はじめに
遊戯王OCG環境では、12月も環境の研究が進んでおり、さらなる進化を遂げています。
11月からどのような変化があったか、今はどのようになっているのか、早速見ていきましょう!
noteやtwitterで活動中の、東海地方で活躍する強豪プレイヤー。独自のチューンの【ヴァレット】デッキ使いとして知られる。
【主要な戦績】
YCSJ OSAKA 2024 ベスト32
WCS2009 Jrファイナリスト
エリアチャンピオンシップ(YACS) in Tokaiベスト6
第1回翔CS優勝
つくよ杯同率3位
ほか入賞複数
2024年11月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
先月からのカードプールの変化
12月21日にスペシャルセット『QUARTER CENTURY TRINITY BOX』が発売されました。
このボックスでは【オルフェゴール】【ドラゴンメイド】【P.U.N.K.】の3テーマが強化されました。
特に【オルフェゴール】は、「オルフェゴール」モンスター1体から展開できる《オルフェゴール・ガラテアi》が登場したため、一気に環境上位へと上り詰めました。
また12月22日には、1月1日から施行されるリミットレギュレーションが発表されました。
この改訂では、《深淵に潜む者》が禁止カードに指定。
《エクス・ライゼオル》《闇の誘惑》《封印の黄金櫃》が制限カード。
《時空の七皇》が準制限カードに指定されました。
この改訂では【ライゼオル】【M∀LICE】が主に規制の対象になりました。
Tier1
【オルフェゴール】Tier1
【オルフェゴール】は、墓地から除外して効果を発動し展開するリンク召喚主体のデッキです。
リンク1のリンクモンスター《オルフェゴール・ガラテアi》によって「星遺物」モンスターまたは《オルフェゴール・バベル》をサーチできます。
この効果で《星遺物-『星冠』》をサーチし、《閉ザサレシ天ノ月》をリンク召喚、「デモンスミス」展開へと繋げ、《召命の神弓-アポロウーサ》をリンク召喚。相手の手札誘発をケアしながら「オルフェゴール」展開へと移ります。
《宵星の騎士ギルス》《オルフェゴール・ディヴェル》《オルフェゴール・トロイメア》などの効果で、墓地から除外して発動する効果を活用し展開に繋げます。
《オルフェゴール・ガラテア》からは《オルフェゴール・バベル》《オルフェゴール・クリマクス》をセットできるため、相手ターンでの妨害を形成できます。
Tier2
【ライゼオル】Tier2
【ライゼオル】は、レベル4・ランク4モンスターを活用するエクシーズ召喚を主体としたテーマです。
メインデッキの「ライゼオル」モンスターはそれぞれ、自身の効果で特殊召喚できる効果を備えています。
サーチやデッキからの特殊召喚、蘇生効果なども備わっているため、自身の効果での特殊召喚以外の方法でも盤面にレベル4モンスターを並べやすくなっています。
「ライゼオル」エクシーズモンスターも強力な効果を持ち合わせています。
《ライゼオル・デュオドライブ》はX素材を取り除いて「ライゼオル」カードをサーチする効果があるので、「ライゼオル」モンスターをサーチしてさらに展開、「ライゼオル」魔法・罠カードをサーチして妨害などを用意することが可能です。
《ライゼオル・デッドネーダー》は相手が効果を発動する度に破壊効果を使用でき、相手の盤面のカードを複数回破壊できる強力な妨害です。
「ライゼオル」魔法・罠カードも優秀なカードが多いです。
特に《ライゼオル・クロス》は「ライゼオル」XモンスターのX素材を取り除くことで相手モンスターの効果を効果処理時に無効にできるので、妨害として非常に強力に働きかけてくれます。余裕があれば自分ターンに相手の手札誘発モンスターの効果を無効にできるので、《原始生命態ニビル》などのケアにもなります。
【M∀LICE(マリス)】Tier2
【M∀LICE(マリス)】は、除外されるとライフを払うことで特殊召喚できる特徴を持った「M∀LICE」モンスターを駆使して戦うデッキです。
メインデッキの「M∀LICE」モンスターは除外された場合、300ライフを払うことで、EXデッキの「M∀LICE」モンスターは900ライフを払うことでフィールドに特殊召喚できる共通効果を持っています。
また「M∀LICE」罠カードは、フィールドの「M∀LICE」モンスターを除外することでセットしたターンに発動することができる効果を持ち合わせています。
この「M∀LICE」罠カードのセットターンに発動できる効果、「M∀LICE」モンスターの除外されると特殊召喚できる効果を活用して展開を伸ばします。
「M∀LICE」モンスターはサイバース族で統一されているため、展開に長けた各種サイバース族サポートを受けることができます。
展開したサイバース族モンスターによる妨害と、「M∀LICE」罠カードによる妨害、豊富なリソースを抱えて戦うことができます。
【メメント】Tier2
【メメント】は、自身や他のモンスターを破壊して展開するテーマ「メメント」を主軸とするデッキです。
デッキ内の「メメント」モンスターを破壊し初動となる《メメント・シーホース》、それにアクセスする《メメント・エンウィッチ》《メメント・ダークソード》から墓地を肥やして展開していきます。
融合モンスターである《冥骸王-メメントラン・テクトリカ》は墓地を肥やしてくれる効果、自分・相手ターンで使える妨害効果、《冥骸府-メメントラン》をサーチする効果を持ち合わせており、強力な1枚です。
最終盤面では《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》《冥骸融合-メメント・フュージョン》、その他《S:Pリトルナイト》などの妨害を構えた盤面が形成されます。
《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》によってリソース・打点の確保、《冥骸融合-メメント・フュージョン》によって《ガーディアン・キマイラ》《捕食植物ドラゴスタペリア》を融合召喚し妨害が構えられます。
【青眼(ブルーアイズ)】Tier2
【青眼(ブルーアイズ)】は、《青眼の白龍》を中心として「ブルーアイズ」モンスターとそのサポートカードを活用したデッキです。
「ブルーアイズ」をサポートするモンスターにはチューナーモンスターが多く存在し、「ブルーアイズ」シンクロモンスターを中心とした妨害持ちモンスターによって盤面の制圧を狙います。
《青き眼の精霊》《青き眼の祈り》《究極融合》など、「ブルーアイズ」モンスターをサポートするカードも充実しています。
Tier3
【白き森】Tier3
【白き森】は、魔法・罠カードをコストにすることでシンクロ召喚を中心に展開し、妨害を構えるデッキです。
《白き森のアステーリャ》《白き森のリゼット》から魔法・罠カードをコストにして、チューナーモンスターを展開。
「白き森」シンクロモンスターを並べ、妨害を構えます。
また、《白き森の聖徒リゼット》をシンクロ素材にすることで「罪宝」「アザミナ」ギミックへと繋がります。
「アザミナ」モンスターの《告死聖徒ルシエラーゴ》《背信聖徒シルヴィア》を特殊召喚することによって、更なる展開や妨害を作ります。
【天盃龍】Tier3
【天盃龍】は、炎属性・ドラゴン族で統一された、バトルフェイズに真価を発揮するシンクロ召喚テーマです。
「天盃龍」モンスターはそれぞれ以下の共通効果があります。
・バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う効果
・戦闘を行う際に適用される効果
を備えています。
これにより連続で相手に攻撃を行い、炎属性・ドラゴン族シンクロモンスターである《燦幻昇龍バイデント・ドラギオン》《燦幻超龍トランセンド・ドラギオン》《トライデント・ドラギオン》を駆使し、後攻でのワンターンキルを狙います。
また《天盃龍パイドラ》は「燦幻」魔法・罠カードをサーチするかフィールドにセットする効果を持っています。
「燦幻」魔法・罠カードは「天盃龍」モンスターを強力にサポートしてくれる効果を備えています。
《盃満ちる燦幻荘》は、メインフェイズ1の間に炎属性・ドラゴン族が相手の発動した効果を受けない効果、「天盃龍」をサーチする効果、ドラゴン族Sモンスターの攻撃力を倍にする効果、と強力な複数の効果を持っています。
《燦幻開門》は2つの効果がありますが、バトルフェイズ中に発動すれば両方の効果を適用でき、即座に「天盃龍」モンスターを展開できます。
環境のまとめと今後の展望
1月1日から施行されるリミットレギュレーションによって、環境トップに君臨していた【ライゼオル】は弱体化。
そして『QUARTER CENTURY TRINITY BOX』で新規カードを獲得した【オルフェゴール】が環境上位へと上り詰めました。
その他、《深淵に潜む者》の禁止カード指定によって、【メメント】などの墓地効果を活用するデッキが追い風になっています。
また、1月下旬には基本パック『ALLIANCE INSIGHT』が発売されるので、このパックによって環境の大幅な変化も予想されます。
どのデッキが覇権を取るのか、今後のOCG環境にも注目です!
おわりに
遊戯王OCGの12月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは1月の環境解説記事でまたお会いしましょう!