サイクリングでカードを引こう
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
ここしばらくの肉体的な失調や体力不足をカバーするため、家でPCをするときにエアロバイクを漕ぎ始めました。
問題は、椅子やテーブルの高さの関係でキーボードが使えないことなんですが…「マウスだけでできる某オートチェス風ゲーで勝利できるまで漕ぎ続ける」と、ちょうどいい感じに緊張感と時間が稼げることが判明して捗っています。
断言しますが筋肉痛か勝てなすぎ現象、もしくは完全にやることを忘れて三日坊主になります。みんなには内緒できたしーのことを応援してください。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《強奪者 テラフォーム》
【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジ / 文明 水/自然 / パワー2000 / コスト5
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■相手がカードを引いた時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
DMR11にて登場した、アンコモンのカードです。
普通に使えば「1ターンに1回、相手が追加ドローすればさらにブーストできるよ」というだけのシステム生物というやや地味な性能……なんですが。
彼が鬼神のような強さを発揮する世界が、先日生まれてしまいました。
その世界の名は、デュエパーティ。ワイワイ感あふれる雰囲気と、極めれば殺(ト)るか殺(ト)られるかの殺伐感を演出できる異世界です。
というわけで、今回のテーマはデュエパーティ。私自身もそこまで詳しいわけではないので、現時点での情報を上っ面だけさらっていこうと思います。
あ、もっと手っ取り早く深い情報を知りたいならば弊サイトでもおなじみちゅうえい氏によるこちらのスライドもどうぞ。この記事より万倍ためになります。こっちでもこういう記事書きません?
まずは、この《 強奪者 テラフォーム 》の何が悪いのかというポイントをざっくりおさらい。
まず第一に、「対戦相手が3人いるので3倍速で誘発する」こと。
通常の対戦で5マナからこいつを出したとしましょう。相手がターン最初のドローを行わずにターンが帰って来ると、こちらのマナは6マナになっているはず。そのターンに使えるマナは(そのターンのチャージ含めて)7マナです。
ただ、対戦相手が3人いるデュエパーティだとターンが帰ってきた時点で8マナ、チャージすれば9マナまで使えるんですよね。
9マナ使えるならまあ世界を壊すことができるのは知っての通り。パートナーにすれば毎ゲーム確実に出せるのもあって、一巡生かしておくだけでだいたい勝てる生物と言えるでしょう。
「じゃあ次の人が除去すればいいじゃん!」とお思いかもしれませんが、ここで第二のポイント。「多人数戦においてピン除去という行為そのものが弱い」こと。
普通のゲームでは、相手のクリーチャー1体を手札のカード1枚で対処するのは両者が1枚ずつカードを消費する「1:1交換」として、カードアドバンテージとしてはイーブンです。
ただ、全員が対戦相手となるこのルールで同じことをやると、「1:1:0:0」交換…つまり、自分でも除去対象でもない人が相対的に得をするだけの結果になり得ます。
しかも《 強奪者 テラフォーム 》がパートナーならマナ1枚と引き換えにパートナーゾーンに戻るうえ、ターンを回した時点で1ブーストまでさせているので少なくとも使い手はカードアドバンテージ的には損をしていないわけです。
つまり《 強奪者 テラフォーム 》にピン除去を撃つ行為は、「1:0:0:0交換」。「自分以外全員が相対的に得をする」≒「自分だけが損をする行為」になってしまうわけです。
もちろんこれはカードアドバンテージダケを見た話であり全ての状況で損と言うわけではないのですが、出された側の三人が「可能な限り自分以外の誰かに処理してほしい」と考えて処理を押し付け合う…というのは容易に想像できますね。
そうして全員が押し付け合った結果、《 強奪者 テラフォーム 》が生きたままターンが帰るとですね。最後のポイント、「こいつ自身がコンボパーツになる」の時間です。
「相手がカードを引いたらブースト」ということは、逆に言えば「ブーストしたけりゃ相手にカードを引かせればいい」とも言い換えられます。つまり。
6マナ15ブースト札が、2枚積めます。
こうしてアホみたいにマナを伸ばしたら、なんかおまけみたいに増えた手札も活かしてマナを起こしたりしてゲームを終わらせるだけです。なんならどこぞのマナから使える大地と大地と大地の決断とか、サーチ搦めてもう一回15ブーストとかやってもいいですね。お疲れさまでした。
他にも「手札とマナという2大アドバンテージを稼げる水と自然のカラーリング」とか「ちょっきし5マナなので2マナか3マナのブーストが引ければ4ターン目始動可能」とか強い要素はいろいろあるんですが、おおむねこいつのヤバさは伝わったと思います。
……ただ、無条件でこいつが「最強」かというと、決してそうは言い切れなくてですね。
例えば、順当に行けば4ターン目に一人をほぼ脱落させる《 勝熱英雄モモキング 》が。
同じく、トップ次第で4ターン目超展開から全員を殴り倒す可能性すらある《 雷龍 ヴァリヴァリウス 》が。
はたまた、多色カードパワーの暴力で全員の戦意を挫きうる各種の5cパートナーたちが。
他にも多彩な「上位を食えるデッキたち」が、最強の座を求めて今日もどこかでぶつかり合っています。
正直な話をすると、行きつくところまで行ったデッキたちがぶつかったときに勝負を分けるのはおそらく相性差と構築差、そして政治力と時の運。
ビート→コンボ→コントロール→ビート…というおなじみの3すくみをベースに席順や行動順、各自の思惑が絡み合ってかなりアツいことになってくれそうです。
まあその。重要なのは、どこまで行っても「卓の全員が楽しめるか」というポイント。
少なくとも公式大会等の種目になっていないパーティゲームでガチカジュ論争をしても不毛ですので、「事前に参加者間である程度デッキのレベルをすり合わせておくこと」はおおむねゲームの満足度を上げてくれます。
「特定の強力カードはあえて使わない・逆に特定カードを解禁してデッキパワーの向上する」など、卓の全員が納得するテーブルルールなんかを設けておくのも一つの手ですね。
ともあれ、それぞれのデッキの実力が伯仲した時のこのゲームには普通のデュエマではなかなか味わえない興奮が確かに存在します。みんなもやろう、デュエパーティ!
……それはそれとして、できれば「俺たちはこれくらいのバランスを想定しているぜ!」という公式の意志表示として、何種類かの構築済みデッキが欲しいなーという感覚は1ユーザーとしてあります。どうですかねウィザーズさん?
俺だけレアレジ使っていいことにならない?
というわけで、《 強奪者 テラフォーム 》でした。
記事内でも語ったパワーレベルの概念を手っ取り早く理解してすり合わせるならば、DMEDH(デュエパーティ制定以前にプレイヤー間で遊ばれていた、近いルールの多人数戦)における楽しむためのガイドラインや、デザイン論がとっても参考になると思います。めっちゃいい文章。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。