こんにちは。北白河と申します。会社からトイレットペーパーがなくなりつつある今日このごろ、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを不定期(週三回くらい更新できたらいいな)で毎日1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、おなかいたいのをこらえながらやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。
《邪魂転生》
【 呪文 】
【文明】闇
【コスト】3
■S・トリガー
■バトルゾーンにある自分のクリーチャーを好きな数選び、自分の墓地に置く。その後、そのクリーチャー1体につき2枚カードを引く。
邪魂~転生編~
2003年のDM-06初出の呪文ですね。クリーチャーをドローに変換する、いかにも闇文明らしい呪文です。「自分のクリーチャーを破壊する」という効果の中でもこれだけ軽く小回りが利くのは当時としては珍しく、《青銅の鎧》などの使い終わったcip(出た時効果の俗称。comes into playの略)持ちや《飛行男》などのpig(破壊されたときの効果の俗称。put into a graveyardの略)持ちを自分から破壊してアドを取るのが主なお仕事でした。
好きな数選んで破壊できるのも魅力で、序盤に1体だけ破壊して《エナジー・ライト》として2ドローしたり、終盤に大量ドローを狙ったりといつ引いてもうれしい、デッキとの縁の下の力持ちといった役割でしょうか。
シンプルながら効果は強力で、《邪魂創生》という派生カードが比較的後に出たことからもその汎用性が伺えます。とはいえしょせんただのノンフォイルのレアカード。一回の再録を挟みましたが、そのままインフレの波に忘れ去られていく……はずでした。
2020年3月初頭、《邪魂転生》暴騰。
豪華ゲストを交えての解説
さて、ここで《邪魂転生》のテキストを読んでみてください。
「バトルゾーンにある自分のクリーチャーを好きな数選び、自分の墓地に置く。その後、そのクリーチャー1体につき2枚カードを引く。 」
さて国語の問題です。「そのクリーチャー」は、どのクリーチャーを指すでしょうか?答えは「『自分のクリーチャーを好きな数選び』の際に選ばれたクリーチャー」でした。はい。実際に墓地に置いたかは関係ないんですね。要するに、破壊耐性持ちを選んだ場合もドローは成立するということです。
というわけでゲストとして破壊耐性の専門家の《ナゾの光・リリアング》さんをスタジオにお呼びいたしました。早速ですが、手札から呪文を使っていただきましょう。ほほう、《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》ですか。GR召喚で《補充 CL-20》が出まして、追加の呪文が今回の目玉《邪魂転生》です。対象は《ナゾの光・リリアング》《補充 CL-20》の2体。破壊の際に 《ナゾの光・リリアング》はエスケープでシールドを手札に加えて生き残ります。で、4ドロー。《ナゾの光・リリアング》さん、ありがとうございました。
最速2ターン目に成立するこの状況。この過程で使った手札は《ナゾの光・リリアング》《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》《邪魂転生》の3枚。最終的に手札に加わったカードは《邪魂転生》の4ドローに、エスケープでシールドから加えた1枚と《補充 CL-20》のpigで1ドローの合計6枚です。差し引き3枚手札が増えて、盤面にクリーチャーが残っています。これはかの《アストラル・リーフ》に相当するアドバンテージであり、運が良ければ《銀河の裁きに勝てるもの無し》の連鎖なども誘発する強いドロー機構となってくれます。
メンタルを病むと邪魂転生が値上がる
さて《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を使って手札を大量に要求するデッキと言えば、ご存知【青白スコーラー】です。とにかく呪文を使って山札を掘りまくることを要求されるこのデッキにとって、《邪魂転生》はまさに打ってつけのパーツだったわけですね。
この機構を搭載した青白黒というカラーリングの【スコーラー】は考案者の名付けから「メンヘラリリアング」「メンヘラスコーラー」などと呼ばれており、停滞気味であった【スコーラー】界隈の新星として人気が集中、結果として各所から在庫がなくなり大暴騰、という現在があるわけです。
「破壊しようとすると暴れて盾を壊し、しかも居座る」みたいなイメージからくるネーミングであるとは思うんですが、まあその。どう考えても子供向けのTCGのデッキに付けるネーミングではないと思います。わかりやすいけどさあ!
というわけで、《邪魂転生》でした。メンタルをやられたときは早めに心療内科へ行きましょう。前職の時のきたしーみたいに大変なことになりますよ。それでは、次の記事で。
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