【2021年12月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

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【2021年12月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

はじめに

 「終末王龍大戦」、発売!

 王来篇もいよいよ最終弾、「年末弾はヤバい」の法則がここ数年の定説ですが、筆者の私見では現状のところ程よいアップデートにとどまっている感があります。

 比較的落ち着いた環境ではあるものの、もちろん環境に変化がないわけがありません。

 今回も、緩やかに流動するアドバンス環境の「今」について解説していきたいと思います!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

前回からのカードプールの変化

 なにはなくとも「終末王龍大戦」のリリースが最大のトピック。

 まだまだ研究が進んでいない部分も多いですが、盛んに新デッキが活躍しているオリジナル環境と比べると、アドバンス環境の変化はやや緩やかです。

 そんな中でも最大のインパクトは、【キングダムJO退化】という新デッキタイプの登場でしょう。

 《未来王龍 モモキングJO》は登場時能力に依存せず、攻撃時能力のみで完結したこれまでにないフィニッシャー。

 そんなカードがレクスターズに配られたとあっては、強い非進化レクスターズが切望されていた《禁断英雄 モモキングダムX》とタッグを組まないわけがありません!

 2マナで出して、1マナで剥がす。

 2ターン目にサーチさえ挟む余裕のあるこのムーブは、3ターン目に人が死ぬコンボとしてにわかに注目を集めています。

 そのほかの面では、【5cコントロール】が多種多様な強化を受け、復権の兆しを見せています。

 既存の《ドラゴンズ・サイン》をベースとした【5cコントロール】は、環境上の通りの良さから再評価の流れ。

 新弾からも《ロスト・Re:ソウル》をはじめとしたG・ストライク持ちの便利なカードを取り込み、その受けの硬さに拍車を掛けました。

 また、完全な新機軸のデッキとして、《Volzeos-Balamord》をフィニッシャーに据えた構築も研究が進んでいます。

 ただし、アドバンス環境においては《とこしえの超人》という天敵の存在が懸念点。

 3つのキング・セルのうち1枚でもマナから出していれば《とこしえの超人》の置換効果に引っかかってしまう裁定が下されており、残念ながら活躍しやすいフィールドであるとは言えません。

 これからの環境の変遷次第ではわかりませんが、今のところ、《Volzeos-Balamord》の主戦場はオリジナル環境になりそうです。


Tier1

【ガイアッシュ覇道】Tier1


 圧倒的支持率で10月〜12月環境の最前線を駆け抜けた、現アドバンス環境の覇者。

 コンセプト自体はカウンターデッキではあるものの、その強さの本質は「《メンデルスゾーン》や《ボルシャック・栄光・ルピア》の爆発的マナブーストから繰り出されるカードパワーの暴力」にあります。

 これまで「能動的な押し付けの弱さ」を弱点に挙げてきましたが、ランデスでテンポを取る《極限龍神メタル》や対処の難しい《龍覇 ラブエース》+《爆熱剣 バトライ刃》パッケージなどの採用が一般化してからはその弱点を克服。

 放置すれば危険なパワーカードと、迂闊に攻めればカウンターで勝負を決されかねない《流星のガイアッシュ・カイザー》のダブルバインドを高水準で相手に押し付けるデッキへと変貌しました。

 現在は《流星のガイアッシュ・カイザー》の踏み倒しに引っかからないデッキが徐々に環境に増えてきたこと、それに伴って相対的に《アルカディアス・モモキング》が刺さる対面が多くなったことで、【リースモモキングRX】にシェアを譲る形になっています。

 が、それでもなお、引き続き最優先で存在を意識しなければならないデッキであることに間違いはないでしょう。


【リースモモキングRX】Tier1


 呪文主体のコンボデッキが活躍するのであれば、《アルカディアス・モモキング》が環境を蹂躙するターン。

 【墓地退化】や【青単スコーラー】の隆盛によって評価が上がったのがこの【リースモモキングRX】です。

 特定の対面に対して「詰み」を発生させるカードを安定4ターン、最速では3ターン目に押し付けられるのは唯一無二の強みで、4ターンkillコンボの横行する現在のアドバンス環境では非常に有力です。

 最近のトレンドとしては、ミラーや【ガイアッシュ覇道】の《爆熱天守 バトライ閣》に好き勝手させないカードとして《極限龍神メタル》を逆輸入して採用した形が増加中。

 《“龍装”チュリス》を採用する場合は軽いコストでメタクリーチャーを除去しつつそのまま攻め込める《超英雄タイム》の方が便利でしたが、現在は採用しない構築が主流なこともあり、最大母数であるミラーや【ガイアッシュ覇道】へのガードを上げていると考えられます。

 【赤単我我我ブランド】や【ラッカ鬼羅.Star】のような軽量クリーチャーでビートダウンしてくるデッキに対しては上下どちらも有効な《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》が有効であるため、この辺りは環境の変遷次第といったところでしょう。

 ただし、くっつきのよさを先述した《“龍装”チュリス》だけでなく、どうしても後攻3ターン目にカード除去を撃たなければならない場面のあった【ジョー星ゼロルピア】も次の殿堂施行で環境から姿を消してしまいます。

 ランデスの汎用性を考えれば、1月以降は《極限龍神メタル》の採用がより多くなっていくのではないでしょうか。


Tier2

【赤単我我我ブランド】Tier2


 もはや老舗の風格さえ漂う【赤単我我我ブランド】。

 細かい部分の枚数にはかなり個人差が出ますが、大筋の構築は全く変わらず6月からの半年間を駆け抜けました。

 もちろん若干の浮き沈みはあるものの、中途半端な「有利デッキ」なら全て貫通しうる火力の高さで、とにかく環境に左右されづらいのが最大の強みです。

 現在は環境トップの【リースドラグナー】派生デッキ2種に対して比較的強く出られることもあり、環境上の立ち位置自体もかなりいい印象。

 《我我我ガイアール・ブランド》が殿堂入りするその日まで、変わらない強さでTier1〜2の門番として居座ってくれるでしょう。


【墓地退化】Tier2


 4ターンkillを狙うコンボデッキが増加傾向にあるためか、最近のトレンドは後手からでも間に合う3ターンkill狙い

 《ザババン・ジョーカーズ》をしっかりと4枚、構築によっては《ジョラゴン・リロード》《堕魔 ザンバリー》まで追加で採用し、2ターン目の墓地進化→3ターン目の《龍脈術 落城の計》でフィニッシュを目指します。

 当然ながらドローサポートを挟む余地が少ない分だけ安定性は低下しますので、必ずしもこの構築が強いわけではありません。

 が、4ターン目に《暴走龍 5000GT》を着地させて墓地進化クリーチャーを使わせない【グルメ墓地ソース】や、そもそもターンすら回ってこない【青黒スコーラー】に後手から勝つためには必要な措置。

 これらのデッキが多いと予想される環境では、検討の余地がありそうです。

 また、オリジナル記事で紹介した《秩序の意志》はアドバンス環境でも強力。

 【グルメ墓地ソース】の各種大型クリーチャーはもちろん、新弾のリリースとともに開発されて注目を集める【キングダムJO退化】に対しても封印除去は非常に有効です。


【ジョー星ゼロルピア】Tier2


 週によって入賞数が1位になるほど増加したり、かと思えば翌週にはいきなり4位〜5位付近まで落ち込むほど減少したりと、総じて波の激しいデッキです。

 長く環境に存在することもあってかある程度対策手段が確立されており、Tier1と言えるほどの圧倒的なパワーは出せないのが現状。

 安定して5ターンkillを狙うデッキである都合上、4ターンkillの横行する環境ではやや力不足が露呈する面もあり、環境上の立ち位置もあまり良くありません。

 1月の殿堂施行で事実上消滅してしまうほぼ唯一のデッキタイプです。

果たして有終の美を飾れるか。


【5cコントロール】Tier2


 苦手とするデッキが軒並み立ち位置を落とし、カードパワーと受けの硬さを両立できるデッキとして再び注目を集めはじめている【5cコントロール】

 アドバンスでは《最終龍覇 グレンモルト》が使用できる都合上《ドラゴンズ・サイン》の多投に裏目がほとんどなく、《禁時王秘伝 エンドオブランド》と合わせて《アルカディアス・モモキング》のロックに対して一定の耐性を持っています。

 4killコンボが多い環境で本当に強いのか? という部分についても、先攻であれば4ターン目に《ロスト・Re:ソウル》や《禁時王秘伝 エンドオブランド》を叩き込んで相手の動きを封殺できるため、勝ち筋は十分に存在します。

 呪文ロック、手札・墓地調整、盤面処理と全ての効果が腐らず、様々な面で環境と噛み合う《禁時王秘伝 エンドオブランド》の存在は、【5cコントロール】のマスターピースだと言えるでしょう。

 新弾からの主だった追加戦力は、《ロスト・Re:ソウル》と《地龍神の魔陣》、《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》あたり。

 《ロスト・Re:ソウル》はこれまで《残虐覇王デスカール/ロスト・ソウル》だった枠をそのまま差し替え。

 《地龍神の魔陣》は終盤でも腐らない追加の初動として、《お清めシャラップ》との選択枠になります。

 これらの登場により無理なく追加のG・ストライクを採用できるようになったため、このデッキの主な役割対象であるビートダウンへの勝率はさらに盤石なものになりました。

 《地龍神の魔陣》はメタ能力こそ持っていないものの、マナの伸び切った終盤戦でフィニッシュ手段にアクセスしやすい点は大きな強みです。

 3枚見てからマナ加速するか手札回収するかを決められる点も便利で、序盤、中盤、終盤、盾に埋まった場合とほぼ全てのタイミングで隙のないカードです。

 また、今回のサンプルリストでは採用されていませんが《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》も新たな戦力に数えられるでしょう。

 トリガーがない点に不安はあるものの、スター進化やEXライフに対して強く出られるパワー低下は魅力的。

 何よりも、不足しがちな闇文明を補える点が便利で、3ターン目の《天災 デドダム》成功率はこのカードの有無で大幅に変わってくるでしょう。

 既存のカードでは、オリジナルと同じく《大地門ライフ・ゲート》の採用例が増加中。

 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》や《蒼き守護神 ドギラゴン閃》、《ブラキオ龍樹》《大樹王 ギガンディダノス》などの対処しづらい大型クリーチャーを後腐れなく除去しつつコスト7帯のフィニッシャーへとアクセスできる強力なカウンターカードです。

 アドバンスでは《最終龍覇 グレンモルト》という非常に強力なフィニッシャーが存在することもあり、このカード1枚がトリガーするだけでゲームの勝利に直結することも珍しくありません。

 《ドラゴンズ・サイン》、《灰燼と天門の儀式》と合わせてほぼ全てのゾーンからフィニッシャーが飛んでくるようになったケアのしにくさも強みのうちだと言えそうです。


Tier3

【グルメ墓地ソース】Tier3


 突如環境に襲来したDM界の黒船。

 序盤に《巨大設計図》2種・《種族選別》の合計14投されたドローソースで手札を稼ぎ、4ターン目以降に《樹食の超人》でカードを墓地へとダンクシュート。

 《暴走龍 5000GT》《大魔王 ウラギリダムス》を着地させ、そこからさらに各種「フシギバース」大型獣で盤面を制圧。相手の反撃の芽を摘み取り、勝利を目指します。

 このデッキの強みはなんと言っても膨大なリソース力と、4ターン目に着地する《暴走龍 5000GT》

 例え構築が縛られようと、たった2マナでの3〜4ドローは破格。

多少のメタクリーチャーや1、2回の除去であれば意に介さず、二の矢、三の矢で強引に突破できてしまいます。

 また、かなりの高頻度で4ターン目に着地する《暴走龍 5000GT》もデッキ次第では脅威。

 【赤単我我我ブランド】や【ジョー星ゼロルピア】は1枚でほぼ確実に「詰み」の局面に入ってしまいますし、【青黒スコーラー】も《超宮兵 マノミ》が召喚できなければ手札の枚数の確保は困難。

 【墓地退化】も《秩序の意志》なしではほぼ突破できず、【赤青“逆悪襲”】や【アナカラーダークネス】のようなGR召喚への依存度が高いデッキも厳しい戦いを強いられます。

 総じて環境への通りが非常に良く、このカードが強いからこそのデッキであると言い切ってしまってもいいでしょう。

 2ターン目までに《巨大設計図》をプレイできなかった時のもっさり感は否めないものの、比較的広い自由枠に多めのトリガーを採用可能。

 相手が殴ってくるデッキであればトリガーで受け止めつつ、シールドブレイクされて増えた手札を元手に素早く《樹食の超人》を繰り出し、パワー12000のマッハファイターで盤面を制圧することもできます。

 見た目のインパクト以上に総合力が高く、今後環境に定着してもおかしくないデッキだと考えています。


【赤青“逆悪襲”】Tier3


 高速で手札を投げ捨てつつ《“魔神轟怒”万軍投》や《“逆悪襲”ブランド》で盤面を形成していく新感覚の高速ビートダウンデッキです。

 ブン回った際の打点の高さは他の追随を許さず、「ムゲンクライム」と《零龍》によって粘り強く戦える点は魅力ではあるものの、プレイ難易度の高さや安定性の低さから使用者数は伸び悩んでいる印象です。

 新弾からの新戦力として、《Disパイロン》が加入しました。

 似たようなカードに《パラソル・チュリス》がありますが、登場時能力で手札を捨てないカードは《“魔神轟怒”万軍投》を活用するこのデッキでは論外。

 《Disパイロン》は出た時に手札を捨てるカードでありながら、トップから引いて詰めに貢献できる軽量SAとして独自の強みを持っています。

 また、1ターン目に《神出鬼没 ピットデル》から《“魔神轟怒”万軍投》や《“逆悪襲”ブランド》へと繋ぐ場合、必ずマナに火文明単色のカードが必要になります。

 《神出鬼没 ピットデル》のためには水文明のカードが必要になるため増やしすぎは良くないものの、便利に立ち回れる火文明単色のカードとして《Disパイロン》はこのデッキが待ち望んでいたものでしょう。


【青黒スコーラー】Tier3


 3ターン目まではドロー呪文で手札枚数を確保。

 4ターン目以降に《月下旋壊 ド・リュミーズ》でノーコストで呪文をキャストしつつ山札を掘削しつつ、次々に呪文を連鎖させ、最終的に《次元の嵐 スコーラー》でExターンを獲得。

 追加ターンを駆使してゲームに勝利するスペルコンボデッキです。

 登場当初は《「本日のラッキーナンバー!」》を使い回して殴り勝つ構築が使用されていましたが、現在の主流はループ型。

 《魔導管理室 カリヤドネ》で唱えた《堕呪 ウキドゥ》《セイレーン・コンチェルト》《超宮兵 マノミ》で引き直し、《神出鬼没 ピットデル》で再び墓地へ。

 ここまでの過程で使用したムートピアたちを《I am》で全て手札に戻し、ループさせて相手の山札を全て削り切り勝利します。

 ルーター・サーチ・ドローソースでデッキの大部分が構成されており、安定性は比較的高め。

 現実的に4ターンkillを狙え、ループによって受けを無視した勝利を狙える反面、手札枚数の管理がシビアで雑にカードを切る余裕がなく、さらには魔導具をデッキに一定枚数入れる必要があるためメタカードや「メタへのメタ」、サブプランを積む余地もありません。

 意識されていない環境では非常に強いものの、一度対策を打たれてしまうと打開の難しいデッキです。

 また、現実的に4ターンkillを狙えるとはいえ、当然ながら決まらないゲーム展開もそれなりの割合で発生するため、そういった時に先んじてハンデスや呪文ロックを撃たれた場合、目も当てられません。

 《アルカディアス・モモキング》デッキが増加傾向にある現在の環境では、向かい風が吹いていると言わざるを得ないでしょう。


【キングダムJO退化】Tier3


 今月の「注目の新デッキ」枠。

 デッキの仕組みは簡単です。

 《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚すれば、このデッキに採用されている唯一の非進化レクスターズである《未来王龍 モモキングJO》が自動的に装填。

 あとは《禁断英雄 モモキングダムX》に除去呪文を当てて剥がすだけで、3ターン目に着地した《未来王龍 モモキングJO》が次々と姿を変えつつ連続で殴りかかります。

 キーパーツとなる《禁断英雄 モモキングダムX》は《エボリューション・エッグ》でサーチ可能なので、実質8枚体制。

 8枚と8〜10枚のカードを2枚揃えるだけでいいとあって、かなりの安定度で3ターンkillを決められる、コンボデッキ界の新星です。

 非常に高い出力とスター進化ならではの除去体制である程度の貫通力もある特異なデッキですが、とはいえ受け札の多く積まれたデッキが苦手なこともまた事実です。

 G・ストライクやパワー低下、封印除去での対処はできるため、環境にこのデッキが増えた場合はこれらのカードの採用率が上がりそうです。

 このようなカードを採用しやすいデッキとしては、【墓地退化】と【5cコントロール】が代表格。

 特にG・ストライクは新弾でのプッシュを受けて採用率がかなり高くなっているため致命的。

 これを克服するためか追加の「選ばれない」効果を持つアタッカーとして、《禁断のモモキングダム》を採用した構築も登場しています。

 ただし、多色枚数が増えてしまう点は、タイトな動きを要求されがちな【キングダムJO退化】においてはデメリット。

 環境次第で採用する余地はあるものの、代わりに抜くカードはよく検討したいところです。

 勝ち筋はシンプルなビートダウンが9割ですが、《キャンベロ<レッゾ.Star>》や《アルカディアス・モモキング》といった搦め手もないわけではありません。

 コンボ一辺倒である部分に少し懸念はあるものの、安定性の高さと速度を高次元で両立できるのはコンボデッキとして稀有な特徴です。

 今後の活躍に注目していきたいデッキの一つです。


環境のまとめと今後の展望

 「デュエキングMAX」のリリースから早くも2ヶ月。

プレイヤーたちも《流星のガイアッシュ・カイザー》の存在に慣れ始め、【墓地退化】や【青単スコーラー】といった安易なカウンターを許さないコンボデッキが環境へと参入しはじました。

 環境の変遷を敏感に感じ取るように、《アルカディアス・モモキング》を旗頭として【リースモモキングRX】が一気に勢力を拡大しています。

 これで《流星のガイアッシュ・カイザー》の天下が終わる……のかと言えば、そうでもないと考えられます。

 なにせこれらのデッキはどちらもほとんど同じ基盤を有するデッキ。マナのカード2、3枚ぐらいでは判別がつかないことも多々あります。

 つまり、対戦相手の視点からすれば【リースモモキングRX】相手であろうと《流星のガイアッシュ・カイザー》を警戒しなければならず。

 【ガイアッシュ覇道】相手であろうと《アルカディアス・モモキング》の影に怯えなければならない、ということです。

 これら2つのデッキは、お互いがお互いの構築を隠れ蓑として、非常に厄介な共生関係を形成しています。

 これら2枚のどちらの影響も受けず、一貫したプレイを取れるデッキはほんの一握り。

例えば【赤単我我我ブランド】や、【ジョー星ゼロルピア】などです。

 このようなデッキは上位2デッキに対しても比較的立ち回りやすいデッキだと考えられます。が…………。

 

 これからの環境を考えるうえで外せないのが、1月からの殿堂施行。

 今回は新たな殿堂入りカードとして《“龍装”チュリス》と《希望のジョー星》が発表されました。

 これにより、【ジョー星ゼロルピア】はほぼ確実にデッキタイプ消滅。

 そもそも《希望のジョー星》4枚がメタカードとして強力であることもこのデッキの大きな強みであったため、無理にリペアをするぐらいなら他のコンボデッキを使う方が良さそうです。

 現在の環境で「【ジョー星ゼロルピア】がいたから勝てなかった」というようなデッキはほとんど存在しませんが、少なくとも【5cコントロール】のようなコンボデッキ全般に強く出られないデッキの立ち位置は良くなるでしょう。

 また、最近メタカードとして採用されがちだった《「敬虔なる警官」》は採用できるデッキがかなり限られるようになります。

 このカードに苦しめられていた一部のデッキ、【赤単我我我ブランド】や【墓地退化】にとっては朗報でしょう。

 《“龍装”チュリス》については、ことアドバンスに限って言えば、デッキタイプ単位での影響はそれほど大きくありません。

 せいぜい【リースモモキングRX】に採用される場合がたまにあったぐらいで、それも最近では採用しない構築が主流です。

 強いて言えば、これまで3ターン目に《“龍装”チュリス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》で走られることが最大の負け筋だった【グルメ墓地ソース】のようなデッキや、速度でマウントを取られる心配のなくなった【赤単我我我ブランド】には嬉しい出来事かもしれません。

 今回の殿堂入りでは、総じて3ターン目に大きな脅威を与えてくるようなカードが取り除かれた印象です。

 素早いアプローチを仕掛けるデッキが減少すれば、4ターン目にどれだけ勝利へと近付けるかに焦点が置かれがちな現在の環境に、より拍車をかけるような格好になることが予想されます。

 現在の環境においても圧倒的なシェアを誇る上位2デッキ。環境の焦点が今よりさらに3ターン目から遠ざかるのであれば、その権勢はさらに強まりそうです。

 しかしながら、逆を言えば、そんな環境の中で3ターン目までにビッグアクションを仕掛けられるようなデッキは注目株ということです。

 その観点からも、新たに登場した【キングダムJO退化】の趨勢には注目したいですね。

おわりに

 というわけで、12月下旬のアドバンス環境について解説いたしました。

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?

 この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、1月上旬のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!

オリジナル環境はこちら!


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