はじめに
遊戯王OCG環境では、1月にも新カードが登場し、環境はさらなる進化を遂げています。
12月からどのような変化があったか、今はどのようになっているのか、早速見ていきましょう!
2023年12月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
先月からのカードプールの変化
2024年1月からリミットレギュレーションの更新がありました。
《琰魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》が禁止カードになり、【センチュリオン】などの《赤き竜》から簡単に制圧することが難しくなりました。
また《EMERGENCY!》が制限カードに指定されたことで、【R-ACE】は相手の妨害の貫通やリソース管理などがしにくくなり、環境トップからは退く形となりました。
その他《ピュアリィ・マイフレンド》《ビッグウェルカム・ラビュリンス》《センサー万別》《群雄割拠》などの規制で、環境中堅組だった【ピュアリィ】【ラビュリンス】【神碑】も弱体化されました。
また《巌征竜-レドックス》《星杯の神子イヴ》《大嵐》が禁止カードから制限カードに緩和されたことも話題を呼びました。
1月27日には基本パック『LEGACY OF DESTRUCTION』が発売されました。
このパックでは《光の黄金櫃》を中心とした新規カード、新テーマ【天盃龍】や【蕾禍】、その他既存のテーマを強化するカードが収録されました。
その中でも元々環境上位だった【スネークアイ】【粛声】もこのパックで強化を受け、さらに強力なデッキとなりました。
Tier1
【炎王】Tier1
【炎王】は、破壊をトリガーに効果を発動していく、炎属性中心のデッキです。
《真炎王 ポニクス》を初動として《炎王の聖域》をサーチし、《炎王の孤島》をフィールドに置きます。
《炎王の孤島》の効果で《聖炎王 ガルドニクス》をサーチすることによって、《聖炎王 ガルドニクス》の特殊召喚効果が起動。
手札・デッキ・フィールドの中から獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスターを破壊できるため、《炎王神獣 キリン》《炎王獣 ガネーシャ》を破壊し、展開や妨害、リソース確保に繋げます。
破壊をトリガーとして途切れにくいリソースと妨害を作り続けるのが【炎王】の特徴です。
最近では「スネークアイ」モンスターを採用した構築が流行しています。
《スネークアイ・エクセル》を初動とした展開で《原罪宝-スネークアイ》に触れ、《真炎王 ポニクス》にアクセスすることにより「スネークアイ」「炎王」双方のギミックに触れることができ、展開もさらに強力なものになっています。
Tier2
【粛声】Tier2
【粛声】は、《粛声の祈り手ロー》を鍵とする儀式召喚テーマです。
《粛声の祈り手ロー》はデッキから「粛声」永続魔法・永続罠カードを表側表示で置く効果を持っているので、《粛声なる結界》を置くことで「粛声」カードのサーチへと繋げます。
《粛声の祈り手ロー》は戦士族・ドラゴン族で光属性の儀式モンスターを儀式召喚する際にこのモンスター1体で儀式召喚のリリースとできるので、《粛声の竜賢姫サフィラ》 《粛声なる祈り》 などを使い儀式召喚を行います。
儀式召喚先として特に強力なのが《粛声なる守護者ローガーディアン》です。
《粛声の祈り手ロー》をリリースされた時の効果でフィールドに特殊召喚しておくことで、《粛声なる守護者ローガーディアン》の妨害効果と《粛声なる結界》の強固な耐性効果を得ることができます。
「粛声」テーマ内などでのサーチ手段も豊富に用意されていて、《粛声なる守護者ローガーディアン》や《粛声なる結界》によるサーチで毎ターンのリソースも途切れにくくなっています。
【スネークアイ】Tier2
【スネークアイ】は、モンスターを永続魔法化することにより展開・妨害する炎属性中心のデッキです。
《スネークアイ・エクセル》《スネークアイ・オーク》は自身を含む表側表示のカード2枚を墓地に送ることでデッキから別の「スネークアイ」モンスターを特殊召喚できます。
これにより《蛇眼の炎龍》などを特殊召喚することにより展開につなげます。
《蛇眼の炎龍》は自分・相手のフィールドか墓地のモンスターを自分ターンに永続魔法化し、相手ターンに永続魔法化しているモンスターを自分フィールドに特殊召喚できます。
この効果により自分ターンに《I:Pマスカレーナ》などを自分の墓地から永続魔法化、相手ターンに特殊召喚し妨害とすることもできます。
また《蛇眼の炎龍》の墓地に送られた場合の蘇生効果も強力で、リンク値を伸ばして展開やリソース確保につなげることができます。
Tier3
【ラビュリンス】Tier3
【ラビュリンス】は、通常罠をサポートする効果を持つ「ラビュリンス」カードを駆使して罠で相手を妨害しつつ、高打点の「ラビュリンス」モンスターで攻めていくデッキです。
「ラビュリンス」モンスターの中でも特に強力なモンスターが《迷宮城の白銀姫》です。
《迷宮城の白銀姫》は特殊召喚方法の緩さ、破壊・対象耐性、通常罠をデッキからセットできる効果のどれも強力です。
特に通常罠をデッキからセットできる効果は優秀で、好きな通常罠カードにアクセスできるため、状況や相手のデッキに応じたカードを持ってくることができます。
《迷宮城の白銀姫》を含む「ラビュリンス」モンスターは《ウェルカム・ラビュリンス》《ビッグウェルカム・ラビュリンス》でリクルートもできます。
《ビッグウェルカム・ラビュリンス》には条件付きの妨害効果も備わっています。
「ラビュリンス」魔法・罠カードは《白銀の城の召使い アリアンナ》《白銀の城の火吹炉》《白銀の城の竜飾灯》などのテーマ内カードでアクセスも容易です。
【R-ACE】Tier3
【R-ACE】は、「R-ACE」カードとして扱う魔法・罠カードをサポートとして駆使して戦うテーマです。
《R-ACEタービュランス》が起動効果で「R-ACE」魔法・罠カードをフィールドに4枚もセットできるという、とても豪快かつ強力な効果を持っています。
この《R-ACEタービュランス》の効果で伏せられるカードも、墓地から「R-ACE」モンスターの手札回収や蘇生などのリソース回収、モンスター効果無効や破壊などの妨害、とこちらも強力なカードとなっています。
この《R-ACEタービュランス》にアクセスするための手段も豊富に用意されています。
「R-ACE」モンスターをサーチする《R-ACEハイドラント》。
「R-ACE」モンスターをデッキから特殊召喚し、使い方によっては相手の妨害を避けることもできる《EMERGENCY!》。
そして《EMERGENCY!》などをサーチする《R-ACEエアホイスター》、《R-ACEハイドラント》に触ることのできる「罪宝」ギミックなど。
《R-ACEタービュランス》に繋げるカードには事欠きません。
【R-ACE】は《R-ACEタービュランス》を通したことによって構えられたリソースと妨害でアドバンテージに差をつけて戦うデッキとなっています。
環境のまとめと今後の展望
1月のOCG環境は、【炎王】が環境トップの筆頭候補となっています。
【粛声】も新規カード《粛声なる祝福》の登場や、研究が進んだことによりTierを上げ、【炎王】に迫る勢いです。
【スネークアイ】も新弾「LEGACY OF DESTRUCTION」によって更なる強化を受けているので注目です。
また【ふわんだりぃず】などが採用する《ディメンション・アトラクター》《次元の裂け目》などの除外による【炎王】のメタもありましたが、【ふわんだりぃず】などのデッキパワーが環境上位に及ばないことも多く勝ちきれない印象です。
今期は【炎王】【粛声】がTier上位となり、それらを中心としたメタゲームとなりそうです。
おわりに
遊戯王OCGの1月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは2月の環境解説記事でまたお会いしましょう!