お気持ちは相手に直接言える時だけ表明していけ(Youtubeのコメント欄とか)
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。来ましたね、起源神新規。
何がいいって、《 起源神ニュートロン 》以外で出す価値のある色の合う3マナ生物ってこれが初めてなんですよ!なんでかテキストに自己蘇生を止めるテキストが、カード名に《起源神》の文字が抜けてますが、しっかり「墓地からアトムでちゃんと出す」タイプの効果をサポートしてくれるんですよね。いやあいいカードですよね、《 起源神サガ 》。
は?アナカラーの手札捨て捨てトップめくり太郎が起源神なわけないじゃないですか。眼でも腐ったんですか?
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《騒音機装DJアフロ・スピーカー》
【 クリーチャー 】
種族 グレートメカオー / アンノイズ / 文明 水 / パワー4000 / コスト4
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーが破壊される時、グレートメカオーを1体、自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、このクリーチャーは墓地に置かれるかわりにバトルゾーンにとどまる。
DMX-11「大決戦オールスター12」で登場した、グレートメカオーですね。地味ながら未再録カードだったりします。
ゼニスやら「覇」やらで忘れがちですが、E2のブロックとしてのテーマは「種族」。《 メンデルスゾーン 》もこのパック初出と考えるとなんとなくわかって来るんじゃないでしょうか。
12種類あるそれぞれの種族がプッシュされた固定パックの内、このカードは「アツシのメカオー超ドロー戦略パック」に収録されています。トラッキングアツシ、単独でプッシュできる格のあるキャラだったんだ……。
このカードを眺めてまず目につくのが、この時期のアンノイズとの並行プッシュによって生まれたとんでもない難読ルビ。
いやその、アンノイズの命名ルールが「方言」なのはわかるんですが。「騒音」と書いて「じゃかあし」と読ませるのはさすがに無理がある気が……。
「うるさい」という意味の「やかましい」(これそのものは標準語の語彙にも存在します)が西日本の方言の発音(わりと広く見られます)と噛み合って強調された際に「じゃかあしい」に化ける……というのは、まあ説明なしでは大体わかんないんですよ。
……とはいえ、同じパックの「救急」と書いて「けっぱれ」と読ませる《 救急機装レスキュー・スペース 》よりはまだわかりやすいとは思います。
「けっぱれ」、東北や北海道方言で「頑張れ」ですからね。いや救急と関係ないんかい!
……とまあ、そんな程度の突っ込み所では連載のテーマにはなり得ないので (2000字埋められないし) 本題に入るんですが。
ちょっと上に戻って、カード画像とカードテキストを見比べてみてください。何か違和感に気付きませんか?
そう、実際に印刷されたカードとテキストが微妙に食い違ってるんですね。
というわけでこのカード、実は「未再録にも関わらずテキストエラッタが公式から発表された」というけっこう珍しい出自を持つカードなんですよ。
カードにある元テキストは、「このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにグレートメカオーを1体、自分の手札から捨ててもよい。」。
で、エラッタ後のカードテキストは「このクリーチャーが破壊される時、グレートメカオーを1枚、自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、このクリーチャーは墓地に置かれるかわりにバトルゾーンにとどまる。」です。
実運用的にはどちらも「手札からメカオー捨てたら生き残れるよ」なんですが、なぜこんな微妙なエラッタが発生したのでしょうか。
ヒントはフレーバーテキストにあります。
「サウンドシューターとDJアフロ・スピーカーの産み出すグルーヴがフロアをアツくさせる!」
これは同パックで再録された《 機械提督サウンドシューター 》とのコンボのこと。旧型マッドネスを持つ彼は、アフロ・スピーカーの効果で捨てると踏み倒せてお得……というわけですね。今でもたまにある、フレーバーによるデザイナーズコンボの示唆です。
これをやると手札がいっぱい増えて、相手の攻撃から身を守りながらパック産のメカオー/アンノウンのリーダーこと《 偽りの名 iFormulaX 》の特殊勝利に繋がるという寸法ですよ。よくできたマーケティングじゃないですか。
ではここで、両者の元テキストを見てみましょう。
「相手のターン中にこのクリーチャーが手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。」
「このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにグレートメカオーを1体、自分の手札から捨ててもよい。」
どっちも置換効果じゃねえか!!!!!
そう、テキスト通りに処理すると、デザイナーズコンボが成立しないんですよこいつら!
置換効果が連鎖しないルール処理、こんなところでも悪さをしていたとは……。
さすがにこれはまずいと思ったのか後日《 騒音機装DJアフロ・スピーカー 》に現在の形でテキストエラッタが入り、無事にこのコンボが成立するようになった……というわけです。
……とまあ、この一件からわかることは「公式は、本当にどうしようもない場合はやや強引にテキストエラッタを適用させることができる」という事実。
そんなわけで……
《 絶望神サガ 》もテキストエラッタが来るといいですね。
だって……だってですよ?10年越しに【起源神】の構築に革命を起こすカードが最速殿堂入りなんてことになったら……あんまりじゃないですか?ねえ。
「原則として特定のデッキでしか使えないパワーカード」が別の使い方で暴れて規制されるの、《 超九極 Gio / 巨大設計図 》でやったばっかりなんですけどね……。
まあその。我々にできるのは、何が起きても対応できるようにただ見守ることだけですよ。きっと。
エラッタでもないのに弱体化することもある(《星龍の記憶》とか)
というわけで、《 騒音機装DJアフロ・スピーカー 》でした。
ちなみに、同様のケースがあってもエラッタが発生するのは相当希少。
《 ザ・ユニバース・ゲート 》と《 ユニバース・ルピア 》、そして《 フェニックス・ライフ 》みたいな「体」を「枚」に変えるだけでデザイナーズコンボが正しく動くようになる時とかも、なんでかしませんでしたからね。
まあ、本来はエラッタなんて誰もやりたくないことですからね。書いてるテキストと動きに齟齬が発生するの、特にメインターゲットの子供視点ではだいぶストレスでしょうし。
「全世界のすでに刷られたカードテキストを一気に書き換える技術」とか発明されなければ、この辺の問題はTCGに一生付きまとうんでしょうね。
常々言ってるんですが、TCGっていうのは人類にはまだ早い遊びなんだと思いますよ。リチャード・ガーフィールドという天才がたまたま数十年・数百年未来の「何か」を垣間見てしまったせいで、我々はずっと苦しんでいるわけです。
……もっとも、苦しむだけの価値は十分ある物だというのも言わずもがなですが。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
おや、今回もカードがありませんね。実は2月に俺の正月休み(シフト制なので遅れてくる)が挟まる関係で、まとまった予定が立てられない状況にあります。締め切りは……前倒すしかなさそうですね。
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それでは、次の記事で。北白河でした。