レトルトカレーパッケージへの回帰
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。出ましたね、スタートデッキ。
さっそく自分も入手してこっそり回したりしてるんですが、デッキ全体の動きが整っていて隔世の感がありますね。これを与えられたらそりゃキッズの構築力も上がるというものです。
あまりにも動きがオタク好みすぎて悪影響を及ぼすんじゃないかという気もちょっとするんですが……。アビスラッシュというゲームを終わらせる手段がちゃんとあってよかったです。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《カップ=ギャラップ》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 闇 / パワー7000 / コスト5
■アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■シビルカウント3:このクリーチャーが攻撃する時、自分の闇のクリーチャーまたは闇のタマシードが合計3つ以上あれば、相手のクリーチャーを1体破壊する。
DM22-SD1にて登場した、スーパーレアのカードです。
5マナにしてパワー7000の2打点というデメリットや条件のないこのデッキのカードの中では最も高い基礎スペックに加えて、新能力のアビスラッシュとシビルカウント(しかも確定除去!)を両方持っている…というこのデッキの切り札にふさわしい一枚ですね。
「デュエマであそぼう!」連動キャンペーンで配布されることもあり、デッキに2種類のSRの片割れとしてこれからも活躍を……活躍を……
できるわけないだろこのスペックで!
……はい。嘘を付けない性格で子供のころから損ばかりしています。
確かに効果そのものは腐っても確定除去+自己蘇生とまあまあ強力なんですが、このデッキにおける他のカードとのシナジーが「墓地肥やしで落ちると墓地から出せる」というアビスラッシュ共通のもの以外に特にないことからどうにも違和感があります。
《 深淵の支配者 ジャシン 》で蘇生もできませんし、 強いて言えば《 深淵の食卓 》で4マナ生物を釣れるくらいでしょうか?
しかも、パックでやってくる《 アビスベル=ジャシン帝 》で蘇生するときもそのコストが足を引っ張ります。1-2マナまで軽減されたアビスロイヤルを大量蘇生してワンショット……という想定ムーブで考えると、軽減されても3マナなのはさすがに厳しいかなって。
そしてこのルートには、「同じピン除去ができて」「1マナ軽くて」「打点もパワーも高くて」「ブロッカーも持ってて」「限定的ながら除去耐性もある」……という《 深淵の三咆哮 バウワウジャ 》がいるんですよね。さすがに、その。タマシード/クリーチャー特有のラグとシビルカウントの差こそあれ、比べるのは酷かなと。
スタートデッキ同士での対戦ではそこそこ活躍できるとは思うんですが、パック発売後にアビスロイヤルのメンツが揃ってくるとさすがに厳しいんじゃないかなって……はい。
《 アビスベル=ジャシン帝 》を2枚貼りするギミックが確立するか、より重いアビスロイヤルへのサポートが出るのを祈る必要があるでしょう。逆に重ささえ解決すればけっこういい線行くと思うんですが……。
では、なぜ彼が生まれたのか。
その答えの一つとなるのが、「このデッキがスタートデッキであり、このカードはそのスタートデッキのSRだから」です。
……なんだか要領を得ませんね。少しずつ説明していきましょう。
スタートデッキの仕様が現在の物に近付いた十王篇以降、(原則として)デッキに収録されるFoilカードは「直後のパックで登場する最高レアカードと関連する、特殊Foil仕様の強力な看板カード」と「1-2種の限定SR(今回は1種)」に分かれています。《 カップ=ギャラップ 》は後者ですね。
では、それぞれのFoilカードには何が期待されているのでしょうか?
前者についてはシンプルです。「最初の切り札」です。デッキの核にして、環境でもそこそこ通用するような強力なカードですね。拡張パックへの導線にして、デッキを組んでいく手助けになるカードでもあります。
逆に後者なんですが……。これは結構扱いが難しくてですね。よく言えば「スタートデッキ同士で対戦する時の主力カード」、有り体に言えば「スタートデッキ内で一番デカいカードに強制的に付与される名誉ボーナス」というか。
パック産ならレアくらいがいいとこのカードであっても、この枠に入ると平然とSRになっちゃうんですよね。
とはいえ、「キラキラしてる!すごい!」だけでも初心者にとっては結構訴求効果になるんですよね。「困ったときに頼りになる特別なやつ」というカードへのイメージをテキスト以上に与えられるというか。
まあその、ここが強すぎると「切り札枠のカードの特別感が薄れる」「ここの枠カード目当てに既存プレイヤーが買いまくって初心者に行き渡らない」なんていう本末転倒な事態になりうるので何とも言えないんですが。
また、両Foil枠については「低確率での金色バージョン封入」「『デュエマであそぼう!』連動配布枠」などのキャンペーン対象になったりもします。こういったところで魅力的なカードを刷りすぎると、初心者に行き渡らない問題再びですね。
ともあれ、そんな理由で箸にも棒にもかからないSRが毎年スタートデッキには顔を見せるというわけです。カードパワーの高いカードだけ刷っていればいい……というわけではないことがわかる一例ですね。
ついでに言うと、今回から最高レア枠と名誉SR枠の枚数比率が1:2から2:1になったのもちょっとこのカードのアレさに影響を与えているものと思われます。
……いやその、複数枚あって初めて効果を発揮するS-MAX進化持ちの《 モモキング-MAX 》がデッキに1枚+キャンペーン配布枠だったの、さすがにダメだったんでしょうね。
……あ、念のために言っておくとですね。なんだかんだ言ってる「じゃない方」の面々ももちろん、スタートデッキ同士の対戦ではしっかり活躍してくれます。
カードテキストは絶対的なものですが、カードの強さや弱さは常に相対的なもの。どんなカードでも、輝ける場はどこかにあるのです。きっと。
今度はカードの中ですよ、邪神さまー。
というわけで、《 カップ=ギャラップ 》でした。
あと、このカードだけの魅力……という意味では、アビスロイヤルでも貴重な「表情を出せるキャラデザイン」というのがありますね。
原作漫画第一話の最終ページで困った顔をしているこいつが妙にかわいいんですよね。
頭以外はプレーンな貴族風デザインと言う意味でも、他のアビスロイヤルとも一線を画してると思います。マスコット路線、アリかも……。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
おや、ランキングがありませんね。まだ出てないんでしょうか。スタートデッキとパックとは一週間開くのが定例ですからね。
というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。