自己紹介・今回のテーマ
はじめましての方ははじめまして!
この度ガチまとめ様にてライターとして活動させていただくことになったぽとふと申します。
普段は関東圏内でランキングデュエル等の公式イベントや各非公認大会(CS等)へ参加しながら遊戯王を楽しんでいます。
面白いデッキを考えることも大好きですが、それで勝てたらもっと面白い!基本的には競技的目線でゲームに取り組んでいます。
その中で培った知識や経験を皆様にお伝えできればと思いますので、よろしくお願いします!
初回となる今回ですが、「サイドデッキ」について扱います。
これまでYUDTやYCSJ等シングル戦開催が多かった公式イベントでしたが、YTC、日本選手権など、公式主催のマッチ戦でのイベントも少しずつ出てきています。
これまでマッチ戦に馴染みのなかった方にも興味が持てる内容となっているのではないでしょうか!
目次
マッチ戦およびサイドデッキについて
遊戯王は1ターン目からそのデッキの最大出力を発揮してゲームを支配、そのまま勝利することが容易なゲームです。
先攻側が有利な対人ゲームは数多く存在しますが、遊戯王ほどそれが顕著に表れるものは珍しいと思っています。
先攻側の動きを抑制すべく対策カードを入れようにも、1万種を超えるカードプールの広さ、環境に存在するデッキのバリエーションの豊富さが邪魔をします。
展開系のデッキから罠カード中心のデッキまで一通り対策し切った上で自分のデッキが滞りなく動くよう構築するのは至難の業と言えます。
そんなゲーム性を整えているのがマッチ戦という神システムです!
三回勝負して最終的に二回勝利すれば勝ちというルールですが、単なる三回勝負なら先攻・後攻の優位は覆らないように見えます。そこで予め用意したサイドデッキの出番というわけですね。
初戦で黒星を喫しても、手番の選択権のある二戦目をサイドデッキに用意した先攻用のカードの助けを借りながらキープできれば、これまたサイドデッキのカードを使って後攻用に最適化された状態で三戦目に望みを託すことができます。
返し札
1枚で絶大な効力を発揮できる後攻用カードです。メインデッキの手札誘発(《増殖するG》《灰流うらら》《無限泡影》等)の枚数が最低限のデッキはこれらのカードでがっつり捲っていく方針もおすすめです!
《冥王結界波》
【 通常魔法 】
このカードの発動に対してモンスターの効果は発動できない。①:相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。
モンスター効果のチェーンを許さず全ての相手モンスターの効果を無効化でき、魔法や罠による妨害のないデッキに無類の強さを誇ります。
代わりに発動後は一切のダメージを与えられなくなるため、盤面を返し切った上で次のターンを凌ぎ切れるだけの妨害(いわゆる「蓋」)を構築しなければなりません。
《天霆號アーゼウス》や《ブラック・ローズ・ドラゴン》等の全体除去効果を持つカードとは相性が良く、特に前者は4素材以上で特殊召喚できればそのまま相手ターンの妨害にもなります。
採用する際は手軽な盤面リセット手段がデッキにあるかを一つの指標にすると良いでしょう。
《禁じられた一滴》
【 速攻魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分の手札・フィールドから、このカード以外のカードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。その数だけ相手フィールドの効果モンスターを選ぶ。そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が半分になり、効果は無効化される。このカードの発動に対して、相手はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を発動できない。
《冥王結界波》と同様のモンスター効果を無効にするタイプの返し札ですが、こちらはコストとしたのと同じ種類のカード(モンスター・魔法・罠)のチェーンを許さない付随効果と攻撃力半減効果が付きます。
コストが必要な代わりにダメージは通るので、「蓋を用意しづらいが少ない枚数で動くことができるorコストを有効に使える」デッキ(例:【@イグニスター】、【転生炎獣】)にそのターン中にワンキルを目指すプランで採用されることがあります。
速攻魔法であり伏せれば相手ターン中に妨害として使えるためメインから採用する場合も。
《拮抗勝負》
【 通常罠 】
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードより多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手は自身のフィールドのカードを選んで裏側表示で除外しなければならない。
端的に言えばバトルフェイズを放棄して相手の場のカードを1枚に減らす効果です。
前述2種と違い《フルール・ド・バロネス》のような万能無効と呼ばれる妨害に無効化されてしまうため安定感は高くありませんが、罠デッキ相手にも採用できサイドデッキの枠の節約に一役買います。
手札誘発
相手の展開過程に介入する方針のカード群です。
一枚の効力は高くありませんが、返し札で返し切れない盤面の構築を防いだり、自分のデッキのメインギミックで超えやすいように展開を弱めたりする役割があります。
《ドロール&ロックバード》
【 効果モンスター 】
星 1 / 風 / 魔法使い族 / 攻0 / 守0
相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合、このカードを手札から墓地へ送って発動する事ができる。このターン、お互いにデッキからカードを手札に加える事はできない。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
カードパワーの上昇が著しい昨今、1ターンに複数回サーチおよびドローするデッキは珍しくありません。
そこに突き刺さる《ドロール&ロックバード》というわけです。このカード1枚で沈黙するデッキは多くないですが、展開の最大値を確実に削ぐことができます。
弱くなった盤面を華麗に捲っていきましょう!
《原始生命態ニビル》
【 効果モンスター 】
星 11 / 光 / 岩石族 / 攻3000 / 守600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手が5体以上のモンスターの召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに発動できる。自分・相手フィールドの表側表示モンスターを全てリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。その後、相手フィールドに「原始生命態トークン」(岩石族・光・星11・攻/守?)1体を特殊召喚する。このトークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。この効果は相手ターンでも発動できる。
展開系デッキに対して最大限のリターンを求めるならこのカード!
相手がたくさん動いた後に上手く発動できた時の気持ち良さは特有のものがあります。
ただしこのカードが存在しているということは意識されているということでもあり、《原始生命態ニビル》を発動される前に「《フルール・ド・バロネス》や《スプライト・レッド》を成立させる」「打たれた後に展開できる余力を残す」等して対策できるデッキがほとんどです。
そのため前述の《ドロール&ロックバード》やメインデッキに採用されがちな《無限泡影》との合わせ打ちを前提とすることがほとんどになります。
私も採用する際は単体の効力はそこまで当てにせず、「他の手札誘発と一緒の引けたらいいな」程度の意識で1枚採用という場合が多いです。
《 深淵の獣マグナムート 》《 深淵の獣ドルイドヴルム 》
【 効果モンスター 】
星 6 / 闇 / ドラゴン族 / 攻2500 / 守2000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分または相手の墓地の光・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外し、このカードを手札から特殊召喚する。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
このターンのエンドフェイズに、自分のデッキ・墓地から「深淵の獣マグナムート」以外のドラゴン族モンスター1体を選んで手札に加える。
【 効果モンスター 】
星 6 / 闇 / ドラゴン族 / 攻2500 / 守2000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分または相手の墓地の光・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外し、このカードを手札から特殊召喚する。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送る。
光・闇属性の墓地を利用するデッキを強烈に意識するなら【深淵の獣】シリーズの採用を検討しましょう!
1枚だけ入れるなら《 深淵の獣ドルイドヴルム 》だけ、2枚ならエンドフェイズのサーチ効果が強力な《深淵の獣マグナムート》を追加という要領で増量します。
他の手札誘発カードと一線を画すのが自身の場に残る特性です。カードの数が減っておらず、破格のパフォーマンスを誇ります。
特に 《深淵の獣マグナムート》 のサーチ効果はドラゴン族のカード全てを対象としており、ドラゴン族主体のデッキとは非常に相性が良いです。
【ティアラメンツ】デッキがいよいよリペア不可能な規制を受けた今出番はグッと減るかもしれませんが、今後も強力な光・闇属性デッキが登場する度に採用路線に乗ってくるのは確実でしょう。
魔法・罠破壊(割りもの)
【神碑】や【ラビュリンス】、【エルドリッチ】等が使う魔法・罠カードの対策カードを勝手に「割りもの」カードと呼んでおり、今回はそのように呼称させていただきます。
他のデッキと比べて数が多くなく当たって先攻が取れなかったら負け!という割り切り方もありますが、できれば最低限の枚数は用意しておきたいところです。
《拮抗勝負》もここに含まれる側面がありますが、「返し札」の項で一度紹介しているため割愛致します。
《ハーピィの羽根帚》 《ライトニング・ストーム 》
(制限カード) 【 通常魔法 】
相手のフィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
(準制限カード) 【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。●相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
最大のコストパフォーマンスを誇る割りものです。
ただし素直な破壊系はそれにチェーンする形で【神碑】速攻魔法発動から《神碑の翼フギン》を特殊召喚することで回避されてしまい、かなり怪しい立ち位置にあります。
参考:《神碑の穂先》《神碑の翼 フギン》
【 速攻魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●デッキから「神碑の穂先」以外の「神碑」カード1枚を手札に加える。
その後、相手のデッキの上からカードを1枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
【 融合モンスター 】
星 2 / 光 / 天使族 / 攻0 / 守0
「神碑」モンスター×2
①:このカードがEXデッキからの特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「神碑」フィールド魔法カード1枚を手札に加える。
②:このカード以外の自分フィールドのカードが効果で破壊される場合、代わりにフィールドのこのカードを除外できる。
③:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。
このカードを持ち主のEXデッキに戻す。
先の通りコストパフォーマンスはピカイチで、【神碑】が相手の時と《魔封じの芳香》を発動された場合以外には無類の強さを誇ります。
【神碑】に規制が入った今であれば迷わず採用して良いでしょう。
《コズミック・サイクロン》
【 速攻魔法 】
①:1000LPを払い、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
【神碑】にも《魔封じの芳香》にも屈したくない!
そんな人は優先して採用しても良いかもしれません。《壱世壊に奏でる哀唱》のように破壊することで相手にアドバンテージを与えてしまうようなカードもあるので、今後も環境を見て評価を上げるカードです。
《壱世壊に奏でる哀唱》
【 永続罠 】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にする。
その後、自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。
②:このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ティアラメンツ」モンスター1体を手札に加える。
《レッド・リブート》
【 カウンター罠 】
このカードはLPを半分払って手札から発動する事もできる。
①:相手が罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。その後、相手はデッキから罠カード1枚を選んで自身の魔法&罠ゾーンにセットできる。このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できない。
そのターン中に勝ち切れる高い出力を持つデッキor手軽に盤面をリセットできる手段を持つデッキ向けです。
特にこれといった裏目もなく引いて使えば強いカードです。
先攻用カード
サイドチェンジ前のラウンドで負けている場合、手番を決める権利は自分にあります。
その利を活かし相手の後攻からの行動に有効に作用する罠カード等を入れることでゲームを有利に進めましょう。
《神の宣告》
【 カウンター罠 】
ライフポイントを半分失う。魔法・罠の発動、モンスター召喚のどれか1つを無効にし、それを破壊する。発動後、このカードを破壊する。
シンプルイズベストというやつです。相手の展開の手数を減らすも良し、こちらの盤面を崩すべく放たれる返し札に打つも良し。マストカウンターを見極めて使いこなしましょう。
《次元障壁》
【 通常罠 】
「次元障壁」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:モンスターの種類(儀式・融合・S・X・P)を1つ宣言して発動できる。
このターン、お互いに宣言した種類のモンスターを特殊召喚できず、フィールドの宣言した種類のモンスターの効果は無効化される。
該当の召喚方法のどれかに依存するデッキはこのカード一枚でターンスキップを強要されることになります。リンク召喚を主体としたデッキ以外に対する最も理不尽な先攻用カードです。
《紅蓮の指名者》
【 通常罠 】
2000ライフポイントを払い、手札を全て相手に見せて発動する。相手の手札を確認してカード1枚を選択する。次の相手のエンドフェイズ時まで、選択したカードをゲームから除外する。
ライフポイントも手札を公開する行為もコストとしてはあってないようなもので、きちんと盤面を形成した上で発動できれば勝利は目の前です。
最近だと《クシャトリラ・アライズハート》で除外した相手のカードをX素材に取り込んで返さないコンボがお洒落ですね。
参考:《クシャトリラ・アライズハート》
【 エクシーズモンスター 】
星 7 / 闇 / 機械族 / 攻3000 / 守3000
レベル7モンスター×3
「クシャトリラ・アライズハート」は、「クシャトリラ・シャングリラ」が効果を発動したターンに1度、自分の「クシャトリラ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
①:墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
②:カードが除外される度に発動する(同一チェーン上では1度まで)。
除外されているカード1枚を選んでこのカードのX素材とする。
③:お互いのターンに1度、このカードのX素材を3つ取り除き、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを裏側表示で除外する。
《魔封じの芳香》
【 永続罠 】
このカードがフィールド上にある限り、魔法カードは一度フィールドにセットし、次の自分のターンが来るまで使用できない。
先の割りものの項で話題に挙げたカードです。
強力な返し札を機能停止に追い込む目的で罠カード中心のデッキ以外にも採用されることがあります。
ペンデュラムモンスターを主体としたデッキはペンデュラムスケールの発動自体ができなくなり、それらへのキラーカードとしても大変有効です。
まとめ
今回はサイドデッキによく採用されるカードを、仮想敵や使用する場面別に分けてご紹介しました!いかがでしたでしょうか?
ご自身のデッキやよく行く大会の環境に合わせて最適化したサイドデッキを組み上げる作業は難しくもあり、間違いなく楽しい作業だと思います!
またサイドカードはメインデッキの動きと独立した働きをする都合、「こんなカードがあるの!?」と相手を驚かせられるようなカードを見つけて採用しやすいのも面白い部分です。
皆さんがご存じのびっくりカードがあれば是非教えてください。
というわけで今回は以上です!良い遊戯王ライフを~