目次
はじめに
この記事に興味を持っていただいてありがとう。私はターンUというものである。前回はクローラーデッキについてのあれこれを書かせていただいた。
さて、皆さんはこの世界を滅ぼしたいと思ったことはないだろうか？
突然の狂気的な質問。あまりの驚きに「何言ってんだコイツ、付き合ってられないぜ」と思ってブラウザバックしようとしたそこのあなた。少し待ってほしい。某RPGのラスボスも「滅びこそ 我が喜び。死にゆく者こそ 美しい」と言っていたではないか。そう、全ての人間には多かれ少なかれ、『世界滅ぼしたい願望』が存在するのだ。
そんな人類の皆様に、是非オススメしたいカードがある。それがこれだ。
リンク・効果モンスター
リンク３/闇属性/サイバース族/攻3500 【リンクマーカー：左/右/下】
レベル５以上のモンスター３体
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。 このカードはリンク素材にできない。 (1)：リンク召喚したこのカードは他のモンスターの効果を受けない。 (2)：種族と属性が異なるモンスター３体を素材としてこのカードがリンク召喚されている場合、 自分メインフェイズに発動できる。 このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。 (3)：相手がＥＸデッキからモンスターを特殊召喚した場合に発動できる。 デッキから「星遺物」モンスター１体を特殊召喚する。
いかがだろうか？ 男の子ならば「使いこなしてみたい！」となる非常にロマンあふれるカードだと理解していただけたと思う。こんなカードが存在するならばもう世界の一つや二つ滅ぼしちゃってもいいかな、とすら思う。
今回はこのカードの性能を極限まで引き出すことの出来る（であろう）デッキを考案したため、皆さんに紹介していきたい。
そもそも星神ってなあに？
効果やギミックの説明に入る前に、この《星神器デミウルギア》の背景ストーリーについて軽く解説しておきたい。
効果モンスター
星９/闇属性/天使族/攻2100/守2100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。 (1)：フィールドのリンクモンスターのリンクマーカーの合計が８以上の場合に発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 この効果は相手ターンでも発動できる。 (2)：相手フィールドのリンクモンスターの数が自分フィールドのリンクモンスターより多い状態で、 このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。 フィールドのリンクモンスターを全て墓地へ送る。 (3)：自分フィールドのレベル９モンスターは効果では破壊されない。
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。 (1)：自分の手札・墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、 「星遺物」モンスター１体を除外し、 フィールドのリンクモンスター１体を対象として発動できる。 そのモンスターの攻撃力は除外したモンスターの元々の攻撃力分アップする。 (2)：このカードが墓地に存在する状態で、 自分フィールドのリンクモンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合、 このカードを除外して発動できる。 自分の墓地からサイバース族リンクモンスター１体を選んで特殊召喚する。
この《星神器デミウルギア》は《夢幻転星イドリース》が《オルフェゴール・ロンギルス》に倒された直後（もしくはその前後）に登場した存在であり、その登場時には《星遺物の齎す崩界》でも示されている通り世界を滅ぼさんとするほどの波動が発生している。その様子は（２）のフィールドのカード全てを破壊するという豪快な効果で再現されている。
また、このモンスターは球体の周りを円弧が浮遊しているという奇妙な姿をしていが、特筆すべきはその円弧に描かれている模様である。ある程度遊戯王歴が長い諸兄はお気づきかもしれないが、明らかにクリフォートの意匠が見受けられる。つまり《星神器デミウルギア》の星神、とは《創星神 tierra》に関係のある何か、ということをうかがい知ることができるのである。このあたりの考察をするのも非常に楽しいので気になった方は調べてみるといいかもしれない。もしまた記事を書く機会があれば私が書くかもしれないのでそのときはよろしく（露骨な宣伝）。
効果のほうも説明しておきたい。
まずモンスター効果を一切受け付けない耐性。神に対しては他の有象無象など無意味なのである。相手のモンスターだけでなく、自分のモンスターの効果も受け付けないので注意が必要である。
次に、リンク素材の属性と種族がそれぞれバラバラだった場合に、自身以外のカード全てを破壊するという効果である。この効果はまさに世界を滅ぼさんとする神の波動を再現した効果であり、今回のデッキではこの効果を発動できる《星神器デミウルギア》を出すことを主軸においている。
最後は、相手がEXデッキからモンスターを特殊召喚した場合に、デッキから「星遺物」モンスターを特殊召喚する効果である。「星遺物」モンスターの中にはEXデッキから出てきたモンスターを墓地に送る《星遺物―『星杯』》や、EXモンスターの効果を無効にして破壊する《星遺物―『星冠』》など、EXデッキメタの効果を持つモンスターが多くいるため、相手の動きを妨害することが期待できる。
サンプルデッキ
メインデッキ ｘ 42枚
星遺物の守護竜メロダーク ｘ 2枚
夢幻転星イドリース ｘ 1枚
機怪神エクスクローラー ｘ 1枚
星遺物－『星杖』 ｘ 1枚
亡龍の戦慄－デストルドー ｘ 2枚
星遺物－『星鎧』 ｘ 1枚
星遺物－『星冠』 ｘ 3枚
星遺物－『星杯』 ｘ 2枚
守護竜ユスティア ｘ 2枚
スクラップ・リサイクラー ｘ 3枚
ドラコネット ｘ 3枚
幻獣機オライオン ｘ 3枚
水竜星－ビシキ ｘ 1枚
星杯の妖精リース ｘ 1枚
星杯の守護竜 ｘ 3枚
ジェット・シンクロン ｘ 1枚
星遺物の胎導 ｘ 1枚
星遺物の守護竜 ｘ 1枚
星遺物を継ぐもの ｘ 1枚
竜星の九支 ｘ 1枚
灰流うらら ｘ 2枚
増殖するG ｘ 3枚
墓穴の指名者 ｘ 3枚
エクストラデッキ ｘ 15枚
星神器デミウルギア ｘ 2枚
真竜皇V.F.D. ｘ 1枚
星杯の神子イヴ ｘ 1枚
星杯剣士アウラム ｘ 1枚
星杯竜イムドゥーク ｘ 1枚
トロイメア・フェニックス ｘ 1枚
トロイメア・マーメイド ｘ 1枚
トロイメア・ユニコーン ｘ 1枚
リンクリボー ｘ 1枚
転生炎獣アルミラージ ｘ 1枚
氷獄龍 トリシューラ ｘ 1枚
水晶機巧－ハリファイバー ｘ 1枚
武力の軍奏 ｘ 1枚
源竜星－ボウテンコウ ｘ 1枚
こちらが今回私が制作したデッキである。できるだけ枠を少なく抑え、手札誘発と墓穴の指名者を採用した。
最終盤面としては、「《星杯剣士アウラム》＋（２）の使える《星神器デミウルギア》＋《水竜星－ビシキ》＋《竜星の九支》（これにプラスして手札次第で《真竜皇V.F.D.》）」というのを目標に展開する。
正直、デッキの画像だけ見せられてもいったいこのデッキがどのように展開するかわからない人がほとんどであろう。そのため、各カードの解説を行っていきたいと思う。
神を呼び覚ます星杯の力
効果モンスター
星３/闇属性/サイバース族/攻1400/守1200
(1)：このカードが召喚に成功した時に発動できる。 手札・デッキからレベル２以下の通常モンスター１体を守備表示で特殊召喚する。
まず初めにすべての基本となる《ドラコネット》一枚初動の展開方法から説明したい。《星神器デミウルギア》で検索するとより詳しい展開が見つかると思うので、簡単にで失礼させていただく。
- 《ドラコネット》を召喚、《守護竜ユスティア》をｓｓ
- 《星杯の神子イヴ》をシンクロ、《星遺物の守護竜》をサーチ、《守護竜ユスティア》を蘇生
- 《水晶機巧―ハリファイバー》をリンクし、《星杯の妖精リース》と《守護竜ユスティア》をｓｓ、《星遺物―『星杯』》をサーチ
- 《星杯の守護竜イムドゥーク》をリンク、《星遺物―『星杯』》を召喚
- 《星杯剣士アウラム》をリンク、《星杯の守護竜》を２体ｓｓ、《星遺物―『星杯』》を蘇生
- 《守護竜ユスティア》を蘇生、《武力の軍奏》をシンクロして《星杯の神子イヴ》を蘇生
- 《源竜星－ボウテンコウ》をシンクロ、《竜星の九支》をサーチして《星神器デミウルギア》をリンク、《水竜星－ビシキ》をｓｓ
この展開を見ていただければわかると思うが、《星杯の神子イヴ》を素材に《水晶機巧―ハリファイバー》をリンク召喚すれば３から《星神器デミウルギア》と《竜星の九支》を構えることができる。つまり、「イヴ型オルフェゴール」の《スクラップ・リサイクラー》と《幻獣機オライオン》のギミックが流用できるのである。
効果モンスター
星６/闇属性/機械族/攻2000/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は１ターンに１度しかできず、 (3)の効果は１ターンに１度しか使用できない。 (1)：このカードはリンクモンスターのリンク先となる 自分フィールドに手札から守備表示で特殊召喚できる。 (2)：ＥＸデッキから特殊召喚されたフィールドのモンスターが効果を発動した時、 このカードをリリースして発動できる。 その発動を無効にし破壊する。 (3)：通常召喚したこのカードがリリースされた場合に発動できる。 デッキから「星遺物」魔法・罠カード１枚を手札に加える。
効果モンスター
星７/闇属性/機械族/攻2500/守2500
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。 (1)：モンスターが反転召喚に成功した時に発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2)：このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。 デッキから「星遺物」カード１枚を手札に加える。 (3)：通常召喚したこのカードが存在する場合、 ＥＸデッキから特殊召喚された相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。 そのモンスターとこのカードを持ち主の手札に戻す。 この効果は相手ターンでも発動できる。
「イヴ型オルフェゴール」ギミックの利点は他にも、《星杯の神子イヴ》でサーチする「星遺物」カードを好きなものにできるという点がある。《星遺物の胎導》をサーチすれば、《真竜皇V.F.D.》を出すための条件の一つが整うし、《星遺物―『星冠』》をサーチすれば相手ターンでの妨害が増える。また、《スクラップ・リサイクラー》と《星遺物―『星鎧』》の二枚でも《星遺物―『星杖』》を墓地に落とし、《星遺物の胎導》をサーチすることによって《星神器デミウルギア》を出すことができる。
融合になっても強いぞ！ トリシューラ
融合・効果モンスター
星９/水属性/ドラゴン族/攻2700/守2000
カード名が異なるモンスター×３
このカードは自分の手札・フィールドのモンスターのみを素材とした融合召喚及び以下の方法でのみＥＸデッキから特殊召喚できる。 ●自分フィールドの上記カードを除外した場合にＥＸデッキから特殊召喚できる（「融合」は必要としない）。
(1)：元々の種族がドラゴン族のモンスターのみを素材としてこのカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。 自分のデッキ・相手のデッキの一番上・相手のＥＸデッキの順に確認してそれぞれ１枚ずつ除外する。 このカード名のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。
皆さんはこちらのカードをご存じだろうか？ そう、Vジャンプ応募者全員プレゼントで配られた《氷結界の龍 トリシューラ》が融合の力を得た姿、《氷獄龍 トリシューラ》である。
はっきり言って無駄にきつい縛りに、その労力に見合っているとは言えない効果によってお世辞にも強いとは言えないカードだった。…そう、「だった」のである。このデッキにおいて彼は、他のどのカードにもできない非常に重要な役割を果たしてくれる。
その役割とは、ズバリ、モンスター３体をレベル９モンスターに変換することである。……以上。「たいしたことないな」と思ったあなた、このデッキではこの性質は非常に重要なことなのである。
その理由は、このカードの存在にある。
速攻魔法
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。 (1)：以下の効果から１つを選択して発動できる。 ●手札からレベル９モンスター１体を特殊召喚する。 ●自分フィールドのレベル９モンスター１体を対象として発動できる。 そのモンスターとは元々の種族・属性が異なる レベル９モンスター２体をデッキから特殊召喚する（同名カードは１枚まで）。 この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。
「イヴ型オルフェゴール」ギミックによって、このカードをサーチしつつ、《星神器デミウルギア》を出すことができるのは前述した通りである。この時、手札によっては《星神器デミウルギア》以外にモンスターを３体用意することができるのである。その場合、この《氷獄龍 トリシューラ》を融合召喚することで《星遺物の胎導》を使い、レベル９をリクルートすることでなんと、《真竜皇V.F.D.》をエクシーズ召喚できるのである！！！
え？ ３体用意しなくても２体並べれば《トロイメア・マーメイド》で《夢幻転星イドリース》をｓｓすれば《星遺物の胎導》を使える？ ……ほら、レベル９を手札に引いちゃってる時もあるからね。保険だよ、保険。
一応他にも、このデッキには攻撃力の低いモンスターが守備表示で並びやすいため、打点を簡単に確保できるという利点がないでもない。３体から出せるEXモンスターの中で一番攻撃力も高い。
星神タクティクス―滅亡の波動
さて、ここまででこのデッキのギミック、それぞれのカードの扱い方については理解していただけたと思う。次は、実際のデュエルの時何を意識して戦うかについて説明したい。と言っても重要な点は２つしかない。
じゃんけんに勝つことと手札誘発を引かせないことである。
以上。
最後に
どうだっただろうか？ これを読んで、「僕も《星神器デミウルギア》を使ってみたい！」と思ってくださった方が一人でもいれば、とてもうれしいと思う。
今回の構築は、はっきり言って環境デッキと比べると弱い。しかし、ある程度まともに戦える出来にはなっている。…多分。きっと。おそらく。自分の個性を主張したい方、破壊神に憧れている方はぜひ自分流にアレンジして使ってみてほしい。また、「もっといい構築あるよハゲ」、という方は筆者まで教えていただけると嬉しい。
それでは、ここで筆をおきたいと思う。読んでくださり、ありがとうございました。
