はじめに
リリースから早1年半を迎え、累計5730万ダウンロードもされているマスターデュエル。
カードプールも新たに更新され、環境の変化が生まれています。
こちらの記事では、ゲーム『遊戯王マスターデュエル』流行りの最強デッキを紹介していきます。
どのようなデッキがあるのか、早速見ていきましょう!
2023年9月の環境はこちら!
目次
先月からのカードプールの変化
10月10日には新セレクションパック『フレイム・オブ・フューリー』が発売されました。
このパックでは【クシャトリラ】【リチュア】の新規カード追加や、新規テーマとして【R-ACE】が登場しました。
《クシャトリラ・アライズハート》《六世壊=パライゾス》などの強力な新規カードの登場により、以前より出張カードとして使われることの多かった【クシャトリラ】はテーマとして環境に食い込みました。
また【リチュア】も、相性の良い《スプライト・エルフ》を有する【スプライト】と組み合わせることにより強力な妨害を作れるデッキとなりました。
新規の汎用カードとして、条件を満たせば好きな通常魔法・通常罠を持ってこれる《三戦の号》、【ラビュリンス】などで強力な妨害・捲りに使える《魔砲戦機ダルマ・カルマ》にも注目です。
新セレクションパック『フレイム・オブ・フューリー』発売の同日には新リミットレギュレーションが施行されました。
この改訂で《古尖兵ケルベク》《No.89 電脳獣ディアブロシス》が禁止カード。
《素早いビーバー》《ティアラメンツ・ハゥフニス》が制限カード。
また新規カードからの規制として《ティアラメンツ・クシャトリラ》《六世壊=パライゾス》が制限カードに指定されました。
《No.89 電脳獣ディアブロシス》の禁止カード指定は【クシャトリラ】の強力な展開に対しての事前規制で、【クシャトリラ】の展開にかなり大きな影響が及んでいます。
《古尖兵ケルベク》《ティアラメンツ・ハゥフニス》《ティアラメンツ・クシャトリラ》への規制は【ティアラメンツ】が再び環境で暴れることを想定しているのだと思われます。
《素早いビーバー》の制限カード指定により、【スプライト】は純での構築にかなりの弱体化が入りました。
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王マスターデュエル環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、ランクマッチで持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、ランクマッチでも一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
Tier1
【ピュアリィ】Tier1
【ピュアリィ】は、「ピュアリィ」速攻魔法を駆使して戦うエクシーズ召喚主体のテーマです。
「ピュアリィ」速攻魔法には共通効果で以下の効果があります。
『①:○○する(○○は固有効果)。さらに、以下の効果を適用できる。●自分の手札を1枚選んで捨て、デッキからレベル1の「ピュアリィ」モンスター1体を特殊召喚する。②:このカードを素材として持っている「ピュアリィ」Xモンスターは以下の効果を得る。(以降は固有効果)』
この共通効果のおかげで「ピュアリィ」速攻魔法は初動の《ピュアリィ》《ピュアリィ・リリィ》にアクセスすることが可能となっています。
《ピュアリィ》《ピュアリィ・リリィ》は「ピュアリィ」速攻魔法に応じた変身先になる効果をそれぞれ持っています。
基本的には《エピュアリィ・プランプ》の効果で素材を補充し、《エクスピュアリィ・ノアール》を成立させる盤面を目指します。
《エクスピュアリィ・ノアール》はエクシーズ素材を5つ以上持っていると相手が発動した効果を受けず、相手ターンにも使えるデッキボトムバウンス効果も備えているので強力な妨害にもなります。
また、モンスター効果無効の妨害を持っている《エピュアリィ・ビューティ》。
《ピュアリィ・デリシャスメモリー》《ピュアリィ・ハッピーメモリー》とのコンボでワンキルを狙える《エピュアリィ・ハピネス》。
など、他のエクシーズ体も優秀な効果を備えています。
【ラビュリンス】Tier1
【ラビュリンス】は、通常罠をサポートする効果を持つ「ラビュリンス」カードを駆使して罠で相手を妨害しつつ、高打点の「ラビュリンス」モンスターで攻めていくデッキです。
「ラビュリンス」モンスターの中でも特に強力なモンスターが《迷宮城の白銀姫》です。
《迷宮城の白銀姫》は特殊召喚条件の緩さ、破壊・対象耐性、通常罠をデッキからセットできる効果のどれも強力です。
特に通常罠をデッキからセットできる効果は、好きな通常罠カードにアクセスできるため、《天龍雪獄》《ドラグマ・パニッシュメント》《次元障壁》《魔砲戦機ダルマ・カルマ》など、状況や相手のデッキに応じた通常罠を持ってくることができます。
《迷宮城の白銀姫》を含む「ラビュリンス」モンスターは《ウェルカム・ラビュリンス》《ビッグウェルカム・ラビュリンス》でリクルートもできます。
《ビッグウェルカム・ラビュリンス》には条件付きの妨害効果も備わっています。
「ラビュリンス」魔法・罠カードは《白銀の城の召使い アリアンナ》《白銀の城の火吹炉》《白銀の城の竜飾灯》などのテーマ内カードでアクセスも容易です。
Tier2
【クシャトリラ】Tier2
【クシャトリラ】は、レベル7のテーマモンスターを中心として、相手のカードを裏側除外しながら戦うテーマです。
レベル7の「クシャトリラ」モンスターには、
- 『自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。』
- 『自分メインフェイズに発動できる。デッキから「クシャトリラ」〇〇(モンスター・魔法・罠のいずれか)カード1枚を手札に加える。』
- 『このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合に発動できる。〇〇する(相手のカードを裏側で除外する効果)。』
といった共通効果があり、この効果を持つうちの《クシャトリラ・フェンリル》《クシャトリラ・ユニコーン》が多く採用されています。
このレベル7の「クシャトリラ」モンスターのサーチ効果を駆使し展開、裏側除外効果によって妨害していきます。
また「クシャトリラ」ランク7モンスターである《クシャトリラ・シャングリラ》は相手のカードが裏側除外されると相手のカードゾーンを封鎖するという効果を持っています。
そして《クシャトリラ・アライズハート》は、《クシャトリラ・シャングリラ》が効果を使用したターンに「クシャトリラ」モンスターの上に重ねてエクシーズ召喚でき、墓地に送られるカードが除外される永続効果、カードが除外されるたびに除外から素材を補充する効果、素材を取り除いてフィールドのカードを裏側除外する除去効果を備えています。
この強力な効果を持つ《クシャトリラ・アライズハート》と優秀なメインデッキの「クシャトリラ」モンスターで盤面を妨害・制圧していきます。
【烙印深淵の獣(ビーステッド)】Tier2
【烙印深淵の獣(ビーステッド)】は《氷剣竜ミラジェイド》や《深淵の獣ルベリオン》などの強力な融合モンスター・「烙印」関連のモンスターを駆使して戦うデッキです。
《烙印融合》が一度通れば《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》を融合召喚できます。
《烙印融合》は、融合素材にする《悲劇のデスピアン》などの効果でアドバンテージを稼いだり、《深淵の獣ルベリオン》を融合素材にしてその後の展開に繋げたりもできます。
《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》の効果で《氷剣竜ミラジェイド》を融合召喚することで、盤面の制圧とリソースの確保を同時に図ります。
《氷剣竜ミラジェイド》の効果の発動コストとして墓地に送ることができる《烙印竜アルビオン》が「烙印」魔法・罠カードをサーチかフィールドにセットできるので、後続の《烙印融合》や《赫の烙印》などをサーチまたはセットすることができます。
《烙印融合》は「烙印」カードなので《デスピアの導化アルベル》でサーチができます。そして《デスピアの導化アルベル》は《烙印開幕》からリクルートもできるので、「烙印」カードへのアクセスが豊富に用意されています。
強力な「烙印」永続魔法・罠カードにアクセスするため「深淵の獣」モンスターも採用されています。
また、「深淵の獣」モンスターは光・闇属性の墓地利用メタにもなっています。
【斬機】Tier2
【斬機】は、EXモンスターゾーンに関する効果を持った「斬機」カードを中心とし、サイバース族特有の展開力を生かして盤面を形成するデッキです。
《斬機サーキュラー》が強力な効果を持っていて、コストとしてデッキから「斬機」モンスターを墓地に送り自身を特殊召喚、他の「斬機」モンスターが召喚・特殊召喚された場合に「斬機」魔法・罠カードをサーチします。
《斬機サーキュラー》でサーチできるカードで特に強力なのが《斬機超階乗》です。
墓地の「斬機」モンスターを特殊召喚し、シンクロ召喚またはエクシーズ召喚できる効果を持ち、この効果で《斬機ダイア》をエクシーズ素材とした《塊斬機ラプラシアン》をエクシーズ召喚します。
《塊斬機ラプラシアン》を相手ターンに出すことで、相手の手札をハンデス、相手フィールドのモンスターを墓地に送る、相手フィールドの魔法・罠カードを墓地に送ることができます。また《斬機ダイア》をエクシーズ素材としたターンに《塊斬機ラプラシアン》はカードの効果を無効にする効果を得るので、《斬機超階乗》1枚から最大4妨害を作ることができます。
サイバース族リンクモンスターには《アクセスコード・トーカー》《デコード・トーカー・ヒートソウル》《スプラッシュ・メイジ》《アップデートジャマー》などの優秀なカードが多く、展開力や打点にも長けています。
Tier3
【御巫】Tier3
【御巫】は、装備カードに関する効果を持つ「御巫」モンスターを駆使して戦うデッキです。
「御巫」モンスターの特徴として、
『このカードが装備カードを装備していない場合、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になり、装備している場合、このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。』
上記の共通効果があります。
装備カードを装備している状態で相手モンスターと戦闘を行い、相手に一方的に戦闘ダメージを受けさせるのが【御巫】の一番の勝ち筋です。
その中でも《珠の御巫フゥリ》は、
『自分フィールドに装備カードが存在する限り、自分フィールドの「御巫」カードは相手の効果の対象にならない。』
といった対象耐性を付与させる効果を持っています。
そして「御巫」装備魔法には、装備モンスターに効果破壊耐性を付与させる効果があります。
この《珠の御巫フゥリ》+「御巫」装備魔法の組み合わせで強力な耐性が得られます。
儀式モンスターである《オオヒメの御巫》は手札から発動して「御巫」カードのサーチをする効果が備わっており、デッキの安定性も高いです。
【ふわんだりぃず】Tier3
【ふわんだりぃず】デッキは、「ふわんだりぃず」モンスター共通効果である『召喚成功時に鳥獣族モンスターを召喚する効果』を駆使して、大型の鳥獣族モンスターを召喚して盤面を制圧していくアドバンス召喚主体のデッキです。
下級の「ふわんだりぃず」モンスター共通効果として、
【ふわんだりぃず】デッキは、「ふわんだりぃず」モンスター共通効果である『召喚成功時に鳥獣族モンスターを召喚する効果』を駆使して、大型の鳥獣族モンスターを召喚して盤面を制圧していくアドバンス召喚主体のデッキです。
- 『このカードが召喚に成功した場合に発動できる。○○する(モンスターの種類によってこの部分は異なります)。その後、鳥獣族モンスター1体を召喚できる。』
- 『表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。』
- 『このカードが除外されている状態で、自分フィールドに鳥獣族モンスターが召喚された場合に発動できる。このカードを手札に加える。』
この3つの共通効果があります。
1の効果で連続召喚をして上級の鳥獣族モンスター召喚へと繋げ、2の効果で除外された「ふわんだりぃず」モンスターを3の効果で回収することで、アドバンス召喚の弱点であった、召喚権の不足問題とアドバンス召喚のリリースによるリソース切れ問題を解決するテーマとなっています。
盤面の制圧力も高く、《ふわんだりぃず×えんぺん》の単体での妨害と、《ふわんだりぃずと夢の町》《ふわんだりぃずと謎の地図》によって相手ターンに《烈風帝ライザー》を召喚して妨害することができます。
またこのデッキは召喚自体はするものの特殊召喚は滅多にしないので、シングル戦であるランクマッチにおいて採用率が高い《増殖するG》を一方的に腐らせることができるのも魅力の一つです。
弱点としては召喚成功時の効果で、さらに召喚という形をとるので《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》などの効果無効系カードを通すとそれ以降の展開が難しくなるところ。
後攻になったときに攻める手数が、通常の召喚権と《ふわんだりぃずと謎の地図》くらいしかないので相手が少ない妨害でターンを返してきても突破できないという場面もそれなりに存在するところです。
《ふわんだりぃずと旅じたく》の登場により、初動の確保による安定性の向上、さらには《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》などの効果無効系カードにこのカードをチェーンすることによって効果無効を回避することもできるようになりました。
【ドラゴンリンク】Tier3
【ドラゴンリンク】は、展開に長けたドラゴン族モンスターを駆使し、強力な効果を持つドラゴン族リンクモンスター・シンクロモンスターなどを展開するデッキです。
「ヴァレット」モンスターや《輝白竜 ワイバースター》《暗黒竜 コラプサーペント》をリンク素材として展開を伸ばします。
《ストライカー・ドラゴン》をリンク召喚することで《リボルブート・セクター》を、《ドラグニティナイト-ロムルス》をリンク召喚することで《竜の渓谷》をそれぞれサーチし、更なる展開に繋げます。
最終盤面には《ヴァレルエンド・ドラゴン》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》《フルール・ド・バロネス》などの妨害効果を持った大型モンスターが並びます。
「深淵の獣」モンスターがドラゴン族でサポートを共有することができる、光・闇属性がデッキに多く採用されているので、シナジーがあるのも特徴の一つです。
【相剣】Tier3
【相剣】デッキは、レベル4チューナーの「相剣トークン」を相剣カードの効果で特殊召喚し、高レベルシンクロモンスターをシンクロ召喚して戦うデッキです。
《相剣師-莫邪》《相剣師-泰阿》《相剣軍師-龍淵》が主に採用されるメインデッキの「相剣」モンスターです。
このうち《相剣師-莫邪》は召喚成功時に幻竜族モンスターか「相剣」カードを相手に見せることで、《相剣師-泰阿》は起動効果で幻竜族モンスターか「相剣」カードを墓地から除外することで「相剣トークン」を生成し、どちらもレベル4モンスターなのでそのままレベル8シンクロモンスターへと繋げることができます。
《相剣大師-赤霄》をシンクロ召喚すれば、シンクロ召喚成功時のサーチ効果を使うことで後続確保またはさらなる展開へと繋げることも可能です。
《相剣軍師-龍淵》は他の2体とは違いレベル6モンスターなので、レベル4の「相剣トークン」とシンクロ召喚することでレベル10のシンクロモンスター《相剣大公-承影》や《相剣大邪-七星龍淵》《フルール・ド・バロネス》などになれます。
これら大型シンクロモンスターをシンクロ召喚し、盤面を制圧していきます。
環境のまとめと今後の展望
10月のマスターデュエル環境は、妨害と耐性、リソース確保能力を兼ね備えた【ピュアリィ】、罠カードによる質の良い妨害を駆使し、回りだすと止まらないリソースを有する【ラビュリンス】がTier最上位に。
【クシャトリラ】もテーマカード新規の登場により、純テーマでの構築が評価を上げTier上位になっています。
その他の【斬機】【烙印】などの様々なデッキも負けず劣らずのデッキパワーで環境に食い込んでいます。
また、マスターデュエルの新セレクションパックの登場カードは、OCGの登場した順番と異なっており、マスターデュエルならではの環境が生まれる要因の一つとなっています。
今後登場するセレクションパックのラインナップ、マスターデュエルオリジナルのリミットレギュレーションで環境がどう動いていくのか読めない部分もあり、今後もマスターデュエル環境から目が離せなくなっています!
おわりに
遊戯王マスターデュエルの10月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは11月の環境解説記事でまたお会いしましょう!