こんにちは、神結です。
去る3/4に「最強位決定戦」が開催されました。参加していた選手の皆様、配信で観戦していた皆様、お疲れ様でした。まずは無事に終わって何よりです。
私は今回もカバレージライターとして参加させていただきました。今回は主にメタゲームブレイクダウンの方を担当しております。
その他のカバレージも随時公開されていくと思いますので、お楽しみに。
メタゲームに関する話は上の記事を読んでもらうことにして、今回の記事ではもう少しフランクな形での大会の振り返りや、感想、今回の私のお仕事などについてお話させていただこうと思います。
それでは、よろしくお願いします。
目次
大会結果
優勝は【“魔神轟怒”万軍投】、【赤単我我我】を持ち込んだ◆ドラ焼き選手、2位は【赤緑キャンベロアポロ】、【アナカラーサガ】という2種のドラゲリオンを使ったけっしー選手。
以下、【青黒サガ】【アナカラークイーンアマテ】のみれう選手、【赤黒侵略】【青黒サガ】のぴゅう選手と続きます。
うん、いい大会でしたよね?
今大会は、「わかりきったサガ環境(特にオリジナル)で、何を選ぶか」が大きなテーマでした。
【 クリーチャー 】
種族 ゴッド / オリジン / 文明 水/闇 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、自分の手札を1枚捨てる。その後、自分の墓地にクリーチャーが3体以上あれば、コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。
それぞれのプレイヤーの思想や経験がデッキ分布に現れていて、(デッキがやっていることの内容はともかく)大会として観るのはかなり面白かったですね。
カバレージで恒例となっている「大会TOP5カード」(大会の中で印象に残ったカードをライターが独断で5枚チョイスする記事)は今回なかったのですが、代わりに主観で印象的だったカードを5つ挙げるとしたら《キユリのASMラジオ》、《とこしえの超人》、《ブレイン・スラッシュ》、《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》、《コッコ・武・ルピア》の5枚でしょうか。
【 呪文 】
文明 自然 / コスト4
■自分の山札の上から5枚を見る。その中から、コスト3以下のクリーチャーを2体まで出す。残りを好きな順番で山札の下に置く。
【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / 文明 自然 / パワー4000 / コスト1
■G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
■相手が自身の手札以外からカードを出す時、かわりにマナゾーンに置く。
【 呪文 】
文明 水/闇 / コスト6
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■次のうちいずれか1つを選ぶ。自分のクリーチャーまたはタマシードの中に水と闇があれば、かわりに両方選んでもよい。
▶カードを3枚引き、その後、1枚捨てる。
▶コスト8以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
【 ツインパクトカード 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー5000 / コスト4
■NEO進化:自分の水のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(クリーチャーが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、「ブロッカー」を持つクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
【呪文】
カード名:エナジー・ライト
文明:水
コスト:3マナ
■カードを2枚引く。
【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ファイアー・バード / 文明 火 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時または攻撃する時、プレイヤー1人の墓地にあるカードを好きな数選ぶ。その持ち主は選ばれたカードを好きな順序で山札の下に置く。その後、選ばれたカードの枚数以下のコストの、相手のクリーチャーを1体破壊してもよい。
やっぱり閉じた環境のメタゲームは面白いですね。
プレイヤーの環境への認識やメタゲーム読みが直接デッキリストに現れてきますし、予想外の採用カードも多かったです。
あと《コッコ・武・ルピア》のことはみんな「たけし」って呼んでたんですけど、あれってやっぱり万国共通なんですかね?
事前メタゲームとの差異(反省)
というわけで、まずは大会前に書いた「最強位決定戦 観戦ガイド!」と比較して、実際の大会がどうであったかを振り返っていこうと思います。まぁ、どちらかと言えば私の反省なのですが。
アドバンス
最大数は【青黒サガ】と【青魔導具】、そこに【“魔神轟怒”万軍投】、【緑単オービーメイカー】【アナジャオウガ】【赤青アポロ】と続いていく格好となりました。
【青黒ゼーロ】は気配すらありませんでした。
いや、アドバンスは本当に困ってたんですよね。記事を書いてる時点で、どうしてもサンプルが足りませんでした。
サガ以前であればずっと大会出ていたので、青黒系の墓地コンボデッキ vs 【ガイアッシュ覇道】って構図だったんですけど、サガ登場以降はよくわかっていません。
ただCSやオンライン大会のデッキ分布を見る限りだと、【ガイアッシュ覇道】は死滅していたので、最初はみんな飽きたのかと思っていました。
というのも、アドバンスに於けるサガの速度って、別にめっちゃ速い訳では無くて、3ターン目の《十番龍 オービーメイカー Par100》の再現度とか、【青黒ゼーロ】とか、結構対抗馬はいたんですよね。
だから「とりあえずアドバンスでもサガを触ってみよう」って段階なのか、「アドバンスもサガが一番強いからサガを使う!」って感じなのか、正直よくわかっていなかったんです。
で、記事の方では「青黒ゼーロか、オービーか、メタジャオウガか」みたいなことまで書いてたんですよ。
結論、青黒系のデッキの中ではサガを使ったデッキが、メタへの耐性も含めて一番デッキ強度が高かったというわけです。
あとは青黒系同士の直接対決でも、手札追加の恩恵とか、零龍側の裏目とか、サガ側が有利なようですね。そうなるとまぁ、青黒系を使うならサガ一択か、というのもわかります。
あとは【青魔導具】に《凶鬼98号 ガシャゴン/堕呪 ブラッドゥ》が追加されたのも大きくて、《お清めシャラップ》もちゃんと効いちゃうような《暗黒鎧 ザロスト》頼りのデッキは結構厳しい、という話も聞きました。
【 ツインパクトカード 】
種族 マフィ・ギャング / 魔導具 / 文明 水/闇 / パワー5000 / コスト3
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■スレイヤー(このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する)
■このクリーチャーが攻撃する時またはブロックした時、自分の手札を1枚捨てる。
【呪文】
カード名:堕呪 ブラッドゥ
文明:水
コスト:2マナ
種族:魔導具
■プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。
■カードを1枚引く。
そのため、現状のアドバンスでは【青魔導具】はかなりイケるデッキでもある、という感じです。
青魔は元々《ガル・ラガンザーク》がその環境で強いかどうかで環境デッキとしての立ち位置が決まってくるみたいなところもあるので、 ガルラガンがサガへのメタとなっているのも追い風になっていると言えます。
その上で《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》は見事な発見ですね。
なお最強位決定戦での勝ち組だった【“魔神轟怒”万軍投】ですが、こちらについては記事を書いていた時点で普通に失念していました。改めてオンライン大会とかの分布をみると、使用者はチラホラいるんですよね。
【 呪文 】
文明 火 / コスト6
■マスターG・O・D・S(ルビ:ゴッドオーバーダイナマイトスペル)(この呪文を、自分の手札を1枚捨てて、唱えてもよい。そうしたら、このターン中に捨てた自分の手札1枚につき、この呪文を唱えるコストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
■GR召喚を3回する。
そんなわけだったので、最強位前日のアドバンスCSに「これ好きなデッキだし使おうかな」と思ってマグナを持っていったんですが、CSそのものが中止になってしまいました。
まぁ結論としては、アドバンス側にもっと時間を割いて勉強しておくべきでした。かなり解像度が低かったので、反省しています。
こういう不透明な部分が多いというのも、アドバンスのCSがプレイヤーたちから避けられる要因なのかもしれないので、なるべく積極的に学んだことは発信していこうと思います。
特に関東はなんだかんだでアドバンスCSを開催している場所はあるので、興味を持っていただけるよう頑張ります。
私の中でまだまだアドバンスで知らないテクニックや対面相性がありそうなので、GPまでにもっと勉強しておこうと思います。CSとかにもなるべく参加する予定です。
オリジナル
こちらは【青黒サガ】を筆頭に、【アナカラーオービー】、【4c邪王門】と並びました。
オリジナルに関しては、サンプルも多かったので予想から大きく外すことはなかったんですが、どちらかと言えばもっとサガが圧倒的に多いのかなと思っていました。
特に記事を書いている時点では全国大会2019が頭を過ぎり、あんな感じのイメージでサガが溢れるものだと思っておりました。
ところが蓋を開けてみると、意外なことに結構分散しました。
参加者の皆様も、全国大会2019の【JO退化】が頭を過ぎったんでしょう。流石に何戦もミラーをやりたくないので、デッキを変えようと判断した人も多いんじゃないでしょうか。
これに関してはメタゲームブレイクダウンの方でも書いたのですが、「最強のデッキの共通認識が薄かった全国大会2019」と「最強のデッキがわかりきっていた最強位決定戦」では、前提が異なっていたという訳だったのでしょう。
ただサガの中でも《叡智の聖騎士スクアーロ/エナジー・ライト》のような工夫も見られて、やっぱりそこはカードプールの広いデュエルマスターズらしいですよね。
というわけでサガに次いで多かったのは【アナカラーオービー】。観戦ガイドでは触れていなかったデッキですね。
アナカラーは【アナジャオウガ】とかの方が多いと思っていたのですが、メタクリを複数並べて維持するゲームよりも、メタクリで1~2ターン貰ってその間に《十番龍 オービーメイカー Par100》やcにアクセスする方がわかりやすく、チャンスを与えにくいですね。
《Disメイデン》のお陰で強度や安定性という点でも補強されており、納得の立ち位置かなと思いました。
【 クリーチャー 】
種族 スピリット・クォーツ / ディスタス / 文明 水/自然 / パワー3000 / コスト3
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーが出た時、カードを1枚引き、その後、自分の手札を1枚マナゾーンに置く。
■各ターン、自分がはじめて多色カードを自分のマナゾーンに置いた時、そのカードをアンタップする。
そして予想外に数を増やしていたのが【4c邪王門】でした。使用者自体は何人かいると思ってはいたのですが、ここまで多いのは予想外でした。
実際サガの登場前環境では堂々のTier1……なんならTier0に近しい位置にいたデッキだったと思いますので、「サガをメタる環境」になって速度が落ちた場合には、それは4邪の支配領域です。
対サガに関しても、先攻を持って《お清めシャラップ》から入れば全然勝てるパターンもありますからね。
ただ今回は素直にサガが強く、トップ8にも数多くのサガがいる状況だったので戦績を伸ばすことは出来なかった、ということになりました。これがGPとかだったらまた別なんでしょうけどね。
その他で言えば【アナカラークイーンアマテループ】みたいなデッキもありました。
【 クリーチャー 】
種族 ナイト / サムライ / オリジン / 文明 水 / パワー7000 / コスト8
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札を見る。
その中からコスト6以下の、クリーチャーではないカードを1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。
山札をシャッフルし、その後、そのカードを手札からコストを支払わずに使う。
最初にパッとリストを見たときは「あー…《龍素記号wD サイクルペディア》を用意して《ブレイン・スラッシュ》から《クイーン・アマテラス》を釣る感じね」と思ってたんですけど、《ブレイン・スラッシュ》で《クイーン・アマテラス》からスタートしても、ループ出来るんですね。
フィニッシュとかマナ回収とかで可愛い要素を抱えたデッキだとは思うんですが、盾ループ系のデッキを久々に見た感動がありましたね。
というわけでオリジナルについては、環境に対する認識は大枠としてそんなにズレなかったんですけど、大会のメタゲームとしては結構見落としてた部分が多かったです。
これは私が全国大会2019をモデルケースにしすぎた部分があったので、今回の最強位決定戦を、また新たなモデルケースとして引き出しにしまっておきます。
その昔、【エンペラーキリコ】が最強だった時代の全国大会はメタられることを嫌ってキリコが少なかったらしいんですが、今大会はそっちの要素も含んでいたようです。圧倒的の方が分布を減らす、一見矛盾しているようですが如何にもTCGって感じがして面白いですね。
それにしても《コッコ・武・ルピア》は見事でしたね……。
大会の所感と今後への期待
最強位決定戦の参加者は31名で、半分がGPから、半分がランキングからとなりました。TOP8のうちGPプレイヤーが5名で、ランキングプレイヤーが3名。極端にどっちかに振れるということもなかったですね。
正直なところ、もう少しランキング上がりのプレイヤー上位に行くのかな、と思っていました。
今回はGP枠で◆ドラ焼き選手やぴゅう選手といった全国大会2019経験者の強豪プレイヤーがいたという事情もあるでしょうが、ランキングで勝つべき大会の性質と、少数精鋭の大会の性質の違い、というところなんですかね?
すんごい変なこと言いますけど、全国大会のような大会で勝つために特訓を詰める大会って全国大会くらいしかないんで、全国大会で勝つには全国大会に出るしかないのかなー、という。
特に今大会はランキングの空白期間を挟んだことでプレイヤーの世代交代のようなものも行われており、2019年と今回で共にランキングで上がったプレイヤーってのすけ選手だけだったわけです。
そんなわけなので、「ちょっと思った通りにいかなかったから、リベンジしたい」と思っているプレイヤーも多かったのではないでしょうか。
そんなわけで、これらを踏まえて個人的に思ったこととしては、やっぱり「最強位決定戦」は維持して貰いつつ、「全国大会」とは別に開催し続けて欲しい、ということですね。
いや、面白いじゃないですか、きっと。「最強位」◆ドラ焼き vs 「龍王」あーくんとか。
タイトルっていう目に見えた肩書きは、競技の活性化に繋がります。
将棋でも囲碁でも麻雀でも複数のタイトル戦があるのは当たり前ですし、今回せっかく「最強位」っていうタイトルを作ったんですから、今後も継続して残して欲しいなとは思っています。
まとめ
というわけで、最強位決定戦に関する所感や今後への期待などについて、ちょっと長くなってしまいましたが書かせていただきました。
今後殿堂発表からGPへと繋がっていきますが、今回の大会を見てモチベが上がったという人も多いかと思います。
ぜひCSに参加しながら力を蓄え、第2代最強位や全国大会王者の称号を目指していきましょう!
それではまた、次の記事でお会いしましょう。