はじめに
初めまして。あるいは、お久しぶりです。カーナベル社内ライターの北白河と申します。
いつもはデュエマのほうで記事を書いてる遊戯王初心者なんですが、なぜ私がここにいるかと言いますと。
~1月末、カーナベル社内にて~
北白河さん!ついに「マスターデュエル」が出ましたね!
そうですね。紙ではデッキ二つ持ってるだけで実戦経験数回程度の初心者ですが、マスターデュエルはなんやかんやでやってますよ。
じゃあ、遊戯王の記事も書けますよね!マスターデュエル需要が高まっている今こそ、いっぱいコンテンツ増やしましょう!
一行上を見ればわかる「初心者」という情報を完全に無視されたんですが。
初心者ならではの視点で書ける記事とか、そういうのあるでしょ!初心者向けのデッキ解説とか!
よしもとさん、俺が紙で組んでるデッキ知ってますよね?
【竹光ヌメロンエクゾ】と【走魔灯ダイノルフィア】でしょ?
なんでデュエルリンクスやめたかも知ってますよね?
【寄生ラヴァゴ】が規制されたからでしょ?
俺がそういう人間だとわかってて、初心者向け記事を書かせるんですね?
はい。
はいじゃないが。
書くことになってしまったので、マスターデュエル初心者向けの記事を書いていきましょう。やるしかないから、やるしかない。
というわけで、若輩者の記事ですがどうぞお手柔らかに。
目次
今回の紹介デッキ
今回ご紹介するのは、私が実際にプラチナ帯のラダーにて使用しているデッキ…の、可能な限り安く仕上げたバージョンの構築です。
…わかりますね?今回ご紹介するのは、「カード資産のない」「遊戯王初心者が」「プラチナ帯で十分戦える」デッキなわけです。
絶対必須となるURはわずかに1種3枚!余りがちなRやSRのポイントを吐き出すには最適かと思われます。シークレットパック対象外だからSRは死ぬほど食うがな!
そのデッキの名は、【チェーンバーン】。
相手とのカードの応酬を完全に拒否し、自分の魔法と罠+αだけで相手のライフ8000点を削り切ることに全てを賭けたデッキです。
で、どんなクソデッキなんです?
デッキレシピの前に、マスターデュエルから始めた本当の初心者の方へ。
このゲームのラダーを何となくかじった方ならば、「こっちが動こうとしたらなんか幼女とかゴキブリとかがめっちゃ飛んできて負けた!」「先攻の相手が完璧な盤面を作ってきて何もできないまま負けた!」「特殊召喚を綺麗に封じられて負けた!」「なんどめだエルドリッチ」など、多数の理不尽を味わってきたことかと思われます。
この原因って、ひとえに「自分より上手い相手にゲームの主導権を委ねているから」だと思うんです。
考えれば当然です。
あなたが初心者なら、たいがい対戦相手の方がこのゲームが上手いんですよ。
こっちがまだ何もわかっていない状況にもかかわらず、相手の甘言に乗って主導権を渡していれば、そりゃ負けるのも当然です。勝てるのに勝とうとしないプレイヤー、いませんからね。
ここからわかるのは、「初心者は対戦相手と対話を行うべきではない」というシンプルな事実です。いいですね?
それを踏まえて、このデッキはあなたの為のデッキです。このデッキは、対話を行いません。よかったですね。
デッキレシピ:
採用カード解説
このデッキの主役
《 時械神ミチオン 》(N)
【 効果モンスター 】
星 10 / 炎 / 天使族 / 攻0 / 守0
このカードはデッキから特殊召喚できない。
①:自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
②:このカードは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動する。相手のLPを半分にする。
④:自分スタンバイフェイズに発動する。このカードを持ち主のデッキに戻す。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
長々としたテキストですが、要約すると「タダで通常召喚できて、攻撃したバトルフェイズを生き残れば相手のLPが半分になる」と書いています。
つまり、ゲームが始まった直後にこの効果が使えると「タダで4000ダメージを与えてくれるカード」になってくれるわけです。
このデッキの他のパーツ一枚で与えられるダメージがだいたい1500(くらいを目指したい)前後であることを鑑みるに、これはえらいことですよ。
また、「破壊されず戦闘ダメージを0にする」という能力から壁としても大活躍。相手ターンにも件のLP半減効果は発動するので、相手に事実上「除外か効果無効などでどかさないと殴り損」という状況を強いることができます。
後引きすると弱いという弱点こそあれ、このデッキに必要な「ダメージ効率」「防御性能」を両立する頼れる一枚と言えるでしょう。なんでこいつノーマルなんだ?
バーンパーツ
相手に直接ダメージを与える魔法・罠カードです。
どれも状況次第で効果が変動するカードですが、破壊効果が飛んでくるなどの緊急時を除いて「だいたい1400~1500ダメージくらい出そうなら使い時」と覚えておくと楽です。
もちろん、それ以上が狙えそうなら(欲張りすぎない程度に)ガンガン狙っていくといいですよ。ダメージはデカければデカいほどいいので。
ちなみに、この数字の根拠は「バーンカードを(ドローで引き増したぶんも含め)5~6枚使った時にだいたい8000に届く」値です。とりあえず最初は「6回使って勝つ!」と覚えましょう。
《 連鎖爆撃 》(UR)
【 速攻魔法 】
このカードの発動時に積まれているチェーン数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
このデッキが【チェーンバーン】と呼ばれる所以です。
端的に言うと、「チェーンの後のほうに使うほどダメージが増えるカード」。
右下のなんかよくわからんボタンが「Auto」になっていれば、使えるカードを勝手に「使いますか?」とポップアップしてくれるのでそこまで迷うことはないでしょう。
このデッキは「可能な限りカードを伏せまくり、相手ターンのちょうどいいところで全部同時にチェーンさせて一気に削る」が信条なのですが、その最後に発動してやると超効率のバーンカードに化けてくれます。
このカードを使う上で忘れてはいけないのが、テキストにもありますが同一チェーンに同名カードが絡むと発動できないこと。
調子に乗って同名カードを発動したりするとひどい目に遭うのでご注意を。いざというときは、チェーンの途中に使うことも考えましょう。
ちなみに、「《 連鎖爆撃 》を使ったチェーンに《 連鎖爆撃 》をチェーンさせる」のはセーフです。発動した時点ではまだ同名カードはチェーンされてませんからね。覚えておくとお得です。
《 自業自得 》(SR)《 仕込みマシンガン 》(N)《 仕込み爆弾 》(R)
【 通常罠 】
相手のフィールドモンスター1体につき、相手に500ポイントのダメージを与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
【 通常罠 】
相手フィールド上のカードと相手の手札を合計した数×200ポイントダメージを相手に与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
【 通常罠 】
①:相手フィールドのカードの数×300ダメージを相手に与える。
②:フィールドのこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
相手に1000ダメージを与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
効果は違えど、どれも「相手の状況が整うほどダメージが増える」という特徴を持ったバーンパーツ三銃士です。
慣れないうちはタイミングを見計らうのが難しいカードですが、最初は欲張らずに「1500ダメージ出るなら十分使い時」「チェーンが必要なカードを使うならそれ以下でもOK」と覚えておきましょう。
ドローパーツ
バーンカードだけではデッキが回らないので積んでいる、カードを引くためのカードです。
使用したカードの枚数が勝敗に直結するタイプのデッキですので、今回はカードの質よりも直接的なカード枚数を稼ぐことを重視しています。ここらへんはプレイヤーの思想が出てくるポイントですね。
《 命削りの宝札 》(SR)《 強欲で貪欲な壺 》(SR)
【 通常魔法 】
「命削りの宝札」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
①:自分は手札が3枚になるようにデッキからドローする。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。
このターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て墓地へ送る。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
(準制限カード) 【 通常魔法 】
「強欲で貪欲な壺」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
※マスターデュエルでは無制限です。よかったね。
こちらのターンに使うドローです。
このデッキは除外されて困るパーツの特にない金太郎飴みたいなデッキですので、《 強欲で貪欲な壺 》は引いた端から使っていくのをお勧めします。除外の関係で三枚目は絶対に使えませんが、それでもです。
逆に《 命削りの宝札 》は「手札が少なくて」「引いたカードを吐き切れる時」に強いカード。
初手にあった場合は1ターン目に使うのをぐっとこらえて、手札も魔法&罠ゾーンも尽きがちな2ターン目に使うといいでしょう。
使うターンの特殊召喚が封じられる(≒後述の《 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 》と同一ターンに使えない)ことにだけはご注意を。
《 無謀な欲張り 》(SR)
【 通常罠 】
カードを2枚ドローし、以後自分のドローフェイズを2回スキップする。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
チェーンの肥やしにできる2枚ドローです。
代償としてドローフェイズが2回飛ばされますが、勝つにせよ負けるにせよおおむねこの縛りが解ける前にゲームが終わるので些細なもんです。
とはいえ、なんでもかんでも使っていいものではないのも事実。
チェーンにあんまり関係ない初手で伏せた場合は、こちらにターンが帰ってきてドローフェイズでドローしてから使うとカード1枚分お得です。
《 積み上げる幸福 》(SR)
【 通常罠 】
チェーン4以降に発動する事ができる。自分のデッキからカードを2枚ドローする。同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
チェーン4以降で発動できればタダで2枚ドローできる便利カードです。
チェーンをいっぱい組みたいこのデッキにおいては非常に緩い条件でカードを引ける…のですが、重ね引きしたときにちょっと発動に工夫がいるのが悩みどころです。
《 連鎖爆撃 》と同じく、同一チェーンに二回発動できることは覚えておきましょう。
《 裁きの天秤 》(N)
【 通常罠 】
「裁きの天秤」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動できる。
自分はその差の数だけデッキからドローする。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
このデッキでは珍しく、多くのケースでチェーンに絡めない方がお得なカードです。
手札とセットした他のカードを使い切って、相手が展開しきった瞬間に使うことで「だいたい勝ち」クラスの爆発的なアドバンテージを稼げる…のですが、「チェーン中のカードはまだフィールドにある」のでこれが結構難しくてですね。
もし手札に余裕があってチェーン系カードがある場合は、能動的にチェーン出来ないこのカードをセットする優先度を下げましょう。
使い辛さを感じた場合は、他のドローソースに変えても大丈夫ですよ。
モンスター対策パーツ
相手のライフをひたすら削りに行くこのデッキですが、残念ながら普通にやってたら先に相手に殴り切られてしまいます。
というわけで、ここからはモンスターの攻撃から身を守りつつあわよくばダメージを与えていくためのパーツとなります。
《 和睦の使者 》(N)《 威嚇する咆哮 》(SR)
【通常罠】
①:このターン、自分のモンスターは戦闘では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
【 通常罠 】
このターン相手は攻撃宣言をする事ができない。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
どちらもチェーンの肥やしにできて、そのターンの戦闘を安全に解決してくれる一枚です。
テキストは違うものの、実質的に求める要素はそれほど変わらないのでお好みでどうぞ。
《 威嚇する咆哮 》はSRですが、初期配布のブルーアイズのストラクに2枚入っているのでうっかり生成しないようにお気を付けください(1敗)。
《 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 》(SR)
【 効果モンスター 】
星 8 / 炎 / 悪魔族 / 攻3000 / 守2500
このモンスターを召喚する場合、相手フィールド上のモンスター2体を生け贄に捧げて相手フィールド上に特殊召喚しなければならない。このカードはコントローラーのスタンバイフェイズ毎に、コントローラーに1000ポイントのダメージを与える。このモンスターを特殊召喚する場合、このターン通常召喚はできない。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
相手フィールドに送りつけることでどんなモンスターも一瞬で二体同時に処理できる、相手の制圧を切り崩せる一枚です。
相手の場に出した後もスタンバイフェイズにライフを削ってくれますし(チェーンの足しにもなります)、高い攻撃力も後述のカードで逆用できます。
ただ、ほっとくと何らかの素材として処理されがちなのも事実。送りつけたらスタンバイフェイズあたりで早めに《 破壊輪 》で割るのがいいかもしれません。
《 破壊輪 》(R)《 ディメンション・ウォール 》(R)
【 通常罠 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:相手ターンに、相手LPの数値以下の攻撃力を持つ相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターを破壊し、自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
【 通常罠 】
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。この戦闘によって自分が受ける戦闘ダメージは、かわりに相手が受ける。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
相手の攻撃力を逆用して大ダメージを与える装置です。
《 ディメンション・ウォール 》は見たまんま相手のでかいやつが殴ってきたときに使えばOKですが、ちょっとめんどくさいのが《 破壊輪 》。
「攻撃力が相手LP以下」という制限から一見これだけでは勝負を決められなさそうなのですが、これにチェーンしてさらなるバーンカードを使うことでエンドカードとして扱うことも可能です。
こっちもダメージを受けるので、慣れないうちは早めに使っちゃうことをお勧めします。
このデッキの回しかた
ターンが回ってきたら伏せられるだけカードを伏せて、相手にターンが渡って相手の何かしらの効果がチェーンしたらそれに続けて可能な限りチェーンしていくだけです。
……と、これだけではあんまりですのでもう少し詳しく説明いたします。
初手が来たらまず確認するのは、《 強欲で貪欲な壺 》の有無。
あればまず使います。《 灰流うらら 》が飛んできても使わせたと思っときましょう。
そして、もし後手ならモンスターのチェック。効果が露骨に無効化されそうでなければ《 時械神ミチオン 》を出して突っ込ませ、ヤバいモンスターが2体以上出ていれば《 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 》で処理。
その後、手札に残ったカードで伏せられるものを全部伏せます。このとき、発動条件のゆるいバーンパーツやドローパーツを優先して伏せると予後がいいです。
で、相手にターンが渡ったらタイミングを見計らって伏せたカードを使っていきます。「バーンパーツは1500ポイント前後が撃ち時」「チェーン系カードは使えるときに使う」「ドロー枚数を何より優先する」あたりを心がければ、だいたいなんとかなります。
伏せたカードをすべて使って相手のターンを乗り切れば(まあここが一番難しいんですが)、おおむね相手のライフはがっつり削れているはず。
手札に残ったドローパーツなどを駆使してバーンパーツをもう一度伏せまくり、前のターンと同じことをやればだいたい勝ちです。お疲れ様でした。
この際に右下の「Auto」ボタンを押して「ON」にしておくと、相手のドローフェイズにこちらの効果が使えます。「今伏せたカードを使えば勝てる!」という状況の時は、忘れずにONにしておきましょうね。
……なんか、知ってる人からすれば「1+1=2!」とか「太陽は東から上る!」とか言ってるくらいの浅瀬チャップチャプの説明なんですが、おおむねマジでこんな感じです。
こんな感じの理解度でもとりあえず回せてしまうのが、このデッキの魅力(限界とも言いますが)ですね。
改造するなら
《時械巫女》(SR)《 時械神サンダイオン 》(UR)
デッキを【時械神】に寄せる場合におすすめのカードです。
関連カードの中ではサーチ&デッキからの特殊召喚でモリモリ時械神を呼べる《 時械巫女 》と、高い攻撃力により戦闘によるモンスター破壊&確実な2000バーンの《 時械神サンダイオン 》あたりが、このデッキと主に噛み合ってくれるでしょう。
マスターデュエルだとよく見る《 スキルドレイン 》があると《 時械神サンダイオン 》がただ強クソデカ生物に化けるのも嬉しいですね。
《金満で謙虚な壺》(SR) 《強欲で謙虚な壺》(SR) 《強欲で金満な壺》(SR)
ドローソースの選択肢となる壺です。
原則EXデッキに頼らないこのデッキにおいてはEX除外デメリットはさほど重くありませんが、「特殊召喚不可」「後続ドロー不可」「このターンのダメージ半減」は場合によっては結構痛かったり。
ダメージは減るもののデッキを6枚がっつり掘れる《 金満で謙虚な壺 》、「特殊召喚不可」程度の軽いリスクでカードを探せる《 強欲で謙虚な壺 》、ドロー打ち止めとはいえ2ドローの《 強欲で金満な壺 》と、好みに合わせて選んでいってくださいませ。
《 停戦協定 》(SR)
【 通常罠 】
裏側守備表示のモンスターを全て表にする。
この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。
フィールド上の効果モンスターの数だけ500ポイントのダメージを相手に与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
追加のバーンパーツです。
いろいろ書いてますが、効率としては(こちらのフィールドも参照しますが)効果モンスター限定の《 自業自得 》みたいなものです。
がっつり展開するデッキ相手には効果覿面ですので、攻めっけを出したいときはどうぞ。
後述するリバースモンスターとの相性はよろしくないのでご注意を。
《 アリジバク 》(R)《 ダイス・ポット 》(SR)
「時械神」が手札にないと余りがちな通常召喚権をダメージに変換する、リバースモンスターです。安定を取るなら前者、上振れを狙うなら後者がおすすめです。
やや手間がかかるとはいえリバースした時のダメージ効率自体はどちらも良好で、うっかり相手が攻撃で処理しようとしたときには大打撃を与えられるでしょう。
…ただ、「一体セット&残り全伏せ」みたいな状況で相手がホイホイ殴ってきてくれるとはあまり思えないのも事実。腐ったモンスター除去が飛んでくる可能性もありますし、あまり頼りにしすぎるのも考えものです。
《 ダイス・ポット 》は《 出たら目 》と併用すると高確率で6000ダメージを叩きだす化け物カードになりますが……もし本気でやるなら、それを主軸にしたギャンブルデッキに特化したほうが精神衛生にいい気がしますね。
《 墓穴ホール 》(SR)
【 通常罠 】
①:手札・墓地のモンスターまたは除外されているモンスターの効果を相手が発動した時に発動できる。その効果を無効にし、相手に2000ダメージを与える。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
手札や墓地からの効果発動を止めてバーンを行う、このデッキには珍しく対話を行うカードです。
これそのものは自由にチェーンに組み込むことはできませんが、厄介な手札誘発やうすらデカいゾンビのおっさんの復活効果などを止めながら2000ダメージを与えられるのはさすがに破格!
なんならこれが使えているということはもうチェーンが組まれているので、相手の動きを利用してチェーンを伸ばすことも可能です。
「チェーンできそうならダメージ目当てでとりあえずチェーンする」「でもエルドリッチだけは手札から捨てるほうじゃなくて墓地から回収する効果に当てる」というポイントさえ押さえておけば、とっても頼りになる一枚です。腐っても泣かないこと。
《 おジャマトリオ 》(SR)
【 通常罠 】
相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を3体守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。「おジャマトークン」が破壊された時、このトークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
相手のフィールドにトークンを生み出すという、一見バーンとは無関係に見える一枚ですが…
実は各種バーンや《 裁きの天秤 》など、相手のフィールドを参照するタイプのカードの効果を跳ね上げてくれるという一面を持ちます。
実際に使う際は、その手の効果を発動した後にチェーンを組むことで安全に使って行けるはずです。
出てきたトークンはこれまたリンク召喚などで処理されがちですので、使った後は可能な限りゲームをさっくり終わらせましょう。
《 黄金卿エルドリッチ 》(UR)
【 効果モンスター 】
星 10 / 光 / アンデット族 / 攻2500 / 守2800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:手札からこのカードと魔法・罠カード1枚を墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。②:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。このカードを手札に加える。その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない。
出典:遊戯王OCGカードデータベース
なんだか本末転倒な気もしますが、このデッキは「魔法・罠カードをがっつり積むデッキ」なのでこの本っっっ当によく見るゾンビのおっさんとも好相性です。
そこまでサポートカードを積まなくても、引きさえすれば「魔法&罠フィールドを空ける」感覚で腐ったパーツを破壊して出せるのも嬉しいところですね。
このカードを採用するならば、「時械神」と揃えることでエクシーズ召喚でき、バーン効果を持つ《 超弩級砲塔列車グスタフ・マックス 》(UR)などのランク10エクシーズモンスターをEXデッキに仕込んでおくとよいでしょう。
いっそのことさらに《 超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ 》(UR)を重ねてワンショットキルを狙うのもいいですが…まあその、こっちを突き詰めると別デッキになりそうですね。
おわりに
というわけで、【チェーンバーン】でした。
~2月初頭、カーナベル社内にて~
北白河さん脱稿お疲れ様です!初心者のわりに早かったですね!
褒められてると受け取っていいもんなんですかそれ。
しかしこのデッキ、現実でもそこまで高いカード使わないからマスターデュエルだけじゃなくて紙で組んでも楽しそうで…
それはやめろ。
……え?
目の前に実際に対戦相手がいるときくらい、ちゃんと対話してやれよ!!!
た、確かに……!
そもそも紙のほうも含めて初心者に勧めるなら、どう考えてもこれより優先されるテーマがいくらでもあるだろ!!!
このデッキの最大の弱点は、「対戦相手にとってはマジで面白くない」ということです。
なんてったって「相手が考える『遊戯王というゲーム』をさせない」デッキですからね。勝つときも負けるときも一方的です。
また、「ライフのみを愚直に狙う」「魔法・罠に依存する」という戦略から、リアルカードで主流のサイドデッキ込みの対戦では「サイドからの対策カードで完封されがち」という非常にわかりやすい弱点も抱えています。
ついでに言うと、「このデッキのノウハウは他のデッキにほぼ流用できないので純粋に遊戯王というゲームの上達には向かない」というのもありますね。じゃあ全然初心者向けじゃないだろ!
以上の点から【チェーンバーン】は友達同士のプレイにも店舗での競技的な大会にも練習にもあまり向かないデッキなのですが…
「対戦相手の顔が見えなくて」「サイドなしの一本勝負」というマスターデュエルと、なぜかめちゃくちゃ相性がいいんですよね。
また「考えることが少なく勝つときも負けるときも速い」という特徴から、ラダーの序盤を駆け上がったりソロモードを攻略するためのデッキとしても最適です。
デッキパワーで見ればさすがにトップメタには分が悪いとはいえ、相手の意識の外側から勝負を決められるのはほかにない大きな魅力。
「いつもと違うデッキを試したい!」「デイリーミッションを回すためのデッキが欲しい!」「なんでもいいから人間を焼きたい!」「なんどめだエルドリッチ」など考えておられる方は、ぜひ組んでみてくださいませ!
というわけで、皆様が返しのターンの頭に《 ライトニング・ストーム 》か《 ハーピィの羽根箒 》を喰らわないことを心より祈っております。
それでは、機会があれば次の記事でまた。北白河でした。