【意外と知らない】カバレージライターって、何をやってるの?

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【意外と知らない】カバレージライターって、何をやってるの?

はじめに

 4/25より、デュエル・マスターズ公式サイトにて先日のGP2024-1stのテキストカバレージの公開がスタートしています!

 動画で見たあの熱戦や、配信の裏で繰り広げられてきた激戦がテキストで楽しめる……とあれば、読まない手はありませんね!読みましょう!読め!

 私の書いたアドバンスのメタゲームブレイクダウンも無事公開され、公開された後に誤字に気付いてタカラトミーのスタッフさんに土下座して修正してもらったりしました。

 ところで、この手のカバレージを書いているカバレージライターって、何をやってるかご存じですか?まさか配信卓の向こう側でもぞもぞしてるだけが仕事だと思ってませんよね?

 ……というわけで、今回はカバレージライターの業務について、現役カバレージライターの私こと北白河が(守秘義務にひっかかって怒られない範囲で)大公開していこうと思います!

 あ、神結さんが以前執筆していたカバレージについての記事もぜひチェックお願いしますね。

守秘義務に引っかかる話ってあるの?

終わった後の飲み会で死ぬほど発生します

カバレージライターのスケジュールのサンプル

 詳しい話はある程度置いといて、まずは「イベント前後にカバレージライターが何をしているか」をざっくり時系列順にまとめていきましょうか。

 なお、今回のスケジュールサンプルは今まで私がカバレージで参加してきたイベントの最大公約数的な「仮想の大型イベント」を仮定しています。いやその、今回はちょっとスケジュールが特殊でして……はい。

二日間カバレージ参加はさすがに想定外

大会1-2か月前 オファー

 大型大会が近付いてくると、タカラトミーさんから「次のイベントでカバレージ執筆を依頼したいです」という旨のメール(と、それに付随する書類的なもの)が届きます。

 これにOKの返事(と、書類)を返すと、次のイベントでカバレージを書くことになります。普通はそりゃOKを出すはずなんですが……一回だけ、自分以外のベルカードチーム全員がそのイベントに出ることが決まっており、泣く泣くごめんなさいしたことがあります。

 なお、この苦い経験がきっかけとなり様々な交渉があった結果、先日のベルカードチーム全員欠勤が成し遂げられたと言います。何でもやってみるもんだ。

イベント前日 移動・宿泊

 そりゃカバレージライターにも移動は必要です。翌日朝から晩まで稼働することになるので、公式が用意したホテルに前日入りするのが基本になりますね。

 原則として宿泊は会場近くのビジネスホテルになるんですが、これが旅行みたいでけっこう楽しいんですよね。どんな所に泊まるのか、近くに何があるのかとか考えながら毎回向かいます。

7:30 集合・移動・ライターミーティング

 当日朝になると、ホテルのロビーに集合。ライター陣の顔合わせののち、歩きかタクシーで会場まで移動します。この際にライター用の軽食や飲み物なども持ち運ぶことになるので、運ぶ役目を名乗り出ると喜ばれます。

 カバレージライターを示す身分証をもらって会場入りしたら、ライターズミーティング。

 カバレージチームのリーダー、主任Kこと川崎さんを中心にしてスケジュールを確認したり、何回戦目のカバレージを誰が担当するかなどを決めていきます。

 メタゲームブレイクダウンやインタビューなどを含めて、おおむね一人2-3個のタスクが割り振られることになりますね。

 全ての予定が確定したら、その時に川崎さんがハマっているなんらかの掛け声(例えばTAROMANが流行ってるときは「芸術は爆発だ!」でした)を全員で掛け合って締めます。

ちなみに今回は「オレたちは強い!」でした

9:00 会場の偵察

 イベント開始後、自分の担当するラウンドが来るまでは休憩……というわけではなく、多くのライターは偵察に向かいます。

 例えば「見た感じどんなデッキが多いか」「有名プレイヤーは何を持ち込んでいるか」「こんなヤバいデッキがあった」……など、カバレージ執筆や後のフィーチャーマッチ選定に役立つ情報は山盛り。

 特にプレイヤー事情に詳しいライターさんがいると、「○○選手がこんなデッキ使ってました!」という情報がいち早く共有されてとっても助かりますね。自分もやりたいんですが、人の顔と名前を覚えるのが苦手過ぎて毎回頭がパンクしています。

11:00 予選フィーチャーマッチ

 川崎さんから「次のラウンドのフィーチャーマッチは○○さんVS○○さん」と指示があったら、フィーチャーテーブルに向かいます。

 おおむねその時点での情報で一定の取れ高がある組み合わせ(有名プレイヤーや、独自性あるデッキを持ち込んだ人が絡む組み合わせ)がフィーチャーマッチになるイメージですね。

 で、実際の対戦中にライターがやってることは(もちろん人によるんですが)「棋譜の記録」「プレイヤーの表情・発言などのメモ」。少なくとも自分は、試合中はひたすらこれを記録し続けていることが多いですね。おおむね前者を骨組みに、後者を上手く絡めていくと臨場感のあるカバレージが書けるとされています。

 これに加え、時間に余裕があるときは試合終了後にプレイヤーに「なんでこのデッキを選んだか」「あのプレイングの真意は」みたいな質問をすることもありますね。これができるのは、配信にはできないポイントです。

12:00 昼食、執筆

 フィーチャー席から帰ってきたらどちらが勝ったかを報告しつつ、先ほどのフィーチャーマッチの記録をもとに執筆開始。

  昼食(ケータリングのお弁当。毎回やたら美味しい)を食べながら、先ほどのメモをもとに文章に起こしていきます。

 ちなみに私は、予選カバレージを午後にある本戦カバレージより前に完成させて納品することを個人的な目標にしています。これができると、先ほど言ってた「偵察」の時間ができるんですよね。

偵察はやり得

15:00 本戦デッキチェック

 本戦参加選手が決まると、各選手のデッキリストがフィーチャー席に運ばれてきます。

 メタゲームブレイクダウン担当のライターがこれを記録・整理し、デッキタイプごとにカウントして速報を作るわけですね。これをもとに、本戦のフィーチャーマッチ候補が決まっていったりもします。

 ここでとんでもないデッキが生き残ってくると、ライター間でめちゃくちゃ話題になります。そういうデッキの使い手がフィーチャーマッチ担当になると、担当するカバレージライターはウッキウキになると言われていますね(デカい取れ高が確定しているから)。

17:00 本戦フィーチャーマッチ

 予選があるなら、当然本戦もありますね。

 おおむねやることは予選と同じなのですが、準々決勝以降は二本先取になるので集中する時間が長くなって考えることも増えます。「あとでどう文章にするか」を考えないといけませんしね。

 ここまで上がってきたプレイヤーには何らかのドラマが必ずあるはずですので、そこを掘り下げられるような要素を入れて……とか考えていると、重要なプレイを見落として慌てて棋譜取りに戻ったりします。

 あとまあ、ここまで来たプレイヤーって当然めちゃくちゃプレイやデッキ構築が上手いんですよ。必然的にとんでもなくアツい激戦になる可能性も高く、それを至近距離で観られるのは一プレイヤーとしてもめちゃくちゃ幸せなことだと思ってます。

20:00 夕食・決勝戦

 このへんの時間にはだいたいみんな執筆を行っている(あるいは夕食としてお弁当を食べている)のですが、決勝が近付いてくると執筆を中断して生放送を見守るライターさんも多いです。

 この時ばかりは熟練のライターたちもデュエマファンの顔になり、「ウオオ行け!捲れ!」とか「これこのまま勝っちゃうんじゃない?」とか言いながら応援や観戦をするのが常。たまにフィーチャー席からデカい声が聞こえてきて生放送のネタバレになることもありますが、まあご愛敬です。

 個人的には、ここがカバレージライターやってて一番好きな時間です。めちゃくちゃ豪華なライターさんのメンツと、一丸になって大会を楽しめますからね。

21:00 閉会・打ち上げ・解散

 決勝が終わり、優勝者インタビューが終わったらライター陣も撤収。おおむねその後は(予定がある人を除き)打ち上げの飲み会に向かいます。

 飲み会の内容としてはまあ皆さんが想像するものを考えてもらえばそれでだいたい一致するんですが、開発中の裏話やみんなが憧れるライターさんたちの思わぬ本性が知れたりしてとっても有意義です。

 これはマジで大人として守秘義務にしておく必要性を感じていますので、覚えている範囲で墓場まで持っていきます。リアニメイトしても無駄です。

0:00 極限大発狂執筆タイム・納品

 ここからは、疲労と睡魔とカフェインが激闘を繰り広げながら残った執筆を行う、いわばサドンデスタイムとなります。文章が完成するか俺が死ぬまで続きます。

 これについては、誰が言ったか「明日の自分をタップしてハイパーモードになる作業」。このコストについては個人差があるんですが、「明日の自分は戦闘に参加できない」という認識は共通のようです。

 ここについては毎回何をやったかとか全然覚えてないんですが、とりあえず毎回非常に苦しかったことだけは覚えていることをお伝えしておきます。

冗談抜きでこんな感じになっていることも多い

 カバレージは鮮度が重要。それに伴って締め切りもけっこう早いので、可能な限り寝る前に終わらせてしまうのがカギになります。

 家が近いライターさんは「家に帰ってから執筆する」という手があるんですが、三重県とかいうどこに行くにも中途半端に遠い場所に住んでいる私がそれをやるとおおむね時間が無くなります。こうして、人間性を捨てた執筆が必要になるわけですね。

 重要なポイントとして、「記事が完成してもそこで納品せずにいったん寝る」というものがあります。朝起きて自分の文章にドン引きしてきっちり修正を行ってから納品すると、何かと予後がいいです。

イベント翌日~ 帰宅・リハビリ

 全ての記事を納品したら帰宅……なんですが、極限大発狂執筆タイムの時間に応じて肉体には深刻なダメージが発生しています。

 現地で美味しいものを食べるなり、温泉やスーパー銭湯に浸かるなどして肉体を労わり、日常復帰のためにリハビリしていきましょう。

 これを念入りにやっておかないと、翌日のベルカードやガチまとめの業務に支障が出ます。すでに何度か支障を出しているので間違いありません。

関東圏のイベントが多いので、「東京ならここに行く」というお気に入りスパ銭を探しておくのが手

 ちなみに、この後に報酬に関するやり取りや書類の作成なんかもあるんですが、ここでは割愛します。これを早く確実に行うことが、ライターの義務です(特大のブーメランに身を貫かれながら)。

どうやったらカバレージライターになれるの?

 これについては本当に謎に包まれています

 当の自分も、Twitterで「カバレージ書きてえ」って言ってたら突然川崎さんからDM飛んできて「カバレージ書かない?」って言われたのがきっかけですからね……。

 他にも、「別のところで記事書いてたら声がかかった」「プレイヤーとして活躍してたら声がかかった」「自分から書かせてくれと売り込んだ」みたいなパターンもちらほら声を聴きますね。マジで人の数だけ物語があるんだと思ってます。

 とりあえず、重要なのは「公式の人は意外とこっちを見ている」ということ。「もっとライターが欲しい」的な発言は各所から聞きますので、向こうも常に仕事を任せられる人を探しているのでしょう。

 ブログやnoteなどの媒体で文章媒体での発信を行い(ここでカバレージ執筆の練習をしておくとなお良しです)、そのうえである程度日頃の発言に気を付けていれば誰にでもチャンスはあるんじゃないでしょうか。

 まずは「最低限人に見られて困る発言をしないようにしながら」「文章を自分から発信していく」ことを続けるのがカギになると思います。「公式が声をかけたくなるようなライター」に、自分からなっていきましょう。

今回のまとめ

  • カバレージライターの仕事は、大変だけど楽しい!
  • カバレージライターになりたいなら、言動に気を付けつつ発信を続けよう!
  • 川崎さんいつもごめんなさい
  • タカラトミーの後藤さん本っっっっ当にいつもごめんなさい

今後もガチまとめではホットな話題を取り上げていきますので、ぜひ 公式X(旧Twitter) のフォローをよろしくお願いします!

次に名勝負のカバレージを書くのは、君かもしれない!

なんでこっち見て言うんですか


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