はじめに
こんにちは!垢BANチキンです!
今回は、発売直前から特殊な悪用コンボが話題となって注目された《禁断英雄 モモキングダムX》を使った【モモキングダム退化】の紹介です。
環境入り間違いなしといった事前評価でしたが、いざ蓋を開けてみると環境の壁は高く、いくつかの課題が足を引っ張って研究が進み切っていないデッキです。
とはいえ、コンボ自体の殺傷力は非常に高いため、これからの研究次第では環境に飛び込んできそうな気配もします。
そんな【モモキングダム退化】の長所や短所をまとめて考察していきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
目次
【モモキングダム退化】とは
《禁断英雄 モモキングダムX》が持つ「禁断スター進化」の裁定を利用して、大型クリーチャーを退化によって場に出そうという狙いのデッキです。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / 禁断 / レクスターズ / 文明 闇/火 / パワー99999 / コスト2
■禁断スター進化:このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から進化ではないレクスターズが出るまで表向きにし、それをこのクリーチャーの下に置く。その後、山札をシャッフルする。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■自分の他のレクスターズが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにしてこのクリーチャーの下に置いてもよい。
■このクリーチャーは、カードが6枚以上含まれていなければ、攻撃できず、相手に選ばれない。
■このクリーチャーに含まれるカードが6枚になった時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-99999する。
■T・ブレイカー
デッキにあらかじめ「進化ではないレクスターズ」を採用しないことによって、次の裁定を利用して進化元が無い《禁断英雄 モモキングダムX》が場に残ります。
その後、《時空工兵タイムチェンジャー》や《時空の庭園》で進化元を用意して、
《怒りの影ブラック・フェザー》や《バッドドッグ・マニアクス》、《アクア忍者 ライヤ》などの豊富な自壊ギミックで《禁断英雄 モモキングダムX》を破壊します。
「禁断スター進化」 は 「スター進化」 と同様に進化元を場に残せるので、自壊ギミックによって退化したフィニッシャーで詰め切ります。
【モモキングダム退化】の特徴
現状、【モモキングダム退化】は【クローシス】【デアリ】【白抜き4c】の3つのタイプに派生しています。
それぞれ異なるアピールポイントを持っていて、どの構築にも強力な動きが用意されています。
各タイプの長所と短所をそれぞれ2つずつほどまとめてみたので、サンプルリストとともに詳しく見ていきましょう。
【クローシス型】サンプルリスト
【モモキングダム退化】が話題になってから最初に世に広まったのが【クローシス型】。
軸となる《禁断英雄 モモキングダムX》《時空工兵タイムチェンジャー》の文明に合わせて、強力なドロー呪文や受けを採用した素直な組み方です。
最速3キル,平均4~5キルという魅力的な謳い文句に魅了され、《怒りの影ブラック・フェザー》がとんでもない価格になったのが印象的です。
【クローシス型】の長所
1つ目の長所は、なんといってもメタが効きづらい点です。
基本的に踏み倒しを行わないので、環境にはびこるメタカードを無視してコンボを決めることができます。
文明を指定するカードもないため、あの《希望のジョー星》すら問題ありません。なんなら採用することだってできちゃいます。
2つ目の長所は、少し触れましたが、メタを取り込めるという点です。
個人的には、ここが今後の【クローシス型】のカギを握りそうだと考えています。
今回は【ジョー星ゼロルピア】のメタとして《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》を採用しました。
腐ってもキャントリップ付きなので、デッキの動きを邪魔しづらいメタカードです。
コンボについても、《禁断英雄 モモキングダムX》+《時空工兵タイムチェンジャー》+《怒りの影ブラック・フェザー》の合計3枚で完結するため、《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》が場にある状況でも問題ありません。
今後【クローシス型】の研究が進むのであれば、おそらく「メタカード」に関連する部分が強固なものになるんじゃないかと思います。
【クローシス型】の短所
1つ目の短所は、キルターンが事前評価より遅く、安定しない点です。
サンプルリストの部分で「最速3キル,平均4~5キル」と書きましたが、実際はそこまで安定していないのが現実です。
「引きが噛み合えば4キル,平均5~6ターンキル」といったところでした。
これは回す前から分かっていたことではありましたが、「デッキに4枚のみ採用されているカードを2種類」+「8枚採用されている自壊ギミック」を4ターン目に手札に揃えるというのはそう簡単ではありません。
2つ目の短所は、デッキに採用されているコンボパーツのカードパワーが全体的に低い点です。
よく【ジョー星ゼロルピア】と比較されていましたが、【ジョー星ゼロルピア】のコンボパーツである《希望のジョー星》は、単体でメタカードとしてあまりにも優秀です。
コンボに向かうためのパーツもドローソースやマナブーストでできあがっているため、コンボパーツ単体のカードパワーが高めです。
対して【クローシス型】は、メタの役割を果たしたり、自分のリソースを伸ばすカードがコンボパーツになっているわけではありません。
強みを挙げるのであれば、《バッドドッグ・マニアクス》が軽い受けとして使えることぐらいでしょう。
どんどん高速化している環境で、カードパワーが低いパーツが盛り沢山のコンボデッキが生き抜くのは至難の業です。
現状の【クローシス型】の組み方ではこの短所を解決するのは難しいので、なにか改革が求められる部分になっている印象があります。
【デアリ型】サンプルリスト
こちらは【クローシス型】の次に話題になったデッキタイプです。
《時空の庭園》の他に《リボーン・EVO チャージャー》《クレスト・EVO チャージャー》の「EVOチャージャー」ギミックを追加で採用して、奇抜な手段で《禁断英雄 モモキングダムX》の下にフィニッシャーを置きます。
安定4キルといった魅力的な紹介による影響で、《ガイアズ・ソング》などのコンボパーツが軒並み高騰したのが印象的です。
【デアリ型】の長所
1つ目の長所は、《禁断英雄 モモキングダムX》を序盤に引けた際の出力が高めな点です。
特に《ドンドン打つべしナウ》との相性がよく、1ドローでパーツを探しながら、相手の盤面の打点をパワー99999ですべてキャッチすることができます。
《ドンドン打つべしナウ》は、発動した際に相手の盤面にいるクリーチャーにのみ効果を発揮するので注意が必要ですが、シールドトリガーから捲れた際にはほぼ確実にターンが返ってくるでしょう。
2つ目の長所は、強力な盤面を作りながら相手プレイヤーを安全に攻撃できる点です。
【クローシス型】のように《究極銀河ユニバース》での特殊勝利を狙う場合、《究極銀河ユニバース》は置き換え効果ではないので、相手が《一王二命三眼槍》を手札に持っていた場合、敗北を回避されてしまいます。
【クローシス型】の対策で《一王二命三眼槍》を採用したデッキが散見されていたので、その裏を突くようなフィニッシュプランは強みと言えるでしょう。
【デアリ型】の短所
1つ目の短所は、《禁断英雄 モモキングダムX》を序盤に召喚しておかないと勝利が遠い点です。
【クローシス型】における《瞬閃と疾駆と双撃の決断》のようなインチキカードが存在しないので、
盤面ゼロの状態から退化に持っていくには「《禁断英雄 モモキングダムX》+《時空の庭園》+自壊ギミック」の合計5マナが必要です。
肝心の《ドンドン打つべしナウ》も盤面に《禁断英雄 モモキングダムX》がいないと受けとしての機能を発揮できないので、5マナを溜めるまで相手の攻めを耐えきるのは少し難しいです。
序盤に召喚する《禁断英雄 モモキングダムX》への依存度が高いと言えるでしょう。
2つ目の短所は、退化先をなんとかして自力でマナに置く必要がある点です。
たとえ《禁断英雄 モモキングダムX》を序盤に召喚できたとしても、マナゾーンに《竜魔神王バルカディア・NEX》が落ちていないと退化できません。
《竜魔神王バルカディア・NEX》を山札からマナに直接送り込める《神秘の宝箱》のようなカードは採用されていないので、基本的には自力で探し出してマナに置くことになります。
《エボリューション・エッグ》でサーチして次のターンにマナにセットする手段もありますが、それを許してくれるほど環境デッキは遅くないのがネックです。
3つ目の短所は、キルターンが遅く、安定しない点です。
回してみた結果では、稀に4キル,およそ5~7キルといったところでした。
【クローシス型】と変わらず、コンボパーツ自体のカードパワーは低く、ゆっくりコンボパーツを揃える時間がある環境でもないので、コンボの安定性の向上が求められている印象です。
【白抜き4c型】サンプルリスト
【クローシス型】と【デアリ型】のそれぞれの長所を折衷したようなリストで、CS入賞報告を皮切りに話題となりました。
現状、このタイプがおそらく最も安定している【モモキングダム退化】だと個人的には考えています。
【白抜き4c型】の長所
1つ目の長所は、なんといっても《天災 デドダム》を採用できている点です。
コンボデッキにおける《天災 デドダム》の存在は、コンボパーツを探すうえで安定性に大きく貢献します。
【デアリ型】の弱点であった「《竜魔神王バルカディア・NEX》を自力でマナに置く必要がある」という点の改善にも一役買っているので、デッキとの相性がバツグンにいいです。
他のタイプと大きな差を付けているのは、間違いなく《天災 デドダム》の存在と言えるでしょう。
2つ目の長所は、コンボが安定する点です。
「《時空の庭園》+《時空工兵タイムチェンジャー》」「《アクア忍者 ライヤ》+《怒りの影ブラック・フェザー》」とコンボパーツをそれぞれ8枚ずつ採用しているので、シンプルにパーツが手札に揃いやすいです。
《天災 デドダム》のおかげで《禁断英雄 モモキングダムX》や《竜魔神王バルカディア・NEX》へのアクセスもよくなっているので、他のタイプよりもコンボの安定感がアップしています。
キルターンとしてはおよそ4~6ターンといったところで、【モモキングダム退化】のなかでは最も安定していました。
【白抜き4c型】の短所
コンボデッキらしく受けが全く採用されていないので、アグロデッキへの耐性が低い点が弱みです。
主に【赤単我我我】などはガン不利対面として挙げられるでしょう。
とはいえ、リストがまだ研究段階な点も考慮すると、それ以外のはっきりとした短所は見受けられないように感じます。強いて言えば多色が若干かさばる点でしょうか。
主に《未来設計図》などはまだフワフワした枠だと考えられるので、今後の研究に期待が持てます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
【モモキングダム退化】はまだまだ研究が進んでいないデッキタイプなので、構築の変遷次第では環境の台風の目に大躍進することも充分に考えられます。
メタクリーチャーによる対策も難しいので、うまくハマれば最強の理不尽デッキになり得ます。
今後の動向も要チェックなデッキです!