はじめに
どうも、アーチーです!
久しぶりの寄稿ということで、初めての方もいらっしゃるかもしれません。そのため、簡単に自己紹介をさせて頂きます。
普段は三重や愛知を主に様々なCSに参加しながら、記事やYouTubeで「デッキ解説」や「競技大会での思考」などを発信しています。
戦績はCS優勝回数20回。大型大会だとGP9thで4位という結果を残しました。
また、2019年度の全国ランキングでは18位にランクインし、全国大会の切符を獲得しています。
自己紹介もさせて頂いたところで、今回紹介するのは自分が普段意識している『競技大会で勝つためのデッキ選択』についてお話していきたいと思います。
数々のデッキが環境に存在する中、一体どうやってデッキを選べばいいのかといった内容です。
数々のCSやGPで勝ち抜いた秘訣を初公開するのでぜひ最後までお付き合いください。
目次
デッキ選択の重要さ
「選択」と「構築」と「プレイング」
大会においてプレイヤーが勝つためにできることは大きく分けて3つあります。
「使用デッキの選択」
大会で使用するデッキを選ぶことです。
大会の環境を予測し、その環境で立ち位置の良いデッキを選ぶことで勝率を上げます。
「デッキ構築の洗練」
使うデッキの構築を決めることです。
カードを入れ替えて、大会でより勝てるようにデッキを洗練させ勝率を上げます。
「プレイングの上達」
使用するデッキをどのようにプレイするかを理解することです。
各対面毎に勝利に近づくプレイを覚えることで勝率を上げることができます。
皆さんはこの中でどれが1番重要だと考えていますか?
私がこの中で一番重要だと考えているのは
「使用のデッキ選択」です。
デュエル・マスターズというゲームは”デッキの相性”が勝利要因の大半を占めています。
プレイングを極た最上位プレイヤーが【赤単速攻】を使っても、初心者プレイヤー9割が【ラッカ天門】を大会で使用していると勝つのは難しいです。
また【ラッカ天門】用にチューンをした【赤単速攻】でも基盤の差で負けることが多く、初心者の【ラッカ天門】には4割勝てれば上出来と言えるほどです。
それほどに「デッキ選択」という技術は勝敗に大きく関わってきます。
ではどのようにデッキを選べばいいのでしょうか?
デッキ選択の仕方
大会で使用するデッキを選ぶ際に必ず必要なこととして、”環境読み”というものがあります。
大会でどのようなデッキと対戦する確率が高いのかを色々な情報を元に読み取ることです。
この環境には出場する地域性なども考慮しないといけないですが、全国的にある程度の環境は似てきます。
そこで私の経験上、環境のタイプというものを3種類に分けて考えています。
各種類ごとにデッキ選択の仕方が変わるので、分けて解説していきます。
今の詳しい環境は所属ライターのyk800さんが毎月出しているTierランキングの記事を参照ください!
⚠︎全てに勝てるデッキがある場合はそのデッキを使うので、その場合は省略しています。
①圧倒的Tier1がいる環境
誰もが認める一番強いデッキが最大母数の場合です。
新弾が発売されてからある程度の時間が経ち、環境終盤の研究が終わりかけている時に多いです。
例:【ジョー星ゼロルピア】を圧倒的Tier1と仮定します。
この環境でデッキを分類すると
- Tier1【ジョー星ゼロルピア】
- Tier2【ジョー星ゼロルピア】以外には勝てるデッキ
- Tier3【ジョー星ゼロルピア】には勝てるが他に弱いデッキ
この3種類に分類することができます。
この中で私が選択するのは1つ目の【ジョー星ゼロルピア】もしくは、2つ目の【ジョー星ゼロルピア】以外には勝てるデッキです。
その理由として、最大母数には勝てるが他に弱いデッキはメタを絞りすぎるが故に、他のデッキと対戦する機会になった場合に脆く、優勝しにくいと考えているからです。
もちろん9割方のプレイヤーが【ジョー星ゼロルピア】を使うのであれば、3つ目の【ジョー星ゼロルピア】だけに勝てるデッキを使うのはありです。
しかし大会では、ほぼ必ず他のデッキに当たる機会があり、どれだけ強いTier1デッキであっても4割いれば多い方です。
Tier1に勝てても他に負ければ、元も子もありません。
3番目のデッキはTier1以外のデッキに負けが混み、スイスドローの大会では敗退することが経験上多いです。
「圧倒的Tier1がいる環境」では、圧倒的Tier1のデッキもしくはTier1以外に勝てるデッキを選択するべし。
【結論】
②三すくみ環境
あまり三すくみ環境が起きることは少ないのですが解説しておきます。
かつて2018年11月ごろに【チェンジザダンテ】【赤白轟轟轟】【ジョラゴンジョーカーズ】の三すくみ環境がありました。
【チェンジザダンテ】は【赤白轟轟轟】に強く
【ジョラゴンジョーカーズ】は【チェンジザダンテ】に強く
【赤白轟轟轟】は【ジョラゴンジョーカーズ】に強いというじゃんけんのような環境でした。
「このような環境ではTier2以下を見ろ」
まず、3種類全てに勝てるデッキがないかを確認した後、Tier1の3デッキの中からTier2以下に特に勝てるデッキを選ぶ必要があります。
3つのデッキの関係性に差が出ない限りは、それ以外のデッキと対戦した時に負けを減らすことで勝率を安定させることにつながります。
他のTier2以下のデッキに負けないデッキの特徴として
- メタに強い
- フィニッシュ手段がどの相手にも通用する
- プレイングが関与する度合いが大きい
- 相手に合わせた柔軟なプレイができる
以上のことが挙げられます。
この中で個人的に条件を満たしていたのが【ジョラゴンジョーカーズ】でした。
殴ってくる相手にはS・トリガーである【バイナラドア】と【キング・ザ・スロットン/7777777】
コントロール相手には【燃えるデット・ソード】でランデス、ソリティア相手には【アイアン・マンハッタン】で召喚制限と全てのデッキに対応して戦えるポテンシャルを持っていました。
Tier1の三すくみに参加しながらTier2以下のほぼ全てを封殺できるこのデッキは、必然的に負ける数が他のデッキより少なく当時の環境でほぼ全てに使用した結果勝率70%越えでした。
【赤白轟轟轟】は【Dの牢閣 メメント守神宮】の使い方が難しく、ミラーを含めプレイングを極めることで差を出せるデッキです。
Tier2以下の全体数が少なく三すくみのデッキが多い環境であれば使う選択肢があった印象です。
【チェンジザダンテ】は防御力こそ高いものの【龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四〜土を割る逆瀧〜】を引かないとリソースが続きにくく、【5cコントロール】のような相手の方がカードパワーが高いデッキに対して【時の法皇ミラダンテⅫ】による召喚制限が効きにくいのでTier2以下に勝率が出にくかったです。
「三すくみ環境」では、Tier1のデッキに多く勝てるデッキが無いか確認し、無ければTier1からTier2以下のデッキに多く勝てるデッキを選択するべし。
【結論】
③Tier1不在、どのデッキも同じ数の環境
もはや何のデッキと対戦するかも予想がつかず、どのデッキの立ち位置が良くて勝ちやすいのかわからない競技プレイヤー泣かせの環境です。
殿堂発表後など、環境の変わり目に訪れることが多いです。
このような環境でデッキを選択する際に注目したいポイントは「デッキの強さが相手依存ではない」ことです。
【アナカラーハンデス】や【ラッカ鬼羅.Star】などのハンデス系統のデッキやメタビートと言われるデッキタイプは相手の動きを遅らせる、止めることでデッキに強さを見出している為、このような環境に向いていません。
そのようなデッキはある程度環境が固まって最大母数のデッキがはっきりしたタイミングにそのデッキに標準を合わせることで力を発揮するので、たくさんの種類のデッキがいる環境には向いていないでしょう。
ではどのようなデッキが相手に依存してないと思いますか?
それは「ソリティアデッキ」です。
ワンショットやループを目指してゲームを運ぶソリティアデッキはその特徴として、相手が妨害もしくは先にゲームを決めないとソリティアが決まり勝つことができます。
つまり、どのデッキに当たっても自分の動きを通すだけで勝つことができるのです。
現オリジナル環境で言うと【ジョー星ゼロルピア】【マーシャルループ】【青魔導具】などが当てはまりますね。
またソリティアデッキの立ち位置が良い理由はもう一つあります。
この環境は「デッキの種類が多い」
つまり・・・
ソリティアの天敵であるメタカードが少ないです。
【ジョー星ゼロルピア】でいえば《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》
【 DGフィールド 】
文明 ゼロ / コスト2
■このDGフィールドをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引く。
■すべてのプレイヤーは、各ターン、クリーチャーを3体までしかバトルゾーンに出せない。
■すべてのプレイヤーは、各ターン、呪文を3枚までしか唱えられない。
【青魔導具】でいえば「クロニクルデッキ 決闘!! ボルシャック・デュエル」に収録されている《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》などですね。
【 ツインパクトカード 】
種族 アーマード・ドラゴン / ハンター / 文明 火 / パワー6000 / コスト6
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、パワー3000以下のサイキックではないクリーチャーをすべて破壊する。その後、パワー5000以下のサイキック・クリーチャーをすべて破壊する。
【呪文】
カード名:超英雄タイム
文明:火
コスト:2マナ
■バトルゾーンにある相手のコスト3以下のカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
メタカードの採用を考える側になった時、何のデッキに当たるのかわからない環境で当たる可能性が低いデッキに対してのメタカードを入れるメリットは薄いですよね。
では今、私がCSに出場するために使用デッキを選ぶならどのデッキを選択するかという例を元に解説していきます。
「Tier1不在、どのデッキも同じ数の環境」では、メタカードが少ない為、ソリティアデッキを選択するべし。
【結論】
アーチーが今CSで使うデッキを選ぶなら?
ここからは今まで解説してきたことの実践例です。
yk800さんの環境解説記事を元に決めていきます。
アドバンス環境
現在のTier1が【5cコントロール】【ジョー星ゼロルピア】【赤単我我我】の3つで構成されています。
他のTier2のデッキもありますが、ネット大会を見てもこの3種類のデッキが特に多そうです。
Tier1が3つあるので、これらが②の三すくみ環境であるかを確認する必要があります。
【5cコントロール】は【赤単我我我】に微有利
【赤単我我我】は【ジョー星ゼロルピア】に微有利
【ジョー星ゼロルピア】は【5cコントロール】に微有利
【5cコントロール】が目を絞る範囲を変えたり、【赤単我我我】のプレイングによって多少の差はありそうですがデッキの基盤自体の相性はこのような感じなので3すくみ環境と言えるのではないでしょうか。
ではまず、3つのデッキに勝てるデッキタイプを探します。
Tier2の中にはTier1の3種類全てに微有利以上つきそうなデッキはなかったです。
そこでTier3で紹介されていた【赤白ドギラゴン閃】を考察してみます。
vs.【ジョー星ゼロルピア】
先攻・・・《チャラ・ルピア》《”龍装”チュリス》により《希望のジョー星》を貼られる前に安定してシールドを詰めれるため有利
後攻・・・《希望のジョー星》が3ターン目に安定して貼りにくくなり、後攻3ターン目でも革命チェンジが通りやすい。
仮に貼られた場合でも《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》の呪文面を唱えれば、2枚目の《希望のジョー星》を持たれていない限り突破可能。
これは有利と言えそうです。
vs.【5Cコントロール】
先攻&後攻・・・《音奏プーンギ》で時間を作り、打点を並べながら《奇石ミクセル/ジャミング・チャフ》のプランも良し
また《チャラ・ルピア》か《”龍装”チュリス》を使って早めにシールドを削るプランも《ドラゴンズ・サイン》もしくは《ドンドン火噴くナウ》+《灰燼と天門の儀式》のセットを踏まない限り強い動きだと思います。(約50%)
相手の《天災デドダム》が《音奏プーンギ》に刺さらないマナブーストで《ドラゴンズ・サイン》を手札から唱える速度を上げられることに加え、《灰燼と天門の儀式》で蘇生するクリーチャーを墓地に落とせることが強いので、結局5割だと思われます。
vs.【赤単我我我】
先攻・・・3ターン以内に《奇石ミクセル/ジャミング・チャフ》をバトルゾーンに出すと、【赤単我我我】は《霊峰メテオザ-1》を採用していない限り小型クリーチャーでシールドを削り切ってダイレクトアタックを決めるしか勝ち筋がない。
また《赤い稲妻テスタ・ロッサ》《こたつむり》などのメタクリーチャーを貼られない状況だと《チャラ・ルピア》《”龍装”チュリス》を使って3キルするプランも考えられます。
しかしこれらのメタクリーチャーも《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》の両面で突破可能なので基本有利な相手だと思われます。
〜結論〜
【ジョー星ゼロルピア】・・・有利
【5Cコントロール】・・・5分
【赤単我我我】・・・有利
使用するには十分な環境だと考えることができます。
よって今この記事のアドバンス環境で行われる大会なら【赤白ドギラゴン閃】を使用します!
オリジナル環境
オリジナル環境のTier1は、万能型の【シータドギラゴン閃】が猛威を奮っています。
この環境は圧倒的Tier1から成り立つ、①で解説したものになりそうですがもう少し詳しく見てみます。
このような環境では、素直にTier1を使うかTier1以外に勝てるデッキを探します。
Tier2のデッキについて当てはまるものがないか、調べていきます。
- 【ラッカ天門】
- 【5cコントロール】
- 【赤単我我我】
- 【ラッカ鬼羅.Star】
- 【赤緑ボルシャック】
- 【ジョー星ゼロルピア】
多すぎますね(笑)
と言うことはデッキの分布的には全てのデッキが同じ数いる③の環境と考えてもおかしくなさそうです。
実際に直近で参加させていただいたCSでも同じような③の環境でした。
そうなると、このメタを貼りにくい環境ではソリティアデッキを選択したほうが良いです。
そうなると選択するのはソリティアデッキの【ジョー星ゼロルピア】
しかし、【ラッカ天門】【ラッカ鬼羅.Star】【赤緑ボルシャック】に《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》や《めっちゃ映えタタキ》が採用されている構築が一般的
GRクリーチャーがいないオリジナル環境ではリソースを伸ばしにくく、6マナで《希望のジョー星》と《ゼロ・ルピア》を同一ターンで出すプレイングが取りにくい印象があります。
その為、ソリティアの天敵であるメタカードが少ないという利点を活かせない為選択肢から外します。
他にソリティアデッキはないので他のデッキから使用デッキを探すとして、ある程度全てに勝ちの目を残せるデッキを選択し、どのデッキに当たっても自らのプレイング込みで勝ちの目を残せるデッキ選択を私はします。
この環境であれば【5cコントロール】と【シータドギラゴン閃】ですね。
プレイングに自信がない場合は【赤単我我我】などを選択し、受けデッキに対戦しないことを願うと思います。
終わりに
以上が私の「大会で勝つためのデッキ選択方法」でした。
いかがでしたか?デッキ選択でもこれだけ考えることがあるのにデッキ構築やプレイングなど考えることがまだまだあって奥が深いですよね。
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では!