【開発部セレクションデッキ発売記念】スーパーデッキ、その輝ける歴史

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【開発部セレクションデッキ発売記念】スーパーデッキ、その輝ける歴史

開発部セレクションデッキ『火水覇道』『水闇魔導具』発売!

セレクションデッキは、「超豪華な再録カードで構成された、銀枠カードのデッキ」。

その仕様から、往年のスーパーデッキを連想した古参プレイヤーも多いのではないでしょうか。

本記事では、そんなスーパーデッキの栄光の歴史と、もたらされたものを紐解いてまいります。

当時を知るプレイヤーのみなさまもそうでない方も、最後までお付き合いいただければ幸いです。

※本記事内の商品画像は、デュエル・マスターズ公式サイトより引用いたしました。

目次

衝撃の『スーパーデッキ・ゼロ』

最初に『スーパーデッキ』という名前の商品が世に出たのは、デュエマ6年目の極神編。『ヘブン・オブ・ドラゴン』『バイオレンス・エンジェル』の2製品が発売されました。

「40枚すべてがフォイル仕様」「スーパーレアや強力レアを惜しみなく再録」「収録カードをこれでもかと見せる円盤パッケージ」という凄まじい仕様に、業界に激震が走りました。

初報は忘れもしない2007年の初夏、おもちゃショーの業者日。

当日、筆者も業界関係者として招待されたのですが、展示ブースを見終えた来場者が揃って「今年のデュエル・マスターズは一味違うぞ……!」という反応をしていたのは忘れられません。筆者は一デュエマファンとして後方腕組み彼氏面をしていました。何様だ。

後方腕組み彼氏面

当時の商品案内でもスーパーデッキを強烈にプッシュしており、

  • 「今からでも勝てる!」マーケティング
  • 複雑化し、今からやっても勝てないと思っている人・またやりたいと思った人がすぐ追いつけるように!
  • スーパーデッキで今からでも勝てる!

……と、新規・復帰ユーザーへのアプローチが繰り返し伝えられました。

これだけスーパーデッキと「今から」を推すのは当然ながら理由があります。

当時デュエマは新規ユーザーの獲得に苦戦しており、特に不死鳥編での施策がことごとく裏目に出ていました

(突っ込んだ話は過去の記事をご参照いただければ幸いです……っていうかこの時代の話題ぜんぶ僕が担当してんな)

もちろん、熱心なプレイヤーたちは当時もまだまだ存在しました。

けれど、コアユーザーが残っていても、新規プレイヤーが入ってこなければデュエマは先細ってしまう

そんな状況を打破するべく生まれたのが、スーパーデッキだったのです。このあたり、現代のセレクションデッキにも通じるものがありますね。

(厳密には「今からでも勝てる」という触れ込みの構築済は不死鳥編末期の『エッジ・オブ・ドラゴン』が最初でした。この商品もヒットしたため、メーカー側に「強い構築済」の効果を印象付けたのだと思われます)

初代スーパーデッキに収録された新規カードは《神門の精霊エールフリート》のみ。

新規カードは少なめで、絶版となっていたカードや4枚集めるのが大変だった優良レアを再録することで、プレイヤー間の資産格差を大きく埋めました。

当時としては高額だった税抜き1,900円という定価も、今思えば物凄くオトクですね。

さらに、スーパーデッキ同士(改造は10枚まで)で対戦するイベント『スーパーデッキ・ゼロ・デュエル』を全国の公認店で開催。スーパーデッキの強さを実際に使いながら体験できる機会となりました。

……と、新規プレイヤーに嬉しい製品だったスーパーデッキですが、既存プレイヤー(と、シングルカード販売店)にとっての大きな発明は銀枠ではないでしょうか。

明らかに従来のカードとは違う銀枠での印刷は、「俺がせっかく集めたスーパーレアがまとめて再録されるなんて……」という不満をうまく和らげたといえます。

……惜しむらくは、めちゃくちゃ反ることなんですけどね……

特に初代スーパーデッキは、ナナメに走るパターンで収縮の度合いにクセがあるのか、微妙に不均一な反り方をします……

試しにドキンダムを封印してみたら
めっちゃ浮いた

ともあれ、この豪華製品は予想通り……いや予想以上のヒットとなり、初回出荷分はあっという間に品薄に。再販分も飛ぶように売れ、デュエマの復活をもたらします。

続けて発売されたスーパーデッキ・ゼロ第2弾『キャッスル・オブ・デーモン』『ビクトリー・ソウル』でも、絶版となっていた人気カードが多数再録。

……ここで《母なる大地》を4枚収録してしまったばっかりに殿堂入りが遅れた可能性は高いので、これについては再録の豪華さが裏目に出た感もありますが……

さらに5つ目となる『ヘヴィ・デス・メタル』では、新規カードを大量収録。再録ではなく、新規カードの性能の高さで戦うデッキとなりました。

ここから、ちょっと路線が変わり始めた印象ですね。

革新の『スーパーデッキ・クロス』

鮮烈なデビューを果たしたスーパーデッキシリーズは、あっという間にデュエマになくてはならない主力商品となりました。

ここからは時代を下りながら、駆け足で俯瞰していきましょう。

まずは初代スーパーデッキの次年度。戦国編では『スーパーデッキ・クロス』が発売となります。

わずか2年目にして大改革。「銀を越えるなら金しかない!(本当に当時の商品案内もそんな感じだった)」と、すべてのカードが金枠となりました。

また、上に例示した3枚のイラストをよーくご覧いただくと分かるのですが、全カードが巨大な1枚絵から切り出したものになっています。個々のカードも全面イラスト仕様になっていますね。

この年に発売されたデッキは全部で4種。

特に後半の『BATTLE of YAMATO魂』『Arcadias騎士団』は、デッキの約半数のカードが新規カードとなっています。

同年のメインテーマであったサムライ・ナイトの追加セットという側面が強くなりました。

一方で、再録カードは1~2枚収録のものが多くなり、インフラとしての役割は薄まります。

こうして、スーパーデッキは少しずつ「人気デッキを君も使ってみよう!」という当初のコンセプトから「大量の強い新規カード!再録もあるよ」といった風合いが強く出るようになっていきます。

なお今回もめっちゃ反ります。しかもカードによって?ロットによって?反る方向が違うという困った仕様……

こんだけ丸まってるなら無月の門が開くと思ったけど無理でした。

『スーパーデッキ・サーガ』そして『ショック』

神化編では、円盤パッケージに銀枠カード、という先祖返りを果たした『スーパーデッキ・サーガ』シリーズが展開されました。

おそらく……というかほぼ確実に、金枠は視認性が悪すぎたのでしょうね。目立つパッケージの形状ともども、初代スーパーデッキの優秀さが際立ちます。

なお、この先の銀枠スーパーデッキは、目玉クリーチャーをイメージしたカスタムホイルが施されるようになります。

内容としては、『ザ・サムライ・レジェンド』の方が《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》と【マルコビート】のハイブリッド。

もう1つの『ザ・ゴッド・キングダム』は【ゼンアク】に《剛撃戦攻ドルゲーザ》《蒼狼の始祖アマテラス》といった汎用カードをタッチした構築。

……正直なところ、ちょっとコンセプトの迷走が出てきたかなーというのがこの時代です。

続く『マッド・ロック・チェスター』は、ザキラの3体神を軸としたデッキでした。

この商品展開も、初代の成功をなぞりたい意図が感じられますね。

……何も「左のやつが単体で悪さする」という点までなぞらなくても良かったんですが……

その翌年には『スーパーデッキ・ショック ウルトラ・NEX』『ルナティック・ゴッド』が発売。

初めてサイキック・クリーチャーが収録された構築済みデッキとなりました。

また、《凰翔竜機バルキリー・ルピア》《アクア・メルゲ》の元ネタにあたる《電脳妖魔メルゲイナー》の初出がここです。

そして、この2つのデッキをもって、スーパーデッキの歴史は一度途切れることとなります。

毎年続けたことで特別感を欠いたこともあったのでしょう。再録の場、インフラとしての役割を果たさなくなったことも理由かもしれません。

ともあれ、主人公が勝太に交代となるこのタイミングで、新たなスーパーデッキの発売は途絶えました。

復活の『スーパーデッキMAX』『OMG』

時は巡り、エピソード3。

2年間の沈黙を破り、スーパーデッキは蘇りました。

『スーパーデッキMAX カツキングと伝説の秘宝』『スーパーデッキOMG 逆襲のイズモと聖邪神の秘宝』です。

パッケージからも「スーパーデッキの復活じゃ!」と言わんばかりの初代リスペクトが感じられますね。

特に『カツキングと伝説の秘宝』は、お世辞にも強いとは言えなかったドロン・ゴーを強く使える構成かつ、《永遠のリュウセイ・カイザー》《ボルバルザーク・エクス》といった人気のスーパーレアが収録された良デッキ。

これもちょっと時代背景に触れておきましょう。

エピソードシリーズ以降、上位レアや一部実用カードについて、一定期間の再録を制限する『DASHゴールデンリスト』が制定されていました。

それに加えて、黎明期と比べ「ロマンではなく、ちゃんと強い上位レア」が増えたことで、一部シングルカードは高額化が進んでいたのです。

こうした背景から、優秀な再録は大いに喜ばれました。

……あと単純に、エピソード3の初動時点でドロン・ゴーの評判が芳しくなかったことで、テコ入れ商品が企画された面もあるかもしれません。

何にせよ、復活を遂げたスーパーデッキはこの翌年、シリーズ最強クラスのデッキを生み出します。

……え?イズモの方……?ゴッド・ノヴァ自体がちょっと厳しかったので……

龍解、『スーパーVデッキ』

続くドラゴン・サーガ。

『スーパーVデッキ』と名前を変え、『燃えよ龍剣ガイアール』『滅びの龍刃ディアボロス』の2デッキが発売されます。

ドラゴン・サーガの単色推しテーマに合わせて、初の単色でのスーパーデッキとなりました。

大きな特徴は、その名の通りビクトリーレアの収録。

特に、エピソード1で鮮烈なデビューを飾って以降、長きに渡って高額レアであった《ガイアール・カイザー》の再録は衝撃でした。

その他のサイキック・クリーチャーや超次元呪文も充実しており、久々に「カード資産格差を埋める」というスーパーデッキ当初の役割を果たしたデッキと言えるでしょう。

……しかし、ドラゴン・サーガ真の切り札と呼ぶべきデッキは、続いて発売された『勝利の将龍剣ガイオウバーン』に他なりません。

《勝利宣言 鬼丸「覇」》、《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》の構成パーツ、いわゆる”勝利サイクル”が一斉に再録。

当時絶版となっていた《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》《無双竜鬼ミツルギブースト》といった面々も収録されました。

これらが「ついでに再録」ではなく、きちんとデッキを強くする役割を果たしているのも嬉しいですね。

その圧倒的なカードパワーゆえ、ドラゴン・サーガ限定構築で行われたこの年の全国予選の環境を定義したデッキでもあります。

筆者は毎試合、ちまちま稼いだアドバンテージを《勝利宣言 鬼丸「覇」》でひっくり返されて心が折れました……ひっくり返したれやぁ!じゃないんだよ!!!

あとこの『勝利の将龍剣ガイオウバーン』、予定されていた再販が立ち消えてしまったのが本当に惜しいところです……それこそインフラとしての役割を果たしうる商品でしたからね。

こうして、スーパーデッキの歴史は再び休眠期間に入ります。

この後しばらくは、似たポジションにクロニクルデッキが収まることになりますね。

新たなる革命『レジェンドスーパーデッキ』

ドラゴン・サーガを最後に姿を消したスーパーデッキですが、名を変え姿を変え、十王篇の末期に再び蘇りました。

これは覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんね。『蒼龍革命』です。

スーパーデッキという名前はついているものの、シックなデザインのパッケージや非常に高額な価格設定など、コアユーザー向けのハイエンド製品といった趣が強くなっています。

発売以降、【ノヴァ】系列のデッキが環境の最前線を駆け抜けたことはご存知の通り。「十王篇で一番強いチームはハムカツ団」などという笑えない冗談も聞かれました。嘘。筆者が一人で言ってただけかもしれません。

翌年にはシリーズ2弾にあたる『神歌繚乱』が発売されたことも記憶に新しいですね。

これらレジェンドスーパーデッキ。

完成度が高く、間違いなく優れたデッキと言えるでしょう。

しかしながら、やっぱり税込価格が8000円オーバーとなると、ある程度熱心なプレイヤーでなければ手に取りづらいのも事実。

(というかヘビーユーザーも、もうちょい安ければ2つ3つと買うんじゃないですかね……)

そこで新たに生まれたスーパーデッキを継ぐもの――それが開発部セレクションデッキなのでしょう。

おわりに

今回は趣向を変えて、スーパーデッキの歴史についてご紹介してまいりました。

あくまでスーパーデッキの名を冠した製品だけに絞ってのご紹介でしたが、スーパーデッキの影響を受けたと思われるエントリーデッキやスタートデッキ、クロニクルデッキについてもどこかの機会でまとめてみたいですね。

……という機会が巡ってくるかどうかは読者の皆様の反応次第ですので、ぜひご意見ご感想、はたまた拡散などなど、いただければ幸甚に存じます。

それではひとまず、今回はこのあたりで! 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スーパーデッキ関連の記事はこちら!


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