はじめに
デッキは複数を持つのではなく、好みの1つをとことん突き詰める派閥、どうもミルク金時です。
・・・だけれども。
一時期は「1人回しの幅を増やしたい!」と思って、我武者羅にデッキを組みまくった日がありました。
結果として後に弟に渡したり、売ったり、手放すわけですが。
そんな手放したデッキの中でも、今思えば「持っておいてもよかったな」というデッキもいくつかあるわけです。
その1つが【赤黒ドルマゲドン】。
今思えば、コントロールデッキが好き。フィニッシュはデカブツで決めたい。
そう考え日々を過ごしている私には相性ぴったりなデッキテーマでした。
昔よりも今はちょっぴり財布も温まってきているので、ここいらでまたデッキの幅を増やそうかな、なんて思ってしまったわけです。
そしたら、こんなにも性に合うデッキテーマを思い出した・・・。
今彼を組むならどんなレシピになるのか。気になるますでしょ? 気になりますよね。気になるんですよ。
・・・といっても、もしかしたら【赤黒ドルマゲドン】ってデッキテーマ自体知らない方も多いかも。
何故最近その名を聞かないのか。その真理を見つけ、最新の形にアップデートし、私の新たなデッキに加わってもらおうじゃあないですか!
よしゃ、【赤黒ドルマゲドン】のリペアに早速取り掛かかって行くぞぃ!
目次
【赤黒ドルマゲドン】とは
【赤黒ドルマゲドン】をリペアする上で、知っておかなければいけないのがデッキの歴史。
堅苦しいお話になってはしまいますが、これを知るか知らずかでは天と地の差が生まれます。
今の環境下で【赤黒ドルマゲドン】を使うなら、何が欠けていて、何が必要なのかを知っていく必要があるわけです。
と言うわけで、このデッキテーマを深く知るためにも、ぜひお付き合いくださいませ!
禁断爆発
時は大きく遡り2016年11月頃。
《蒼き団長 ドギラゴン剣》が躍進を見せた年の暮れ、といえばなんとなく環境はご理解いただけるでしょうか。
革命チェンジが飛び交う荒野の世界の中、ひらりと1枚、否、5枚のカードの性能が世界にばら撒かれます。
それが今回のデッキテーマ【赤黒ドルマゲドン】の核、《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》。
5枚1セットで存在するこのカードは、『火or闇コスト5以上のコマンド』を召喚もしくは侵略ZEROすることで、『1ターンに1度』「パワー1111以下破壊」「スレイヤー付与」「パワーアタッカー+2222」の付与効果とともに徐々に封印が剥がれていきます。
そして、最後4回目の召喚もしくは侵略ZEROによって禁断爆発。
この5枚の真の姿、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が誕生するのです。
その能力は“2度”の破壊耐性を持つ『パワー999999』のTブレイカーという、2022年今の環境下ですらも凌駕する圧倒的スペックを誇り、世のクリーチャー全てを軽々打ち砕く。
・・・はずでした。
この能力だけ見れば、天上天下唯我独尊、玉座に居座れそうなものですが、禁断爆発に至るまでの道のりがとにかく厳しい。
当時のカードプールでは『火or闇コスト5以上のコマンド』を『4回』も召喚して出すのは流石に厳しい。
ましてや『1ターンに1度』という手厳しい条件故に、出せたとしてもそれは既に戦いが終結した頃だ、と。
結果として、情報解禁時点での評価は決して良いものではなかったのでした。
天地逆転
しかし、その微妙とも呼べる評価は直後に逆転することとなります。
2016年12月16日、DMR-23「革命ファイナル 最終章 ドギラゴールデンvsドルマゲドンX」にて、かの《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が刷られたわけですが、それだけでは終わりません。
同パックにおいて、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が最初はフィールド扱いということで墓地から飛び出すスピードアタッカー《終断δ ドルハカバ》や、色の相性が良く2マナの動きを生み出してくれる《終断α ドルーター》。
まさしく怒涛。《終焉の禁断 ドルマゲドンX》との相性の良いクリーチャーがバシバシと登場。
そうしたら当然の如く、事前評価は掌返し。一気に【赤黒ドルマゲドン】というデッキテーマが広がっていったのでした。
衰退と新たな風
とはいえ、このデッキタイプが今となっては過去の産物になってしまったのには当然理由があります。
この手のコントロールデッキの衰退となれば、やはり環境の高速化、或いは封印をものともしないループの開発。この2つです。
文献によると、概ね“超天篇中期”頃、《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》や《BAKUOOON・ミッツァイル》が生まれた世代ですね。
この頃には【赤黒ドルマゲドン】どころか、そもそも《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が消息を絶った、とあります。
が、この頃には既に過去の産物になっていたはずの【赤黒ドルマゲドン】。“超天篇中期”以前の環境に対して速度、確実性が足りなくなってしまった、というのが大きな要因でしょう。
つまり、現環境の速度には全くを持ってついていけない、というのが正直な話になるのでしょうか。
そんな【赤黒ドルマゲドン】ですが、決して強化がなかったわけではありません。
様々なパーツが増えましたが、何より大きく新たな風を運んできてくれたのは、DMEX-17 「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」で登場した《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》。
【 禁断フィールド 】
文明 闇/火 / コスト2
■このフィールドが出た時、封印を4つ付ける。 ■自分の闇のコマンド、火のコマンド、名前に《禁断》とあるクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。 ■禁断爆発:このフィールドから封印がすべて外された時、山札に加えてシャッフルする。その後、カードを1枚、自分の墓地から手札に戻す。 (カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドが出た時、その持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ自身のカードから封印を1つ、墓地に置く)
「自分の闇のコマンド、火のコマンド、名前に《禁断》とあるクリーチャーの召喚コストを2少なくする」というシンプルながら、超絶大幅に動き出しを早める驚異的サポートカードが登場しました。
これのおかげで、1体目の『火or闇コスト5以上のコマンド』を場に出すまでの動きが、今までは『1→2→3→5』だったものから『1→2→5』と格段にスピードアップ。
さらに『火or闇コスト5以上のコマンド』を出した場合、強制的に《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の封印を剥がさなければいけなかったわけですが・・・
こちらも封印をお持ちでいらっしゃるおかげで、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の禁断爆発のタイミングを自由自在に操れるようになりました。
『火or闇コスト5以上のコマンド』の選択肢も増えています。
そう考えれば、これを1つの軸として置くことで、今の環境としても十二分に間に合う、やりあえるデッキとなってくれるでしょう。。
リペアには何が必要なのか
現状で足りない要素とは
さて、【赤黒ドルマゲドン】を再び前線に押し上げるには何が必要なのか。
いくら《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》で速度が上がったとはいえ、やはりメインアタッカーを《終焉の禁断 ドルマゲドンX》とするとどう足掻いても基本5マナになってから『4ターン』が必要になってしまいます。これでは流石にやりあうのは難しいでしょう。
となると、必要になる要素としては「遅延」もしくは「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」となるのではなかろうか。
「遅延」を押し付けることで、無理矢理ターン数を稼いで《終焉の禁断 ドルマゲドンX》禁断爆発に持っていく。
禁断を解除できる『火or闇コスト5以上のコマンド』の中でも、とりわけカードパワーが高いクリーチャーを選抜し《終焉の禁断 ドルマゲドンX》禁断爆発まで持っていく。
このどちらかを満たせれば、今まで以上に良い動きになるのではないでしょうか!
リペアパーツ候補
では、上記の要素を満たすことができるカードは何があるのか。
これをザクザクっと見ていきましょう!
《影速 ザ・トリッパー》
【 クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / ゴースト / 文明 闇/火 / パワー4000 / コスト3
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■相手はカードをマナゾーンに置く時、タップして置く。
こちらは「遅延」で無理矢理ターン数を稼ぐカード。
相手のマナをタップインさせるので、実質毎ターンエクストラターンをとっているようなイメージです。
此奴単体では《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の封印を外すことはできませんが、コマンドかつスピードアタッカーなので、登場とともに《S級不死 デッドゾーン》に侵略させるという芸当もできます。
相手の動きに合わせて柔軟に使い分けてみてくださいませ。結構良い仕事をしてくれますよ。
《滅界の魔将バフォロメア》
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 闇 / パワー6000 / コスト5
■G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■このクリーチャーを「G・ストライク」能力で相手に見せた時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-3000する。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-3000する。
シールドトリガーではないため、シールドから捲って封印を剥がすという役割は果たせませんが、相手を「遅延」させるという面では非常に優秀な「ガードストライク」持ち。
ガードブレイク時に小型のクリーチャーなら焼けますし、そのまま召喚しても《S級不死 デッドゾーン》と合わせてパワーを『-12000』まで削ぎ落とすことができます。
「遅延」といいつつ「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」という面もこなしてくれる、かなり偉い子ではあります。
が、やはりガードストライク故に相手ターンで封印を剥がせないのは痛い点。採用するにしても枚数は4枚フルで積み込まなくても良いのかな、という印象です。
《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / デーモン・コマンド / アーク・セラフィム / 文明 闇 / パワー6000 / コスト5
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■自分のターンの終わりに、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。
この子は「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」。
純粋に「EXライフ」のおかげでシールドトリガーからコマンドを捲って、強引に禁断爆発まで持っていくことができる・・・可能性が増えます。
《S級不死 デッドゾーン》と合わせて打点が『5点』になるのも良いところですが、何より大きいのが自分のターン終わり毎に「ハンデス」ができるということ。
どうしても長期戦になってしまう【赤黒ドルマゲドン】にとっては、着実に相手のリソースを玉砕していけるのはかなりのアドバンテージです。
さて、【赤黒ドルマゲドン】のハンデスというと《爆霊魔 タイガニトロ》がいますよね。
彼とはしっかり差別化できています。
ハンデスの総数を取るなら《爆霊魔 タイガニトロ》、安定を取るならEXライフも生成しつつ打点にもなる《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》といったところでしょうか。
個人的には今足りていない「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」を満たせている《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》がオススメですが、相手の反撃に並々ならぬ恨みや怨念がある方は《爆霊魔 タイガニトロ》をピックするのも面白いかと思います。
《ゲンムエンペラー <バロム.Star>》
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ∞ドラゴン / デーモン・コマンド / レクスターズ / 文明 闇 / パワー11000 / コスト7
■このクリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、このクリーチャーを破壊する。
■スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札を好きな数捨ててもよい。その後、こうして捨てた手札の枚数に1を足した数、相手は自身のクリーチャーまたは手札を選び、墓地に置く。
こちらも「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」。
自分の手札こそ犠牲にせねばなりませんが、その分+1枚のハンデスができます。圧倒的ハンデス能力、ゲームの勝敗をこの1枚が握っているまであると言えるでしょう。
・・・と自分の手札を犠牲に、とは言いますが、このデッキにおいて墓地は《S級不死 デッドゾーン》の侵略や《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》の墓地回収などを考えると、実質手札みたいなもの。一方的なハンデスと考えても良いでしょう。
これがリペア構築だァーーー!!!
【赤黒ドルマゲドン】リペア構築
今回は「5マナ以上でカードパワーの高いクリーチャー」を主軸に置いて、自分の動きを押し通し突き抜ける構築に仕上げました。
そのため、《影速 ザ・トリッパー》は抜き、《滅界の魔将バフォロメア》も枚数は2枚と控えめにしています。
初動は《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》《ボイル・チャージャー》《スラッシュ・チャージャー》の合計『10枚』。
2ターン目に動き出すのは『50%』。仮に無理だとしても、約『90%』の可能性で3ターン目で初動を撃っていけます。
また、今回は《ゲンムエンペラー <バロム.Star>》という大幅なアドバンテージの差を生み出す、言わばフィニッシャーを採用しているので《S級不死 デッドゾーン》の枚数はちょっと控えめの『3枚』。ここは好みに枚数調整を加えてあげると、より手に馴染むかと思います。
元より影に潜むこととなった理由が環境に追いつけなかったから、という理由なだけだったため、少し今風の調整を加えてあげただけで十分満足に戦えるテーマになったのではないでしょうか!
【赤黒ドルマゲドン】リペアVer.の回し方
今回のリペアに関しては、従来の【赤黒ドルマゲドン】とは大きくは動きは変わらない・・・ですが、今どき【赤黒ドルマゲドン】の動き方を把握している方も少ないでしょう。最近めっきり聞かなくなったテーマですからね。
ということで、軽くですが【赤黒ドルマゲドン】の回し方も学んでいきましょう! 動きは非常にシンプルなので、気負わずに、こうググッと。
①『5マナ』ラインへ猛ダッシュ
まずは、2ターン目に《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》、もしくは3ターン目に《ボイル・チャージャー》《スラッシュ・チャージャー》を使い、『5マナ』に向かって猛ダッシュしてください。
先にも述べた通り、確率としては初動2ターン目『50%』、初動3ターン目『90%』と安定しています。
このデッキは《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の封印を全て剥がし、全てを封じて殴り切ることが最大のフィニッシュプランです。
《S級不死 デッドゾーン》や《ゲンムエンペラー <バロム.Star>》で殴り勝つにしても、『5マナ』に到達しなければ何もことを成せません。
ここは堅実に、着実に動きを刻んでいきましょう。
②侵略orスター進化で攻め落とせ!
『5マナ』までくればこちらの本領発揮。
スピードアタッカーの《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《終断δ ドルハカバ》を主軸にアタックを仕掛け、《S級不死 デッドゾーン》に侵略し除去と打点形成。
或いは《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》等で地盤を整えてから《ゲンムエンペラー <バロム.Star>》にスター進化して、リソースを狩りつつ打点形成。
この2本の軸で相手のリソースというリソースを狩り取り、堅実に封印を剥がしつつフィニッシュプランを形成しましょう。
やれるならここで相手を葬っても良し、です。
③禁断爆発
仮に殴りきれなかったとしても、こちらには本命《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が残されています。
ジャンジャン『火or闇コスト5以上のコマンド』を出して、禁断爆発まで持っていき、破壊耐性2回持ちのTブレイカーというぶっ壊れでフィニッシュです。
或いは《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》を出しておけば、自分の望んだタイミングで《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の封印最後の1枚を剥がすことができます。
つまり、あえて封印を1枚残し、シールドトリガー次第で相手ターンに禁断爆発という強烈なカウンターも仕込めるわけです。
ここは相手の動きや自分のリソース次第で切り替えていきましょう。
総括
というわけで【赤黒ドルマゲドン】のリペアを試んでみました。
これと言って規制が掛からなかったテーマだけに、今風のアレンジを加えるだけで十分なデッキパワーを取り戻したのではないでしょうか。
今後の強化を望むとしたら、シールドトリガー持ちの『火or闇コスト5以上のコマンド』が増えてくれれば、より安定して戦い抜けるでしょうし、或いはより安定して《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を禁断爆発を狙えるでしょう。
先にも述べた通り、カードプールは広がっています。それに今後の成長にも期待できるテーマです。
新しいデッキを作りたい方や【赤黒ドルマゲドン】をすでに持っている方、或いは「作りたかった!」と憧れを持っていた方。ぜひお試しあれ。今なら結構お安く組むことができますので!
皆様、良きDMPライフを。ではではー!