ワクチン→ウイルス→データ→ワクチン…
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
私事ながら、ワクチン接種の一回目をやりました。「いやー副反応が大変で…」って言いながら締切伸ばすのを試みようとしたら、まさかの副反応ゼロで今泣きながら原稿を書いています。みなさんも今のうちにワクチナイズしておきましょう。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。それでは、今日のカードはこちら。
《「拳」の頂 デシブコ・グーチーパ》
【 クリーチャー 】
種族 アンノウン / ゼニス / スペシャルズ / 文明 ゼロ / パワー21000 / コスト11
■Q・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを4つブレイクする)
■各ターンに一度、ジャンケンで負ける時、かわりに勝ったことにしてもよい。
■このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、相手と5回ジャンケンする。そのすべてに勝てば、自分はゲームに勝つ。
■自分のクリーチャーがバトルに負ける時、相手とジャンケンしてもよい。自分が勝ったら、そのクリーチャーはそのバトルに勝つ。
■エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)
フシギダネ→ゼニガメ→ヒトカゲ→フシギダネ…
DMEX-03で登場した、スペシャルズの一角ですね。
基本的にキッズ層の公募作品から選ばれる中では明らかに年齢層の高い画風やネーミングが目立つこのカード。
なんやかんや言われてますが、元ネタの一部は懐かしのセガのアーケードゲーム「古代王者恐竜キング」だということが投稿者本人から示唆されています。
いやー懐かしいですよねこのゲーム…と言おうとしたところで、自分の頭にあるのがタイトーの「ダイノキングバトル」であることに気が付いて驚きました。なんで恐竜のジャンケンカードゲーが同じ時期に二つ出てるんだよ!
ともあれ、このカードの最大の売りとなるのがそのジャンケン能力。
特に旧枠でぽつぽつ出てきていたジャンケン効果持ちカードと比べても相当ド派手な能力は、多くのプレイヤーに再びジャンケンデッキを組ませる原動力になりました。
…ジャンケンデッキよりも【ゲイル・ヴェスパー】に4枚入れたほうがはるかに強いことが判明するまでは。
というわけで、今回はデュエマにおいて事実上唯一許されたサブゲームこと「ジャンケン」について語っていこうと思います。
艦長→駆逐→水雷→艦長…
そもそもデュエマにおけるジャンケンという行為が最初に定義されたのはいつでしょうか?
それはデュエマが始まると同時、DM-01からです。「デッキ以外のものを必要としないカードゲーム」という原則を貫くため、この時から原則としてジャンケンで決めるようになってたんですね。
カードの効果としてジャンケンが初登場したのが、DM25の《 鎧亜の凄技ジョゼ・ウィルバート 》。続くセットで《 鎧亜の魔術師グッチョッパ 》、さらに続いて《 ウルトラ・ミラクルッピー 》など、3パック連続でそこそこのレアリティにて鳴り物入りで登場しました。
彼らの共通点と言えば、どれもマジでどうしようもないアレなスペックであるという所。どれもジャンケン以外はほぼバニラ、特にグッチョッパに至っては5マナ3色使って期待値で1ドローしかできないという体たらくです。マナ払って損までするのはさすがにダメだろ!
続く戦国編で登場したのが、「JK」サイクル。別に女子高生というわけではなく、「じゃんけん」の略ですね。
「相手が特定の手を出した時に誘発する」という例を見ない能力により、デュエマにおけるジャンケンは「1/2の乱数を発生させる装置」から「心理戦のツール」へと大きく変貌を遂げました。
また、以前の反省から「負けてもデメリットが特になく、ジャンケンを行うだけでちょっとお得」(≒ジャンケンに負けたせいでゲームに負けた、というマイナスの体験を防ぐ)というデザインになっているのも特徴ですね。
ジャンケンを行えば行うほど強くなるという性質上、「勝つよりあいこにしまくって試行回数を増やしたほうがいい」という本末転倒な結果を招きがちなのはまあご愛敬ということで。
そんな戦国編のJKを統べる一枚が、《 JK神星シャバダバドゥー 》。
フェニックスの冠詞すら侵食するおふざけネーミングとは裏腹に、ジャンケン五連勝で限りなく「ゲームに勝つ」と書いてある派手な能力が売りの一枚ですね。
…とはいえ実はこのカード、ジャンケン五連勝のほうはどっちかというとフレーバー寄りなんじゃないかと思ってまして。その本質は、「毎ターンジャンケンチャンスを増やせる」というのがデザイン意図なんじゃないかと思ってます。
このカード以外のJKは「負けても相手に特定の手さえ出させればいい」という設計思想でしたが、このカードは「ジャンケンに勝つともう一度ジャンケンを行える」という方面で「ジャンケンでの勝利」を推奨するカードと言えるでしょう。
ジャンケン効果の多くの転機となったのが、《 炎舌実況DJ・ショー 》。
ジャンケンに勝つと2マナSAという破格の効果になる彼ですが、実はこのカードこそがジャンケン衰退のきっかけなんじゃないかと思ってまして。
このカード、ジャンケンに勝利することによるリターンが他と比べてちょっと大きすぎるんですよね。つまり、前述の「ジャンケンで負けたせいでゲームにも負けた」という不快感を今までで一番引き起こしちゃうカードなんですよ。
プロモ配布限定という入手性の悪さも相まってか、このあとジャンケンカードは急縮小。ハイリスクハイリターンという先祖帰りを果たした《 JK大バクチ 》以降、長いことジャンケンカードは沈黙の時を迎えることとなります。
それから長い時が経って許されたか、「特殊セットでの特例」として《 S・マネーキ 》や《 「拳」の頂 デシブコ・グーチーパ 》、《 Eのスポーツ JKスタジアム 》といったジャンケンカードが登場することとなります。
それぞれ「特定の手を出させるとボーナス」「複数回勝利で特大リターン」「負けても損しない」という方面で過去に好評だったジャンケンギミックをしっかり採用しており、開発部がちゃんと過去を見てカードを刷っていることが伺えますね。
実際これらのカードにより(強さは置いといて)ジャンケンデッキが作れるようになったのはかなり大きな収穫と言えるでしょう。
ところで、きたしーがドラゴン以外で一番嫌いなカードって何かご存じでしょうか?
名前・効果・種族に一切の関連性がないという命名規則フェチのきたしー大激怒の一枚だったんですが、今回の記事を書いてる途中に《 鎧亜の魔術師グッチョッパ 》の能力を完全に引き継いでることに気付いて晴れてトップに躍り出ました。
とりあえず、開発部はこのカードが何の意図をもって作られたかについての説明責任を果たす必要があると思います。
「詳しく語られないことそのものが面白い」っていうネタは、一発ネタじゃなくて何度かやるから面白いんですよ。具体例はちょっと古くてアレなんですが…「赤いトレーナーの女」とか「ズンドコベロンチョ」とか。
炎→風→毒→美→刃→音→石→虫→木→獣→水→雷→古→炎 …
というわけで、《 「拳」の頂 デシブコ・グーチーパ》でした。
何もなければ来週の今頃には、「全てをサバイバーに染める、サバイバーの王」についての記事が上がるはずです。お楽しみに。
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それでは、次の記事で。北白河でした。