目次
はじめに
こんにちは、北白河と申します。六回目となる今回は、先日追加された新カード《SSS級天災 デッドダムド》を使ったデッキの構築録です。すでに単独で紹介した記事も投稿されている大人気カードですが、今回はちょっと変わったアプローチでこのカードを活かしていこうと思います。
トリニティ(+1)・コマンド
先日発売されたDMBD-10 「アルティメット・クロニクル・デッキ 2019 SSS!! 侵略デッドディザスター」。その目玉カードが《SSS級天災 デッドダムド》です。《伝説の正体 ギュウジン丸》の真の計画により《S級不死 デッドゾーン》《S級宇宙 アダムスキー》《S級原始 サンマッド》を合体させて作られるはずだった、禁断の力すら制御しうるという最強の侵略者です。
出典:デュエル・マスターズ
合体前の種族であるソニック・コマンド、マジック・コマンド、ゲリラ・コマンドの力は文字数の関係で融合し、「三位一体」の意味を持つトリニティ・コマンドなる新しい種族に変貌を遂げました。
固有能力のSSS級侵略[天災]もそれぞれのS級侵略の範囲と文明を合体させて非常に強力に仕上がっており、まさに水・闇・自然のコマンド全ての集大成・決定版と言わんばかりの強力なクリーチャーに仕上がりました!まさにギュウジン丸の天才としての叡智の結晶と言えるでしょう!
……ちょっと待ってください。何かが足りないと思いませんか?デーモン・コマンドについては《S級不死 デッドゾーン》たちにS級侵略ウイルスの力を与えた《不死 ゾンビ》の存在があるので《SSS級天災 デッドダムド》に含まれている、というのはまあ理解できます。しかし、水の侵略者を擁するコマンドにも関わらず明確にハブられている種族が存在しますよね?これを足さないことには、真の意味での集大成とは言えないのではないでしょうか?その種族とはもちろん……
出典:デュエル・マスターズ
エンジェル・コマンドです。
思えば「九極」や「三界」などのエンジェル・コマンドの侵略者は革命編初期から存在していました。にもかかわらず、ここに来てトリニティ・コマンドの構成要素から外れるのは、エンジェル・コマンド差別と言っても過言ではないのではないでしょうか!? 今すぐギュウジン丸は間違いを認めてクアドラプル・コマンドなる新種族として作り直せ!え?革命軍の絡まないエンジェル・コマンドの侵略者は光単色で水文明は入らない?……ヘイトスピーチ反対!差別主義者のギュウジン丸を許すな!
とにかく、水文明さえ絡めば《SSS級天災 デッドダムド》には侵略できるのです。計画に全く関わってないエンジェル・コマンドたちからモリモリ侵略させて、ギュウジン丸の計画の穴を証明しましょう。
だらだらデッキビルド
というわけで、今回は水文明を含むエンジェル・コマンドから《SSS級 デッドダムド》に侵略するデッキを考えていきます。また白青デッキか!三回目だぞ!まずはデッキの原型として、エンジェル・コマンドを使用するデッキを当たっていきましょう。言わずと知れた有名どころと言えば……
出典:デュエル・マスターズ
【ヘブンズ・ゲート】です。カラーリングはもとより白青で、同色のコマンドも無理なく採用可能です。単独で強いクリーチャーを多数採用しており展開力や防御力には長けますが、すでに膠着した盤面を返すのはやや苦手でした。そこに《SSS級天災 デッドダムド》を足すことで、除去性能を高めてより制圧力に長けたデッキにしてやろうという魂胆です。
まず、ドローソースです。なんとしてでも《SSS級天災 デッドダムド》を手札もしくはシールド以外の公開領域に持って行く必要があるのに加え、《ヘブンズ・ゲート》の弾を手札に貯め込む必要があるために通常の構築以上にドローが重要です。初動が重いデッキなので、思い切って定番2種類を8枚採用しましょう。《審絆の鎮り 新蓮/ジャスティス・シェイパー》と《コアクアンのおつかい》です。デッキの光文明以外のカードを《コアクアンのおつかい》と《SSS級天災 デッドダムド》だけにしておけば、高確率で3枚ヒットが狙えます。さらに《SSS級天災 デッドダムド》は手札だろうが墓地だろうがどこにいても仕事をするので、実質アタリみたいなものです。
《ヘブンズ・ゲート》で場に出す光のブロッカーですが、可能な限り水文明のついたコマンドにしたいですね。単純な性能なら重量級の光単色エンジェル・コマンドに勝てないため、ここはちょっとスペック落ちてもデッキに合った効果を優先しましょう。そこで白羽の矢が立ったのが……
出典:デュエル・マスターズ
《時の秘術師 ミラクルスター》です。今使った《ヘブンズ・ゲート》や《コアクアンのおつかい》などを回収すれば、出ただけで手札がモリッと回復します。革命チェンジもあってハンデスにも強いすごいやつです。これを使うなら《ドラゴンズ・サイン》も採用してカウンター気味にも動けるといいですね。《ドラゴンズ・サイン》といえば……
出典:デュエル・マスターズ
出典:デュエル・マスターズ
【ロージアダンテ】。一種のコンボとまで言える爆発的なバリューを稼ぐそのシナジーは、両パーツが殿堂入りするほどです。通常のデッキではサーチを活用して使用しますが、ドロー性能に長けたこのデッキでは普通に使います。それぞれ単独でも強く、デッキの枠も2枚しか取らないのも嬉しいですね。
基本の枠組みはできてきましたが、《ヘブンズ・ゲート》《ドラゴンズ・サイン》軸に噛み合うユーティリティカードが何かもう一声欲しいですね。両方に対応していて、できればS・トリガーで、攻防に活躍できて、水文明のコマンドで……でもそんな欲張りなカード、あるわけが……
出典:デュエル・マスターズ
ありました。《新星!ベルナーレ》です。
革命ファイナルのプレビューカードという微妙な立ち位置のせいで知名度限りなくゼロのこのカードですが、文明・コマンド・ドラゴン・ブロッカー・トリガー・ブロッカー対策・防御性能となんとこのデッキに必要なものを全部持っています。開発部はこのデッキのことを予測していた……!?
あとは余ったスペースに【ヘブンズ・ゲート】でおなじみ優良ブロッカーや水文明入りのコマンドを詰めればデッキの形になりそうですね。デッキプランは「ドロースペル8枚からの《ヘブンズ・ゲート》《ドラゴンズ・サイン》で水文明入りコマンドを一気に展開し、ある程度並んだら《SSS級天災 デッドダムド》で盤面をズタズタにしながら殴り切る」。エンジンとゴール地点が揃い、方針は決まりました。あとはデッキを組むのみ!
デッキリスト:ダムド天門ロージアダンテ
4《コアクアンのおつかい》4《審絆の鎮り 新蓮/ジャスティス・シェイパー》3《音感の精霊龍 エメラルーダ》4《ドラゴンズ・サイン》3《音響の精霊ルルフーラ》1《音精 ラフルル》4《ヘブンズ・ゲート》1《真・龍覇 ヘブンズロージア》4《新星!ベルナーレ》3《時の秘術師 ミラクルスター》1《時の法皇 ミラダンテXII》4《SSS級天災 デッドダムド》4《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》1《神光の龍槍 ウルオヴェリア》1《浮遊する賛美歌 ゾディアック》1《龍芭扇 ファンパイ》1《聖剣 ナ・ベイベー》 1《龍魂城閣 レッドゥル》1《百獣槍 ジャベレオン》1《真聖教会 エンドレス・ヘブン》1《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》
4枚だけ異物感すごいな!
《ヘブンズ・ゲート》から出るフィニッシャー枠は呪文としても使える《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》をチョイスしました。《闘門の精霊ウェルキウス》と比べると速効性で劣りますが、相手の生物はバトルでなく《SSS級天災 デッドダムド》で除去する都合上、継続してブロッカーを供給し続けられるほうが魅力的と考えた結果です。《時の法皇 ミラダンテⅫ》で呪文面を踏み倒せるのもいいですね。
《音響の精霊ルルフーラ》は、追加の手札補充兼ハンデス対策です。《ロスト・ソウル》なんかが飛んできても《時の秘術師 ミラクルスター》と一緒に捨てれば一気にリカバリーが可能です。ごくごくピンポイントですがいざというときは呪文封じ対策にもなって安心です。
《音感の精霊龍 エメラルーダ》は【ロージアダンテ】にも採用されていた超ユーティリティカードです。トリガーを仕込んでよし暴発させて良し、おまけにブロッカーでドラゴン。水文明でないことだけが玉に瑕ですが、最悪の場合でもアンタップインマナであることが活きたりもします。
《音精 ラフルル》は殿堂入りするだけある詰め札ですが、このデッキ特有の使い方として「クリーチャー攻撃時にありったけの《SSS級天災 デッドダムド》の侵略と《音精 ラフルル》の革命チェンジを同時に宣言→侵略を処理→水文明のクリーチャーである《SSS級天災 デッドダムド》は革命チェンジ条件を依然満たしているため、革命チェンジ成功。積み重なった《SSS級天災 デッドダムド》ごとチェンジ元を手札に戻す→侵略に伴う除去能力を全部使い、呪文封じを行いながら攻撃処理の続きを行う」というムーブが可能です。このデッキでは《SSS級天災 デッドダムド》に対応している革命チェンジがこのクリーチャーだけなのでレアケースですが、条件が「何らかの文明のクリーチャー」である革命チェンジクリーチャー全てでこの動きが可能です。
超次元ゾーンから出すのはおおむね《龍魂城閣 レッドゥル》によるロージアダンテハッピーセットか《真聖教会 エンドレス・ヘブン》《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》のどちらかになるとは思うのですが、ピンポイントで使いそうなのが《聖剣ナ・ベイベー》です。なんで採用してるかと言うと、ライブラリアウト対策と山札積み込み狙いですね。ドローを多用するこのデッキでは、長期戦になると割と簡単に山札が切れます(そうならないための《SSS級天災 デッドダムド》でもあるんですが)。そんな時にうまいこと狙ったカードを使えるように、墓地を9枚以上貯めておくのも手です。
出典:デュエル・マスターズ
プレイングですが、3ターン目(できれば4ターン目にも)ドロー呪文を唱えて手札を充実させるとともに《SSS級天災 デッドダムド》を墓地か手札に装填します。その後、5ターン目から本格的に展開を開始して並べていきます。そして、片っ端から《SSS級天災 デッドダムド》に侵略して盤面を取りつつ、ドカドカ殴っていきます。通常の【ヘブンズ・ゲート】と比べて長期戦にやや弱く「必殺技」と呼べるムーブもないため、とにかく全部除去して殴っていきましょう。幸いにも、常に相手の最も嫌がる領域への除去ができます。
多色カードが20枚を占める構築のため、タップインが展開の妨げになることも多いと思います。絶対に使いたいカードがある3・5・6ターン目には可能な限りアンタップインでマナチャージしましょう。逆に言えば、それ以外のターンはタップインを優先して大丈夫です。
《ドラゴンズ・サイン》《ヘブンズ・ゲート》さえめくれれば速攻にはかなり目がありますし、普通に展開してくる相手にはおおむね除去が間に合います。コントロール相手はかなり辛いですが、殴りきれないこともないと思います。怖いのはクリーチャーを介さないコンボデッキで、まあキルターンにもよりますが特に対策がありません。低コストの除去がないのでコスト踏み倒しメタ生物も怖いですね。
改造案ですが、《聖霊王アルファリオン》のような「必殺技」を搭載したり、《タイム3 シド》のような優良革命チェンジクリーチャーで侵略を使い回すムーブを狙ってもいいでしょう。もちろん、【ヘブンズ・ゲート】としての動きを重視して《闘門の精霊ウェルキウス》《覚醒の精霊ダイヤモンド・エイヴン》などを積むのもアリです。展開力を重視するならシールドに触れるカードと《音奏 ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」》でGR召喚し、《宇宙 タコンチュ》で《S級宇宙 アダムスキー》のような動きで一斉攻撃するのも楽しいかもしれません。
おわりに
というわけで、ダムド天門でした。このデッキを組もうとしたきっかけは、例の家からクソ遠いカードショップの常連さんとの「《音響の精霊ルルフーラ》が水文明コマンドだから天門に《SSS級天災 デッドダムド》入れてみたんですが全然勝てないんですよ~」というトラッシュトークでした。
過去の自分なら「そりゃそうだアハハ」と流してたと思うんですが、たまたまこの企画でクソデッキへのアンテナが立っていたこともあり「闇と自然をすっぱり抜いて、デッキのブロッカーを光/水のコマンドに寄せればいけるんじゃないですか?」「《SSS級天災 デッドダムド》は別に墓地に落ちてもいいから3マナドロー8枚積めますね」「まとめてみたらドラゴン多いですね。《ドラゴンズ・サイン》入れましょう」「トリガー足りないですね。ちょっとカード検索してみますね……来た!これがソリューションだ!(《新星!ベルナーレ》)」などと話していたら、あれよあれよという間にこのデッキの原型が完成してしまいました。
彼にその場で「今記事書いてるので、このデッキちょっと練ってみます」とまで言ってしまった以上、これはもう責任を取って記事を書くしかない!ということで、ざっくり仕上げました。べっぷさんありがとうございます。でもそもそもなんで天門に入れようと思ったの……!?
まあそんな感じで、一見どんな突飛でありえなく見える発想でも自分の手でまとめてみたら新しい領域が見つかることもある、というデッキビルダーとしての心得をこのデッキから得ることができました。本当に何がきっかけになるかわかりませんね。
次回はまたクソデッキ……というか、最近恒例の「すでにあるアーキタイプに変なカードを投入してみる」タイプのやつになると思います。それでは、次の記事で。