はじめに
こんにちは。 かもめ先生です。 最近わたくし「セルフバウンス」のギミックにハマっておりまして、 《宇宙砦ゴルガー》や《獣神ヴァルカン》を用いたデッキをいくらか考えておりました。 今回はその過程で生まれてしまった、《霞の谷の雷神鬼》を用いたデッキを紹介させていただきます。 少しばかりの間ですが、よろしくお願いします。
目次
今回のテーマは……
読者の皆さまは、このカードをご存知でしょうか?
風属性テーマである【ミスト・バレー】に唯一存在するシンクロモンスター。
風属性、雷族、レベル7。
攻撃力は2600で、守備力は2400。
1ターンに1度、このカード以外の「フィールド上のカード1枚を戻し、自身の攻撃力を500ポイントアップする」効果を持っています。
しかも実はこの効果は「相手ターンにも発動できる」という、強力な文言が付いているのです。
「フリーチェーンで発動できる」「セルフバウンス」というところだけ見れば、強力そうに見えるのですが、実はそんなことはありません……! なぜなら同じ「セルフバウンス」が可能なモンスターに《宇宙砦ゴルガー》や《氷結界の虎王ドゥローレン》、《獣神ヴァルカン》といった扱いやすく、強力なものが存在しています。 前者2体は自分ターンとは言え複数枚のカードを一度に戻すことができ、後者は相手のモンスター1体をバウンスする効果も持っています。 一方、《霞の谷の雷神鬼》はフリーチェーンとは言え「1枚しか戻せない」上に、付随するのは「エンドフェイズまで攻撃力を500ポイントアップ」という何とも言えないもの。
……しかしながら! 先ほどお話ししたように「フリーチェーンで発動できる」「セルフバウンス」という効果は、唯一無二の意味合いを持っています。 そうなるとただ単に「バウンスして意味のあるカード」というだけでなく、「相手ターンに戻すことで意味のあるカード」を探す必要がありました。 そんな都合の良いカードがあるだろうか……。しかも《霞の谷の雷神鬼》と相性の良い……?
いました。 《霞の谷の雷神鬼》と同じ風属性で、レベルも同じ7。 そして「表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合」「フィールドのカード1枚を破壊できる」効果を持っています。しかも、どことなくエンタメな感じがとても良いですよね。でも楽しかっただろ?
フィールドのこのカードを《霞の谷の雷神鬼》で戻せば、「フリーチェーンで発動できる」「フィールドのカード1枚を破壊」に変貌するという訳です。 これはかつて魔境と呼ばれた9期環境で猛威を振るった禁止カード《真竜剣皇マスターP》もかくやの能力となるのでは!! ……という訳で、今回は《霞の谷の雷神鬼》と《EMスカイ・マジシャン》を用いたデッキを紹介していきたいと思います。 宜しくお願いします。
デッキレシピ紹介
レシピなのか。 先述した通り《霞の谷の雷神鬼》を出しながら、《EMスカイ・マジシャン》をフィールドに出すことを軸にまとめてみました。 2体が風属性であることを活かし、《ユニオン・キャリアー》の効果で《霞の谷の雷神鬼》に《EMスカイ・マジシャン》を装備させます。 これで《霞の谷の雷神鬼》《EMスカイ・マジシャン》のコンボ条件を満たしながら、2600という少し心もとない攻撃力を補うことができます。 またこのデッキはシンクロ召喚を主軸とすることから、補完パーツとして【フォーチューンレディ】と組み合わせてみました。 とくに永続魔法《フォーチュン・ヴィジョン》と「セルフバウンス」ギミックの相性が良いというのも、採用理由の後押しになりました。
デッキの回し方
《レッド・リゾネーター》と《召喚僧サモンプリースト》などを使って、《水晶機巧‐ハリファイバー》と《レスキューフェレット》が並べます。 その後、それぞれの効果でデッキからモンスターをリクルートする、というのが基本の動きとなります。《水晶機巧‐ハリファイバー》→《幻獣機オライオン》 《レスキューフェレット》→《霞の谷の執行者》+レベル1モンスター この並びが、このデッキの軸となります。
展開例1
《霞の谷の雷神鬼》(+《EMスカイ・マジシャン》装備)+《ユニオンキャリア》+《フォーリュンレディ・ライティー》 《霞の谷の執行者》と《幻獣機オライオン》で、《霞の谷の雷神鬼》をシンクロ召喚。 その後、《幻獣機オライオン》の効果で生成したトークンと《水晶機巧‐ハリファイバー》で、《ユニオン・キャリアー》をリンク召喚。 《霞の谷の雷神鬼》を対象に《ユニオン・キャリアー》の効果を発動して、手札・デッキから風属性の《EMスカイ・マジシャン》を装備。 その後《レスキューフェレット》の効果で特殊召喚していた《フォーリュンレディ・ライティー》をバウンスして、 特殊召喚時に相手モンスター1体破壊+バーンダメージを与える《フォーリュンレディ・ファイリー》や、 戦闘破壊した時に墓地から「フォーチュンレディ」モンスターを特殊召喚できる《フォーリュンレディ・ダルキー》を出します。
展開例2
《霞の谷の雷神鬼》+《ユニオンキャリア》(+《フォーチュンレディ・ライティー》装備)+《フォーリュンレディ・パスティー》 《霞の谷の執行者》と《幻獣機オライオン》で、《霞の谷の雷神鬼》をシンクロ召喚。 その後、《幻獣機オライオン》の効果で生成したトークンと《水晶機巧‐ハリファイバー》で、《ユニオン・キャリアー》をリンク召喚。 自身を対象に《ユニオン・キャリアー》の効果を発動して、手札・デッキから光属性の《フォーリュンレディ・ライティー》を装備。 その後、装備となっている《フォーリュンレディ・ライティー》をバウンスして、「フォーチュンレディ」モンスターをデッキから特殊召喚し、 《レスキューフェレット》の効果で特殊召喚していた《フォーリュンレディ・パスティー》と共にレベル3~7のシンクロ召喚できます。
展開例3
手札に《フォーリュンレディ・コーリング》や《ワン・フォー・ワン》がある場合の動きになります。 展開例1の延長の動きであり、このデッキで一番強いムーブになります。 展開例1で《フォーリュンレディ・ライティー》のバウンスから《フォーチュンレディ・アーシー》を特殊召喚し、 《フォーリュンレディ・コーリング》等でデッキから《フォーリュンレディ・パスティー》を特殊召喚、 その後、手札に戻した《フォーリュンレディ・ライティー》や墓地に存在する《召喚僧サモンプリースト》などを除外して《フォーリュンレディ・パスティー》のレベルを2にし、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をシンクロ召喚して墓地の《水晶機巧‐ハリファイバー》を装備します。 こうなるとフリーチェーンの除去が1回と、なんでも無効1回(カウンターは2)が可能となります。 しかもこの盤面なら《ヴァレルロード・S・ドラゴン》に装備した《水晶機巧‐ハリファイバー》を《霞の谷の雷神鬼》でバウンスして再利用することも可能となり、今後の展開にもつなぎやすくなります。
採用カードの解説
《レッド・リゾネーター》 《幻獣機オライオン》 《召喚僧サモンプリースト》 《レスキューフェレット》 《霞の谷の執行者》 《簡易融合》 《ワン・フォー・ワン》 動きの基本となる《水晶機巧‐ハリファイバー》+《レスキューフェレット》から 《霞の谷の雷神鬼》を出すためのカードです。 《簡易融合》からは使いやすい《召喚獣ライディーン》や、チューナーモンスターである《テセウスの魔棲物》、魔法使い族である《エルシャドール・ミドラーシュ》を採用しています。
《EMスカイ・マジシャン》 このデッキを組むこととなった元凶のカード。 風属性のモンスターなので《ユニオンキャリア》から《霞の谷の雷神鬼》を対象にとって、装備します。 手札に戻した後でもフィールドに《霞の谷の雷神鬼》と《ユニオンキャリア》がいれば再び装備できるので、何度でも使いまわすことができます。
《フォーチュンレディ・ライティー》 《フォーリュンレディ・パスティー》 どちらもレベル1なので《レスキューフェレット》から《霞の谷の執行者》を出す際に、一緒に特殊召喚できます。 特に《フォーチュンレディ・ライティー》は「フィールドから離れた時」に発動するので、モンスターゾーンでも魔法・罠ゾーン(装備状態として)でも使えるのがミソです。
《フォーチュン・ヴィジョン》 《フォーリュンレディ・コーリング》 永続魔法である《フォーチュン・ヴィジョン》は、セルフバウンスで再利用が可能です。 また魔法であるため、《召喚僧サモンプリースト》のコストになるのもGOOD。
他の「フォーチュンレディ」カード シンクロ召喚のレベル調整に使えるので、モンスターを全種採用しました。あと単純に見た目的に好みなので。 中でも《フォーリュンレディ・ウォーテリー》はドローソースとして使えるので重宝します。 また《フォーチュンレディ・ファイリー》もフリーチェーンのモンスター除去+バーンに使うことができるので、ここぞという時に頼もしいです。
《魔術師の再演》 《魔術師の右手》 もともと【フォーチュンレディ】と相性が良く、セルフバウンスとも相性が良いカード。 このデッキでは《フォーチュンレディ・ライティー》や《フォーリュンレディ・パスティー》をよく使うので、使いどころには困りません。
《星遺物を継ぐもの》 《星遺物の深層》 《星杯の神子イヴ》から持ってこれる蘇生として使います。 特に《星遺物の深層》は蘇生したモンスターをシンクロ召喚やリンク召喚に使うことで、バウンスして再利用が可能となります。
このデッキの戦い方
《霞の谷の雷神鬼》のセルフバウンス効果を最大限活用して、盤面をコントロールしていきます。 まずは《霞の谷の雷神鬼》と《ユニオン・キャリアー》をフィールドに維持しながら、《EMスカイ・マジシャン》を毎ターン装備できるような状況を作るように努めます。 《ユニオン・キャリアー》のステータスは貧弱なのですぐに破壊されるでしょうが、《星遺物を継ぐもの》などで蘇生したり、「フォーチュンレディ」などの魔法使い族モンスターを用いてリンク召喚したりしてフィールドに出しましょう。 そして【フォーチューンレディ】の動きで《フォーチュンレディ・エヴァリー》や《ヴァレルロード・S・ドラゴン》といった強力なシンクロモンスターたちを横に並べ、こちらに有意な盤面を作っていきます。 自分ターンでは《フォーチューンレディ・ライティー》や《フォーチュン・ヴィジョン》《魔術師の再演》《星遺物の深層》といったカードをバウンスしてアドバテージを稼ぎ、 相手ターンでは自身に装備した《EMスカイ・マジシャン》をバウンスしたり、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》の効果で妨害したりして、イニシアチブを取っていきます。 後半は大型シンクロモンスターを連打する形になりますので、《霞の谷の雷神鬼》でコントロールがうまくできていれば、自然と殴り勝つことができます。 特に終盤での《フォーチュンレディ・エヴァリー》が強力で、リンク召喚などに使って墓地へ送っておくだけで相手のエンドフェイズに蘇生、自分のスタンバイフェイズに相手モンスターを対象に取らず除外してくれます。あとはがら空きの相手フィールドに殴り込むだけです。 お疲れさまでした。
おわりに
いかがだったでしょうか。 このデッキはフリー用に組んだカジュアルデッキではありますが、《霞の谷の雷神鬼》の効果を、余すことなく使っているという点については、よくできたなあと自負しています。 どんなカードであっても、しっかりと「個性を見出し」「他と差別化」すれば、良いデッキとして完成できると私は考えています。 今回のデッキビルダーコンテストなどを通して、いろんな方々が様々なデッキをたくさん作って、界隈がこれまで以上にもっと盛り上がればなと思います。 ここまでのご精読、ありがとうございました。