こんにちは、神結です。
いよいよ年末です。まぁ、別な記事でも言ったんですけど、この季節はどうしてもエリア予選の印象が強いですよね。
エリア予選(光)に関する記事は昨日公開されておりますので、是非ご覧いただければと思います。
さて、今回はエリア予選に関係して、ある年の年末に突然降ってきた……そんなデッキをご紹介していこうかと思います。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【青単ムートピア】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
ソリティア界の新星「青単ムートピア」
というわけで今回の名作デッキは【青単ムートピア】になります。略称ですが、私は「青ムー」って呼んでいました。
今回紹介するのは双極篇終盤の2018年12月頃のリストになります。だいたいこんな感じ。
このデッキは「ある日突然やってきて、環境に多大な影響を及ぼした」という、まさに嵐を体現したものでした。
デッキの系統としてはハンドコンボデッキ……いわゆるソリティア系のデッキになります。狙いは《「本日のラッキーナンバー!」》を添えた3ターンキル。決まれば理不尽の極みです。
それを実現してくれるのが皆さん大好き《次元の嵐スコーラー》と《セイレーン・コンチェルト》になります。
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / スペシャルズ / 文明 水 / パワー11000 / コスト11
■G・ゼロ:このターン中に自分の呪文を5枚以上唱えていれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。■W・ブレイカー■このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、それがこのゲーム中にバトルゾーンに出した最初の《次元の嵐 スコーラー》なら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。
(殿堂カード) 【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト1
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
自分のマナゾーンからカードを1枚、自分の手札に戻す。その後、自分の手札を1枚、自分のマナゾーンに置く。
《次元の嵐スコーラー》のデビュー戦という訳ではなかったのですが、それでも世にスコーラーの凶悪さを示した最初のデッキだったと言っていいかと思います。
特に実質的に0マナで唱えられて、かつ序盤のマナ埋めで起動パーツを埋めることを許容してくれる《セイレーン・コンチェルト》との組み合わせは凶悪そのものでした。
では【青単ムートピア】とはどういうデッキなのでしょうか。
具体的にどんな動きをするのかと言いますと、まず手札に1コストの呪文を溜めながら序盤のターンを過ごします。
《海底鬼面城》があると嬉しいのですが、1~2ターン目は潜んでいることも多いです。文字通り、嵐の前の静けさという奴です。
そして3~4ターン目、突如動き始めます。
手札から《ガード・グリップ》や《セイレーン・コンチェルト》といった1マナ呪文を連打していき、3回詠唱。
そして次にG・0条件を満たした《超宮兵 マノミ》を召喚し、更に追加のドロー。
再び呪文を唱えて《超宮城コーラリアン》が着地。《セイレーン・コンチェルト》を絡めながら、だいたい3マナを使って4回呪文を使うイメージです。
じゃあ残り1回はどうするのかと言えば、場に出たマノミーたちをコストに、これをタップしてG・0で《シンクロ・スパイラル》を詠唱。
これによって呪文5カウントが達成するので、無事《次元の嵐スコーラー》が着地するというわけです。
追加ターンを得たあとは、《「本日のラッキーナンバー!」》を手撃ちして反撃を封殺し、盤面のムートピアたちで殴り倒す……というのがこのデッキの勝ち方です。
想定以上に強かった?
もちろん3~4ターン目までに全てのカードを揃えきるのは難しいのですしそうそう簡単にはいかないのですが、青ムー側からも出来るアプローチは幾つかあります。
《海底鬼面城》もそうなのですが、特に多くのリストで採用されていたのが《歩く賄賂 コバンザ》ですね。
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー1000 / コスト3
■自分が呪文を唱えた時、カードを1枚引く。
一部界隈からはショニアと呼ばれていたこのカード(※ショニアの由来は《ガジェッツァンの競売人》というハースストーンのカードから。効果は「自分が呪文を使う度に1ドローする」というもので、ほぼ同じ。なおショニアとは英語名の「おーくしょにあ」を略したもの )。
先攻3ターン目のコバンザが通るか通らないかは微妙なラインではありましたが、通ってしまえば青ムーの勝ち。コバンザがいる状況なら見切り発車でも全然OKです。
あとは《「本日のラッキーナンバー!」》でターンを貰うことも出来ました。
ちなみに当時の環境は、かの有名な【ゼロジョラゴン】【赤白轟轟轟】【チェンジザダンテ】による三つ巴環境でした。
青ムーはこのうちジョラゴンにはキルターンの都合上で明確に有利。
轟轟轟にはデッキの都合上ちゃんとキツいんですけど、先2で舐めて殴ってきた相手を後手2コーラリアンとかでわからせるとかもありました。
チェンジザダンテには《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》が上も下もキツいし、《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~》の下でもワンショットが止まるし、何かと面倒なカードが多かったのは事実です。
ただデッキの性質上、先に回っちゃえば《時を戻す水時計》とかで割となんとかしてた印象でした。というか、チェンジザ使っててまぁまぁ負ける試合もありました。
この手のソリティアデッキってだいたい【ゼロジョラゴン】か【チェンジザダンテ】のどっちかにわからされるのが常で、まぁ実際チェンジザにはやや不利だったのも事実だと思いますが、それでも青ムーは抗える方だったのが偉かったですね。
そんな訳で結構環境上の立ち位置も良く、2018年の年末に降って湧いてからはちゃんと勝ちました。12月から翌年の1月頃までTier1認識でも良かったんじゃないかな。
またこのデッキは2ブロックでも程々に活躍しており、構築の方向性は違いますが関西ではエリア予選突破者を輩出しています。
その後の【青単ムートピア】は、【赤青覇道】の台頭や《BAKUOOON・ミッツァイル》の登場なんかもあり、環境最上位の位置からは下って行きます。
しかし細々と活躍は続き、最終的に2019年の夏に《セイレーン・コンチェルト》が殿堂したことで一旦お別れのときを迎えます。
青ムーってかなりデザイナーズ寄りのデッキで、実際2ブロックなんかは「想定されていた程々の強さ」くらいには収まっていたんですよね。それは《セイレーン・コンチェルト》込みでも。
ただ通常環境での強さが想定よりもちょっと強かったのでしょうかね。
まぁ2ブロックは「コバンザ頑張れデッキ」みたいなところがあったんですけど、通常だと《海底鬼面城》で話が本当に変わっちゃうからな……。
いずれにせよ《セイレーン・コンチェルト》はいつの日か殿堂になる運命ではあったでしょう。
しかしこれで《次元の嵐スコーラー》ともお別れとはならず、この後も印象的な活躍を続けることになりましたが、それはまた別のお話。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第77回は【青単ムートピア】でした。
私視点だと、青ムーはまぁ当たりたいデッキではなかったですね。チェンジザ使ってたのでそんなに不利ではなかったんですけど、当然《ジャミング・チャフ》が間に合う前に負けた試合もいっぱいあったからな……。
どう見ても見切り発車だろっていう手の動きから《超宮兵 マノミ》2枚とか繋がることもありますからね。
まぁ、《セイレーン・コンチェルト》はデュエマが続く限りずっと殿堂か、プレ殿行くかのどっちかでしょう。たぶん。3ターンスコーラーに怯える日はもう来ないかなとは思っています。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。