はじめに
リリースから早1年半を迎え、累計5730万ダウンロードもされているマスターデュエル。
カードプールも新たに更新され、環境の変化が生まれています。
こちらの記事では、ゲーム『遊戯王マスターデュエル』流行りの最強デッキを紹介していきます。
どのようなデッキがあるのか、早速見ていきましょう!
2023年8月の環境はこちら!
目次
先月からのカードプールの変化
9月1日には新リミットレギュレーションが施行されました。
この改訂はマスターデュエル環境に大幅な影響を与えるものでした。
まず、《ティアラメンツ・メイルゥ》《古衛兵アギド》の禁止カード指定。
この2枚が禁止カードになったことで、【ティアラメンツ】は大幅な打撃を受けました。
特に《ティアラメンツ・メイルゥ》がいなくなったことで【ティアラメンツ】は1ターンに融合できる回数が減る、《スプライト・スプリンド》《スプライト・エルフ》の恩恵を受けづらくなるなどの影響から、かなり苦しい立ち位置となりました。
《ブロックドラゴン》《究極幻神 アルティミトル・ビシバールキン》《No.86 H-C ロンゴミアント》も禁止カードとなりました。
《ブロックドラゴン》の禁止により、【アダマシア】の大幅な弱体化。
《究極幻神 アルティミトル・ビシバールキン》の禁止により、【恐竜族】などのデッキの《No.33 先史遺産-超兵器マシュ=マック》を使用した先攻ワンキルプラン。
《No.86 H-C ロンゴミアント》の禁止により、《ナンバーズ・エヴァイユ》と《発禁令》で《No.86 H-C ロンゴミアント》を維持し続けるコンボの崩壊。
禁止カード指定ではこれらのデッキ・コンボに影響が出ました。
制限カードでは、《烙印融合》《スプライト・ジェット》《鬼ガエル》《隣の芝刈り》《古尖兵ケルベク》が指定を受けました。
《烙印融合》は【烙印深淵の獣(ビーステッド)】などの【烙印】関連のデッキ。
《スプライト・ジェット》《鬼ガエル》は【スプライト】系統のデッキ。
どれも初動を削られる形となり、以前より安定性が低くなりました。
《隣の芝刈り》《古尖兵ケルベク》の制限カード指定によって、様々なテーマを混合させたデッキである【60GS(グッドスタッフ)】や、【ティアラメンツ】のパワーカードが削られました。
準制限カードでは、《強欲で金満な壺》《焔征竜-ブラスター》《竜剣士ラスターP》が指定を受けました。
《強欲で金満な壺》は【ラビュリンス】【ふわんだりぃず】などのエクストラデッキを頻繁に使わないデッキのドローソースとなっていたカードですが、今回の改訂で枚数が削られました。
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王マスターデュエル環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、ランクマッチで持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、ランクマッチでも一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
Tier1
【スプライト】Tier1
【スプライト】は、レベル2・ランク2・リンク2モンスターを活用して戦うデッキです。
メインデッキの「スプライト」モンスターは、レベル2かランク2モンスターが自分フィールドに存在していると手札から特殊召喚できる効果を持っています。
《スプライト・ブルー》と《スプライト・ジェット》はサーチ効果、《スプライト・レッド》と《スプライト・キャロット》は妨害効果を持っています。
このレベル2「スプライト」モンスターを使い、ランク2モンスターである《ギガンティック・スプライト》をエクシーズ召喚します。
【スプライト】は先攻展開するにあたって、手札から特殊召喚して展開するので《灰流うらら》《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》などの手札誘発を持っていても1枚だけでは展開が止まりにくいです。
また場合によっては《スプライト・レッド》《スプライト・キャロット》の効果で相手の手札誘発をケアしながら動くことも可能であり、この2体も相手ターンに妨害となるため、展開を許すと強力な盤面を形成されがちです。
【スプライト】デッキ自体には自由枠が多いため、手札誘発を大量投入しやすいのもデッキの強さに拍車をかけています。
また、墓地利用をする環境デッキが増えていることもあり、《メルフィー・キャシィ》《メルフィー・ラッシィ》《森のメルフィーズ》を採用し、相手ターンに《虹光の宣告者》を出す構築が増えています。
【烙印深淵の獣(ビーステッド)】Tier1
【烙印深淵の獣(ビーステッド)】は《氷剣竜ミラジェイド》や《深淵の獣ルベリオン》などの強力な融合モンスター・「烙印」関連のモンスターを駆使して戦うデッキです。
《烙印融合》が一度通れば《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》を融合召喚できます。
《烙印融合》は、融合素材にする《悲劇のデスピアン》などの効果でアドバンテージを稼いだり、《深淵の獣ルベリオン》を融合素材にしてその後の展開に繋げたりもできます。
《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》の効果で《氷剣竜ミラジェイド》を融合召喚することで、盤面の制圧とリソースの確保を同時に図ります。
《氷剣竜ミラジェイド》の効果の発動コストとして墓地に送ることができる《烙印竜アルビオン》が「烙印」魔法・罠カードをサーチかフィールドにセットできるので、後続の《烙印融合》や《赫の烙印》などをサーチまたはセットすることができます。
《烙印融合》は「烙印」カードなので《デスピアの導化アルベル》でサーチができます。そして《デスピアの導化アルベル》は《烙印開幕》からリクルートもできるので、「烙印」カードへのアクセスが豊富に用意されています。
強力な「烙印」永続魔法・罠カードにアクセスするため「深淵の獣」モンスターも採用されています。
また、「深淵の獣」モンスターは光・闇属性の墓地利用メタにもなっています。
【ラビュリンス】Tier1
※EXデッキのダミーカードは《共命の翼 ガルーラ》×3
【ラビュリンス】は、通常罠をサポートする効果を持つ「ラビュリンス」カードを駆使して罠で相手を妨害しつつ、高打点の「ラビュリンス」モンスターで攻めていくデッキです。
「ラビュリンス」モンスターの中でも特に強力なモンスターが《迷宮城の白銀姫》です。
《迷宮城の白銀姫》は特殊召喚条件の緩さ、破壊・対象耐性、通常罠をデッキからセットできる効果のどれも強力です。
特に通常罠をデッキからセットできる効果は、好きな通常罠カードにアクセスできるため、《天龍雪獄》《ドラグマ・パニッシュメント》《次元障壁》《異次元グランド》など、状況や相手のデッキに応じた通常罠を持ってくることができます。
《迷宮城の白銀姫》を含む「ラビュリンス」モンスターは《ウェルカム・ラビュリンス》《ビッグウェルカム・ラビュリンス》でリクルートもできます。
《ビッグウェルカム・ラビュリンス》には条件付きの妨害効果も備わっています。
「ラビュリンス」魔法・罠カードは《白銀の城の召使い アリアンナ》《白銀の城の火吹炉》《白銀の城の竜飾灯》などのテーマ内カードでアクセスも容易です。
Tier2
【エクソシスター】Tier2
【エクソシスター】は、メインデッキの「エクソシスター」モンスターが相手の墓地のカードが墓地から離れることをトリガーに、強力な「エクソシスター」Xモンスターに変身して戦うデッキです。
メインデッキに入る「エクソシスター」モンスターの共通効果として、
『自分・相手の墓地のカードが相手によって墓地から離れた場合に発動できる。「エクソシスター」Xモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。』
といったテキストがあります。
この効果によって「エクソシスター」Xモンスターを展開し、相手の墓地に関する効果を中心とした妨害をしながら戦う、といった特徴があります。
「エクソシスター」魔法・罠には強力なカードが多く、サーチや妨害、展開などをこなすカードがあり、元々のステータスが貧弱な「エクソシスター」モンスターをサポートしてくれます。
【斬機】Tier2
斬機】は、EXモンスターゾーンに関する効果を持った「斬機」カードを中心とし、サイバース族特有の展開力を生かして盤面を形成するデッキです。
《斬機サーキュラー》が強力な効果を持っていて、コストとしてデッキから「斬機」モンスターを墓地に送り自身を特殊召喚、他の「斬機」モンスターが召喚・特殊召喚された場合に「斬機」魔法・罠カードをサーチします。
《斬機サーキュラー》でサーチできるカードで特に強力なのが《斬機超階乗》です。
墓地の「斬機」モンスターを特殊召喚し、シンクロ召喚またはエクシーズ召喚できる効果を持ち、この効果で《斬機ダイア》をエクシーズ素材とした《塊斬機ラプラシアン》をエクシーズ召喚します。
《塊斬機ラプラシアン》を相手ターンに出すことで、相手の手札をハンデス、相手フィールドのモンスターを墓地に送る、相手フィールドの魔法・罠カードを墓地に送ることができます。また《斬機ダイア》をエクシーズ素材としたターンに《塊斬機ラプラシアン》はカードの効果を無効にする効果を得るので、《斬機超階乗》1枚から最大4妨害を作ることができます。
サイバース族リンクモンスターには《アクセスコード・トーカー》《デコード・トーカー・ヒートソウル》《スプラッシュ・メイジ》《アップデートジャマー》などの優秀なカードが多く、展開力や打点にも長けています。
Tier3
【ふわんだりぃず】Tier3
【ふわんだりぃず】デッキは、「ふわんだりぃず」モンスター共通効果である『召喚成功時に鳥獣族モンスターを召喚する効果』を駆使して、大型の鳥獣族モンスターを召喚して盤面を制圧していくアドバンス召喚主体のデッキです。
下級の「ふわんだりぃず」モンスター共通効果として、
- 『このカードが召喚に成功した場合に発動できる。○○する(モンスターの種類によってこの部分は異なります)。その後、鳥獣族モンスター1体を召喚できる。』
- 『表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。』
- 『このカードが除外されている状態で、自分フィールドに鳥獣族モンスターが召喚された場合に発動できる。このカードを手札に加える。』
この3つの共通効果があります。
1の効果で連続召喚をして上級の鳥獣族モンスター召喚へと繋げ、2の効果で除外された「ふわんだりぃず」モンスターを3の効果で回収することで、アドバンス召喚の弱点であった、召喚権の不足問題とアドバンス召喚のリリースによるリソース切れ問題を解決するテーマとなっています。
盤面の制圧力も高く、《ふわんだりぃず×えんぺん》の単体での妨害と、《ふわんだりぃずと夢の町》《ふわんだりぃずと謎の地図》によって相手ターンに《烈風帝ライザー》を召喚して妨害することができます。
またこのデッキは召喚自体はするものの特殊召喚は滅多にしないので、シングル戦であるランクマッチにおいて採用率が高い《増殖するG》を一方的に腐らせることができるのも魅力の一つです。
弱点としては召喚成功時の効果で、さらに召喚という形をとるので《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》などの効果無効系カードを通すとそれ以降の展開が難しくなるところ。
後攻になったときに攻める手数が、通常の召喚権と《ふわんだりぃずと謎の地図》くらいしかないので相手が少ない妨害でターンを返してきても突破できないという場面もそれなりに存在するところです。
《ふわんだりぃずと旅じたく》の登場により、初動の確保による安定性の向上、さらには《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》などの効果無効系カードにこのカードをチェーンすることによって効果無効を回避することもできるようになりました。
環境のまとめと今後の展望
9月1日の新リミットレギュレーション施行後のマスターデュエル環境は、今回も規制を受けてなお環境に健在の【スプライト】【烙印】や、規制による影響が少なかった【ラビュリンス】がTier最上位に。
一方【ティアラメンツ】は《ティアラメンツ・メイルゥ》《古衛兵アギド》が禁止カード、《古尖兵ケルベク》が制限カードとなったことで環境の最前線から転落。
今回の改訂で環境はデフレし、【ティアラメンツ】実装後に活躍の機会が少なかった【斬機】などのデッキも見かけるようになっています。
また、マスターデュエルの新セレクションパックの登場カードは、OCGの登場した順番と異なっており、マスターデュエルならではの環境が生まれる要因の一つとなっています。
今後登場するセレクションパックのラインナップ、マスターデュエルオリジナルのリミットレギュレーションで環境がどう動いていくのか読めない部分もあり、今後もマスターデュエル環境から目が離せなくなっています!
おわりに
遊戯王マスターデュエルの9月新リミットレギュレーション適用後の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは9月の新セレクションパック発売後の環境解説記事でまたお会いしましょう!