はじめに
遊戯王OCG環境では、11月にも新カードが登場し、環境はさらなる進化を遂げています。
10月からどのような変化があったか、今はどのようになっているのか、早速見ていきましょう!
2023年10月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
先月からのカードプールの変化
11月25日にコンセプトパック『TERMINAL WORLD』が発売されました。
このパックでは【ジェネクス】【インフェルノイド】【氷結界】【霊獣】の4テーマが大きく強化されました。
【インフェルノイド】【氷結界】【霊獣】は大会環境でも活躍が期待され、注目が集まっています。
10月の振り返りとなりますが、10月28日に発売された『PHANTOM NIGHTMARE』では収録カード《蛇眼の炎燐》《賜炎の咎姫》などによって炎属性に関する強化がされました。
これらを上手く使いこなせる【R-ACE】【炎王】などの炎属性を中心としたデッキが環境を席巻しています。
Tier1
【R-ACE】Tier1
【R-ACE】は、「R-ACE」カードとして扱う魔法・罠カードをサポートとして駆使して戦うテーマです。
《R-ACEタービュランス》が起動効果で「R-ACE」魔法・罠カードをフィールドに4枚もセットできるという、とても豪快かつ強力な効果を持っています。
この《R-ACEタービュランス》の効果で伏せられるカードも、墓地から「R-ACE」モンスターの手札回収や蘇生などのリソース回収、モンスター効果無効や破壊などの妨害、とこちらも強力なカードとなっています。
この《R-ACEタービュランス》にアクセスするための手段も豊富に用意されています。
「R-ACE」モンスターをサーチする《R-ACEハイドラント》。
「R-ACE」モンスターをデッキから特殊召喚し、使い方によっては相手の妨害を避けることもできる《EMERGENCY!》。
そして《EMERGENCY!》などをサーチする《R-ACEエアホイスター》、《R-ACEハイドラント》に触ることのできる「罪宝」ギミックなど。
《R-ACEタービュランス》に繋げるカードには事欠きません。
【R-ACE】は《R-ACEタービュランス》を通したことによって構えられたリソースと妨害でアドバンテージに差をつけて戦うデッキとなっています。
【炎王】Tier1
【炎王】は、破壊をトリガーに効果を発動していく、炎属性中心のデッキです。
《真炎王 ポニクス》を初動として《炎王の聖域》をサーチし、《炎王の孤島》をフィールドに置きます。
《炎王の孤島》の効果で《聖炎王 ガルドニクス》をサーチすることによって、《聖炎王 ガルドニクス》の特殊召喚効果が起動。
手札・デッキ・フィールドの中から獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスターを破壊できるため、《炎王神獣 キリン》《炎王獣 バロン》を破壊し、展開や妨害、リソース確保に繋げます。
破壊をトリガーとして途切れにくいリソースと妨害を作り続けるのが【炎王】の特徴です。
《炎王獣 ガネーシャ》によってモンスターの効果を無効にできるため、妨害の質もよく、展開の初めに召喚することで手札誘発もケアしやすくなっています。
Tier2
【ピュアリィ】Tier2
【ピュアリィ】は、「ピュアリィ」速攻魔法を駆使して戦うエクシーズ召喚主体のテーマです。
「ピュアリィ」速攻魔法には共通効果で以下の効果があります。
『①:○○する(○○は固有効果)。さらに、以下の効果を適用できる。●自分の手札を1枚選んで捨て、デッキからレベル1の「ピュアリィ」モンスター1体を特殊召喚する。②:このカードを素材として持っている「ピュアリィ」Xモンスターは以下の効果を得る。(以降は固有効果)』
この共通効果のおかげで「ピュアリィ」速攻魔法は初動の《ピュアリィ》《ピュアリィ・リリィ》にアクセスすることが可能となっています。
《エピュアリィ・プランプ》の効果で素材を補充し、《エクスピュアリィ・ノアール》を成立させる盤面を目指します。
《エクスピュアリィ・ノアール》はエクシーズ素材を5つ以上持っていると相手が発動した効果を受けず、相手ターンにも使えるデッキボトムバウンス効果も備えているので強力な妨害にもなります。
また永続魔法《ピュアリィ・マイフレンド》の存在も大きいです。
毎ターンの「ピュアリィ」速攻魔法のサーチに加えて、「ピュアリィ」Xモンスターを除去されると墓地から「ピュアリィ」速攻魔法を3種類まで回収できるので、盤面を崩されても立て直しやすいです。
【覇王魔術師】Tier2
【覇王魔術師】は、ペンデュラムテーマである「覇王門」と「魔術師」を組み合わせた展開系のデッキです。
「覇王門」と「魔術師」を繋ぐカードが《覇王門の魔術師》です。
「覇王門」と「魔術師」どちらの名称も持っているため、《覇王眷竜ダークヴルム》や《EMドクロバット・ジョーカー》などからのアクセス手段を豊富に持ち合わせています。
《覇王門の魔術師》は特殊召喚効果やサーチ効果を持っているので、このカードを軸にしてペンデュラム系デッキが得意なモンスターの展開を伸ばしていきます。
最終盤面には《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《召命の神弓-アポロウーサ》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》《時空のペンデュラムグラフ》など多くの妨害が用意できます。
Tier3
【ラビュリンス】Tier3
【ラビュリンス】は、通常罠をサポートする効果を持つ「ラビュリンス」カードを駆使して罠で相手を妨害しつつ、高打点の「ラビュリンス」モンスターで攻めていくデッキです。
「ラビュリンス」モンスターの中でも特に強力なモンスターが《迷宮城の白銀姫》です。
《迷宮城の白銀姫》は特殊召喚方法の緩さ、破壊・対象耐性、通常罠をデッキからセットできる効果のどれも強力です。
特に通常罠をデッキからセットできる効果は優秀で、好きな通常罠カードにアクセスできるため、状況や相手のデッキに応じたカードを持ってくることができます。
《迷宮城の白銀姫》を含む「ラビュリンス」モンスターは《ウェルカム・ラビュリンス》《ビッグウェルカム・ラビュリンス》でリクルートもできます。
《ビッグウェルカム・ラビュリンス》には条件付きの妨害効果も備わっています。
「ラビュリンス」魔法・罠カードは《白銀の城の召使い アリアンナ》《白銀の城の火吹炉》《白銀の城の竜飾灯》などのテーマ内カードでアクセスも容易です。
【粛声】Tier3
【粛声】は、《粛声の祈り手ロー》を鍵とする儀式召喚テーマです。
《粛声の祈り手ロー》はデッキから「粛声」永続魔法・永続罠カードを表側表示で置く効果を持っているので、《粛声なる結界》を置くことで「粛声」カードのサーチへと繋げます。
《粛声の祈り手ロー》は戦士族・ドラゴン族で光属性の儀式モンスターを儀式召喚する際にこのモンスター1体で儀式召喚のリリースとできるので、《粛声の竜賢姫サフィラ》 《粛声なる祈り》 などを使い儀式召喚を行います。
儀式召喚先として特に強力なのが《粛声なる守護者ローガーディアン》です。
《粛声の祈り手ロー》をリリースされた時の効果でフィールドに特殊召喚しておくことで、《粛声なる守護者ローガーディアン》の妨害効果と《粛声なる結界》の強固な耐性効果を得ることができます。
「粛声」テーマ内などでのサーチ手段も豊富に用意されていて、《粛声なる守護者ローガーディアン》や《粛声なる結界》によるサーチで毎ターンのリソースも途切れにくくなっています。
【神碑】Tier3
【神碑(ルーン)】は「デッキ破壊」を勝ち筋とした魔法カード中心のテーマです。
「神碑」速攻魔法には以下の共通効果があります。
- このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
- 発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
- 2つの効果から1つを選択して発動する。
- 1つ目が『○○する。その後、相手のデッキの上からカードをX枚除外する。(Xはカードによって異なる)』という効果。
- 2つ目が『EXデッキから「神碑」モンスターをEXモンスターゾーンに特殊召喚する。』という効果。
選択できる1つ目の効果によって何かしらのアクションをしつつデッキ破壊を行います。
《輝く炎の神碑》や《凍てつく呪いの神碑》などは相手の妨害をしつつデッキ破壊ができるので、デッキ破壊が完了するまでの時間を稼いでくれます。
選択できる2つ目の効果によってEXデッキから「神碑」モンスターを特殊召喚できます。
特に《神碑の翼フギン》は【神碑】デッキの軸となるフィールド魔法《神碑の泉》をサーチできます。
フィールド魔法である《神碑の泉》は、「神碑」速攻魔法をデッキに戻すことで毎ターン最大3枚ドローできる他、「神碑」速攻魔法を相手ターンにも発動できるようになります。
これによって毎ターン手札を補充しつつデッキ破壊を行うデッキとなっています。
デッキ破壊を完了するために生き延びなければいけないので、モンスターをあまり使わない特徴を活かして《群雄割拠》《御前試合》《センサー万別》《スキルドレイン》などの永続罠カードで相手を縛りながらデッキ破壊を行なっていきます。
環境のまとめと今後の展望
11月のOCG環境は、【R-ACE】【炎王】が環境トップの筆頭候補となっています。
やはり炎属性や炎族関連の強化が多かったことが大きく、《賜炎の咎姫》《蛇眼の炎燐》《篝火》や「罪宝」ギミックなどは特に【R-ACE】【炎王】を環境トップに押し上げた大きな要因となっています。
炎属性を中心に使用するデッキ以外にも、『PHANTOM NIGHTMARE』で登場したテーマ【粛声】や、同パック収録の《嗤う黒山羊》を搭載した【ラビュリンス】などにも注目です。
また『TERMINAL WORLD』で大幅に強化されたテーマについても、かなりのポテンシャルが秘められているので今後の活躍に期待です!
おわりに
遊戯王OCGの11月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは12月の環境解説記事でまたお会いしましょう!