こんにちは、神結です。
今回は間近に迫る全国大会2019の「観戦ガイド」を書かせていただこうと思います。
全国大会は、文字通り全国各地の猛者たちが集まってくる大会です。普段のCSとはまた違ったメタゲームが展開されることになるでしょう。
今回はメタゲームの予想から注目の選手紹介まで、事前に読んでおくと全国大会をより楽しめる記事となっております。
それでは、よろしくどうぞ。
目次
全国大会2019 概要
コロナウイルスという現代人にとって未曾有の災害は、2020年の年始めより我々の生活を大きく変えてしまいました。
半年や1年程度で収まると考えていた人も多かったと思いますが、3年目となった今日でもその脅威は顕在です。
デュエルマスターズも、この脅威を大きく受けることとなってしまい、全国大会2019も幾度となく延期されてしました。
当初予定されていたカードプールでは《マリゴルドⅢ》や《ヨミジ 丁-二式》が使えていたことと考えると、コロナウイルスによって失われてしまった時というものが深刻に思えてきます。
しかし遂に、今度こそ、いよいよ、全国大会2019が行われることになりました。
6/12(日)の10:00からデュエチューブで配信とのことです。解説にはいつものメンバーに加えて、前回覇者のギラサキ選手が登場するようです。
王来MAX篇(新章デュエルマスターズそのもの)や、恐らく新殿堂も控える前のタイミングということで、半年ほど続く現環境の総決算といった形の大会になるでしょう。
メタゲームの予想
レギュレーションについては調べてもわからなかったので(公表されていない理由は割と謎ですが)、ひとまずオリジナル・アドバンスの両環境について記載しておこうと思います。
ただし、全国大会は参加選手が絞られており、その多くが大きな実績を持っているプレイヤーです。普段のCSとはまた違ったメタゲームがあります。
例えば全国大会2018だと、2ブロックでは環境トップとされた【赤青覇道】とそれにかなり戦える【白ゼロサッヴァーク】の2デッキで全体の半数を占めました。
ちなみに事前予想では、もっと覇道の数字は多いと予想されていました。そして殿堂環境では、【ジョラゴンジョーカーズ】が圧倒的な数を揃えていました。
要するにこの大会は、「強いデッキ」の使用者数が通常のCSより圧倒的に増えます。
それもそうで、通常のCSであれば「CSでこのデッキを調整したい」という人もいますし、「このデッキでどこまでいけるのか試してみたい」という人もいます。
まさか全国大会で未調整のデッキが持ち込まれることはない筈ですし、CSのような感覚でデッキを試しにいくケースもほぼ無いでしょう。
また「このデッキは環境的に向かい風だけど、相手が上手いプレイヤーでなければ勝ちを拾いやすい」といったデッキも、選択する理由はほぼなくなります。
要するにこれらはミス待ちということになるのですが、それが通るほど甘い場所ではない筈です。
ですのでこの大会は、デッキの候補となるものはそれなりに絞られると思われます。
そして仮に環境上位のデッキであっても、メタゲームによってはかなり使用者が減る筈です。
各プレイヤーが現環境をどのように捉え、そしてそれに対する回答は何だと思っているのか。
この点に注目して各プレイヤーのデッキ選択を見てみるのは、かなり面白いと思います。プレイヤーによって、違う色が出る筈です。
オリジナル
環境デッキと特色
さて、まずはオリジナルの方から見ていきましょう。
まず最初の共通見解としては、【赤単我我我】という一つの"ハードル"が存在することです。
《我我我ガイアール・ブランド》が絡めば3キルルートの生成は容易、先攻ならば悠々4キルルートを作って勝ちにいけます。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / レッド・コマンド・ドラゴン / レクスターズ / 文明 火 / パワー9000 / コスト8
■このクリーチャーを、コストを3少なくし、さらに、このターン、自分の他の火のクリーチャーを召喚していれば、追加で3少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターンこのクリーチャーは可能なら攻撃し、その攻撃の後でこのクリーチャーを破壊する。
■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■W・ブレイカー
■このカードが離れた時、自分のクリーチャーをすべてアンタップし、このターンそれらに「スピードアタッカー」を与える。
赤単は現状、環境の速度を定義しているデッキです。ちなみに「一番速いデッキ」であることもそうですが、「一番強いデッキ」であることも割と否めません。
現実的にそうはならないと思いますが、潜在的に言えば全国大会で全員がこのデッキを使っていても決して不思議ではないでしょう。
とはいえ、赤単のミラーマッチは他のデッキに比べて練度の差が勝率に繋がりにくいのも事実。
全国大会に出てくるプレイヤーの多くはプレイに自信をもって挑むでしょうし、この手のミラーを好む傾向は低いだろう、と予想しています。
ただもう一つの事実として、このデッキは「格上」にも勝ちやすいです。
仮にどんなに全国に向けた練習を重ねたところで、dottoや♦ドラ焼きといったプレイヤーとコントロールミラーをするとなると、幾ら命があっても足りないでしょう。
そういう意味では、本大会に於いても「最上位」と呼ばれるプレイヤーはあまりこのデッキを選択せず、逆に彼らに一矢報いることを考えるプレイヤーにとっては第一候補になる筈です。
その「最上位」プレイヤーたち(特にランキング勢)は、恐らく赤単に一定レベルで勝てることを最低条件とし、そうしたデッキをチョイスしてくるのではないでしょうか。
実際のところ、長らく環境で活躍している【5cネバー】や、最近台頭してきた【邪王門カツキング】(4c邪王門)のようなデッキは、赤単に対して比較的強く出られます。
一方で、赤単同様の速度で走れる【JO退化】という存在もあります。
安定感は赤単に及ばないものの《禁断のモモキングダム》、《アルカディアス・モモキング》、《キャンベロ <レッゾ.Star>》といった、あらゆる手段で反撃を封殺してきます。
このデッキもアグロという立ち位置ではありますが、赤単に対して有効だった対策がこのデッキに対しても必ずしも効く訳では無いんですよね。
特に先攻から素直に退化を決められてアルモモなどで走ってこられるのは、普通に理不尽の極みです。
また理不尽系列でいうと、元祖退化こと落城退化系のデッキも該当するでしょう。
【アナ退化】はロングゲームに滅法強く安定感もあるがアグロに弱い、【ドロマー退化】はアグロに強いが安定感がない……とそれぞれ弱点を抱えていますが、逆に言えば環境を読み切ってしまえばファーストチョイスになり得る可能性を秘めている、という意味でもあります。
その他、同じく理不尽を押し付けやすいデッキとしては【グルメ墓地ソース】があります。
こちらは2ターン目の《巨大設計図》を咎める手段が環境デッキにほぼなく、完成した盤面を返せるデッキも相当限られるため、かなり机上通りの勝率を見込めるデッキだと思っています。
環境を読み切ってアグロを割り切ってしまえば【青単スコーラー】なども候補として上がりますが、流石にこれはリスクが大きすぎるでしょう。
『中速デッキが多い』と読むなら【青魔導具】の方が広く色んなデッキと戦えるでしょうか。
もし逆に『環境読みと付き合うのが嫌』という場合の選択肢としては【黒ガイアッシュ】などが候補でしょうか。
このデッキはゲーム前半のマナ基盤の脆さはありますが、《流星のガイアッシュ・カイザー》や《一王二命三眼槍》による一定レベルの防御力、黒のハンデスによる一定レベルの妨害、そして《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》というフィニッシャーを所持していることから広いデッキと戦うことは出来ます。
自由枠・選択枠もそこそこあるので、読み切った上でのチューニングも可能です。
また【デイガライオネル】もタマシード故のメタ耐性の強さや、《禁断英雄 モモキングダムX》が絡んだ上振れムーブもあるため、候補の一つには上がってくるでしょう。
……と、ここまで挙げた通り、この環境の難しいところは極めてデッキの数が多いことです。
「赤単に勝てれば一定の意義がある」というかと、それはそれでまた素直に頷けないだけの複雑さがあります。
神結のメタゲーム予想
コントロール系のデッキを好む人が多い中でも、赤単我我我は極めて強力であることに疑いはなく、選択のしやすさからもなんだかんだで最大数と予想。
以降は中速以上の各種デッキが並び、尖った相性を持つデッキを選ぶ人は少ないのではないでしょうか。
ただ読みや当たり方次第では、数の少ないデッキから優勝者が現れても全然不思議ではないでしょう。
恐らく配信台では、多様なデッキを見掛けることになるのではないでしょうか。
多い | 普通 | 少ない |
赤単我我我 | 5cネバー | アナ退化 |
グルメ墓地ソース | ドロマー退化 | |
JO退化 | デイガライオネル | |
4c邪王門 | 青単スコーラー | |
黒ガイアッシュ | 青魔導具 |
アドバンス
環境デッキと特色
アドバンスはオリジナルに比べて、流石にそこまでデッキが多くないです。
これ自体はCSの開催数も影響しているかと思いますが、超次元やGRのパワーを実感出来るのはやっぱりアドバンスなので、もっとCS自体も増えて欲しいですね。
さて、アドバンス環境の目下最大の注目は、《伝説の禁断 ドキンダムX》+《インフェル星樹》を使った2種のデッキでしょう。
すなわち、【4cドラグナー】と【ガイアッシュ覇道】ですね。
このギミックは、ゲーム開始時に既に場にある禁断の封印を星樹でマナに置くことによって、2ブースト2ドローという破格のアドバンテージを獲得することが出来る、という如何にもアドバンスらしい豪快なものです。
そして星樹がドラゴンであるため、《メンデルスゾーン》+《ボルシャック・栄光・ルピア》という最強のブースト基盤に搭載が可能となっています。
つまりメンデルから入ると、3ターン目に2ブースト2ドローも可能。4ターン目に手札の減っていない状態で8マナに辿り着いているのです。
こうなるとアドバンスの顔である《最終龍覇 グレンモルト》や、8マナのフィニッシャーである《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》に行きつくのは必然というわけです。
ただし 【4cドラグナー】 については禁断不採用リストも結果を残しています。
実際、禁断が存在すると出せる赤いコマンドの枚数に制限が付きます。
またドラグナーについては《蒼き団長 ドギラゴン剣》や《時の法皇 ミラダンテXII》といった殿堂カードを山札から引っ張ってこれられるデッキでもあります。
「《インフェル星樹》による圧倒的なアドバンテージ」を採るか、「不要な負け筋の回避」「禁断落ちの回避」を採るか……。これはプレイヤーの選択が分かれるところでしょうか。
ちなみに4cの開発者であるところのマイケルは、禁断無しで使って結果を残しています。
またこのデッキはドラグハートなども含めてプレイの選択もかなり多く、トップレベルのプレイヤーでも使いこなすのは容易ではありません。その分、尋常ならざる対応力もあるのですが……。この暴れ馬を乗りこなしたとき、全国制覇が見えてくるのかも。
そういう意味では、練度や対応力に自信を持っている人は【4cドラグナー】を選択してくるのではないでしょうか。
なお【ガイアッシュ覇道】は上記の心配がない(禁断を剥がす赤いコマンドがほぼ採用されていない)ため、禁断+インフェル星樹の恩恵を最大限に享受することができますね。
古来より存在する王道のビッグマナデッキでもあり、プレイ難度もドラグナーに比べて低く、それでいて強力。恐らく人気銘柄になるでしょう。
これらに追い縋ることになるのは、【赤単我我我】【JO退化】などのアグロ系のデッキになるでしょうか。
《最終龍覇 ロージア》というトリガーの存在が大きく、両デッキともオリジナルほどの強力さはありませんが、かと言って時間が経過すればするほど強くなる両デッキに対してロングゲームを仕掛けるのもナンセンスな話です。
もっとも、各ゾーンが使えてデッキを動かしやすくなっているアドバンス、どんなも環境外デッキでも一定レベルの強さを持っています。
《とこしえの超人》などのメタカードも有効に働く対面は多いため、これらを使いやすい【5cモルト】や【アナカラーダークネス】といったデッキを選択する人も、一定数存在と見ています。
その他、デッキの数が少ないため「アンサーデッキ」を組むことも或いは出来るかもしれません。事前予想では上がらないデッキが活躍することも、充分にあり得ると思います。
神結のメタゲーム予想
環境トップのカードパワーが高く、構築には差異が出てもアーキタイプの種類自体は少なくなると予想しています。
その中で「ハイパワー+王道デッキ」ということもあり、【ガイアッシュ覇道】が最大母数でしょうか。
メンデル+栄光によるドラゴン縛りはあれど、その中では比較的カスタマイズ出来る方ではあり、構築に冠しては各プレイヤーの研究の成果が反映されるでしょう。
そこに続くのが【4cドラグナー】、【赤単我我我】、【JO退化】といったデッキたちでしょうか。特に最上位のプレイヤーたちがどこまでドラグナーを使いこなすのか、には注目してみたいですね。
その他、環境に合わせたコントロールデッキなども一定数存在すると見ています。
多い | 普通 | 少ない |
ガイアッシュ覇道 | 4cドラグナー | 5cモルト |
赤単我我我 | アナカラーダークネス | |
JO退化 |
個人的な注目プレイヤー
最後に、個人的に注目しているプレイヤーとガチまとめライターから参戦する2名の紹介をしておこうと思います。
YouTubeで活躍しているプレイヤーについてはご存じの方も多いでしょうから、今回はそちら以外でいこうと思います。
アーチー(ガチまとめライター)
「あちレポ!!」でお馴染みのガチまとめライター。
その「あちレポ!!」では毎週のメタゲーム予想と、それに対する振り返りを行っています。
長らく【アナ退化】を使用し、その名手であることに疑いはないですが、あちレポクイズを見る限り、様々なデッキの練度が高いことも窺えます。
本番の選択は果たして……?
♦ドラ焼き(ガチまとめライター)
こちらもお馴染み、ガチまとめライター。
ご存じ「暫定」2019年度DMPランキング1位。
遂にこの暫定という言葉も、この大会を後に消えることになります。積み重ねた実績通り、1位を死守することが出来るのか注目です。
ちなみに彼も強いデッキを強く使うタイプのプレイヤーだという認識です。
彼の思う「現環境最強」のデッキが恐らく見られるのではないでしょうか。
Runo
激戦区関東に於いて、ランキング施行以来埼玉県最終1位を獲り続けているとかいう、ヤバいことやってるプレイヤー。
全国大会2018では4位と惜しくもトップ3を逃しましたが、チェンジザで不利対面のジョーカーズをなぎ倒していく姿には感動を覚えました。
不利状況でも決して動じない精神力と、そこからの捲りプレイには注目。
年齢的にも私と大変近い(というか同じ)なので、個人的にも応援しております。
ランディー
関西最強プレイヤーの一人で、非常に高いカードゲームセンスを有しています。
こちらも全国大会は2回連続の出場。
最近は別TCGを始めており、そこでも早々に結果を残しました。彼のカードゲームセンスとスキルが窺えるエピソードです。
その分デュエマに関わる時間は減ったかもしれませんが……彼ほどの力を持っているプレイヤーなら、恐らくきっちり仕上げてくることでしょう。
NJ
北海道のプレイヤーで、エリア予選を突破し見事全国大会進出を果たしました。
私の知る限りでは恐らくオンラインのデュエマ大会に最も参加しているプレイヤーで、その活動範囲はデュエプレ・紙を問いません。
リモート大会にも出てますし、デュエプレ大会にも気付くと出てます。
個人的には取り組み方に非常に好感を持っているので、本大会での活躍にも期待したいですね。
おわりに
というわけで、今回は全国大会観戦ガイドでした。
6月12日、是非画面に張り付いてトップレベルのプレイヤーたちの戦いを楽しんでください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!