「ゼロ」への挑戦~完全なドローゴーは作れるか?~

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「ゼロ」への挑戦~完全なドローゴーは作れるか?~
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目次

発売済みカード一枚という形式で北白河がお出しできる最大限の《零龍》

2019年12月、《零龍》卍誕。

 《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を彷彿とさせる5枚のカードを使ったギミックに、コスト・パワーともにゼロという前代未聞の要素を引っ提げて登場した超天篇のラスボス《零龍》。 果たして主人公たるジョー君はこの恐ろしい相手に勝つことができるのでしょうか。《あたりポンの助》か《ケッシング・ゼロ》で勝てます。

 ところで、《零龍》と言えば「ゼロ」ですね。コロコロの読者層であるところのキッズが好きな数字トップ2が「ゼロ」「無限」であり、とりあえずホビーのクライマックスではどっちかを出すかどっちも出して対比させとけばうまいこと盛り上がってみんなニッコリという事実があります。事実デュエマもだいぶ昔にやってますしね。あとこれは今気付いたんですが今回の《零龍》も直前のラスボスこと《天地命動 バラギアラ》の「輪廻∞」と対比してると言い張ることも可能です。

子供が好きなやつ
北白河は好きじゃないやつ

 ところで、クソデッキビルダーも「ゼロ」と「無限」に惹かれる傾向があります。大概のコンボのコンセプトになるからですね。
 今回、キッズ受けしそう(あとちゃんと強いのでガチプレイヤーにもそれなりに受けがよさそう)な「ゼロ」が出てきたということは、同じ「ゼロ」に惹かれる者としてより純度の高い「ゼロ」で迎え撃つ必要があります。ほんとか?

 より純度の高い「ゼロ」を目指すために、普段「ゼロ」にならない/できないものを「ゼロ」にしましょう。すなわち。

 マナチャージを「ゼロ」にして勝つデッキを作りましょう。

はじめに:まずは失敗から学ぼう

 こんにちは、北白河と申します。というわけで、今回はデュエマというゲームそのものへの挑戦を行っていこうと思います。前述の「マナチャージなしで勝つデッキ」ですね。
 「そんなん無理だろ……」とお思いになられるかもしれませんが、やろうと思い立っちゃったんだから仕方ありません。何よりこうして記事になっている以上はなんとかそれっぽいものに辿り着くことができています。思考の流れに沿って、いくらかのデッキレシピとともに説明していきましょう。

 実は「マナチャージせずに勝つ」というコンセプト自体には前例があります。革命ファイナル期のライバルキャラ、バサラがやっていたゼロチャージキルです。
 マナチャージを飛ばして侵略ZERO付きのカードを手札に貯め込み、相手がコスト踏み倒しを行ったらそれらを一気に展開して殴り、最速2ターンキルすらも可能な……

 決まるわけねえだろこんなもん!!!
 主人公のライバルキャラが対戦相手依存の初見殺し100%のデッキを使うな!!!

いやまあカードとしては強いんだけど

 実際にこんなムーブをやろうとすると、警戒した相手に普通にコスト払って展開され、そのまま撲殺されるビジョンしか見えません。
 しかもまともに組もうとするとカードプールの都合ドキンダム・ガチャをテーブルに置くのがほぼ必須になるということもあり、相手に知られたら絶対に勝てないのに相手にデッキを知らせなければならないという初手から破綻した戦略を強いられます。そもそもドキンダムガチャもう売ってないし。
 そしてそこまでやってもまさかの侵略ZERO持ちクリーチャーが3種12枚しかいないという事実が立ちはだかります。ガン積みしたとして、仮に3~4ターン目に手札が8枚あったときの対象クリーチャーの期待値は2.4枚です。少ねえよ!せめてあと2種類くらい持ってきてからゼロチャージとか言えよ!

 というわけで、無限に愚痴を吐きながら組んだデッキがこちらです。

デッキの形をした虚無

 《父なる大地》《リアルとデスの大逆転》《転生スイッチ》の三種のトリガーで強引に相手の生物を強引に引きずり出し、侵略ZERO持ちのカードを展開するというプランで仕上げてみました。 マナチャージをしない関係で手札はモリモリ溜まっていくので、一応《ビーチボーイズ》《ルナ・コスモビュー》を「ゼロ」にて召喚して殴っていくことも可能です。というか仮に勝てるとしたらこのプランが9割くらいだと思います。

 このデッキを組んで(さすがにほぼプロキシ)一人回ししてみた結果得られたのは、侵略ZEROルートには無限に虚無が広がっているだけという事実でした。いや無理だろこれ!相手が絶対に2ターン目革命チェンジするってわかっててもキツいわ!

 とはいえまったく収穫がなかったわけではありません。虚無の中からでも、ゼロチャージデッキを作るにあたっての以下のような指針が得られました。

・やっぱりトリガーを起点に展開するのが無難・ほっといても手札が溜まるので《ビーチボーイズ》《ルナ・コスモビュー》で殴るプランは意外と悪くない・受動的なプランとは別に、能動的に動く手段ができればほしい

 以上を踏まえて、新たなるコンセプトとして提案したいのがこちらです。

年下のお兄ちゃん

《ジョリー・ザ・ジョルネード》

 相手のターンの終わりに「ゼロ」をもって(おおむね)致死打点とともに登場する、この手のデッキと最高に噛み合ったナイスガイです。条件である「コスト合計10以上のジョーカーズ」を盤面に調達することを目指して、「ゼロ」に近付いていきましょう。

ジョルネードと一緒にゼロを目指そう

 とはいえ、全くのゼロの状態からゼロを目指すのは不可能です。この一文矛盾してるな?まずはスタート地点を設定し、そこから調整しつつゼロの境地を目指しましょう。というわけで3分で作った雛型がこちら。

マグロという概念の体現

 マナを使わずに盤面に高コストジョーカーズを用意する手段と言えば、やはりS・トリガーでしょう。まつがんさんが以前コロコロオンラインの記事で組んでいた「36STジョルネード」を調整し、マナにカードがなくても回るようにしてGRゾーンの殺意を確保しました。お好みで《ビーチボーイズ》を添えてもいいと思います。

 トリガー多すぎでは?と言われればまあ頷くしかないんですが、これが現状唯一の勝ち筋にして防御手段なので鋼の意志でガン積みです。単純計算で、1枠(=4枚)非トリガーのカードを入れるごとにシールド1枚当たりのトリガー率は10%減少します。3枠非トリガーならトリガー率は7割とかいうかみなりの命中率レベルまで低下し、4~5枠入れるともはやかげぶんしんを積んだ相手に攻撃を当てるレベルになるわけです。そりゃ外すわ。もちろんある程度妥協する必要はあるでしょうが、複数枚トリガーしなければやられ放題のデッキなのでキーパーツ以外はできるだけトリガーで埋めたいですね。

 デッキリストを見ればわかる通り、能動的に動くカードが皆無なことと《ジョリー・ザ・ジョルネード》引けないとただただ死ぬこと、トリガーメタかコスト踏み倒しメタで即死することなどの致命的な弱点を持ち合わせていますね。これではよほど店のメタが直線的なビートでなければ勝てないので、何とかしていく必要があります。

 まずは、《ジョリー・ザ・ジョルネード》以外に勝ち筋を増やしてみるというのはどうでしょうか。何らかの手段で盤面に致死打点クラスの追加のフィニッシャーを用意すれば、決定力不足を補えるでしょう。何かこのデッキならではのフィニッシャー、できれば溜まった手札を致死打点に変換できるようなカード……

ミサイルとドローンに挟まれ肩身が狭い

 《MEGATOON・ドッカンデイヤー》がいました。これを《転生スイッチ》と他のシールドから出てきた高コストクリーチャーの組み合わせで手札から出せれば、溜まった手札から一斉展開できますね。自身が高コストクリーチャーでありながら《転生スイッチ》の水増しにもなれる《サイバー・S・チョイス》も投入しましょう。というわけでできたのがこちら。

存在そのものが違和感

 これ5マナ払って出した方が強くね?

 貯め込んだ手札を吐き出すのは確かに気持ちいいんですが、まあ《MEGATOON・ドッカンデイヤー》が出ない出ない。考えてみれば8枚しかない《転生スイッチ》《サイバー・S・チョイス》をトリガーで踏んだ上で手札に《MEGATOON・ドッカンデイヤー》が必須で、これに加えて《転生スイッチ》ならバトルゾーンに6マナ以上の生物が、《サイバー・S・チョイス》なら手札に《転生スイッチ》が必要です。何枚コンボなんだよ!

 結果として、コンセプト諦めて5マナ溜めて出すのが一番早いという身も蓋もない結論になってしまいました。これでは企画倒れなので、何か新しい手段を考えなければなりません。

 では、一つ妥協をしてみましょう。《MEGATOON・ドッカンデイヤー》ルートでは5マナチャージして素出しするのが一番マシということになりましたが、これより少ないマナ……できれば1マナで回るようなデッキは作れないでしょうか?完全な「ゼロ」ではありませんが、最も近いところまで辿り着けるのではないでしょうか。0マナ、あるいは1マナでジョーカーズを大量展開する手段といえば……

クソデッカーのおもちゃ
飛流投といい魔神轟怒は何かと投げがち

 【ピットデル万軍投】です。

 最速後手1ターン目始動まであるこのコンボ。手札の要求値こそ高いものの1マナしか使わないため、最初のターンに火文明のカードをマナに置けばあとはじりじりドローゴーしているだけでそのうち揃います。手札が溜まりやすいこのデッキでは手札を合計3枚捨てるデメリットも痛くないですし、GR召喚のめくれが芳しくなければ《ジョリー・ザ・ジョルネード》で今出した3体を戻してGR召喚をやり直すことも可能です。というわけで作ってみたのがこちら。

このへんで赤ジョーカーズのトリガーの微妙さに気付き始める

 やっぱり4マナ払って唱えたほうが強くね?

 チャージ枚数とトリガー枚数にしなくてもいい縛りがある以上、このデッキには通常のデッキのように《ザババン・ジョーカーズ》《一なる部隊 イワシン》のようなディスカードサポートが積めません。

 そのため、手札が溜まるメリットを加味しても普通にマナチャージするデッキ以上に「《神出鬼没 ピットデル》+《"魔神轟怒"万軍投》+マナに置くための火文明のカード+《ピットデル》を出すための水文明のカード×2+《万軍投》をマスターG・O・D・Sで唱えるためのカード」というパーツを揃えるのが難しくなるのです。

 この事実に気付くまで、北白河は「なんか揃わねえな……」とか思いながら無意味な初手ポーカーを繰り返すことになりました。そりゃ揃わねえよ!ポーカーと違ってカード入れ替えできねえんだもん!デュエマにマリガンはない!

 結果として、コンセプト諦めてピットデル抜いて4マナ溜めて《"魔神轟怒"万軍投》唱えるのが一番早いという身も蓋もない結論になってしまいました。あれ、この結論どこかで見たことある気がする……! でもあっちより1ターン早いしセーフ!

「ゼロ」をもって「ゼロ」へと至れ

 こうなったら、別のルートから攻めるしかありません。可能性は、真なる「ゼロ」……つまり。

名前にソリ要素なくない?
たいせーが好きでした(ミイラっぽいから)

 下手な小細工なしに、G・ゼロで登場するジョーカーズを詰め込むのです。

 自力でまともに出せるクリーチャーは《ビーチボーイズ》くらいですが、それぞれわずかながら防御能力がある上に《ジョルネード・グランドライン》なども併用できるので、トリガーが減った分の防御面のカバーも期待できます。

 問題は、《ビーチボーイズ》のコストが4である点です。GRゾーンのクリーチャーのコストは最大でも《The ジョラゴン・ガンマスター》の5。合計コストは9になり、ギリギリ《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードに届きません。 また、コスト4では《シャダンQ》の踏み倒し前提コストにも届かないですね。踏み倒そうとするなら、GR召喚でコスト5の《The ジョラゴン・ガンマスター》を 1/6の確率で呼び出す必要が出てくるのですが、これはあまりに心もとない確率です。あと1枠くらいあればだいぶ違ったんですが。

 このコスト1足りない問題を解決する天啓は、コロコロコミックからやってきました。

《The ジョギラゴン・アバレガン》

【GRクリーチャー】
【種族】マスター・ドラゴン/ジョーカーズ/ワンダフォース
【文明】ゼロ
【コスト】6
【パワー】4000+

■このクリーチャーが攻撃する時、自分のシールドを1つブレイクする。
■このクリーチャーが攻撃する時、可能なら相手プレイヤーを攻撃する。
■超天フィーバー:バトルゾーンまたはマナゾーンに自分のジョーカーズが合計8枚以上あれば、このクリーチャーのパワーを+10000し、「T・ブレイカー」を与える。
■超超超天フィーバー:バトルゾーンまたはマナゾーンに自分のジョーカーズが合計20枚以上あれば、自分のジョーカーズすべてのパワーを+10000し、「ワールド・ブレイカー」を与える。(「ワールド・ブレイカー」を持つクリーチャーは、相手のシールドをすべてブレイクする)

出典:コロコロチャンネル

オリカが実装されたぞ!!!!!

 まさかの6コストGRクリーチャーの登場です。このデッキで出る可能性のあるクリーチャーはどれも4コスト以上なので、あらゆる2枚の組み合わせで《ジョリー・ザ・ジョルネード》が出ます。しかも攻撃時に自分のシールドをブレイクするのでトリガー満載のこのデッキでは自力でトリガー暴発まで可能です。超天フィーバー以降の能力はおまけと考えても、このデッキのために作られたカードと言っても過言ではありません!過言

 これで問題が大幅に緩和され、あとは一直線。というわけで、ドローゴージョーカーズ、完成いたしました!

デッキレシピ:ドローゴー「ゼロ」ジョーカーズ

虚無そうで虚無くないすこし虚無なデッキ

※超GRゾーンの《エヴォル・ドギラゴン》は《The ジョギラゴン・アバレガン》

 回し方は簡単で、マナチャージをパスし続けて《ビーチボーイズ》《ジョルネード・グランドライン》のラインから今踏み倒せるカードをとにかく出すこととGR召喚で展開を続け、《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードに繋ぎます。 相手の半端な攻撃は24枚のトリガー(トリガー率は6割。さいみんじゅつの命中率と同じ)で受け止め、逆に展開してやりましょう。

 マナチャージなしで手札を溜める意義としては手札から踏み倒せる《ビーチボーイズ》《ジョルネード・グランドライン》《シャダンQ》《ジョリー・ザ・ジョルネード》を保持する点と、《ビーチボーイズ》《超Ω級 ダルタニックB》の性能をフルに発揮する点ですね。ちゃんとマナチャージなしでのドローゴーに意味があるのが今までとの差です。素出しできるものがないともいう

 今回はトリガー確保のため採用しませんでしたが、相手の大量展開に合わせて宣言できる《バレット・ザ・シルバー》なんかも採用圏内だと思います。ジョーカーズじゃないですが《ルナ・コスモビュー》で追加のクリーチャーを用意するのもたのしげですね。

 見た目こそ狂気の沙汰ですが、トリガーの分厚さからトリガー封殺や踏み倒しメタを考えないビートデッキには総じて有利なデッキになっています。【覇道】【モルトNEXT】系列にはかなり強く出られますね。
 逆に対抗手段が何もないコンボデッキや、いわゆる単騎ラフルルなどのトリガー封じをしてくるデッキとは絶望的な相性です。 手札に貯め込んだキーパーツを叩き落とされるハンデスも苦手と言えるでしょう。

 え?《奇石 ミクセル》?

_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄

おわりに

 というわけで、ゼロチャージドローゴーでした。デッキパワーだけ見たらとてもじゃないけど強いとは言えないこのデッキですが、デッキの動きを極端に《ビーチボーイズ》に依存するので、同じ条件で出せるジョーカーズが来たらもしかしたらもしかするかもしれません。来ない確率の方が高そうだけど。

 ただ、うまくハマって勝った時は視界の上のほうに「実績解除:マナチャージせずに勝利した」っていうポップアップウィンドウの幻覚が見えるのでその点については超おすすめです。ジョーカーズデッキによく入るカードにトリガー足すだけでだいたい組めるので、気分転換に組んで回してみてはいかがでしょうか。

  次回の予定は、クソデッキの在庫が尽きたので思いつかなければもう少し何か周知するタイプのやつになると思います。この前のゲストライター記事みたいな比較的真面目なやつが書けたらいいですね。それでは、次の記事で。


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