使えるコネは全部使え
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
すっごく今更ですが、私は格安デュエマ研究所の研究員兼スカウトをしています。
先日ゆうへいパパ氏のスカウトが完了したことで、晴れてライター企画入賞者を狙い撃ちにしたスカウトの仕事が終了しました。ミッションコンプリート…!
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《極楽鳥》
【 クリーチャー 】
種族 マナ・バード / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
■飛行(このクリーチャーは、「飛行」を持たないクリーチャーから攻撃もブロックもされない)
■このクリーチャーはシールドをブレイクできない。
■このクリーチャーを、自分のマナゾーンにあり、すべての文明を持つかのようにタップしてもよい。(この能力を、出たターンに使ってもよい)
突撃!バッパラ隊
最新パックこと「パラレル・マスターズ」にて登場した、MTGコラボカードです。知ってる方には英語名の《 Birds of Paradise 》を略した「バッパラ」でおなじみですね。
「飛行」「タップで全色のマナが出る」「相手にダメージを与えられない」「レアリティはレア」など、いろんな意味で原作リスペクトが感じられるこのカード。
それにしては1マナじゃないですが…まあその、デュエマでは「2ターン目に3マナ出せちゃいけない」という不文律もあることですし。さすがに。はい。
ところで、「なんでこんな鳥がMTGの代表面してデュエマにやってきたの?」と考えておられる純粋なデュエマプレイヤーの方もいるかもしれません。
その答えはとってもシンプル。
「このカードこそが、TCG史上初の(まともな)マナ加速を行うカードだから」です。あと原作で黒城も使ってたし。
このカードの初出は1993年。この世に初めてTCGという概念が生まれたのと同時に、この鳥は産声を上げました。
マジック:ザ・ギャザリングの最初のパック(通称アルファ版)に封入されたレアカードの一枚として世に出たこの《 極楽鳥 》。 (おや、この導入はどこかで見覚えがありますね)
最軽量のカードでありながら任意の色のマナが出るというこのカードの利点は瞬く間にプレイヤーの間に広まり、あっという間にMTGの基本中の基本にして人気カードとなりました。
……まあ、対抗馬がどれもこれもぶっ壊れてたので手に入らなかったっていうのはありますが。モックスとかロータスとかね。
その便利さと強さから、いわばシャークトレードの代名詞となったり「鳥は見たら焼け」という格言や「ボルトベイト(=稲妻の餌。出されたらすぐ《 稲妻 》などのカードで除去したくなるシステムクリーチャーの意)」という俗称まで生むこととなったこのカード。
初登場から20年近くにわたって再録され続けて環境の最前線で活躍した、まさにMTGを代表する一枚と言えるでしょう。
そんなこのカードですが、実は開発当初は収録される予定がなく全くの偶然によって生まれたことが知られています。
というわけで、ここからはMTG開発当時のお話。
ある程度開発が進んだ後、ウィザーズ社のスタッフは《 Volcanic Island 》(北白河私訳:火山島)という土地カードのイラストを、イラストレーターのMark Poole氏に発注しました。
おそらく、その名の通り「海に浮かぶ火山の島を描いてくれ」程度の発注だったのでしょうね。
そして、実際に上がってきたのがこちらのイラスト。
「いやこれ絶対島より鳥のほうが目立ってるだろ!」
という当然のツッコミを受け、このイラストはあえなく土地のイラストとしては没になりました。
のちに別の絵師に依頼された決定稿のイラストがこちらです。
……しかし、転んでもただでは起きないのがウィザーズ社。
「でも逆に考えれば鳥のイラストとしては完璧じゃん!」と考えたのか、なんと開発部はこのイラストのイメージを元に新たなカードをデザインするという行動に出てしまいました。
今のように商業としてかっちり印刷枠やデザインが決まっている状態ではまずありえないムーブですが、これについては「大らかな時代だった」としか言いようがないですね。
その結果生まれたのが、《 極楽鳥 》です。
つまりこのカードは「イラスト発注の伝達ミスが発生していなければ生まれなかったカード」なわけです。
そんな偶然生まれた一枚が約30年の時を経てデュエマにやってきた……そう考えると、歴史の数奇さみたいなものも感じられるのではないでしょうか?
未だに甲鱗のワームネタを擦ってる人に対して俺が向ける視線の温度
というわけで、《 極楽鳥 》でした。
余談ですが、あちらではマナを出す効果は召喚酔いの影響を受けます。
デュエマではなぜか出たターンにすぐにマナを出せるんですが……これ、《 ベイ B ジャック 》の反省とかしなかったんでしょうか?
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。