりしていただけに、それに明確な役割を与えられるカードが弱いはずがありません。 即採用。

ですが集合知というのは凄いもので、その場にいた連中で「あ、それ強そうだね」なんて話をしていたら、 気付いたら「《ラストストーム》のアタックで《時空の不滅ギャラクシー》出せばそのまま勝ちじゃん」なんて風にギミックが進化していました。

《オリオティス・ジャッジ》撃ってもええんやで?

(出典:デュエルマスターズ)

ついでに超次元を連打する為にパーツをデッキに戻せる《エクストラホール》も分かりやすく優位になった為、出戻り。

残った悩める点は、あと一つです。

●引けると思うか、埋まると思うか

北のあーさんに渡していたリストに入っているサーチは、《ロジック・キューブ》系が9枚、《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》が2枚でした。

ですが、白の枚数を確保しつつ《ナゾの光・リリアング》から入るルートを確保するためのこの配分が、《超次元エクストラ・ホール》を積む際に枠がネック過ぎて1枚削れてしまいます。

その結果、


・白色の確保を優先する《キューブ》9枚目、


・《リリアング》からの4キルルートに対する保険、《ゼノシャーク》2枚目、

・先程の「柱」のアプローチに準ずる《龍素記号Og アマテ・ラジアル》3枚目。

この3枚のどれを最後の1枠に収めるかという苦悶のトライアングルが爆誕してしまったのです。

どれでもいい・・・

(出典:デュエルマスターズ)《ロジック・キューブ》、《水晶の記憶 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》、《龍素記号Og アマテ・ラジアル》

どれも「柱」ごとの考えに沿ったカードですし、判断基準が「引けると思うか」「埋まると思うか」なので、最早直感と好み以外に判断基準がありません。

そして自分が選んだのは、《ゼノシャーク》
完全な好みです。

こうしてリストを完成させつつ、先週リストを教えていたITSUKIさんがtop8でカマス死しているのを見届けて、日曜のCSに続きます。

(出典:ガチャログ)

ITSUKIさん…関西のマスコット。 一部界隈で不思議な言語を喋らされている可哀そうな人。

■決戦、地下ラボCS

寝坊が生きがいの男、イヌ科の家に泊まって遅刻ギリギリで会場に向かうと、京都勢のたかよしから「パンさん!リリアング強いな!」という第一声。

高槻CSの時に「騙されたと思って一回試してみ~~~~~??」とウザ絡みしまくった成果なのでしょうが、それにしても掌返し上手すぎじゃないですかね。 自分かよ。

リスト見せた時は「リリアングの何が強いかわからない」とまで言ってたのに・・・・

まあ、洗脳出来ていたのならこちらとしては喜ぶべきこと。

デッキは区切りをつけれる所まで調整しきれているのです。

あとは、優勝まで駆け上がるのみ。

R1、早速知りあいとぶつかったドッシュ戦は、先手を取って3tコンボで虐殺
『黒緑ドンジャングル』のテンプレに、この動きに対抗できるようなカードは存在しないのです。

R2、は対『赤白轟轟轟』。 2t目に出せるクリーチャーが引けていませんでしたが、《ウォズレックの審問》で足を引っ張りながら《超次元エクストラ・ホール》で打点を作って、次のターンにコンボに入って勝ち。

R3、何故か相手のデッキが38枚しかなくエクストラウィン。
デッキ自体は『赤緑ジョーカーズ』のようで、実際にやったらお相手の引き次第だったと思います。

R4の相手は『チェンジザドンジャングル』。
この対面は、先手を取ると相手の《ジャミング・チャフ》が間に合いません。 4t目にコンボを回して快勝。

R5、最後の相手は『青単ムートピア』。 こちらのチェンジ元を《時を戻す水時計》連打で潰しながら《海底鬼面城》でリソースを稼がれる厳しい展開。 ですが祈りの《エクストラホール》→《イオの伝道師ガガ・パックン》が生き残ったおかげでコンボに入って辛勝。

途中不戦勝を挟みつつも5-0、堂々の1位通過。

”取り敢えず”top32、ここからが本当の勝負です。

そうして迎えた決勝1回戦は、予選で当たった『赤白轟轟轟』でした。

『赤白轟轟轟』対面は、そんな大幅に有利とはいかなくても、変なキラーカードが入っているtier2以下のデッキに比べたらよっぽど当たりたい相手です。

それに加えて先手。 《ロジック・キューブ》こそ無いですが《ミラクル1 ドレミ24》を引けています。 ちゃんと回ればいける。 その筈でした。

4ターン目、少し悩んだ末《デビル・ドレーン》で盾落ちをケアし、微妙な回りの相手に対し《水晶の記憶 ゼノシャーク》でアタックして革命チェンジし、コンボを起動。

《クイーン・アマテラス》が相手の場にいた《奇石 ミクセル》の効果でボトムに行き、《Dの地獄 ハリデルベルグ》のDスイッチを使います。

ですが、ここでアクシデント。相手の場に《奇石 ミクセル》がいる上にデッキに追加の《ラジアル》が無いせいで、そのままでは殴り切るための打点と《超竜バジュラズテラ》が両立しなかったのです。

あほしね(横綱)

(出典:デュエルマスターズ)

唯一の希望は、《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》でドラゴンを捲る事。

(出典:デュエルマスターズ)

相手の手札に《“轟轟轟”ブランド》がある事は判り切っていたため、その3回のチャンスに縋る事にしました。

捲れれば勝ち、勝ちなんだ。 いくぞ・・・・・!

1回目に捲れたのは《越境の意志ドナート》

2回目も同じく《ドナート》

(出典:デュエルマスターズ)

大丈夫、別にいい。

ここでドラゴンが捲れればいいんだ、頼む・・・・!!

捲れたカードは、《フォー・ユー》

(出典:デュエルマスターズ)

返すターンの攻撃こそ《賢者の紋章》で防ぎましたが、 待っていたのは《ドレーン》による盾差負けという幕切れでした。

横を見れば、一緒に予選を上がったギラサキや京都勢数人も軒並みこのtop32で負けています。

負けた。

CS会場にいてもいたたまれなさが増してくるだけだったので、たまらず即帰宅。

帰り際も、「あぁー、2週間でtop8が2回って戦績って言っていいのかなー」なんて事をぐちゃぐちゃになった頭の中で考えていました。

「CSで負けても、悔しいと思わなくなった」。

今はもうDMを辞めた知り合いの言ですが、CSに対して自分もそう思うようになってから暫く経ちます。

ですが「あぁ、あいつの言ってた事はこういう事だったんだ」と思うよりも先に思ったことは、「あいつの言ってた事は少し違うな」でした。

そう感じる事がプレイヤーとしての終わりのサインである事は間違いないと思います。
ですが自分の悔しさが薄れていくのと半比例するように、圧倒的とも言える程の「虚無感」が強まっていくのです。

「自分はなんでCSなんて出てるんだろう、なんでこんなに時間をかけていたんだろう、なんでこんなにお金をかけていたんだろう」。

調整録のオチが作れなかった、なんてメタ的な考え以上に頭を支配していたのは、2週間ずっと調整して結果を出せなかったが故のそのどす黒い「虚無感」でした。

■そして

「ウォズレックでtop8きました」。

帰宅中discordにそのメッセージが投げられていたとき、正直「まあ、この流れならここまでだろう、お疲れ」と思っていました。

関東で単身このデッキを使っていたもう一人のプロ、ユーリくんです。

ギラサキと違い、リストを渡してから全く音沙汰がなかった彼ですが、自分なりに回してここまで勝ち上がってきた様子。

前日のCSでtop16、この日にtop8。
北のあーさんと同じ。 2日間でこの戦績なら上々じゃないでしょうか。

記事に書ける戦績が増えたな、なんて事を考えながら電車の中でユーリくんのtwitterを確認してみますが、違和感を憶えます。

いつも勝ち上がったときは必ず結果を報告している彼が、まだ何も呟いていないのです。
これは・・・・?

そして同時刻、地下ラボCSでも異変が。

全滅していたと思っていた『ウォズレック』でしたが、京都勢のコタツムリがtop4まで来ているらしいのです。

ついさっきまで、「やっぱこのデッキ弱かったんかな」と絶望してた自分には、衝撃でした。

もしかしたら、いってくれるかもしれない。

「このデッキは間違っていなかったのだ」と、見せてくれるのかもしれない。

その数十分後、「決勝行った」との連絡が。

そして。

リリアング軸こそ採用されているものの、そこにあったのは自分の結論とは真逆の「二本目の柱」になったリストでした。

ですが前述のとおり、筋さえ通っていれば明確な優劣はありません。
このリストこそが京都勢が努力の末にたどり着いた結論だったのでしょう。

良かった・・・

そう安堵の息を零した直後。

やってくれた。

ここで、やっと確信が持てました。
このデッキは間違っていなかった」のだと。

これを確認したのは最寄り駅を降りて自転車漕いでた時でしたが、流石に叫びましたね。

自分で勝つことは出来なかったけれど。

この瞬間確かに、自分の努力は報われていたのですから。

■えぴろーぐ

そして、今に至る。

帰宅してからマラかっちで万歳三唱、神様仏様ユーリ様なんて叫びまくってから、この記事書いてるせいでデッキに殆ど触れていないのがすごくアレなのですが、
ひとまず一段落できそうなオチがついてくれて安堵しています。

周りに強いプレイヤーが多いっていうのはこういう時にありがたい。

寧ろ遅筆過ぎて「水曜には上げる」→「平日には上げる」→「土日には上げる」→「月曜には・・・」と意志が減退していったのが真の問題だったりするのですが、まあそれはそれで。

これから先、このデッキが環境で生き残れるか。

実際の所は、誰もわかりません。

ですがこのデッキを「使おう」と思ってくれる人がいる限りは、その足跡は残ります。

DMPランキングを走っていない自分がこの後もこのデッキを触り続けるかはわかりませんが、その足跡がある限りは、自分もそれを見続けていきたい

その中に、自分のこの顛末を踏み台にしてくれる人が一人でもいれば、それ以上の事は無い、と思います。

さて、いい加減このクソ長い記事の筆も置くときが来たみたいです。

このデッキに関わってくれた沢山の人達には、格別の感謝を。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

《時空の喧嘩屋キル》3と《イオの伝道師ガガ・パックン》を出して、次のターン《キル》2体覚醒でコスト20《超時空ストームG・XX》、ストックされた《キル》の効果で即覚醒!

(出典:ガチャログ)

今週も勝ってくれてました。 めでてえ。

投票終わるまで《ヒラメキ・プログラム》殿堂行かないでくれ~~~~~~!! 頼む~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!


カテゴリ:

タグ:, ,


\Twitterでコメントする/

ガチまとめの「コメント機能」が「Twitterでコメントする機能」に新しく生まれ変わりました!


面白かったらいいねで応援♪

12

あなたの欲しいカードがすぐ手に入る!
デュエマ通販サイト「カーナベル」

カーナベル
〜3つの特徴〜

  1. 毎日最大12%ポイント還元
  2. 当日15時までの注文で即日発送
  3. 圧倒的な15,000種以上の商品数

ガチャを回して大量ポイントGET!!
▼毎日ガチャ開催中▼


徹底した在庫管理で圧倒的な品揃え
デッキパーツをお得にGET!!

関連記事